【くわしい解説付き】分かりやすい文章を通して敬語の正しい使い方を覚える!敬語の演習問題集

 以前の記事では敬語の基礎について説明しましたが、今回は演習問題を通してその復習をしていきます。まちがえた問題やよく分からなかった問題は解説を読んで、次はまちがえないように解き直してみましょう。

問題編

敬語動詞の基礎

 次の敬語動詞の種類を答え、指定された形に直してください。

  1. おっしゃる(謙譲語に)
  2. いたす(丁寧語に)
  3. 見える(謙譲語に)
  4. さし上げる(尊敬語に)
  5. お目にかかる(丁寧語に)
  6. ご覧に入れる(丁寧語に)
  7. 食べます(尊敬語に)
  8. 拝聴する(丁寧語に)

敬語の種類

次の文章のうち、下線部が引かれている敬語の種類(尊敬語・謙譲語・丁寧語)を答えてください。ただし、敬語でないものも含んでいます。

  1. 先生は何時ごろにいらっしゃいますか。
  2. 先ほど申し上げた通り、そのことについては存じておりません。
  3. 校長先生があいさつに来られた
  4. わたしが行きます
  5. 水をくんできてくれませんか?
  6. 先生の話はよく聞きなさい。
  7. 先生におこられてしまいました。
  8. そのことについては明日ご説明します
  9. 先生の絵はつい先ほど拝見しました
  10. ご心配くださってありがとうございます。

敬語への変換

 下線部のことばを文章に合うように敬語に直してください。敬語動詞がある動詞については敬語動詞を使った形にしてください。

  1. 先生が言ったことは本当のことだ。
  2. あなたのお母さんはさっきここに来たよ。
  3. おじいさんからお年玉をもらった
  4. 大臣、私はそのようには思いません
  5. 今月でやめる田中さんにプレゼントを与えた
  6. のちほど部下の山田が行きます

まちがった敬語

 以下の文章には使い方のまちがえた敬語が1つずつふくまれています。そのあやまりを正しい敬語に直してください。また、どのようにまちがえているのかも答えてください。

例:昨日、先生は何と申し上げていましたか?
 答:「申し上げて」→「おっしゃって」(尊敬語を使うべきところで謙譲語になっている。)

  1. ここに山田さまはおりますか?
  2. この資料は金曜までに拝読してください。
  3. あなたの母はいつごろいらっしゃいますか?
  4. 校長先生がご説明したことをよく覚えておくように。
  5. 来週の水曜日に会社までお伺いいただけますか?
  6. 先月から美術館で展示されているゴッホの絵はもうお目にかかりましたか?
  7. 社長、そんなことはご承知の上で申し上げております。

敬語のまとめ

 以下の文章はA社の石田さんとB社の山本さんの会話です。この中の下線部のうち、正しく敬語表現を使えていないものが合わせて2つあるので、正しい敬語に直してください。また、空欄の動詞をただしい敬語に直してください。

石田「山本さま、本日はご足労くださりありがとうございます。」

山本「こちらこそありがとうございます。こちら、先日申し上げた当社の商品でございます。」

石田「ありがとうございます。拝見します。」

山本「どうぞゆっくりご覧になってください。」

石田「ありがとうございます。そういえば、当社の社長が山本さまにぜひお会いしたいおっしゃっていました。ただ今外出中ですが、もう少しで帰ってきますので少々( 待ってて )。コーヒーをいただきますか?」

山本「本当ですか。ではお待ちいたします。コーヒーもありがとうございます。ちょうだいします。」

解答・解説編

敬語動詞の基礎

 まずは敬語動詞の基礎からです。敬語動詞は敬語の分野でもっともよく出るところですから、しっかり覚えるようにしましょう。敬語動詞について自信のない人はこの一覧を見直してみてください。

  1. 「おっしゃる」は「言う」の尊敬語です。謙譲語に直すと「申す」や「申し上げる」になります。使われることも多い敬語動詞なので確実に覚えましょう。
  2. 「いたす」は「する」の謙譲語の形です。なので、丁寧語に直すと「します」になります。ちなみに、「する」の尊敬語は「なさる」になります。
  3. 少しむずかしかったかもしれませんが、敬語動詞の「見える」は「来る」の尊敬語の形です。謙譲語に直すと「参る」になります。「来る」の尊敬語には他に「いらっしゃる」や「おこしになる」、「おいでになる」などもあります。
    また、「見る」の活用形(可能などを表す)の「見える」と区別できるようにしましょう。
  4. 「さし上げる」は「与える」や「くれる」という意味を表す謙譲語です。尊敬語は「くださる」になります。
  5. 「お目にかかる」は「会う」の謙譲語で、丁寧語では「会います」となります。「会う」に尊敬語の敬語動詞はないので、尊敬語を表すときは「お会いになる」「会われる」などと表現します。
  6. 「ご覧に入れる」は「見せる」の謙譲語です。丁寧語では「見せます」となります。「見せる」の謙譲語には他に「お目にかける」があります。
  7. 「食べます」は「食べる」の丁寧語の形です。尊敬語に直すと「召し上がる」「召す」になります。ちなみに謙譲語は「いただく」です。みなさんもふだん、何気なく使っている敬語の一つではないでしょうか。
  8. 「拝聴する」は「聞く」の謙譲語です。丁寧語に直すと「聞きます」となります。「聞く」に尊敬語の敬語動詞はないので、「お聞きになる」などと表します。また、「聞く」には他に「うかがう」「承る」といった謙譲語もあります。

敬語の種類

 続いては敬語の種類を考える問題です。こういう形の問題も出ることがあります。それぞれが似た形もあるので注意するようにしましょう。尊敬語と謙譲語については、動作の主体が誰であることを考えることも大きなヒントになります。敬語の形についてはこちらも参考にしてください。

  1. ここでの「いらっしゃい」は元の形に直すと「いらっしゃる」になります。つまり「来る」の尊敬語です。
  2. 「申し上げた」は「言う」の謙譲語です。また「存じて」はここでは「知る」という意味の謙譲語になります。
  3. この下線部中の「られ」は、尊敬を表す助動詞「れる・られる」です。主語が「校長先生」という尊敬の対象であることに注目してください。つまり、これは尊敬語になります。
  4. 動詞に「~ます」が付いたのは丁寧語です。
  5. 接頭語の「お」には尊敬語を表すものと丁寧語を表すものがありますが、ここでは単に言葉づかいを丁寧にしているだけなので丁寧語です。
  6. これは一つ前の問題とちがい、尊敬語の「お」になります。「お話」という動作を行っているのが「先生」という尊敬の対象であることから判断しましょう。
  7. この助動詞「られる」は尊敬を表しているのではなく、受け身の形であることを示しています。「おこられ」たのは「先生」ではなく自分なので、敬語を使う事はしません。Cとのちがいに注意しましょう。
  8. 「ご~する」は謙譲語の形です。
  9. 「拝見する」は「見る」の謙譲語です。
  10. 「ご~くださる・なさる」は尊敬語を示す形です。Hの形とまちがえないように気を付けましょう。

敬語への変換

 ふつうの動詞を敬語に直す問題です。敬語動詞を正しく使えるかどうかにも注意できたでしょうか。このような問題は敬語動詞を覚えられているかどうかのチェックにも役立ちます。尊敬語と謙譲語の使い方についてはこちらの章を復習しましょう。

  1. 正解は「おっしゃった」です。「言う」という動作の主体(主語)は「先生」なので尊敬語になります。
  2. 正解は「いらっしゃった」です。動作の主体(主語)は「あなたのお母さん」なので、尊敬語を使うのが正解になります。
  3. 「いただいた」が正解です。動作の主体(主語)は「おじいさん」ではないかと思うかもしれませんが、「もらった」のは自分なので、「おじいさん」に敬意を表すためには謙譲語を使うのが正しい敬語です。
  4. 「存じません」「存じ上げません」が正解です。「思う」という動作の主体(主語)は「私」なので、「大臣」に敬意を表すために謙譲語を使いましょう。
  5. 「与えた」という動作の主体(主語)は自分なので、謙譲語を使った「さし上げた」が正解になります。
  6. 正解は「参ります」「伺います」です。動作の主体(主語)である「部下の山田」は自分の側(身内)の人なので、話している相手に敬意を表すためには謙譲語を用いるのが正解になります。

まちがった敬語

 まちがった使い方をしている敬語を正しく直す問題です。前の問題と同じように、尊敬語と謙譲語の使い方の区別をしっかりできるかどうかチェックしてみましょう。

 このような問題を解くためには、まずは敬語が使われている動詞をふつうの動詞や丁寧語の動詞に直し(地の文に直したうえで)、それが自分の動作なのか、それとも相手の動作なのかを考えてみるのもいいかもしれません。

  1. 敬意の対象・動作の主体(主語)は「山田さま」なので、尊敬語を使うべき文章です。「おりますか」は謙譲語になっているので、「いる」の尊敬語「いらっしゃいますか」などと直すようにしましょう。
  2. 「拝読する」は「読む」の謙譲語です。動詞の部分を丁寧語に直すと「読んでください」となりますが、ここで「読む」の主体(主語)は話している相手なので、尊敬語を使うべき文章です。つまり、「拝読してください」を「お読みください」という尊敬語に直すのが正解となります。
  3. 動詞では「いらっしゃる」という尊敬語が使われているのに「母」という普通の名詞が使われているのはおかしいので、「あなたの母」を「あなたのお母さま」や「あなたのお母さん」と直すのが正解です。
  4. 動作の主体(主語)である「校長先生」に敬意を表すためには「説明する」という動詞に尊敬語を使うべきです。「ご説明した」は謙譲語なので、尊敬語である「ご説明なさった」に直すのが良いでしょう。
  5. この文章は相手に問いかけるような内容なので、話し相手に敬意を表すことが必要です。「お伺いいただく」は謙譲語ですが、この場合は動作の主体(主語)が話し相手なので尊敬語である「お越しいただけますか」とするのが正解です。
  6. この文章には2つの誤りがふくまれています。まず、これは相手に問いかける文章なので、話し相手の動作に敬意を表すためには尊敬語を使うことが必要です。そのため、「お目にかかる」という謙譲語の表現を使うのはまちがいです。次に、「お目にかかる」は「会う」という動詞の敬語表現であり、「ゴッホの絵」に使う動詞はもちろん「見る」なので、意味の上でもおかしい表現です。正解は「ゴッホの絵はもうご覧になりましたか?」になります。
  7. 社長に話している文章で、自分の動作について相手に敬意を表すためには謙譲語の表現を使う必要があります。そのため「申し上げて」のような謙譲語が使われています。「ご承知」は「知る」の尊敬語の表現なので、自分の動作を表すときにはあやまりです。「存じ上げた上で」や「存じた上で」のようにするのが正解です。

①まちがった敬語の解説(筆者作成、転載は記事名を明記の上で許可)

敬語のまとめ

 これも上の問題と同じように、「その動作が誰のものなのか」ということを考えるようにしましょう。このように、他の会社の人と話すときは敬語表現を使うことが多くなっています。

 まちがっているのは石田さんの最後のせりふのうち、「おっしゃっていました」と「いただきますか」です。他の会社の人と話すとき、社長など目上の人であっても自分の会社の人に尊敬語は使わず、動作に対しては謙譲語を用います(ちなみに、名前を呼ぶときは「さん」などを付けずに呼び捨てにします)。そのため、謙譲語である「申し上げていました」に直すのが正解です。また、コーヒーを「飲む」のは話し相手の山本さんなので、謙譲語ではなく尊敬語を使います。そのため、正解は「召し上がりますか」などです。

 同じように、空欄の動詞「待つ」は山本さんの動作です。そのため尊敬語にして「お待ちください」などの表現を入れるのが良いでしょう。

②「敬語のまとめ」の解説(筆者作成、転載は記事名を明記の上で許可)

おわりに

 どれくらい解けたでしょうか。基本的な問題から少しむずかしい問題まであったと思いますが、自信がなかった問題については前回の記事や解説をしっかり読み、解き直すようにしましょう。また、敬語動詞についてはこの穴埋めなども使ってみてください。

 敬語の問題は中学受験でよく出るわけではありませんが、これからの人生で必ず使う機会が来ます。敬語の使い方をまちがえると相手を不快な気持ちにさせてしまうことがあるかもしれません。だからこそ、まちがった敬語を覚えないように今のうちから敬語について正しい知識を付けるようにしておくことが大切です。

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参考

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初めまして。髙橋利弥と言います。 武蔵中・高校から一年浪人を経て今年東京大学文科三類に入学しました。中高時代はサッカー部に所属し、高校では主将を務めていました。現在は体育会サッカー部のスタッフとして主にプレー分析などを担当しています。趣味は音楽を聴くことで、[ALEXANDROS]などの日本のバンドのほか、QUEENも好きです。ボヘミアン・ラプソディーは浪人していたにも関わらず公開直後に観に行ってしまいました。また、ライブに行くのも大好きです。高校時代は部活で忙しくてあまり行けず浪人の時も我慢していましたが、大学に入ったからには行きまくりたいと思います。今ハマっていることはハリウッド版のGODZILLAシリーズです。オリジナルのゴジラは見たことがないのですが、興味がわいてきて見てみたいと思っています。最後に、自分は昔から文章を書くことが好きでこうやってライターとして仕事ができることがとても嬉しいです。まだまだヘタクソですが、これから経験を積んで成長していきたいです。 よろしくお願いします。