書き抜き問題攻略のコツ!記述はルールを守れば怖くない

普段から国語を勉強していると良く出てくるのが「書き抜き問題」です。入試問題でも、設問の答えとなる部分を問題文の中から抜き出すという「書き抜き問題」が出題されることは多いですし、模試でもよく出題されますよね。

書き抜き問題は、本来、設問に該当する部分を問題文から探してきて、そのまま抜き出すものですから、簡単そうに思えるかもしれません。ですが、受験生を見ていると、書き抜き問題で苦戦している生徒さんは少なくないのが現状です。模試の答案を見て、書き抜き問題で落としているということも多いのではないでしょうか。

書き抜き問題にもいろいろなタイプがあり、すべて抜きだすもの、段落で答えさせるもの、最初の5文字と最後の5文字を書き抜く、などがあります。また、設問で〇字(以内)で答えなさい、というようにヒントを出してくれる親切な問題もあります。

それでも間違えやすい書き抜き問題。配点が高いこともあるので、確実に得点できるようにしたいですよね。では、どのようにすれば書き抜き問題を攻略できるのでしょうか。今回は、やってしまいがちなミスとその原因、克服法について解説します。ぜひ得点源にして行きましょう。

まずはルールを知ろう

書き抜き問題を攻略するためには、まず書き抜き問題がどういう問題であるのか、そして守らなければならないルールを意識する必要があります。

書き抜き問題は、たとえば指示語がさしている内容を問題文から抜き出すものや、問題文の中に傍線が引かれていて、その傍線の内容と同じことを書いているところを抜き出す者や原因や理由が書かれている部分を抜き出すものなどが代表的です。

そして、解答方法ですが、解答が比較的短いものについては該当する部分を全部書き抜きます。解答部分が長い場合は「最初の〇文字と最後の〇文字を書き抜きなさい」と言うように指定があり、該当する部分の一部だけを書き抜く、と言ったものが多いです。

模試ではよく書き抜き問題が出題されますが、お子さんの正答率は如何でしょうか。大人からすると「ここに書いてあるじゃない」と思えるものであっても、お子さんにとっては長い文章の中からちょうどよいものを書き抜くのはそう簡単なものではありません。つまり、書き抜き問題は「差がつく」問題のひとつでもあるのです。模試の結果を見ても意外と正答率が低いことが多いのも書き抜き問題の特徴です。

特に、学年が上がってくるにつれて国語の問題文は長くなりますし、傍線部について解答する場合も、正解が含まれている部分が傍線部の近くにあるとは限らず、文章の最初に出てきていたり、文章を最後まで読まないと分からないものなど、問題文全体を見ないとうまく書きぬくことができない問題が増えてきます。そういったものは正答率が非常に低いです。つまり、時間内に答えをことができないわけですね。

保護者の方からすると書き抜き問題は答えがばっちり問題文中に書かれているので簡単に解けそう、と思うかもしれませんが、そう簡単ではないのです。また、書き抜き問題のお作法、つまりルールをわかっていないがゆえの不正解も少なくありません。そのため、まずは書き抜き問題のルールをしっかり理解しておくことが攻略の第一歩となるのです。

書き抜き問題でやってしまいがちなミス

書き抜き問題のルールをしっかり理解していないと、さまざまなミスをやってしまいがちです。中にはミスどころか根本的に間違っていることも少なくありません。では、書き抜き問題でやってしまいがちなミスにはどのようなものがあるのでしょうか。いくつかの典型パターンを挙げて見ましょう。

単純な書き抜きミス

これは基本中の基本にして、一番多いミスのパターンです。書き抜き問題の場合、一字一句違うことを書くと不正解になってしまうのですが、それに対する意識の低さが不正解を招くことは非常に多いです。

たとえば、「しっかりと勉強する」と問題文にあり、それが正解だったとしましょう。ですが、よく確認しないと「しっかり勉強する」と書き抜き、「しっかりと」の「と」を抜かしてしまうというパターンはよくあります。また、該当部分に含まれる句読点を書き忘れるのもよくやってしまいがちなミスです。そのほかにも、設問で最後の句読点は含まない、と注意書きがあるにもかかわらず入れてしまって不正解になる、ということもありますし、そもそも句点がないにもかかわらずご丁寧に句点をつけてしまうというパターンもあります。

こういった単純な書き間違いのミスは非常に多いのですが、特に解答欄にマス目がなく、枠だけの解答欄に解答を書く問題で頻発します。マス目があると「一文字足りない」と言った意識が働くものですが、枠だけの解答欄の場合は字数に対する意識が緩んでしまうのです。正確に書きぬくためには、普段の学習から、書き抜いたら問題文に戻って確認すると言ったひと手間をおろそかにしないことが大切です。

一文を最初から抜き出せない

書き抜き問題の場合、「一文を書き抜きなさい」と設問に指示があるにもかかわらず、一文の途中から書き出してしまったり、最後の句点を抜かしてしまったり、と言ったミスがよくあります。一文を書き抜く場合は、文の最初のことばから書いて最後の句点まで入れるのが基本です。最後の句点はいりません、と指示がある場合を抜かしてはこれが基本スタイルです。

これは短い文を書き抜く場合や、長文の最初と最後を抜き出すときに多く発生するミスですが、「一文」と言うとどこからどこまでを指すのか、と言う文の基本自体が理解できていないことが要因です。

こういうミスをしてしまうお子さんは、問題文を読むときも文をひと固まりとして理解することができず、段落の中の中心文を見つけることも難しいことがあります。文章の読み方そのものをもう一度確認し直す必要があるでしょう。

字数を余らせすぎる

書き抜き問題で多いのが「〇文字以内で答えなさい」という問題です。たとえば、20文字で書き抜きなさい、という問題があったとしましょう。では、何字なら正解なのでしょうか。

字数の指定がある場合、字数制限は5文字きざみ、つまり10、15、20、25・・・ときざまれていることが多いです。このルールを知っていないと、必要以上に空欄を余らせてしまうことになりかねません。5文字きざみということは、余らせていいのは4文字まで、という感覚を持っていないと不正解から抜け出せません。

20文字で言えば、15文字以下だったとすればまず間違っている、という意識を持つことが正答率を上げることにつながります。もし5文字以上余っている場合は、書き抜く場所をそもそも間違えている、あるいは書き始めや書き終わりが間違っていると考えましょう。

解答の条件を無視

「該当する〇文字以内の部分を書き抜きなさい」という問題の場合に起こりやすいミスがあります。それは、はじめと終わりの数文字を書き抜く場合に良く起こります。最初と最後の部分を書きぬくことだけに集中してしまい、そもそも設問に書かれている「〇文字」と言う指定条件を無視して、正解とは異なる部分を一生懸命探し、条件に外れた形で答えてしまうというものです。

「〇文字以内の該当箇所」という設問の条件は、正解部分を探すためのヒントですよね。いわば親切で入れてくれているわけです。ですから、設問の条件は使い切る、という意識を持つ必要があります。自分がここだ、と思った場所の文字数を必ず数えてください。そして、〇文字という条件に合っているかどうか確認するのです。

条件となる〇文字の文字数が多い場合、一文字ずつ数えていると途中で何文字だったかわからなくなることがあるので、10文字数えたら文に斜め線を入れるなどして、合計の字数が数えやすいようにする工夫も必要です。

名詞が答えなのに対応していない品詞を抜き出す

文章読解や記述では、「こと~こと」「~だから」といったように、文の終わらせ方に関していくつかのルールがありますよね。書き抜き問題にも同じようなルールがあります。そこで問題になるのは「品詞」です。品詞は中学校で本格的に学ぶので細かいところまで知っている必要はありませんが、名詞や動詞や知っておいた方が良いでしょう。特に名詞は、書き抜き問題で非常によく出題されます。設問としては、「筆者が具体例として挙げているものは何ですか」という形が多いです。

「具体例として挙げているもの」とあるわけですから、「もの」つまり名詞で答えなければいけないわけです。しかし、「~です」というような間違いは少なくありませんし、動詞で終わらせてしまう受験生は後を絶ちません。

原因としては、設問をよく読んでいないことが考えられます。何について聞かれているのか、設問が求めているのが名詞なのか、それとも違う品詞なのか、ということを瞬時に判断しなければなりません。その上で品詞を対応させる必要があります。もし書き抜き問題で点数が取れていない場合は、この品詞問題に直面している可能性があります。設問をしっかり読むことは解答するために必須ですから、ていねいに読むことを徹底しましょう。」

適切な場所を抜き出せない

これはもはやミスと言うよりは完全な「間違い」です。たとえば、「はじめと終わりの〇文字を書き抜きなさい」という設問に対して、該当箇所自体の検討は就いていたのに、書き抜きや、書き終わりを間違えてしまうことがあります。書き抜き問題の場合、部分点はないので、一部あっていたとしても0点になってしまいます。これも設問をしっかり読まず、条件を間違えていることが要因のひとつとして考えられます。

また、こういう適切な場所を書き抜けないことについては、「ことばのまとまりとしておかしい」という判断ができずに、書き抜きがうまくいっていないケースも少なくありません。たとえば、「お母さんはきっと悲しんでいたはずだと私は思った」と問題文中にあったとしましょう。そして、設問は「私が、お母さんがどのような気持ちだったと推測したのか書き抜きなさい」というものだったとします。この場合、答えは「悲しんでいた」「悲しかった」ですよね。しかし、問題文中に「きっと」とついているため、「きっと悲しかった」としてしまう受験生は少なくありません。

「どのように推測したのか」という部分が「きっと」にあたるのであって、設問で聞かれているのはお母さんの心情です。ですから、「悲しかった」と端的に書かなければいけないのに、設問をよく読まずに余計な一言を入れてしまったがために内容は合っているのに不正解になることが多いのです。

反対に、書かなければいけないことを省いてしまい、不正解になることもあります。たとえば、「パンをみんなで分け合って食べた」と書きぬかなければならないのに、「みんなで分け合って食べた」だけを書き抜き、「パンを」という重要部分をカットしてしまう、といったケースです。

設問で聞かれていることは何なのか、どこからどこまでが答えにあたるのか、ということをきちんと理解していないことが原因となり、このようなミスは頻発します。

書き抜き問題には様々なルールがありますが、それを正確に理解していなかったり設問をよく読んでいなかったりすることによって書き抜き問題でミスしてしまうことは非常に多いです。特に受験勉強をはじめた4年生に頻発しますが、対策としてはまずは書き抜き問題のお作法をしっかり理解することが大切です。

また、5年生、6年生と学年が上がるにつれて、設問が長くなり込み入ってきます。ルールを理解していても時間に追われて設問を読み飛ばしてしまうことが増えてしまいます。設問をよく読まないと絶対に正解することはできません。ぜひ意識してくださいね。

読む力が書き抜き問題の正答率を上げる

書き抜き問題で間違えないためには、ルールを理解してミスを減らす以外にも、解答にあたる部分を問題文から素早く見つける力を養うことがとても大切です。受験生の中には、書き抜き問題を解くときに、「だいたいこのあたり」と、答えになりそうな部分、という非常にアバウトな解き方をしている方も少なくありません。しかし、考えてみてください。正解はひとつしかないわけですから、ピンポイントで該当する部分を抜き出さなければ正解にはならないのです。ましてやアバウトにとらえてしまっていては、解答にあたる部分の文の構成、文脈をきちんと確認しないので、読解そのものがうまくいっていないケースも多いです。

見当違いのところを答えたり、目の付け所は合っていても書き抜くべき場所が正しくない、設問と合っていない、余分な語句がついていたり必要な部分をカットしてしまったりするといったケースは枚挙にいとまがありません。

たとえば、説明的文章の書き抜き問題の場合、問題文の要旨や段落の要点にあたる部分を書き抜く、という問題が良く出題されます。筆者の意見がどこに書いているか、具体例はどこに書かれているか、結局筆者は何が言いたいのか、と言ったように、問題文の構成、文脈をしっかり把握することが設問を解く第一歩です。

つまり、書き抜き問題で正解するためには「読む力」が不可欠なのです。書き抜き問題が得意な受験生の場合、文章を正確にすばやく読み進む力、つまり読む力がしっかり身についています。問題文を読んだときにどこに何が書かれているかを瞬時に読み取り、問題文の上の部分にメモするなど、文章を読む際に必要なことができています。そのため、設問に取り組むときに問題文にヒントが残っているので、すばやく正解を見つけ出すことができるのです。ムダもなく、速く的確に正解することができます。

問題文を読む際には、理解できたところ、おもしろいと感じたところが印象に残るものですよね。しかし、文章を読むのが苦手な生徒さんの場合、理解できる部分が少なく、筆者の考えを読み取ることができずに問題文の読み方がスカスカで読み終わっても何も残っていない、ということがあります。よく「今回の文章は感情移入できなかった」という生徒さんがいますが、どのような文章であったとしても正しい読み方ができているなら、そのような主観はそもそも入るはずがありません。

読む力が備わっている生徒さんは、スカスカの状態ではなく、問題文を一読した段階でどこに何が書いてあるか把握できます。この差は、やはり普段の勉強の中でどれだけ真剣に問題文を読んでいるか、にかかっています。読む経験を積むことが書き抜き問題の正答率を上げます。学年が上がるにつれて読書をする時間はなかなか取れないでしょうが、それでしたらテキストの文章を読む際に解法に基づいて正確に速く読む訓練をすることをおすすめします。

書き抜き問題は読解と記述の基本

受験勉強に追われていると、「こんな問題解いて何の意味があるの?」とおっしゃる受験生の方も少なくありません。志望校合格を目指すにあたって、中学受験の勉強は3年という長丁場ですから、楽しいときも辛いときもあるでしょう。特に書き抜き問題の場合、「問題文に書かれていることを書き抜くだけでしょ?」と軽視する傾向が保護者の方にも見られます。

しかし、書き抜き問題は記述の一形態であると同時に、問題文をいかに早く正確に読み解くことができるか測るのにうってつけの問題です。特に正確さを図るためには欠かせない問題だと言えるでしょう。

入試の国語は主観を排し、「筆者がこの文章を通して読者に何を伝えたいのか」ということを客観的にとらえる力を求めています。これこそが「国語力」というものです。文章の内容を客観的にとらえるためには、文章を精読し、語句と語句のつながりなど、文章の構成を理解して、1文ごとの内容を正しく把握する、という何段階もの作業が必要になります。例えば説明的文章の場合、問題提起の部分、具体例を述べている部分、筆者の意見を述べている部分、反対意見を述べている部分、結論部分など、段落ごとの役割を意識して読むことが求められます。

できるだけ多くの文章を読むこと、そして書き抜き問題に取り組むことによって文章を客観的に読む力が磨かれます。すると、正確に、しかも速く内容を把握することができます。さまざまな文章や問題に触れることによって、記述問題に答えるためのルールも理解することができます。

いわゆる記述問題は、限られた文字数で、設問で聞かれていることをまとめる力がっ求められます。小学生は非常に頭の柔軟性が高いので、吸収する力も高いです。この時期にさまざまな文章読解をすることで、記述の基本的なことを学ぶことができるのです。

中学受験の勉強をしていると、「国語の成績がなかなか上がらなくて困っている」というご家庭は少なくありません。しかし、良質な問題文をたくさん読み、設問一つひとつを丁寧に解いていくことで克服できます。成績がなかなか上がらないと焦って解こうとしてかえって成績が下がってしまうことがあるかもしれませんが、一度落ち着いて振り返り、自分の文章の読み方や、設問に対する姿勢を見直してみませんか?

入試=中学校の第1回授業

中学入試はで出題される問題は、中学校が「こういう生徒に入学してほしい」というアドミッションポリシーが込められています。つまり、受験生に対するメッセージなんですね。

入試問題は、無事合格し、入学したら実際に教わる先生がつくっています。いわば、その先生による第1回の中学校での授業を受けている、それが中学入試だと言えるでしょう。中学校側の入試を行う意図としては、これからさらに学びの世界へ飛び込んでいく受験生への思いを込め、それを受け止めてほしいというものです。

国語の入試問題は、数ある物語文や説明文、論説文をはじめとする各文種の中から選びに選び抜いた文章を出題し、設問で「この文章の内容や筆者が言いたいことをあなたは読み取ることができますか?」ということを聞くものです。「こういう作品を読んで内容が理解できてほしい」「この文書の筆者の考え方を参考に、おもしろがってほしい」など、さまざまなメッセいーじが込められているのです。

書き抜き問題を含む記述問題は、「学校側と受験生の対話」だとも言えるでしょう。以前、入試担当の先生が、「受験生が文章をどのように読み取り、どう考えて自分なりにまとめて表現しているか、そのプロセスを採点では重視しています。だから部分点も積極的に与えます」とおっしゃっていたことがありました。入試で出題される文章の質は非常に高いです。そうした文章に出会い、自分なりに設問を解釈し、解答用紙に表現することによって採点者である中学校の先生と対話する、それが記述問題の本質です。

入試に合否はどうしても存在します。ですが、入試問題はできる子、できない子を単に振り分け、優秀(そうな)生徒を入学させるためだけの無味乾燥なものではありません。受験勉強では毎日やることが多く、作業に陥ってしまうことも少なくありませんが、本来入試は学校側のメッセージに答える、とシンプルに考えると、一つひとつの問題の意味が見えてきます

書き抜き問題ひとつとってみても、正確に読んでくださいね、正確に見つけてくださいね、という問題のメッセージをしっかり読み取り、一つひとつ丁寧に解いていきましょう。

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