国語を得意にするための第一歩!「指示語」が指しているものを理解する

国語のテストでは、のような問題が出てきます。 

 

「『これ』が指しているのはなんですか。」 

「『それ』が指している部分をぬき出しなさい。」 

 

「これ」「それ」などは指示語と呼ばれ、文章を正しく理解するためにとても大事なことばです。指示語が何を指しているか分からないと文章の正確な意味がとれないこともあります。これを適当に読んでしまっていることで文章読解がニガテになっている人もいるかもしれません。この記事では、指示語についてそのはたらきなどを見ていこうと思います。 

 

指示語のはたらき 

指示語の役割 

指示語とは、直前に述べたことがらをもう一度述べる時にくり返しをさけるという役割をもつ言葉です。つまり、指示語が出てきたらその前後のつながりが分かるのです。

例えば、 

ぼくはイケメンだ。それはみんなが知っている事実である。 

という文章の場合「それ」が「『ぼく』がイケメンであること」を指し、「ぼく」がイケメンであることはみんなが知っているということになります 

指示語の種類 

まず、指示語の種類を見ていきましょう。 

表1 指示語の種類 

(髙橋作成、転載は名前・記事名を明記の上で許可) 

 上の表を見てください。「こそあど言葉」という言葉を習ったかもしれませんが、指示語はいつもの会話の中で意識せず使っているものがほとんどではないでしょうか。「近さは分からない」とやや分かりづらい言い方をしましたが、「ど」がつくのは疑問文(ぎもんぶん)で使うことが多い言葉だな、と感じたと思います。 

このようなグループ分けを完ぺきに覚える必要はありません。指示語がいくつかの種類に分けられることを頭に入れておいて、いざ問題で出てきたときになんとなくイメージをつかめるようにしましょう。(名詞や連体詞などの品詞は覚えなくても大丈夫です。) 

 

指示語の使い方 

それでは、短い文章をいくつか見ていきます。どれが指示語か考えてみてください。 

 

①屋根赤い家が見えますか?あれがぼくの家です。 

②こんなひどいことを許(ゆる)してたまるものか! 

③どうしてもこの問題がとけないんだ。 

④ああ、もう疲れたなあ。 

 

①は「あれ」が指示語で、「屋根の赤い家」を指しています。②は「こんな」が指示語です。③の「どう」も指示語と言えます。④はひっかけ問題です。「ああ」は感情をしめすことばで、指示語ではありません。 

 

は、少し長い文章を読み実際に指示語がどう使われているかを見ていきましょう。 

古くアイヌは、自分たちをとりまく森羅万象(しんらばんしょう)を、自分たちと同様の生き物と考えていた。例えば風であるが、それはわれわれにとってこそ単なる空気の動きにすぎないのであるが、彼らにとってはそれは一個のれっきとした生き物であった。 

(中略) 

風が終日吹(ふ)き荒(あ)れていたのが、夕方になってハタと吹きとだえることがある。そういう夕なぎのことを、「レラ オヌマン イペ」(風が夕方に食事する)という。風も人間同様に夕食をとり帰宅するという考え方である。 

知里真志保 アイヌ語のおもしろさより 一部改変) 

 

①~③が指すものはなんでしょうか。 

まずは①の「それ」についてです。直後を見てください。「われわれにとってこそ単なる空気の動き」とあるように、「それ」は「空気の動き」です。では直前を見てください。「例えば風であるが」とあります。つまり、「それ」は「風」です。 

①は簡単だったかもしれません。すぐ読んだだけで何も考えなくても「ああ、風のことを言っているんだな」と思った人も多かったでしょう。②と③も簡単ですね。②も「風」を指しています。③は直前の文章です。「終日吹き荒れていたのが、夕方になってハタと吹きとだえる」夕なぎのことを指しています。 

上の3つのように、指示語が指しているものはその前にくることがほとんどです。ただし、直前にはないこともあります。そのような場合は、指示語が使われている文を読み、その指示語がどのようなものなのか、何をすることなのかなどの手がかりをつかみましょう。 

また、指示語のまわりで接続語が使われている場合、その役割を考えることで文章どうしのつながりが分かり、何を指しているのか分かりやすくなることもあります。接続語の使い方iについてももう一度確認しましょう。 

 

まとめ 

 今回は指示語について説明しました。指示語について大事なポイントをもう一度確認すると 

  • 指示語が指しているものを正しく理解することで文章のつながりが分かる
  • 指示語の前に指していることがらがあることが多い
  • 何を指しているか分からない場合は後ろの文章やまわりの接続語から読み取る 

の3つです。 

ふだん文章を読んでいる時は、一つ一つの指示語に気を使って読むことはほとんどないと思います。もちろん、そんなことをしていたら時間がかかるし、めんどくさいからです。

しかし、特に国語がニガテな人にとっては一つの文章の全ての指示語に気を付けて読んでみるのもいい練習になると思います。たとえば、この記事にはどんな指示語が使われていたでしょうか? 

問題文を読んでいて文章のつじつまが合わなくなったな、という時は指示語を読みまちがえているのかもしれません。問題として出てきたときはもちろん、それ以外の部分でも指示語が何を指しているのかを理解するのはとても大切です。

国語力アップのために、ことばの一つ一つまで細かく、丁寧に読んでいくクセをつけていきましょう。 

<関連記事>