【中学受験】国語で今力をつけるべき単元 その2 文章読解編

今年は新型コロナウィルスの影響で、夏休みは例年に比べて非常に短いですよね。中学校の入試に関しても、そういった事情に鑑みて基礎基本を重視した出題にすると発表している学校もありますが、基本的にはどの学校も特別出題傾向を変えることは考えにくいのが現状です。

夏休みは受験学年にとって、入試までの折り返し地点であり、山場でもあります。短い夏休みの間、夏期講習のカリキュラムについていくのは大変なことだったでしょう。1学期の内容の振り返りがなかなかできない、というお悩みを抱えているご家庭も多いのではないでしょうか。

塾の夏期講習では大量に問題演習をおこないますが、特に国語は時間を決めて問題文を読んで設問を解く、そして解説授業をする、というパターンが多いです。普段の授業でもそういうことが多いですよね。ですが、時間に追われて大切な文章を飛ばし読みして設問で正解することばかり考えていても成績が上がらない、それが国語という教科の難しいところです。

前回は、漢字やことば、文法について、いま力をつけておくべきことをお伝えしました。漢字やことばなどの知識、文法の知識は、それ単体の知識としてだけではなく、文章読解をスムーズにおこなうために必要な道具ともいえるものです。文脈を把握し、筆者が言いたいことを正確につかむためには、正確な「読み方」こそが大切です。

今回は、いま力をつけておきたい国語の文章読解について、読解法の確認と注意点をまとめていきます。受験学年だけに限らず、4年生、5年生でも実践できる内容なので、まずはしっかりと読解法を確認し、どのような文章が出題されても対応できる基礎力をつけておきましょう。

文章読解は論理的!セオリーが必ずある

文章読解というと皆さんはどのようなイメージを持つでしょうか。出された文章を読み、設問に答えるんでしょ、それはその通りです。しかし、それで毎回点数を十分とれていますか?

塾の国語の授業でも、問題文を読み、設問に答え、先生が解説するのを聞いて丸つけをしておしまい、ということが非常に多いのですが、その解説は「その設問の解き方」にピンポイントで対応しているので、ほかの問題になるとまた一から解説、ということの繰り返しになっていることが少なくありません。

その設問の解決にはなっても、ほかの問題に応用できなければ、同じような設問でまた間違いを繰り返すことになりますし、読む文章によっても変わるので、根本的な読解法を身につけておくことが何より大切です。

模試などを受けて点数が思うようにとれなかったとき、国語に関して生徒さんが口をそろえて言うのが「この文章は自分に合わなかった」ということばです。ですが、入試でそういうことは言えるでしょうか?出された文章に対して、設問に取り組むことは同じでも、入試の現場では「出題された文章が自分に合わなかったkら」という言い訳は通用しません。

学校側は、きちんとした読解法の基本が身についているかどうかを見たいからこそ国語の出題をするので、そこには必ずセオリーというものがあります。そのことを忘れずに、まずは文章を「どう読みこなすか」ということに注力することが大切です。では、文種ごとに読解法と注意点を見ていきましょう。

説明的文章

説明的文章は、説明文や論説文です。中学入試でも、模試でも、説明的文章と物語文の2問の大問構成であることが多いです。説明的文章というと、難しいことばが使われていて、何が書いてあるのかわからない、という苦手意識を持つ受験生が多いのです。しかし、その難しいことばを言い換えてわかりやすく説明しているところが必ずあるので、内容を全く把握できないということは実はそれほど多いわけではありません。まずそこに気づかない受験生の方が多いので、意識するようにしましょう。

段落分けが説明的文章の読解のキモ

また、説明的文章は、段落ごとに何が書かれているのかがわりとはっきりしています。そのため、「この段落には何が書かれているのか」をつかむことがとても大切です。説明的文章の読解の際には、必ず段落分けをしながら読み進むことが大切です。まずは形式段落(一文字下がってはじまっているところ)を意識して読むようにしましょう。その形式段落の中で大切なところ、ポイントとなっていると思うところに線を引きながら読むクセをつけると、分かりやすいです。

そして、形式段落を読み進みながら、意味段落ごとに文章を再構築して把握していきます。意味段落は、形式段落が複数集まってできている(たまには一つの形式段落が意味段落を作っていることもありますが)ものです。説明的文章であれば、テーマについて書かれているところ、説明しているところ、具体例を挙げているところ、筆者の意見がかかれているところやまとめ、といったように意味段落は分類できます。この分類にしたがって意味段落分けをしましょう。

この形式段落から意味段落への再構築は皆さん無意識のうちにおこなっていると思いますが、ここで段落分けを間違えてしまうと読み誤ってしまい、文章のポイントをつかむことに失敗してしまいます。そうすると設問に答えるのに非常に時間がかかりますし、的を外してしまうことにつながるので点数を重ねることが出来ません。物語文でも意味段落分けは非常に重要ですが、特に説明的文章の場合は段落分けで勝負が決まると言っても過言ではないのでしっかり意識するようにしてください。

模試や塾のテキストの問題にも、特に説明的文章では最初の方に意味段落分け設問が入っていますよね。そういった問題は必ず正解できているでしょうか。これはつまり、その文章の構造(どこに何が書いてあるのかというつくり)を把握させるためのサービス問題でもあるのです。それを意識しながら後の設問を解くようにできているのですが、ここで点数を落とす受験生は非常に多いです。長い文章の中での起承転結をしっかり把握することは読解の基本中の基本なので、こういった問題が出てきたら適当にあしらうのではなく、集中して解くようにすることが大切です。

意味段落分けのポイント

説明的文章の意味段落分けは、大きく分けて以下の3つに分けると文章全体の構造がわかりやすくなります。

  • 文章のテーマについて書かれている段落
  • 説明や具体例が書かれている段落
  • まとめや筆者の意見を述べている段落

これまで、意味段落分けの問題を解いた経験はあるでしょうが、こういった意味段落分けをしてきましたか?中学受験の勉強で読む文章は非常に長いので、「どこに何が書いてあるか」ということをつかむことができるかどうかが勝負を分けます。どこに何が書いてあるかが理解できれば、各設問を解くごとにもう一度文章を一から読み直して答えを探す、などという余分な手間が省けます。

まずは、設問を解く前に文章を読んで意味段落の分かれ目がどこにあるか、という意識もって分けてみましょう。それができるようになると、筆者の意見を聞いているのにもっともらしい具体例を答えてしまったり、文章のテーマを読み飛ばしてしまったりというミスが亡くなってきます。記述問題についても、文章のどこに何が書いてあるのかがわかっていれば、設問で聞かれていることに応えるために必要な部分がわかるので、白紙答案になることもありません。

中心文に目をつける

説明的文章の場合、設問の解答となる内容がそのまま文章中に書かれていることがほとんどです。ですから、文章の内容をつかむことができれば、もらったも同然なのです。それだけに文章をしっかり、印をつけたり線をひいたりしながらポイントを絞って読み進むことがとても大切になってきます。

そこで大切なのが、段落ごとの「中心文」から目を離さないことです。模試や入試問題で出題される説明的文章の場合、形式段落ごとに重要な部分が「ここだよ!」とアピールしてくるような問題文が多いです。そこは読み取ってね、という学校からのメッセージでもあるのですが、そういった「その段落で筆者が言いたいこと、重要なこと」に線を引いて内容をさっと頭に入れていくという手順をしっかり踏みましょう。これが中心文をつかむ、ということです。

説明的文章の中には、説明部分と筆者の意見が一緒に書かれているような段落もあるので、その場合は、ここは意見、ここは説明あるいは具体例、テーマはこれ、要旨(筆者の言いたいこと)はここ、といったように意識して線を引き、印をつけていくと、設問に答える際にも迷わずにそこに戻れるのでスムーズに解くことができるようになります。1問ごとに問題文全体を何度も読み返していては時間が足りなくなりますし、何より無駄な作業が増えてしまいタイムアップとなってしまいます。ぜひ注意ぶかく読むように意識しましょう。

模試などで時間切れになるケースは、制限時間内に設問を解かなければいけないと焦りながら何度も問題文に戻って結局混乱してしまうことがほとんどです。制限時間はたいていの場合50分で、大問2問、それぞれに設問がたくさんある中では、段落ごとの内容を瞬時につかんでいくことが何より大切です。制限時間も意識しながら、中心文をしっかり読み取り、設問にテンポよく答えていく訓練をすることをおすすめします。

答えは文章の中にある!

実はどの文種にも共通して言えることですが、特に説明的文章の場合意識していただきたいことがあります。それは「答えは必ず文章の中にある」ということです。語句そのものは言い換えされていることがあったとしても設問で聞かれている内容は問題文中にばっちり、しかも繰り返しながら書かれていることがほとんどです。設問がテーマについて聞いているのか、筆者の意見について聞いているのか、具体例について聞いているのか、といったことに次々文章中の大切なところを使って解き進めばよいのです。だからこそ意味段落分けがとても大切になってくるんですね。

ただし、ここで注意が必要なのは、問題文中に答えがあるからといって、「答え探し読み」をしては引っかかってしまい失点することです。制限時間が短いからといって、ときどき設問をまずざっと読んでから、つまみ食いで問題文を読みに行く受験生が見られますが、これは絶対にやってはいけません。そもそもつまみ食いで読んだからといって正解できるほど受験レベルの国語の問題は易しくありません。

設問ごとに答えを探してそれらしきところを読むのでは時間がかかって仕方ありませんし、受験学年ともなれば、設問となっている傍線部の解答にあたる部分が遠く離れたところに書かれているということも少なくありません。特に難関校では、文書の最後に傍線が引かれており、解答は実は文章の冒頭にあるという意地悪な問題も出題されます。答え探し読みをいくらしても解けないことがわかりますね。読解の際には、必ず文章の構造全体を正確につかむことを意識するようにし、答え探し読み・部分読みはしないようにしましょう。

感情移入は必要ない

模試を受けるたび、「今回の文章は自分に合わなかった」「感情移入できなかった」という生徒さんがいます。ですが、説明的文章には感情移入は必要ありません。なぜなら、書かれていることはあくまで筆者が説明したいことや意見を言いたいことなので、いくらそれに自分が疑問を持ったとしてもそんな内容は文章中に書かれていないからです。いくら自分の感覚と合うところを見つけようとしても、そもそもあるはずがないのです。

設問で聞かれている内容は、あくまで問題文の文章中に書かれていることです。受験生の意見は聞かれていません。どの文種でも同様ですが、特に説明的文章では自分の意見や想像力といったものは要求されておらず、何よりも文章の正確な「読解」に重点が置かれていることを今一度確認してください。

正しい読解方法を実践すれば、文章が難しくて読みにくかったということはあっても、「自分に合っていなかった」「感情移入できなかった」という事態に陥ることはありません。ぜひ意識してくださいね。

文学的文章(物語文)

文学的文章には様々な文種がありますが、特に多く出題されるのは物語文ですよね。物語文の場合、説明的文章のように「これがこの文章のテーマです」と見るからにわかる部分はありません。それは、文章中の表現や場面の切り替わり、登場人物の心情変化などから、受験生自身が見つけ出すものです。だからこそいかにもテーマ、主題といった形では出てこないのです。そのため、説明的文章とはまた違う段落分けの手法が必要になるので注意しましょう。

物語文でも段落分けは重要

物語文は、説明的文章に比べて、段落の内容を把握することが難しい場合が多いです。ですが、共通する段落の内容としては、大きく分けると、以下の4つがあります。

  • 登場人物の置かれている状況
  • 登場人物に起こったできごと
  • 登場人物の心情とその変化
  • 心情の変化によって引き起こされた行動・言動 

説明的文章の「要旨」は、つまり筆者がその文章を通じて何が言いたかったか、ということですが、物語文では特に、登場人物の心情とその変化の部分に重点が置かれていることが多いです。物語文の根幹はこの、登場人物の心情と、その変化です。この部分は作者が一番力を入れて、様々な方法で描写している部分であり、そこをつかむのが物語文の読解では一番重要です。

物語文の文章の構造は、きっかけとなるできごと→心情の変化→行動や言動といった段階を踏むと把握しやすいです。設問でもこういった部分が中心的に問われますが、どの段落に何が書かれていたのか、という内容把握は説明的文章と同様、非常に重要です。いま読んでいる部分が文章の構造のどこにあたるのかを意識しながら読むことができるとスムーズに読めますし、文章の段落ごとの内容が把握できていれば、設問にもスピーディーに答えられます。

物語文でも問われるのは文章の内容

説明的文章のところで、設問の答えは問題文中にある、とお伝えしましたが、物語文でも同じことが言えます。記述問題が自由作文でもない限り、物語文でも設問で問われる内容は「問題文の中に書かれていること」です。あくまで作者が何かを伝えようとして、作者の目線で書かれた文章が題材になっているわけですから、受験生の心情を聞いているわけではないのです。

問題文の中に出てくる登場人物の心情を聞かれている、それは自分の感情とは違う、ということをはっきり分けられるようにしておきましょう。あくまで必要なのは感情移入して読むことではなく、登場人物の行動や言動を通して作者が何を伝えたいのか、そのために登場人物がどういう心情になり、行動しているのかを客観的に読み取ることです。

受験生は、模試で物語文にあたったとき、「読みやすかった」「読みにくかった」で判断しがちです。そして「読みやすかった」文章は、自分で感情移入できた文章、ということです。そうすると、読めたのに、設問にも答えたのに点数が伸びないということになってしまいます。皆さんも経験がおありではないでしょうか。

物語文は、使われていることばが説明的文章に比べて易しいこともあり、受験生は感情移入しやすいという傾向があります。そのため、模試ではその文章をすらすらと「読む」ことはできます。しかし、「読む」=「読解」ではないところに注意が必要です。

あくまで物語文の読解は、段落ごとに内容がどういうものか、どういう順序で物語が展開されているか、作者はこの物語を通して何を伝えたいのか、という客観的なものでなくてはいけません。ですから、「読みにくかった」つまり感情移入できなかった問題の方が点数が取れるということも少なくないのです。その場合は客観的に考えるしか方法がないからです。

正しく意味段落の内容を把握し、重要なところに線を引き、心情語や情景描写といった心情を表しているところには印を残していくなどして読み進んでいくというセオリーを守って物語文を読むことが正解への近道です。

これまでに解いてきた文章で良いので、もう一度場面分け、意味段落分けをしてみましょう。そして、その場面にはどのような登場人物がいて、場所はどこで、どんなできごとが起こったのか、そしてそれをきっかけとして文章がどのように展開されたのか、登場人物の心情はその場面ごとにどうだったのか、またどう変わったのか、ということをつかみましょう。

つまり、「いつ(時)」「どこで(場所)」「誰が(登場人物)」「何を(行動の対象)」「どうした(行動・言動)」という5つの要素を意識して読むのです。もしこれが難しいという場合は、まずはン問題文全体を場面ごとの意味段落にまず分けて、その段落ごとに何が起こっていたのか、だれが登場しているのか、何が起こったかという客観的な部分から整理するようにすると文章の内容をつかみやすくなります。

随筆も同様に

随筆文は、説明的随筆文と文学的随筆文に分けられます。そして、その読解方法としては説明的文章・物語文それぞれの読解法を基本的に流用できます。ただし、随筆文は作者の体験に基づくエッセイなので、書かれている内容が事実なのか、それとも意見なのかという2点を読み分けるように意識してくださいね。

まとめ

国語の読解にはセオリーがないと思われがちです。算数のように公式がないため、これといって決まった読み方はなく、自由に読んで自由に解答し、点数が取れない、という生徒さんが非常に多いですが、配点も高く、その状態を放置するわけにはいきません。

読解法の把握は少々骨が折れますが、国語にも立派な読解法があり、論理的にその読解法を使って読み進むことができれば点数を確実に取れる教科だということを忘れないでください。

夏休み後は、理社の知識問題の暗記や算数の苦手単元の復習など、ほかの3教科のラストスパートが重視されがちです。だからこそ今のうちに国語の正確な読解法を身につけ、コツをつかんで文章を読解できるようにしておくべきなのです。読解法を身につけることができると、ほかの3教科の問題文の正確な読み取リにもおおいに役立ちます。ぜひ、今一度国語の正しい読解法を身につけて演習を積むようにしてくださいね。

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