【グローバル教育進む】普連土学園中学校の算数の特徴を徹底解説!

入試情報

問題構成

普連土学園中学校では全部で6回入試が行われ、全ての入試で算数が出題されています。

当校の算数入試は1日午前4科目・4日午前4科目・帰国生入試では試験時間60分で大問6問、1日午後算数は大問1問、2日午後2科目では試験時間50分で大問7問が出題されています。

小問数は入試によって出題数が異なります。1日午前4科目・4日午前4科目では大問1〜5ではそれぞれ3、4問程度、大問6では10〜20問程度出題されています。2日午後二科目では全ての大問で3、4問程度、1日午後では応用小問が50問程度出題されています。

一般生入試は大問1で計算問題が、大問2以降で応用小問と応用問題が出題されていますが、1日午前4科目・4日午前4科目の大問6では会話形式の問題となっているのが当校の特徴です。

会話形式問題は中学入試の中でも特殊で、問題用紙上の会話調の長文に対し答える形で解答する問題です。

解答形式

普連土学園中学校の算数入試は、ほとんどの問題で解答用紙に解答のみを記入するのではなく、途中式や考え方を書くための欄が用意されており、採点の対象となる可能性がありあます。

そのため答え自体が合っていても、途中式や考え方が十分に記載されていない場合、減点されてしまう可能性があります。

解答欄の広さは限られているため、解答に必要とされるであろう途中式や説明を取捨選択して記入することが求められます。

満点・合格者平均点・受験者平均点

  • 1日午前4科目350満点

 

合計

国語

算数

理科

社会

合格者平均点

223.6

64.1

68.9

44.3

46.3

合格者最低点

199

46

46

31

34

全受験者平均点

196.2

59.0

56.7

39.6

40.9

  • 1日午後算数100点満点

 

合計

国語

算数

理科

社会

合格者平均点

78.0

78.0

合格者最低点

70

70

全受験者平均点

68.1

68.1

  • 2日午後2科目200点満点

 

合計

国語

算数

理科

社会

合格者平均点

138.4

68.9

69.5

合格者最低点

116

28

32

全受験者平均点

116.4

62.5

53.9

  • 4日午後4科目350満点

 

合計

国語

算数

理科

社会

合格者平均点

233.0

67.9

70.9

40.6

53.6

合格者最低点

211

49

52

29

41

全受験者平均点

195.3

59.8

56.9

32.4

46.3

近年の出題傾向

  • 1日午前4科目

大問

2020

2019

〈大問1〉

四則計算

四則計算

〈大問2〉

応用小問

応用小問

〈大問3〉

和と差

場合の数

〈大問4〉

平面図形

旅人算

〈大問5〉

ニュートン算

図形・点の移動

〈大問6〉

数の性質

規則性

  • 2日午後2科目

大問

2020

2019

〈大問1〉

四則計算

四則計算

〈大問2〉

旅人算

還元算

〈大問3〉

和差算

過不足算

〈大問4〉

数の性質

旅人算

〈大問5〉

点の移動

最大公約数

最小公倍数

〈大問6〉

規則性

調べ、条件の整理

〈大問7〉

立体図形

体積

  • 4日午前4科目

大問

2020

2019

〈大問1〉

四則計算

四則計算

〈大問2〉

応用小問

応用小問

〈大問3〉

長さ

売買損益

〈大問4〉

つるかめ算

ニュートン算

〈大問5〉

通過算

場合の数

〈大問6〉

数の性質

つるかめ算

※1日午後算数の入試では幅広い分野から応用小問が50問出題されている。

出題傾向

概要

普連土学園中学校の入試問題は各回で問題構成や出題傾向が異なっているため、注意しなければなりません。自分の受験する回の出題傾向をしっかりと理解しましょう。

  • 1日午前4科・4日午前4科
    1日午前4科と4日午前4科とでは、基本的に問題構成や出題方針の違いはありません。この2回では、パターン化された定型問題や、基礎から考える力を問うような問題が出題されます。
    近年の1日午前4科と4日午前4科は大問6問構成になっていて、第1問に計算問題、第2問に応用小問、第3〜5問に定型問題、そして第6問に会話形式問題が出題されています。会話形式問題とは、会話調の長文の中に空欄が用意されていて、ヒントとなる小問を利用しながら順番に答えを導き出していく問題です。
    また解答用紙に答えだけでなく途中式や考え方を書く欄が用意されており、こちらも採点の対象となります。
  • 1日午後算数
    1日午後算数入試は1問2点×50問の問題構成で、計算問題や一行問題が出題されます。他の回と異なり、1日午後算数入試は解答のみを欄内に記入する形式で、途中式や考え方を明記する必要はありません。
    問題自体は様々な単元から出題されますが、どれも標準的な内容のものとなっています。しかし試験時間50分に対し50問用意されているため、時間に余裕があるとは言えません。
  • 2日午後2科
    2日午後2科では1日午前4科・4日午前4科よりも少し難易度の高い問題が出題されます。試験時間50分に対し大問が全部で7問用意されており、すべて解き終えるのは簡単ではありません。
    大問7問のうち、第1問は計算問題、第2問以降は難易度の高い定型問題や応用問題が出題されています。計算問題は四則計算の問題が2問程度出題される場合が多いです。
    1日午前4科・4日午前4科と同じく、解答用紙には解答そのものだけでなく途中式や考え方を記入するための空欄が用意されています。

内容

頻出分野

  • 図形問題
    求積・辺の比と面積の比・回転・図形、点の移動・面積変化

  • 四則計算
    四則計算・逆算・計算の工夫

  • 速さ
    旅人算・通過算・速さと比

  • 割合と比
    還元算、相当算・濃度・ニュートン算

  • 場合の数
    場合の数・調べ・推理・条件の整理

出題分野の詳細

普連土学園中学校の算数は各回によって問題構成が異なりますが、その中でもよく出題されるのは四則計算・図形・グラフ・場合の数です。

四則計算は1日午前4科・4日午前4科・2日午後の第1問に毎年出題されています。内容は、単純に計算式の結果を求める問題や、逆算の問題などで、難易度はそこまで高くありません。

図形からは面積・体積の求積、辺の比と面積の比、回転、図形・点の移動、面積変化などが出題されます。定型問題の中では図形が特に頻出で、平面図形・立体図形関係なくほぼ毎年出題されています。内容は毎年異なり、同じ大問でもそれぞれの小問で異なる分野の問題が出題されることもあるので注意が必要です。

また、図形問題の次には場合の数やグラフの問題が頻出です。場合の数からは場合の数・調べ・条件の整理・推理の問題が特に出題されています。

グラフの問題は年度によって旅人算を出題する場合やニュートン算を出題する場合など様々ですが、基本的にはグラフ上の比を利用して解く問題が出題されています。そのため旅人算やニュートン算だけではなく、比の考え方も理解するようにしましょう。

難易度・出題形態についての詳細

普連土学園中学校の算数は、各回によって難易度が異なります。1日午前4科・4日午前4科は標準レベル、2日午後2科は1日午前4科・4日午前4科より少し難易度の高い問題が出題されます。1日午後算数では標準レベルの計算問題や一行問題が出題されます。

また各回によって解答形式が異なるため、それに伴い採点方法も変わってきます。1日午前4科・4日午前4科と2日午後2科では解答用紙に途中式や考え方を記入する空欄が用意されており、この欄内も採点対象となります。

そのため解答自体が合っていても途中式や考え方が十分に記入されていなければ十分な得点を見込めません。

それに対して1日午後算数ではそのような空欄はなく、受験者は解答のみを記入する形式になっています。そのため得点できるかどうかは「解答が合っているか否か」だけで決まります。

対策法

分野別対策

  • 計算対策
    近年、1日午前4科・4日午前4科・2日午後入試では大問1に計算問題が出題されています。毎年四則計算の問題が2、3問程度出題されており、難易度も易しめであるため必ず得点しておきたい問題です。
    計算問題の対策としては、一度に大量の問題を解くというより、コツコツ少量の問題をこなしていく方が効果的です。計算問題のみを集めた問題集やドリルなども各出版社から発売されているので、自分の好きなものを1冊購入し、毎日3~5 問程度のペースで進めていくと良いでしょう。
    その際ただがむしゃらに解くというより、入試本番と同じように慎重に解き、解き終えた後も検算をして計算ミスを減らす努力をしましょう。
  • 図形問題対策
    普連土学園中学校の算数は、図形問題がよく出題されています。図形分野からは面積・体積の求積、辺の比と面積の比、回転、図形・点の移動、面積変化など様々な問題が出題されるため、苦手分野は早いうちに克服しておく必要があります。
    まずは標準レベルの問題集で定型問題を一通り解いてみましょう。その上で理解しにくい分野や問題があった場合、難易度を下げて基礎から理解するようにしましょう。
  • 規則性対策
    普連土学園中学校の算数では、第6問の会話形式問題で規則性の問題が出題されることが多いです。規則性の問題ではしばしば自分で規則性を見つけなければいけない場合があります。
    ここで重要なのが、実際に手を動かして規則性を発見しようとすることです。単純な規則性ならば数列を一目見ただけでパッと思いつくかもしれませんが、応用問題における規則性は複雑なものがほとんどです。
    数列をただ見ているだけでは手がかりが少なく規則性が見えづらいため、実際に手を動かして考えられる規則性についてその成否を確認しましょう。

問題集別対策法

  • 『算数 プラスワン問題集』(東京出版)
    普連土学園中学校の算数は標準レベルの出題が多く、様々な単元から出題されていることが特徴的です。そのため苦手な単元を減らして、各単元の定型問題を一通り解けるようになることが非常に効果的です。
    こちらの問題集は各単元の基本〜標準レベルの問題で構成されており、それぞれの単元の典型問題に幅広く触れることができるのが特徴的です。
    基本、標準と問題のレベルが設定されているため、算数が苦手な人でも基本問題から着実に解き進めていくことができます。まずは各単元の基本問題を一通り解いたあと、標準的なレベルの問題を解くようにしましょう。苦手な単元に関しては完璧に解けるようになるまで何度も解き直しを行いましょう。
    この問題集が終わった場合は過去問研究に移り、応用問題を解く上での実践的な解法を身につけましょう。
  • 『予習シリーズ』 (中学受験の四谷大塚)
    四谷大塚や早稲田アカデミーなどを始めとした中学受験大手塾と同じカリキュラムで算数の学習ができるシリーズ。各学年用の教材が出版されており、レベルに合った教材を選ぶことができます。
    予習シリーズ6年下まで一通り理解すれば中学受験における典型問題は一通り抑えることができます。予習シリーズが終了したら過去問を中心に応用問題に取り組みましょう。
    また各ページに数問ずつ計算問題が掲載されているため、計画的に進めれば計算問題対策をすることもできます。

ニュートン算例題

ここで、普連土学園中学校の算数入試で頻出の、ニュートン算の問題を問題集からピックアップしてみました。是非参考にしてみてください。

  • 問題

120Lの水が入っている水そうに、毎分10Lの水が流れこんでいます。この水そうの水をポンプ1台でくみ出すと、24分で水そうは空になります。これについて、次の各問いに答えなさい。

⑴このポンプ1台は、毎分何Lの割合で水をくみ出しますか。

⑵もし、2台のポンプを使って水をくみ出すと、水そうは何分で空になりますか。

(中学受験新演習算数小6上実力アップ問題集, p235 より)

  • 解説

⑴15L ⑵6分


  • 1台のポンプで1分間にくみ出す水の量は、120+10×24=360(L)
    1台のポンプで1分間にくみ出す水の量は、360÷24=15(L)

  • 2台のポンプで1分間にくみ出す水の量は、15×2=30(L)
    1分間に減る水の量は、30-10=20(L)
    水そうが空になるまでの時間は、120÷20=6(分)

合格点を取るには

時間配分に気をつけつつ、正確に

普連土学園中学校の算数は定型問題の出題が多く、難易度がそこまで高いわけではありませんが、問題数に対して試験時間が比較的短いことが特徴的です。

また、解答用紙上の空欄に解答のみを書き込む形式なので、考え方が合っていても答えが間違っていた場合、大量失点をしてしまう可能性があります。正確に解いていくこと・試験時間の最後に必ず見直しの時間を5〜10分程度とることを意識し、ケアレスミスをできるだけ減らしましょう。

苦手分野を克服しよう

当校の算数は出題分野にそこまで偏りがなく、様々な単元から出題されることが特徴的です。そのため苦手な単元を減らし、どの単元から出題されても解くことができるようにしましょう。

どの単元も応用レベルの問題まで解けるようになる必要はありませんが、苦手な単元がある場合は問題集等で演習を繰り返し、定型問題を一通りマスターしましょう。

解答形式に慣れよう

1日午前4科・4日午前4科・2日午後2科では解答用紙上に途中式や考え方を記入するための空欄が用意されていて、答えだけでなくこちらも採点の対象となります。そのため答え自体が合っていても、途中式や考え方が適切に記入されていなかった場合、減点されてしまう可能性があります。

対策としては、過去問演習に入る前から途中式や考え方を残す練習をすると良いでしょう。その際、実際の解答用紙で空欄の大きさを理解し、そのスペース内に収まるように工夫してみましょう。  

総括

今回は、普連土学園中学校の算数入試対策についてご紹介しました。当校の算数は回によって問題構成や試験時間、難易度も様々であり、自分が受験する回に合った対策を取る必要があります。

それぞれの問題を見てみると問題集の基本〜標準レベルの問題が並んでいることがほとんどで、特別な解法や高度なひらめきを必要とするような応用問題が出題されることは少ないです。

全体としては計算問題や定型問題の割合が高く、様々な単元から出題されることが特徴的です。そのため問題集等を繰り返し解き、苦手な単元を克服することが重要です。

入試本番まで時間は限られていますが、他科目とのバランスを考えつつ、限られた時間の中で優先順位に気をつけながら最大限の対策をしましょう。

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参考

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こんにちは!ライターの福久はなです。
都内の中高一貫校出身で、大学受験を経て東京大学に入学しました。
塾講師や家庭教師のアルバイト経験があり、算数・数学・英語を中心に教えていました。
これらの科目に限らず、中学受験の経験を活かして理科・社会といった科目の対策方法や、学校別の受験対策、学校情報についてなど、幅広く記事を執筆しています。
皆さんの役に立つ、面白くてわかりやすい記事をお届けできるように頑張ります!