【中学受験算数】等積変形と等積移動の基本

平面図形の問題が苦手な子と得意な子の最も大きな違いは、なんだと思いますか?

これまでの記事の中でも、「ひらめきは鍛えられる」ということを強調してきましたが、それでも図形に関するセンスは人それぞれに差異があります。

図形問題が得意な子は、図形を動かしたり形を変えたりすることを楽しんで考えられます。逆に、そうでない子は、図形を動かしたり形を変えたりすることが容易に想像できません。

図形をパズルのように楽しめるかどうか、これが最も大きな違いです。幼少期の頃にパズルや積み木で遊んでいることが多い子ほど、図形感覚は鍛えられているようです。

「そんなこと言われても、もうそんな時期過ぎちゃったわよー!」という方は、こちらの記事を参考にして図形の動かし方を学んでいきましょう。

中学受験でよく使われる、等積変形や等積移動を利用した平面図形の問題の基本を少しだけご紹介していきます。

等積変形・等積移動とは?

等積変形とは、読んで字のごとく、「面積は等しいまま、形を変えること」という意味になります。

等積変形のパターンはいくつかありますが、代表例は下のような平行線に挟まれた三角形ではないでしょうか。

三角形ABCのBCを底辺として、頂点Aの位置を底辺と水平な方向にスススっと動かしてみると、さまざまな三角形ができます。

しかし、これらの三角形はすべて、「底辺と高さが三角形ABCに等しい三角形」となっているため、三角形ABCと形は違うのに、面積は同じになります。このことを等積変形と呼びます。

 

等積移動は、等積変形と考え方はほぼ同じですが、「形が変わる」というよりも「そのままの形で移動する」という意味合いが強くなります。どちらも同じような考え方なので、はっきりとした区別は特に必要ありません。

例えば次のような動かし方をした場合に、等積移動と呼びますが、これを等積変形と表現しても問題はないかと思われます。

おうぎ形の部分をポコっと外して、ちょっと動かしてカポっとはめるイメージです。このように等積移動させることで、左の状態よりも右の状態のほうが格段に面積が計算しやすくなっていることにお気づきになりましたでしょうか。

等積変形や等積移動を利用して、面積を求める問題の基本を次に2つご紹介します。

 

三角形の等積変形を利用する

まずは下の問題をご覧ください。

「相似を利用すればCEも求められるじゃないの?」と思った、そこのアナタ!!!・・・・なんと、その通りです!!!!

その通りなんですけども、そうするとCEの長さが分数になりますよね?面倒ですよね?ね?そういうことにしましょう?

ところが、等積変形を利用するともっと簡単に求められるのです!!ということで、次のように考えていきます。(強引)

最初にご紹介した、「三角形を平行線の間で動かす」ということと同じように考えると、三角形DCEは三角形ACEに動かすことができます。

このとき、三角形DCEのうちの斜線部分を〇、白い部分を×とすると、×の部分はそのままの位置に残り、〇の部分が動いた状態になります。動いた先の〇の部分は、底辺が5cm、高さが12㎝の三角形となるので、面積は30㎠と求められます。

続いてもう一問、とてもよく見かける問題をご紹介します。

全体からいらない部分を引くと…

「図形の移動」という単元に含まれる問題です。おうぎ形を回転移動させ、弧が通過した部分を求めます。

弧が通過した部分(=斜線部分)の面積は、このままの形で直接面積を求めることができません。

そこで、まず全体の面積を考えてから、いらない部分(=白い半円)の面積を引くという方法を取ります。

このとき、次のようにまず図で式を作ります。

全体の面積とは、直径8cmの半円と半径8cmで中心角45度のおうぎ形で成り立っており、そこから半円を引くと、残る面積はおうぎ形の面積に等しくなります。これも等積変形の一種です。

おうぎ形の面積は、25.12㎠と求められるので、これが斜線部分の面積となります。

 

まとめ

今回ご紹介したように、等積変形や等積移動をすることで解ける平面図形の問題は数多く存在します。うまく使えば計算が楽になったり、逆に等積変形を使わなければ求められないような問題もあります。

これらの考え方を、パズルと同じように楽しんで考えてもらえるようになれば嬉しいです。今回ご紹介した問題以外にも、定番の問題がありますのでまた次の記事でご紹介していきたいと思います。

(ライター:桂川)

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