社会科の勉強をする上で欠かせないのが地図帳です。特に地理分野を学習するときは地図帳を見ながら地名や特産物を覚えることで理解がグッと深まります。
しかし、地図帳の使い方がイマイチ良く分からない…という受験生も多いのではないでしょうか。この記事では上手に地図帳を活用する方法、そして楽しみながら地名や地図帳の使い方、場所の感覚を身に付けることができる「地図帳あそび」について説明していきます。
Contents
地図帳を使うメリットと上手な使い方
なぜ地図帳を使うべきなのか?
なぜ社会の勉強をするうえで地図帳を使うことが大事なのでしょうか。
実際の中学入試では、地名やその場所を答えさせる問題がひんぱんに出題されます。たとえば開成中学校の入学試験(2020年度)では「日本地図から金沢・長野・尾鷲の場所を指し示させる」という問題が出ています。
また、地理だけでなく歴史の分野でも地図を使うことは重要です。渋谷教育学園渋谷中学校(2020年度)では「近畿地方の地図から大化の改新(乙巳の変)が起きた場所(答え:奈良県明日香村)を選ばせる」といった問題が出題されました。このように、難関中学を目指すうえで地理や歴史の知識と場所(地図)をリンクさせて覚えるという学習方法は必須なのです。
だからこそ、地図帳を用いることで、実際の地図の中での場所の感覚をつかむことが必要になってきます。
地図帳の上手な使い方:「自分だけの地図帳」を作ろう!
地図帳を使う上で大事なのは「よごすのを怖がらないこと」です。
たとえば授業などである地名が出てきた時、まず地図帳でその地名を探し出します。場所を見つけられたら、ボールペンなどを使って地名に印をつけ、その特徴(「人口が○○県で1位」「○○の名産地」「○○事件が起きた」など)を書き込みましょう。中学受験用の地図帳ではその特徴がもともと書かれていることもあるので、それに印をつけるのでもいいかもしれません。
ポイントは、なるべく目立つように印をつけたり書き込んだりすることです。こうすることによって、次に地図帳を見返した際にその地名と特徴が目につくようになり、知識の定着に役立ちます。私は大学受験の際に実際にこのような方法で勉強をしていましたが、そのときには太くて目立つゲルインキのボールペン(赤色・紺色など)を使用していました。
ふせんを使うこともオススメです。極細タイプの透明なふせんを貼ればその地域をより目立たせることができます。覚えづらいところは色を変えるなどのくふうも可能です。また、書き込む情報が多い場合は大きいサイズのふせんに書き込み、余白に貼っておくのも良いかもしれません。
①地図帳への書き込み例その1
(筆者撮影、転載は記事名を明記の上で許可)
②地図帳への書き込み例その2
(筆者撮影、転載は記事名を明記の上で許可)
このように「地図」に関係する地理や歴史の知識をメモしていくことで、入試本番前もこの地図帳だけを見返せば復習になります。どんどんと書き込んで、世界に一冊しかない自分だけの地図帳を作りましょう。
「地図帳あそび」のすすめ
「地図帳あそび」とは?
それでは、楽しみながら地名や地理についてくわしくなれる「地図帳あそび」について説明していきます。この「地図帳あそび」は私が小学生のころ担任の先生が教えてくれたとてもかんたんなゲームです。2人以上なら何人でも遊ぶことができます。
ルールを説明していきます。まず、それぞれ地図帳を1冊ずつ用意します。そのうち1人が出題者となり、地図帳の中からある地名を1つ問題として出題します。そして他の人たちは、地図帳からその地名をなるべく早く探すというだけです。
例えば、Aさん・Bさん・Cさんという3人で遊ぶとします。流れとしては
- Aさんが出題者としてある地名を言う
- Bさん・Cさんは地図帳の中からその地名を探す
- 時間が経っても見つけられない場合、ページ数や都道府県などのヒントを出す
- 先に見つけられた人の勝ち
- 分からなかったら索引のページからその地名を探し、実際に地図でも確認する
という感じです。
「地図帳あそび」をオススメする理由
「地図帳あそび」をオススメするのには3つの理由があります。
1つ目は、地図帳を見るクセが付くことです。地図帳はふだんから使っておかないといざ調べものをしたい時に使い方が分からなくなりがちなので、日ごろから地図帳を使っておくことが大事なのです。また、このゲームを通して色々なページを見ておけば、どの都道府県が大体どのページにあるか覚えることができ、調べる際に時間を短縮することも出来ます。
2つ目は、様々な地名についてくわしくなれることです。問題となった地名を探すうえで、地図帳で色々なページを探すはずです。その時に、問題の地名以外にもたくさんの地名を目にしながら地理に関する知識を付けることができます。
3つ目は、色々な場所どうしの位置関係を覚えられることです。たとえば冒頭にあるような入試問題で、「○○と△△はどっちが北にあったか?」と悩むことがあると思います。このような問題の対策は、とにかく「日ごろから地図や地理に関心を持っておくこと」しかありませんが、このゲームを通して視覚で記憶を養うことができるのです。
そして何より、「遊び感覚」で地図帳を使うことで、地図帳や地理に対して親しみを感じることができます。なので、地理分野にニガテ意識を持っている人ほどこのゲームを試してみてください。
おわりに
地図帳は社会の勉強をする上で欠かせない道具です。地図帳は見れば見た分だけ地理の知識が身に付きますし、また、学んだ内容をどんどんと書き込んでいくことで達成感や自信にもつながります。この記事を読んで、地図帳の大切さやすばらしさ、地理の面白さについて気付いていただけたなら幸いです。
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参考
初めまして。髙橋利弥と言います。
武蔵中・高校から一年浪人を経て今年東京大学文科三類に入学しました。中高時代はサッカー部に所属し、高校では主将を務めていました。現在は体育会サッカー部のスタッフとして主にプレー分析などを担当しています。趣味は音楽を聴くことで、[ALEXANDROS]などの日本のバンドのほか、QUEENも好きです。ボヘミアン・ラプソディーは浪人していたにも関わらず公開直後に観に行ってしまいました。また、ライブに行くのも大好きです。高校時代は部活で忙しくてあまり行けず浪人の時も我慢していましたが、大学に入ったからには行きまくりたいと思います。今ハマっていることはハリウッド版のGODZILLAシリーズです。オリジナルのゴジラは見たことがないのですが、興味がわいてきて見てみたいと思っています。最後に、自分は昔から文章を書くことが好きでこうやってライターとして仕事ができることがとても嬉しいです。まだまだヘタクソですが、これから経験を積んで成長していきたいです。
よろしくお願いします。