【卒業生に聞く!】3つの礎「聖書・国際・園芸」を掲げる恵泉女学園、どんな学校だった?

中学受験の際にどれだけ学校説明会に行っても、入学してみなくては分からないことはたくさんあります。
その学校のこと、その学校での学びの良かったところを一番知っているのは卒業生。
今回は、恵泉女学園中学・高等学校の卒業生からお話を聞きました。

学校説明会だけでは分からない「恵泉の良さ」が伝われば幸いです。

学校情報

  • 名称:恵泉女学園中学・高等学校
  • 所在地:東京都世田谷区船橋5-8-1
  • 最寄り駅:小田急線経堂駅・千歳船橋駅から徒歩12分
  • 設立:1929年
  • 学校形態:女子校・全日制・中高完全一貫制
  • 宗教:プロテスタント
  • 入試形式:国数2科、国数社理4科(帰国生入試のみ面接あり)
  • 学年人数:約180人

のびのびと、個性を大切にする

恵泉女学園は、純朴な雰囲気の学校です。
全体的に厳しさはなく、のびのびと6年間を過ごしました。

例えば、特定の制服はなく各自が好きな服で登校できます。
イーストボーイなどの制服スタイルの人が多かった気がしますが、ジーンズにTシャツの人も、服が好きでとがった服を着ている人もいました。
細かい規定はあるものの、ヒール・サンダルでなければ大抵の場合は大丈夫です。

「園芸」で学ぶいのちの大切さ

恵泉といえば、な授業が「園芸」です。
付属大学に園芸学部があるため、かなり本格的な園芸を体験できます。
花や野菜を種から育てたり、原木からしいたけを栽培したりします

さらにはそれを押し花にする、料理にするなど、育てるだけでなく使用するところまですべてを行うところが特徴です。綿花を栽培して糸を紡いだこともありました。
校舎から少し離れたところには畑もあり、そこで長靴を履いて畑作をする時間はとても楽しいものでした。

園芸の授業を通じ、いのちの大切さと、身近にある食をはじめとしたものを栽培してくださる方への感謝の気持ちを養うことができました。

花の名前はクラス名にもなっていて、園芸は恵泉生にとってとても身近だと言えるでしょう。

「感話」で学ぶ多様性

私が今でも役に立ったと思う時間は、毎朝の礼拝であった「感話」です。

各自が書いた「最近考えていること」「最近感じたこと」をまとめた文章を、毎朝の礼拝で順番に朗読するものです。

1学期に1回書く機会があり、はじめは原稿用紙4枚程度、2000字ほどですが、学年が上がると4000字程度書くようになります。

文章を書く機会になったことはもちろんですが、毎朝違う人の話を聞くことで、世の中にはいろいろな人がいていろいろな考えがあるのだということを受け入れる素地ができました。

比較的同質な集団になりがちな同じ学校の人の中にも多様な意見があるということを実感できたことは、素晴らしい経験でした。

毎日の感話のおかげで、他人は他人で自分は自分なのだと考えられるようになったと思います。

しっかりと聖書を学ぶ

プロテスタント校である恵泉では、聖書を学ぶことがとても大切にされていて、6年間ずっと聖書の授業があります。
夏休みには聖書の通読が課題になっていました。

毎朝の礼拝でも、感話以外に暗唱聖句(聖書にある言葉を暗唱すること)を行っています。
週ごとに覚える聖句が決まっており、毎週新たなものに触れていきます。

キリスト教の知識は、歴史の学習や絵画や音楽といった芸術を学ぶ上でも役に立ちます。
中学・高校で宗教についてしっかりと学んだことは、卒業後の学習や生活にも活きていると感じています。

自らの将来のために学ぶ

学校での勉強はそこまで厳しいものではありませんでした。

授業にはアクティブラーニングを積極的に取り入れており、学力をただ向上するというよりは、自分で考えて学びを深めることを重視しています。

進路指導も、「良い大学に行こう」という雰囲気はなく、「自分が将来やりたいことから逆算して学ぶべきことを設定し、その学びを実現することができる大学を選ぼう」といった方針で行われます。

そのように、自分で学びたいことをのびのびと行うことを後押ししてくれる学校です。

学校としては中学生の間は塾に通うことは推奨しておらず、高校生になっても予備校に通わない人も多くいます。
しかし、自分の学力レベル以上の大学を目指す場合は予備校に通うことが必須になってきます。

恵泉での6年間

卒業生として今思うのは、恵泉女学園はのびのびとした良い学校だったということです。
そのためか、親が恵泉で子どもも恵泉というパターンもよくあり、中学受験の段階で恵泉女学園が第一志望の人が多かったような印象があります。

一方、恵泉を滑り止めとしている人の中には、雙葉や女子学院、立教女学院、フェリス女学院が第一志望の人もいました。

恵泉女学園はのびのびとした学校生活を送りたい人にはとても良い学校だと思います。

むしろ、がつがつ勉強して入学し、がつがつ勉強して成績を上げる、というような学校生活を目指したい人にはあまり向いていないでしょう。

図書館がとても綺麗で広いので、読書を自由にして学びを深めたいと思っている人にもおすすめできます。

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参考

 

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1995年生まれ。東京都出身。

中高一貫の女子校出身で、高校時代は部活動で部長を務める他、学外で学生団体を立ち上げるなど活動。活動歴を活かせるかもしれないと、高校2年生からAO入試を視野に入れる。同時に、一般入試では早稲田大学を目指して勉学に励む。受験期の国語の偏差値は70以上で、センター模試では現代文・古文は常に満点。AO入試で慶應義塾大学総合政策学部に入学後は、研究会活動のほか、大学受験予備校や書店でのアルバイトに励む。専門分野はジェンダー学、倫理学(主にケアの倫理)、労働法。大学卒業後はコンサルティングファームなどを経て独立し、現在は予備校講師やライター、個人コンサルタントとして活動中。書店と映画館と美術館と歌舞伎座をこよなく愛し、芸術文化全般に関心を持っている。