【卒業生に聞く!】「徳においては純真に義務においては堅実に」を掲げる雙葉、どんな学校だった?

中学受験の際にどれだけ学校説明会に行っても、入学してみなくては分からないことはたくさんあります。
その学校のこと、その学校での学びの良かったところを一番知っているのは卒業生。
今回は、雙葉中学校・高等学校の卒業生からお話を聞きました。

学校説明会だけでは分からない「雙葉の良さ」が伝われば幸いです。

学校情報

  • 名称:雙葉中学・高等学校
  • 所在地:東京都千代田区六番町14-1
  • 最寄り駅:JR四ツ谷駅から徒歩2分
  • 設立:1875年
  • 学校形態:女子校・全日制・中高完全一貫制
  • 宗教:カトリック
  • 入試形式:国数社理4科
  • 学年人数:約180人
    (幼稚園から40名、小学校から40名が進学。中学からの入学は約100名)

勉強だけではない、自分の強みを伸ばす

雙葉というとおしとやかでおっとりとした「お嬢様学校」なイメージがあるかもしれません。

しかし、実際はイメージとは異なり、どちらかというと自分をしっかりと持った人が多い学校です。

規則もあまり厳しくなく、制服をきちんと着ていればあまりうるさく言われることはありません。制服とコートは指定のものがありますが、ほかは比較的自由です。
なお、黒か紺のセーターを着ることや靴下の色が白なこと、冬は黒タイツを着用すること、通学時の靴が革靴であることは決まっています。

勉強に関しても、厳しく「やれやれ」と言われるわけではありません。
定期テストをはじめとした各種のテストでは成績順位が公開されることはありません。
そのためか、勉強の出来不出来という一軸のみによって評価されるわけではない、という空気感がある学校でした。

勉強で順位がつけられないため、たとえ勉強が苦手であってもスポーツや美術系のスキルなどが秀でている人、特定の分野の知識が豊富な人、リーダーシップに優れている人、など様々な面からお互いを見ることができました。

その結果か、同級生の中には美術系の進路に進んだ人や海外に留学した人など様々な人がいます。

自分の将来を考えた進路選択

中学・高校の間に何度か「卒業生の話を聞く会」で将来のイメージを膨らませる機会はありますが、進路指導はないに等しく、自分で情報を収集して受験大学を決める必要があります。

当然「良い大学に行こう」と学校側から言われることもありません。模試の受験も必須ではありません。

それでも、各自が自分の将来について考え、自分の将来のための最善の選択をしようと努力していました。
学校の学びのみで大学受験に臨む人はほとんどのおらず、多くが予備校に通い、大学受験に備えます。

しかし、受験前の高校3年生であっても6月の球技大会や10月にある体育祭に向けては本気で練習をするなど、受験を言い訳にせずに学校生活も全力で楽しんでいました。

卒業した今、頑張っている人を馬鹿にしない雰囲気があるところが雙葉のよいところだったと思います。

掃除第一「掃除の雙葉」

一方、非常に厳しいのが掃除に対する姿勢で、「掃除の雙葉」と言われることもあるほど掃除を大切にしています。

自教室だけでなく、様々な特別教室、自教室のある階のお手洗いの掃除を放課後に当番制で行います。担当教室の数が多いため、しょっちゅう掃除当番に当たります。

清掃の方は自教室や特別教室の掃除には入らないので、掃除を適当にすると明日の自分たちが困ります。ですので、めんどくさいと思いつつも掃除にはきちんと取り組んでいる人が多かったです。

なお、お手洗いの掃除もきちんと掃除用具と消毒液などを使用するためそこまで嫌なものではありませんでした。

掃除当番は部活動や委員会などの何よりも優先されます。

そのような6年間をおくることで、公共空間を綺麗に使う意識と、日々自分たちのために働いてくださっている方々への感謝する気持ちが自然と身に付きました。

宗教の授業で学ぶ人間としての在り方

雙葉は歴史のあるカトリック校ですが、キリスト教について直接学んだというよりは、キリスト教の教えを基礎とした心の教育を受けた、という印象です。

礼拝も大きなものは年に2回ほどしかなく、宗教の授業でも聖書について学ぶことはそれほど多くありません。

その代わり、6年間ずっとある宗教の授業では、ドキュメンタリー番組などの視聴を通じて、世の中の多様性を受け入れることや自分と異なる人に向き合うこと・寄り添うことを学びます。

学校の方針として「良き日本人、良き母を育てる」ことを掲げていることもあり、キリスト教そのものというよりは人間としての在り方を学んだ6年間でした。

雙葉での6年間

6年間の雙葉での生活は、「徳においては純真に 義務においては堅実に」という校訓の通り、素直な精神と品性を持ち・やらなければいけないことはきちんと行える人間になる一歩となる時間でした。

必死に勉強をする学校生活というよりは、楽しくのびのびと自らの個性を伸ばし人間としてのふるまいを身に着けた学校生活でした。

受験の面倒を学校に見てほしい人には向いていないかもしれませんが、同級生の中におばあ様もお母様も雙葉卒、という人もいるほど素敵な学校です。

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1995年生まれ。東京都出身。

中高一貫の女子校出身で、高校時代は部活動で部長を務める他、学外で学生団体を立ち上げるなど活動。活動歴を活かせるかもしれないと、高校2年生からAO入試を視野に入れる。同時に、一般入試では早稲田大学を目指して勉学に励む。受験期の国語の偏差値は70以上で、センター模試では現代文・古文は常に満点。AO入試で慶應義塾大学総合政策学部に入学後は、研究会活動のほか、大学受験予備校や書店でのアルバイトに励む。専門分野はジェンダー学、倫理学(主にケアの倫理)、労働法。大学卒業後はコンサルティングファームなどを経て独立し、現在は予備校講師やライター、個人コンサルタントとして活動中。書店と映画館と美術館と歌舞伎座をこよなく愛し、芸術文化全般に関心を持っている。