【中学受験】来年の入試動向は?目立った動きに注目!

新型コロナウィルスの影響が続く中、受験生の皆さんは志望校合格に向けて日々受験勉強をおこなっていることと思います。受験勉強を続けるモチベーションを上げるためにもっとも重要なのが、「志望校の存在」です。目標があるからこそ頑張れる、それが中学入試ではとても大切なことです。

ただし、来年度入試についてはまだ動向がはっきりしません。なぜなら、新型コロナウィルスの影響があっても入試日程が大きく変更されることは今のところないでしょうし、例年と違って受験のためのカリキュラムの定着度が受験生間で大きく異なることが予想されるため、各中学校への出願動向を見極めるのは難しいからです。

塾がお休みやオンライン授業になるなど、塾での受験勉強の様相も通常の年とは異なる来年度入試ですが、志望校があるからこそ勉強も頑張れます。保護者の方がやるべきことは、今年度の入試の動向をしっかりつかんだうえで、志望校をどうするのか、対策方法をどうするのか、といったことを考え、お子さんをサポートすることです。

参考になるのは今年度(2020年)の中学入試の受験の実態がどうだったか、という入試動向です。その情報をもとに、お子さんの併願校を考えていくことも保護者の方にとって重要な役割です。今回は、男子校、女子校、共学校それぞれについて、今年度の入試動向を振り返り、来年度入試の参考になる情報をお伝えしていきます。

1月入試校の動向は?

今年度、1月入試校の中で台風の目となったのは、何といっても大宮開成です。例年、栄東や開智といった埼玉の中学校の中では下位に属しており、四谷大塚偏差値で40を切る、サピックスなら30台であってもほとんどの受験生が合格するという受験結果が続いていましたが、今年度は四谷大塚偏差値で40台後半、サピックス偏差値でも40台前半の中堅校受験層であってもかなりの苦戦を強いられました。

理由としては、埼玉の中学校として挙げた栄東や開智が難化したことが挙げられます。もともと栄東は東大選抜、特待生コースなどによって受験生を集めており、近年難化傾向が続いています。首都圏の受験生は2月受験校を第一志望にしていることが多いため、1月に合格をもらっておくことが非常に重要です。そういった意味で、1月10日に解禁される埼玉の中学校の受験は年々激化傾向にあることを知っておきましょう。

数年前と違い、ほとんどが合格をもらえるといった状況ではなくなってきていることに注意し、受験する際には必ず過去問を解いておくようにする必要があるでしょう。大宮開成は、栄東、開智と並んで今後も埼玉受験校として難関となる可能性があります。

男子校の動向は?

2月1日の台風の目は巣鴨中学校

2月1日の午前入試は、男子御三家をはじめとして多くの男子校で入試がおこなわれます。なかでも巣鴨中学校はは2月1日の午前入試で非常に受験者を増やしました。昨年度、午後入試が実施されたことも受験者が増えた背景にあると考えられます。例年に比べて学力的にかなり高くないと合格できないという結果でした。午後に行われる算数選抜もさらに厳しい結果となっています。

世田谷学園の算数入試は以前人気

世田谷学園は、2月1日の午後に算数入試をおこなっています。以前から算数の配点を120点と、他の教科と比べて高く設定していましたが、算数入試では腕に覚えのある受験生が多く集まり、昨年度よりさらに人気を集めました。また、2月1日の算数入試をきっかけに受験を目指す受験生が増えたと考えられ、2月2日の午前入試も志願者数を増やし、難易度がさらに上がる結果となっています。

青山学院中等部は男子で難化

青山学院中等部は、例年2月2日に入試を実施していますが、今年度は2月2日が日曜日であったこともあり、入試日を2月3日の午前に移しました。男子の受験者数は60人程度増えており、難化傾向が見られました。プチサンデーショックともいえる受験状況だったと言えるでしょう。

ひとつの要因として、同じくキリスト教系の暁星が2月2日の午前と2月3日の午後に入試日を設定したことによる影響が考えられます。この影響は大きく、他にも成城も志願者数を増やしており、難化傾向が見られました。

伝統校も午後入試に参入

2月におこなわれた午後入試で志願者を多く集めたのは、巣鴨・暁星・都市大等々力といった学校です。以前は午前入試のみだった入試を午後にも実施することにより、受験生の選択肢の幅が広がっていることがわかります。

世田谷学園・広尾学園も午後入試で受験生を多く集めています。1科目入試やコース別入試をおこなうことにより、志願者が幅広い層から集まってきていると考えられます。

午後入試に伝統校が参入したことにより、受験生の入試日程は過密化していますが、選択肢が広がることによってチャレンジするという傾向も見られ、全体的に難化傾向にあると考えられます。

女子校と難関共学校の動向は?

女子校、共学校については、特に女子を中心に、大学入試改革の影響もあってか付属校の人気が高め安定している傾向にあります。一方で、中高一貫校の人気は依然として高く、特に共学校への進学を希望する受験生が増えています。一方で、いわゆる「伝統校」と言われる難関女子校も志願者を集めました。

1月入試では渋幕が台風の目に

女子校と難関共学校の1月入試で目立ったのは、埼玉入試では浦和明の星女子、淑徳与野という埼玉の難関女子校の志願者・受験者とも大幅に増加しました。この2校の入試は連日でおこなわれますが、例年両方受験するという受験生が非常に多いです。第一志望校とする受験生も多いですが、そういった受験生は2月におこなわれる入試も受験します。

1月受験に関しては、2月1日の東京女子御三家の受験生の併願校としての位置づけもあり、そういった上位の女子受験生はまず栄東を受け、淑徳与野、浦和明の星と受験し、1月20日解禁の千葉入試にチャレンジしたのち、2月の受験に備えるというのが女子の受験パターンとして定着していると言えるでしょう。

また、1月22日に例年入試をおこなう渋谷教育学園幕張は、今年度の入試の台風の目となりました。いわゆる渋幕ショックとも言われたほどで、1月入試の合格者を約130名減らしたのです。渋幕は千葉御三家の中でもっとも偏差値が高く、特に千葉在住の受験生にとっては第一志望とされ、2月の御三家に合格しても渋幕に進学するという受験生もいるほどです。

そうした渋幕で大幅に合格者が減らされたことにより、渋幕第一志望の受験生だけでなく、2月の東京御三家を目指す受験生にとっても、1月校で不合格となることによるショックは大変大きいものでした。合格者を減らした場合、のちに繰り上げ合格を発表することがありますが、繰り上げもおこなわなかったため、渋幕としても「本気の受験生」を求めていると考えられます。

よく、東京御三家を受験する受験生の保護者の方から、渋幕の対策をした方がいいですか、とご相談をうけます。なかには、御三家で難関校対策をしているから、渋幕は特に対策をしなくてもいいですよね、とおっしゃる保護者の方もいらっしゃいますが、渋幕は入試の出題がカメレオンと言えるほど難易度も出題単元も変わります。出題のクセも強いので、まったく対策をしないで受験するのは受験生を疲れさせるだけです。受験するなら必ずしっかり対策をする必要があると言えるでしょう。

女子御三家の受験生が増加傾向に

2月1日の午前には、桜蔭、女子学院、雙葉の東京女子御三家の入試がおこなわれます。今年度は桜蔭や雙葉が受験者を増やしました。女子御三家の倍率は年度によってもちろん変化はありますが、桜蔭は2倍、女子学院は3倍、雙葉が4倍というのがおおまかな目安です。ただし、御三家を受験しに来る女子の最上位生の中での倍率なので、他の学校の倍率と一概に同じようには考えられません。受験を考える際には、自分の実力のレンジがどこにあるのかということを十分に考えて学校を選択することも必要です。

また、女子御三家の併願校としては豊島岡女子、吉祥女子が挙げられますが、こちらはどちらも難関校です。豊島岡は偏差値だけ見れば女子学院や雙葉を抜く勢いで、もはや併願校という位置づけは適当でないかもしれません。こちらもしっかりした受験準備が必要です。今年度は、吉祥女子の志願者数が伸びました。豊島岡女子の難化も少なからず影響していると考えられます。吉祥女子の入試問題は比較的オーソドックスですが、高得点レベルの争いになるので、どれだけ基礎基本がしっかり固まっているかによって結果が分かれたと考えられます。

また、近年では大学付属というより進学校として人気を集めている共立女子ですが、今年度入試では2月1日の午前入試だけでなく、2月2日の午前入試、2月3日の合科入試も含めすべての受験会で大幅に志願者・受験者が増加しました。共立女子大に進学できますが、近年は医学部や歯学部といった理系学部への進学者も増えていることが人気を集めた原因のひとつと言えるでしょう。

大学付属校では立教女学院や学習院女子が人気

2020年からの大学入試改革のことを考えて、いわゆる進学校よりも大学まで付属で進学できる付属校が特に女子の間で人気となっていますが、この傾向は今年度も変わりませんでした。特にG-MARCHと呼ばれる大学の付属校は人気を集めていますが、女子校の中では、立教女学院、学習院女子が安定して志願者・受験生を集めており、倍率にも大きな変化は見られず高止まりの様相を呈しています。

1教科入試も人気

今年度入試では、山脇学園の2月1日の午後入試が人気を集め、受験者が非常に増加しました。2月1日の午後に1教科入試を実施していますが、1教科入試を実施する中学の中でも、山脇学園は国語と算数から受験教科を選択できる点に人気が集まっていると言えるでしょう。特に、国語を選択した受験生が400人を超えたという結果だったので、女子にとっては得意科目とされる国語が得意な受験生の人気が集まったと考えられます。算数1教科入試は最近では珍しくなくなってきましたが、国語1教科入試というのはまだ数はそう多くありません。特徴的な入試で受験者を大幅に増やした好例と言えるでしょう。

女子の伝統校の人気復活?

2月2日の入試では、白百合、恵泉といった、伝統のある女子校の倍率がアップしました。共学校が人気を集め、女子校は人気を下げていると言われてきたこの数年ですが、進学実績や教育内容など、伝統校だからこその学校自体の魅力と、面倒見の良さといった点が受験生だけでなく保護者からの人気も集めていると言えるでしょう。

また、香蘭女学校も受験生を多く集めました。香蘭女学校は、名前だけではわかりにくいかもしれませんが、立教大学への推薦枠を多く持っています。そのため、伝統ある女子校であり、かつ立教大学への推薦枠があるという魅力が受験生を集めました。文部科学省が私立大学に対し、合格者数の引き締めを通達してから、早慶上智やG-MARCHの大学入試の倍率は上がっています。そのため、中学・高校生活をしっかり送りながらもレベルの高い大学に推薦で進学できる可能性が高い点が人気を集めていると考えられます。

東洋英和女学院と鴎友学園の仁義なき戦い

2月3日の午前入試では、東洋英和女学院が多くの志願者・受験生を集めました。通常2月2日に入試をおこなっている東洋英和女学院ですが、今年度は2月3日の午前に入試日程を変更しました。そのため、2月3日に鴎友学園を受験する層が、東洋英和女学院に多く流れたと考えられます。

東洋英和女学院も、近年進学実績が理系学部を中心に上がっており、鴎友学園に勝るとも劣らないため、偏差値も上昇しています。また、鴎友学園はミッションスクールの印象はあまりないかもしれませんが、実は無教会派のキリスト教系の学校です。そういった点で、ミッションスクールを志望する受験生と保護者の人気を分けたのが今年度の東洋英和女学院と鴎友学園だったと言えるでしょう。

2月4日の吉祥女子は超高倍率

女子校の場合、1回しか入試をおこなわない御三家は合格発表が2月2日で、その他の学校も即日インターネット合格発表というところも増えており、おおむね2月3日に大勢が判明します。そのため、チャレンジ、あるいはリベンジという意味で2月4日、5日の入試は非常に高倍率になる傾向があります。

今年度、吉祥女子の2月4日入試は、実質倍率が実に10倍という非常に高倍率の入試となりました。志願者倍率ではなく実質倍率でしたので、狭き門であったことが良くわかります。吉祥女子は、例年2月1日、2月2日、2月4日の3回入試を実施してきましたが、来年度からは2月1日、2日の2回の入試に絞ることがすでに発表されているので、来年度入試の動向が注目されます。豊島岡女子同様、上位受験生の人気を集めることは間違いないと言っても過言ではないでしょう。そのため、敬遠する女子受験生が出る可能性もあります。

まとめ

首都圏の中学入試は、1月10日解禁の埼玉入試、1月20日解禁の千葉入試、そして2月1日からの東京・神奈川入試とスケジュールが進んでいきます。また、1月前に千葉では第一志望入試(一志入試)や推薦入試がおこなわれたり、1月10日までに海陽中等教育、西大和学園、函館ラ・サール、北嶺といった地方難関校の東京入試も実施されます。土佐塾や佐久長聖、秀光中等教育など、前哨戦としての位置づけとなる受験校もあるため、入試スケジュールをどう立てるかが合否の分かれ目となります。

すべてチャレンジ校にしてしまうとダメージが大きくなる可能性もあるので、まず1月に1つ合格をとり、調子を上げていって第一志望校受験までの準備をしていきましょう。午後入試や1教科入試など、入試の日程や教科のバリエーションは増え続けています。お子さんの負担になりすぎない入試日程を組むことも保護者の方も重要な役割です。

来年度入試は新型コロナウィルスの影響もあり、入試の倍率などについては読めない状況ではありますが、今年度の受験動向を参考にしていただき、情報をしっかり集めて備えていっていただきたいと思います。

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