Contents
免疫の復習
種類 |
おもなはたらき |
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物理的・化学的防御 |
皮膚た粘膜のよる防御 |
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自然免疫 |
マクロファージや白血球(好中球など)による食作用など |
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獲得免疫 |
体液性免疫 |
抗体による特異的な反応 |
細胞性免疫 |
キラーT細胞による特異的な反応 |
体液性免疫
図1
細胞性免疫
図2
図3
抗体の構造
図4
抗体の主成分は免疫グロブリン(Ig)というY字型のタンパク質であり、IgM、IgD、IgG、IgE、IgAなどの種類がある。
構造は、2本の長いH鎖と2本の短いL鎖がS-S結合している。
すべての抗体で共通のアミノ酸配列をもつ定常部と抗体によってアミノ酸配列の異なる可変部からなり、可変部は多様な抗原と特異的(1つの抗原に1つの抗体)に結合する。これを抗原抗体反応という。
抗体は、抗原が侵入してはじめてB細胞により生産され、1つのB細胞がつくる抗体は、すべて同じ構造の可変部をもっている。
※S-S結合はシスティンどうし
抗体の多様性について
図5
多様な抗原に対して、それぞれに対応する可変部をもつ抗体が必要である。ところが、ヒトの遺伝子は約22000種類しかない。
1977年利根川進博士は遺伝子の「連結」による「再編成」が行われることを解明した。
H鎖とL鎖の遺伝子の数
H鎖 (40)+(25)+(6)+ L鎖 (40)+(6) = (117)
抗体の種類
- H鎖遺伝子の組み合わせ…V遺伝子40種類×D遺伝子25種類×J遺伝子6種類=6000通り
- L鎖遺伝子の組み合わせ…V遺伝子40種類× ×J遺伝子6種類=240通り
- 抗体の組み合わせは6000×240=1440000通り
※各遺伝子は塩基の突然変異なども生じるため、抗体の組み合わせはさらに多様になる。
自己と非自己を識別するタンパク質
TLR=トル様受容体
自然免疫によって樹状細胞が異物を取り込む際、樹状細胞の表面にあるTLR(トル様受容体)というタンパク質が異物だと認識する。
図6
MHC抗原(MHC分子)=主要組織適合抗原
すべての細胞表面に存在しており、ヒトの場合はHLA=ヒト白血球型抗原とよばれ、第6染色体にある6つのHLA遺伝子によって決まる。
HLAが他人と一致することは非常にまれであるため、親子鑑定にも用いられる。また、骨髄移植ではこのHLAが完全に一致することが移植の条件となる。
図7
TCR=T細胞受容体
T細胞の表面にあり、自己の断片の入ったMHC抗原とは結合せず、自己と認識する。
非自己の断片の入ったMHC抗原とは結合し、非自己だと認識する。
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