生物を基礎からわかりやすく!細胞の構造と機能について【細胞小器官と細胞分画法】

細胞小器官の構造と働き

細胞膜  

図1

厚さ8~10nm(ナノメートル)。リン脂質の二重層の所々にタンパク質が埋め込まれた流動モザイクモデルという構造。

細胞内外の物質の出入りを調節する。半透だが、選択的透過性をもつ。

エネルギーを使った能動輸送も行う。 

ミトコンドリア 

図2

0.5μm、球形または棒状。外膜内膜の二重膜に囲まれ、内膜がくし状に伸びた部分をクリステ、内膜に囲まれた部分をマトリックスという。

酸素を使う呼吸を行う場であり、生命活動に必要なエネルギー(ATP)を生産する。ヤヌスグリーンで青緑に染まる。

ミトコンドリアDNAをもち、独自に分裂・増殖する。 

葉緑体 

図3

直径約5μm、厚さ約3μm。楕円形または凸レンズ形。外膜内膜の二重膜に包まれる。

内部には扁平な袋状の構造であるチラコイドが多数重なる。チラコイドが多く重なった部分をグラナという。チラコイドには、クロロフィルなどの光合成色素が含まれ、光合成を行い、デンプンを合成する。

独自のDNAをもち独自に分裂・増殖する。 

色素体 

  • 白色体…根や地下茎でデンプンの合成と貯蔵を行う。光合成色素なし。
  • 有色体…花弁や果皮。カロテノイド色素(黄色、橙色)を含む。
  • アミロプラスト…根・茎・種子においてデンプンの形成を行う。色素なし。 

中心体 

図4

2つの中心小体直交し、周辺には糸状構造がみられる。

細胞分裂の時に紡錘体や星状体の起点となる。 

リボソーム 

図5

直径15~30μm、ダルマ型の小体で粒状。タンパク質とrRNAからなり、核からの遺伝情報(mRNA)をもとにしてアミノ酸を並べ、タンパク質を合成する。

小胞体に付着していることもある。 

小胞体 

図6

扁平な袋が多数つながった複雑な構造で、核膜ともつながる。

リボソームで合成されたタンパク質を取り込み、ゴルジ体へ運搬する通路となる。また、タンパク質や脂質などの合成も行う。

リボソームが付いたものを粗面小胞体、付かないものを滑面小胞体とよぶ。 

ゴルジ体 

図7

扁平な袋が何層にも重なった構造。

細胞内で合成したタンパク質などを小胞体から受け取り、変化を加え、細胞外に分泌する。 

リソソーム 

図8

直径0.4~2μmの球状の袋。

内部にさまざまな加水分解を含み、不要な物質を分解する。この働きを細胞内消化という。 

細胞質基質 

細胞小器官の間をうめる粘性のある液体。水・タンパク質・アミノ酸・グルコース・さまざまな酵素を含み、化学反応の場となる。 

 液胞

液胞膜に包まれる。内部は細胞液で満たされており、細胞液には有機酸、炭水化物()アントシアンなどの色素や無機塩類が含まれる。

浸透圧調節、物質の貯蔵などにはたらく。特に植物では、細胞の成長に伴い発達し大きくなる。 

細胞壁 

セルロースやペクチンなどの繊維を主成分とする網目構造。細胞膜の外側にあって細胞を保護し、植物細胞を支える。物質の出入りは全透である。 

 細胞骨格 

細胞質基質の部分に含まれ、細胞の形を保つとともに、細胞内のさまざまな運動や移動に関わる。

細胞骨格をつくる繊維は、最も太い微小管中間の太さ中間径フェラメントもっとも細いアクチンフィラメントの3種類に大別される。 

図9 微小管

 

図10 中間径フィラメント

図11 アクチンフィラメント 

 

細胞分画法 

細胞小器官を大きさと密度の違いで分離する方法。

冷却しながら行うのは、加水分解酵素による破壊や高温による変性を防ぐため。 

拡張液を加えるのは、生体膜に包まれた細胞小器官の破裂を防ぐため。 

 図12

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