【神奈川の女子御三家】横浜雙葉中学校の理科の特徴とは?最新の出題傾向や入試対策方法についてご紹介します!

横浜雙葉中学校は、神奈川県横浜市中区山手町にある、キリスト教カトリック系の私立女子中学校です。神奈川県内の私立女子校の中でも歴史が深く、創立は1900年に遡ります。

完全中高一貫校となっており、高校からの入学はできません。

県内でも屈指の難易度をほこり、フェリス女子学院、横浜共立学院とともに神奈川県の女子御三家として有名です。

今回は、そのような横浜雙葉中学校の、理科の出題傾向や入試対策方法についてご紹介します。

入試情報

問題構成・解答形式

横浜雙葉中学校の理科は、試験時間40分に対して大問が4問、総設問数が20〜25程度となっています。ここ数年で大問数は安定していますが、総設問数は年度によって多少変化しています。

基本的には物理・化学・生物・地学の4分野からそれぞれ1問ずつ出題されており、同じ分野から複数問出題されるということはほとんどありません。

近年の出題内容

  • 2020年度
  • 2019年度
  • 2018年度

出題傾向

概要

横浜雙葉中学校の理科は、試験時間40分に対して大問が4問、総設問数が20〜25問程度となっています。

基本的には第1問が生物、第2問が化学、第3問が地学、第4問が物理からの出題となっています。

難関男子校で見られるような、難問・奇問は見られません。高度なひらめきや思考力を必要とするというよりは、単元についての本質的な理解を問うような良問が揃っています

また当校の理科は、出題形式が様々であることが特徴のうちの一つです。一般的な中学受験理科でよく出題されるような記号選択・用語記述・並び替え問題・正誤選択問題が大部分を占めるものの記述問題や作図問題などが出題されることもあります。

出題傾向についての詳細

横浜雙葉中学校の理科では、物理・化学・生物・地学の4分野からまんべんなく出題されることが特徴的です。基本的に、各分野からそれぞれ1問ずつ出題されています。

なかでも物理からは「電気回路」「熱」「光の反射」といったエネルギーに関する問題が、化学からは「ものの溶け方」「ものの燃え方」「水溶液の性質」といった問題が、生物からは「植物や動物の分類」が、地学からは「地形」「地層」に関する問題がよく出題されています。

難問・奇問といった、高度なひらめきや思考力を問うような問題は見られません。あくまで受験生の単元についての本質的な理解を問うような問題がほとんどです。

知識問題の割合が大きいため、受験生の演習量や知識の豊富さがそのまま得点に直結するような内容となっています。難易度がそこまで高くない分受験生同士で点差がつきにくいことも特徴的です。

また当校の理科では、様々な形式の問題が出題されることが特徴としてあげられます。一般的な中学受験理科でよく出題されるような記号選択・用語記述・並び替え問題・正誤選択問題が大部分を占めますが記述問題や作図問題なども見られます。

当校の理科は、時間にあまり余裕がないことが特徴的です。試験時間が40分と、かなり短いなかで、全20〜25問にもわたる問題を解き終えなければなりません。1問あたりにかけることのできる時間は1〜2分程度となっています。

完成度の高い解答が求められるので、高得点を取る上では解くスピードも非常に重要です。

入試対策法

分野別対策法〜実際の過去問を解いてみよう〜

横浜雙葉中学校の理科では、物理・化学・生物・地学の4分野からまんべんなく出題されることが特徴的です。

そのなかでも化学の問題について、実際の過去問を抜粋しつつ、対策法をご紹介します。

(2019年度第1回・第2問より抜粋)

〔2〕水、アルコール(エタノール)の性質を調べるために下の実験を行いました。後の問いに答えなさい。

【実験】

水、アルコールの2種類の液体を用意し、それぞれ別々のフラスコに50㎤ずつ入れた。図のように温度計とガラス管を取り付けたゴム栓でフラスコにふたをし、ガスバーナーで加熱した。加熱され出てきた蒸気は水で冷やし試験管に集めた。

  • 問1 実験の結果を見て、以下の問いに答えなさい。
    • ⑴水およびアルコールが沸騰しているときの温度は約何℃ですか。次の(ア)〜(エ)からそれぞれ1つずつ選び、記号で答えなさい。
      • (ア) 60℃
      • (イ) 78
      • (ウ) 92℃
      • (エ) 100℃
    • ⑵水やアルコールがフラスコの中で沸騰しているときのようすとして、正しいものを次の(ア)〜(エ)から1つ選び、記号で答えなさい。
      • (ア) 液体の表面のみから蒸発がおこって、湯気が見えている。
      • (イ) 液体の内側からも蒸発がおこってあわが出ている。
      • (ウ) フラスコと水が接している内側の壁にあわがたくさんついているが、液体の中にはあわがない。
      • (エ) フラスコ内の液体の体積が少しずつ増加する。
    • ⑶この実験で加熱を止めたときに、図の状態のままガスバーナーを消して放置すると試験管の中の液体を急に吸い込むことがあります。その理由を書きなさい。
  • 問2 加熱して得られた液体をそれぞれ器具Aを用いて正確に10㎤ずつ測り取り、2つの液体をよくかき混ぜ混合液にしました。このとき、混合液の重さ(g)は、混ぜる前の水とアルコールの重さ(g)を足したものと同じでしたが、体積は1㎤減り19㎤になりました。
    • ⑴水、アルコール、混合液の体積を測るために使う器具Aの名前を書きなさい。
    • ⑵混合液の液体全体の重さ(g)に対する、アルコールの重さ(g)は何パーセントですか。割り切れないときは、小数第2位を四捨五入して答えなさい。ただし、答えだけでなく途中の計算も書きなさい。また、必要ならば次のデータを使いなさい。

1㎤あたりの重さ

アルコール 0.80g
1.0g
    • ⑶混合液1㎤あたりの重さを求めなさい。割り切れないときは、小数第2位を四捨五入して答えなさい。ただし、答えだけでなく途中の計算も書きなさい。
  • 問3 アルコールを加熱して得られた液体の性質を調べるために、得られた液体を脱脂綿に吸わせ針金の先につけて点火し、下図のように、空気と水の入ったやわらかいプラスチック製の容器に入れ、ガラス板でふたをしました。しばらくすると火が消えたので針金と脱脂綿をとりだし、容器の口をガラス板ですばやく完全にふさいでよく振りました。
    このときの変化として正しいものを次の(ア)〜(エ)から1つ選び、記号で答えなさい。ただし、熱の影きょうは考えないものとします。
    • (ア) 水は白くにごり、容器はへこんだ。
    • (イ)水に目立った変化はなく、容器はふくらんだ。
    • (ウ) 水は白くにごり、容器はふくらんだ。
    • (エ) 水に目立った変化はなく、容器はへこんだ。

【答え】

  • 問1
    • ⑴ 水:エ アルコール:イ
    • ⑵ イ
    • ⑶ フラスコ内の水蒸気が冷えて水にもどったことでフラスコ内の気圧が下がり、大気圧よりも小さくなったため。
  • 問2
    • ⑴ メスシリンダー
    • ⑵ 44.4
    • ⑶ 0.9
  • 問3 エ

【解説】

  • 問2
    • ⑵(0.8×10)÷(0.8×10+1.0×10)×100=44.44→44.4
    • ⑶18÷19=0.94…→0.9

〔ポイント〕

  • 横浜雙葉中学校では、毎年第1問で生物、第2問で化学、第3問で地学、第4問で物理の問題が出題されています。
  • 今回の問題のように、用語記述や記号選択といった基本的な知識問題がほとんどです。
  • 難しいことは出題されていないため、受験生の演習量や知識量がそのまま得点に直結するような内容となっています。

高得点を目指す上での「カギ」とは?

  • 知識問題では満点を目指す
    横浜雙葉中学校の理科では、難関男子校で出題されるような難問・奇問は出題されていません。
    あくまで単元についての本質的な理解を問うような良問が揃っています。受験生の知識量や演習量がそのまま得点に直結するため、苦手分野を残さないようにしっかり対策を行いましょう。
    一方で、問題によって難易度に少しばらつきがあることも特徴的です。問題によっては「今まで学習したことを関連づけて、論理を組み立てる」ような、一筋縄ではいかないようなものも見かけられます。
    覚えていればすぐに答えることができるような知識問題は、時間をかけずに解き終え、なおかつ満点を目指しましょう。
  • 過去問演習は入念に
    横浜雙葉中学校の理科では、様々な形式の問題が出題されることが特徴的です。
    一般的な中学受験理科でよく見られるような、記号問題、適語補充、用語記述といった問題がほとんどですが、記述問題や作図問題などが出題される場合もあります。
    記述問題は、題材に関する簡潔な記述を求めるものがほとんどなので、必要とされる要素を残さないよう、完成度の高い解答を目指しましょう。
    入試本番で独特の形式に戸惑うことがないよう、過去問演習は事前にしっかりと行うと良いでしょう。
  • 時間配分は慎重に
    横浜雙葉中学校の理科は、試験時間40分に対して大問が4問、総設問数が20〜25問となっています。
    1問あたりにかけることができる時間は約1〜2分弱程度と、あまり時間に余裕がないことが特徴的です。
    試験時間が始まったらまず全ての問題に目を通し、得意な分野や解きやすそうな問題から手をつけましょう
    試験終了前の5〜10分間は必ず見直しの時間とし、計算ミスや解答の抜け落ちがないかどうかしっかりと確認しましょう。

まとめ

今回は、横浜雙葉中学校の入試情報や、理科の出題傾向、入試対策方法についてご紹介しました。

当校の理科は、試験時間40分に対して大問が4問、総設問数が20〜25問程度となっており、試験時間に対する問題量が多いことが特徴的です。

高度なひらめきや思考力を問うというよりは、単元についての本質的な理解を問うような問題がほとんどで、受験生の知識の定着度や演習量がそのまま得点に直結するような良問が揃っています。

また「記号選択、用語記述の問題がほとんど」、「様々な分野からまんべんなく出題される」といった点も特徴的です。過去問研究は抜かりなく行い、入試本番で動揺しないようにしましょう。

入試本番まで時間は限られていますが、他教科とのバランスを考えつつ、できる限りの対策を行いましょう。

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参考

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こんにちは!ライターの福久はなです。
都内の中高一貫校出身で、大学受験を経て東京大学に入学しました。
塾講師や家庭教師のアルバイト経験があり、算数・数学・英語を中心に教えていました。
これらの科目に限らず、中学受験の経験を活かして理科・社会といった科目の対策方法や、学校別の受験対策、学校情報についてなど、幅広く記事を執筆しています。
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