【社会・歴史】日本と中国・朝鮮半島の交流史をおさえよう⑪〜昭和時代・日中戦争編〜

満州事変以降の日本は華北工作を推し進め、日中戦争へと突き進んでいきます。その流れをみていきましょう。 

満州事変以後の1933年、日本政府は中国の国民政府との間に日中軍事停戦協定を結びましたが、日本の軍部はさらなる華北工作の機会をうかがっていました。その頃中国では、蒋介石[i]率いる国民党と、毛沢東[ii]率いる共産党の内戦が続いていました。 

日本の軍部は華北進出を強化していくなか、1936年に西安事件が起きます。西安に駐在していた国民軍の張学良[iii]は、西安に遠征に来た蒋介石を監禁し、国民党と共産党の内戦を停止と抗日戦線の協力を求めました。そうして抗日民族統一戦線が結成されます。 

翌年、1937年に盧溝橋事件が起きます。盧溝橋事件とは、北京郊外盧溝橋付近で、夜間演習していた中国軍の砲弾が日本軍の駐在地に飛んできたことを理由に、日本軍が中国軍を攻撃し、日中間で武力衝突が起きた事件です。 

当時の近衛文麿[iv]内閣は、事件を拡大させない方針でしたが、軍部の圧力もあり華北の軍事拡大と強行姿勢に出ます。日本の強行姿勢に対し、中国軍も抵抗し、日中戦争に突入します。 

1937年12月、国民政府が首都としていた南京を占領し、敗残兵の掃蕩を行いましたが、その際に中国の非戦闘員や捕虜を殺害しました。この事件を南京事件と呼びます。殺害された人数は数千人から30万人など数説にわたり、正確な人数や事変の全容は明らかになっていません 

近衛内閣の一つ前の広田弘毅[v]内閣下で大規模な軍備拡張が進められました。一方で、財政悪化に苛まれた政府は、不要不急の物資の輸入品を停止する輸出入品等臨時措置法や、経済統制を強化する国家総動員体制を打ち出します。 

その後の近衛内閣下で、1938年に国家総動員法が公布されます。国家総動員法とは、戦時において労務・資金・物資・物価・企業・動力・運輸・貿易・言論など国民生活の全分野を統制する権限を政府に与えたものです。 

【注】

[i] 中国の軍人、政治家。字(あざな)は中正。浙江省奉化県の人。保定軍官学校、日本の陸軍士官学校に学ぶ。一九一一年の革命に加わり、孫文に師事。孫文の死後、国民党中央執行委員、国民革命軍総司令となり、北伐に成功、南京政府の実権を握った。三六年西安事件で捕えられ、国共合作に同意したが、抗日戦争中も反共政策を強行した。戦後、中華民国初代総統となったが、国共内戦に敗れ、四九年台湾に逃れた。妻の宋美齢は孫文夫人の宋慶齢の妹。チアン=チエシー。(一八八七‐一九七五)(『日本国語大辞典』) 

[ii] 中国の政治家、思想家。湖南省出身。一九二一年、中国共産党創立大会に湖南省責任者として出席。第一次国共合作中から農民運動を指導し、二八年、朱徳とともに工農紅軍第四軍を組織する。三一年、中華ソビエト共和国臨時政府主席。四九年、中華人民共和国成立とともに国家主席となるが、大躍進政策の失敗で、五九年、退く。六五年以降、文化大革命を起こし、後年その誤りを指摘された。著「実践論」「矛盾論」など。(一八九三‐一九七六)(『日本国語大辞典』) 

[iii] 中国の軍人。父張作霖(ちょうさくりん)の爆死後、中国東北の実権を握った。満州事変後、中国東北失陥の責を負って下野外遊。帰国後、蒋介石の内戦政策に反発、一致抗日を訴えるため一九三六年西安事件を起こし、第二次国共合作の契機を作った。(一九〇一‐二〇〇一)(『日本国語大辞典』) 

[iv] 1891〜1945 昭和期の政治家。篤麿 (あつまろ) の長男。東京の生まれ。五摂家の筆頭の家柄で,革新政治家として国民の期待・人気を集めた。貴族院議長から首相に就任し,組閣3回。この間日中戦争の処理,国内の軍部・政党の調停など期待されたが,新体制運動・大政翼賛会設立・日独伊三国同盟締結など,結局,ファシズム体制を促進し,日米交渉打開にも失敗した。戦中は第一線を退いたが,’45年早期終戦を上奏。第二次世界大戦後戦犯に指名され服毒自殺した。(旺文社『日本史事典』) 

[v] 外交官、政治家。福岡県出身。東京帝大卒。外務省にはいり駐ソ全権大使、斎藤・岡田両内閣の外相を歴任。昭和一一年(一九三六)二・二六事件収拾のため、挙国一致内閣を組閣。翌年の第一次近衛内閣の外相となる。昭和二〇年(一九四五)終戦直前、和平交渉に当たったが失敗。戦後、極東軍事裁判でA級戦犯として処刑された。明治一一~昭和二三年(一八七八‐一九四八)(『日本国語大辞典』) 

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