中学受験の理科で、物理分野に次いで受験生が苦手意識を持つのは、化学分野ではないでしょうか。暗記しなければ始まらない知識、計算問題も多い、そもそも化学反応って何?というところでつまずいているお子さんも多いと思います。
化学分野は水溶液、気体、燃焼の問題が代表的ですが、水溶液のところなどでは暗記項目が多いのも特徴です。今回は、化学分野について、ダメな勉強法、成績を上げるために守るべきルールについてまとめていきます・
Contents
ダメな勉強法
水溶液の知識をまとめていない
化学分野で中心的な存在の水溶液。水溶液の問題は酸性、中性、アルカリ性を示す場合、リトマス試験紙ではどうなるのか、BTB溶液ではどうなるのか、ばらばらに覚えるのではなく、まず整理しておくことが必要です。中学受験の根本は、「知っている知識を、必要な時に取り出せるようにしておく」ことです。水溶液でも、こうした知識をしっかり整理したうえで理解し、暗記しないと、ただ覚えても必要な時に取り出すことはできません。それぞれの知識がつながっていないと、覚えることがむだに増え、いくら時間を使っても知識が定着しないということになってしまいます。
根本的な原理を覚えていない
化学分野では計算問題も出題されます。ですが、ただ公式を覚えているだけでは解けない問題がほとんどです。たとえば、温度が変化する問題や、水を蒸発させて水の量が変化する問題は、根本的に「なぜそうなるのか」という原理を理解しておかないと、いくら問題をたくさん解いたとしてもその場限りで、少し聞かれ方を変えられると太刀打ちできません。
成績を上げるために守るべきルール
知識は体系的に覚える
先ほども書きましたが、化学分野では、知識を体系的に整理して覚えていく必要があります。例えば酸性・中世・アルカリ性の水溶液、色の変化などは表にすることで覚えやすくなります、ただ文字で覚えるだけでなく、表にして覚えることで記憶にも残りやすいのです。ほかの単元でも、知識を整理する際は表や図にしてまとめておくことをお勧めします。
酸性 | 中性 | アルカリ性 | |
リトマス紙 | 青→赤 | 変化しない | 赤→青 |
BTB液 | 黄色 | 緑色 | 青色 |
フェノールフタレイン液 | 変化しない | 変化しない | 赤色 |
水溶液 |
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実験をする・目で見る
化学分野の入試問題は、実験結果の読み取りをさせ、そのうえで計算させるという問題があるので、実験を実際にしてみると理解が深まります。ただ、学校では基本的な実験にとどまりますし、家ではそんなにする機会がありませんよね。そういう時は、実際に実験をしなくても、実験の映像を見る、参考書に載っている実験を読んで理解を深めましょう。実際に目で見るのと、ただ机上で勉強するのとは定着度合いが全く違います。
その際にも、ただ実験結果を覚えるのではなく、なぜそのような実験結果になるのか、その理由をしっかり理解しましょう。また、実験器具の使い方の問題や、実験器具は実際にどのように並べるか、どのように使うのかを図示する問題も多く出題されます。特に燃焼の問題に多いので、しっかり理解しておきましょう。
まとめ
化学分野の場合、計算問題と同じくらい知識問題も多く出題されます。計算問題はまず、基本的な問題を繰り返し解き、様々な種類の計算に慣れましょう。知識の問題は、先ほども書いたように、表や図などで自分で整理して覚えましょう。テキストに図や表が載っていますが、まず一度は自分の手で書いて覚えるという手順を踏みましょう。そして、その際には必ずなぜそうなるのか、理解して覚えるようにしましょう。また、実験をする機会があれば積極的に取り組むようにしましょう。家庭でできる実験(レモン電池、電流回路など)もありますので、時間を見つけてやってみると実感をもって問題に取り組めるようになりますよ。
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一橋大学卒。
中学受験では、女子御三家の一角フェリス女学院に合格した実績を持ち、早稲田アカデミーにて長く教育業界に携わる。
得意科目の国語・社会はもちろん、自身の経験を活かした受験生を持つ保護者の心構えについても人気記事を連発。
現在は、高度な分析を必要とする学校別の対策記事を鋭意執筆中。