こんな宿題はしないでいい?中学受験と学校の宿題の両立問題

中学受験生にとって、日々取り組まなければならない宿題。でも、その宿題は、塾のものだけではありませんよね。学校の宿題、これも一定時間をかけてやらなければならないものです。受験の際には通知表のコピーを提出する学校も多いですから、いくら塾の宿題が多くて手が回らないといっても、学校の宿題をおろそかにすることはできません。学習計画を立てるときにも、やはり学校の宿題の時間をどうするかは悩むところでしょう。

今回は、塾と学校の宿題の両立について考えていきたいと思います。

学校の宿題はまず、完璧に

中学受験生にとって、日常の中でかなり重要なウエイトを占めるのが学校の宿題です。強い表現かもしれませんが、まず、学校の宿題を完全に仕上げることは、中学受験においても大前提です。小学校の宿題というのは、小学校に通う生徒が画一的に「ここまではできておかないとまずい」というレベルを要求しています。もちろん、先生ごとに工夫を凝らして調べ学習を宿題に出すケースもありますが、基本的には日々習慣的にやっておくべき学習内容が宿題として出されるのが一般的です。

ですから、まずはこれが完璧にできていないと、中学受験は遠ざかってしまいます。最初にも書きましたが、いくら頑張って塾に通って勉強しても、中学受験には小学校の協力が欠かせません。宿題をしない子、しても非常に雑であったりやっていない日があったりすると、学校の先生との関係が悪化してしまい、注意を受けに親が呼び出しを食らうこともあるのです。学校との関係を悪化させるのは好ましくありません。学校の宿題をコツコツ欠かさずやるという地道な積み重ねが、学校からの評価につながりますから、まずは学校の宿題は完璧にこなしましょう。

困った宿題~書き写すことは勉強ではなく、作業になってしまう

学校の宿題は完璧にこなす必要がありますが、そのうえでやはり「これはしなくてもよいのでは?」という困った宿題が出されることもまた事実です。時間がかかる割に成績アップにはつながらない、そんな宿題はやはりむだと言わざるを得ない面を持っています。塾でも学校でも、たとえば、朝日新聞の「天声人語」の書き写しを宿題にするところはいまだに多いのです。たしかに、書き写すことにより文章に対する抵抗感は薄れるかもしれません。また、天声人語は新聞社の中でも特に文章力の優れた人が書く文章として、親御さんの世代から定番の宿題かもしれません。

出てきた言葉の意味を調べて語彙力をつけるとか、世の中で起こっていることがわかるとか、そういうメリットを意識してやるならば意味もあるかもしれません。しかし、「簡単にまとめなさい」や「自分の言葉でまとめなさい」などの具体的な指示のない、単なる書き写すだけの宿題は、問題に向き合い、どう解けばよいのか考えるわけでもありませんから、頭を使わない宿題の代表例と言えるでしょう。

このような宿題は「作業」であって「勉強」とは言えない場合もあるのです。中学受験まで限りのある時間、その時間をどう使うかという問題が起こりますね。やはり優先すべきは「勉強」でしょう。

作業系の宿題をどううまくこなすか

そうはいっても、作業系の宿題も、やらなければ塾や学校の成績に影響が出ますから、やらずに済ますということはできません。ですが、先ほども書いたように、ただやるだけでは時間ばかり食ってしまい、学力アップにつながらないというジレンマに陥ります。小学生ですから、睡眠時間を削ってまでやるとなると、健康上もよくありません。では、どうしたらよいのでしょうか。

一つには、例に出したような、時間さえあれば終わる「書き写し系」の宿題であれば、家庭学習の時間ではなく、学校にいる間に終わらせてしまう、という手があります。休み時間にみんなが遊んでいるときに自分だけ宿題?と思うかもしれませんが、すべての休み時間をその宿題に費やせということではありません。少しでも手を付けておくと、家庭学習の時間を大幅に取られてしまう、という状態から脱することが出来ます。また、短い時間に集中してやることで、時間の使い方を意識することにもなります。

また、先生から指示が出ていなくても、「調べる」「理解する」姿勢をもち、読みながら書いたり由来を確認したりして、受験勉強に関連付けてやるという方針でしっかりやることが出来れば、それに越したことはありません。ただ、「先生がここまで写してこいっていったから」と、作業という楽な方にお子さんが流れないようにするよう、親御さんがしっかり管理してあげることが必要です。

さらに前向きに考えるならば、友人と協力してやる、というのも効果的です。友人と教えあい、試行錯誤して問題を解く。このような習慣をつけながら宿題をやれば、教える側の理解も、教えてもらった側の理解も深くなります。小学生には少々ハードルが高いかもしれませんが、議論してみるのもよい経験になるでしょう。学校でそれが難しいなら、やはりここは親御さんの出番です。一緒に教える側、教えられる側の立場になって宿題に取り組んでみるのもよいと思います。

まとめ

塾と学校の宿題の両立は大変ハードなものです。ただ、「早くやってしまいなさい」というのではなく、どれだけの量が出されているのか、実際に親御さんにも見ていただきたいと思います。塾の宿題にも、むだなものはたくさんあります。それを取捨選択し、必要なものをじっくりやるのが理想的です。まじめなお子さんほど、すべて完璧にやろうとして体調を崩してしまうことがありますから、親御さんが取捨選択、あるいは塾の先生に相談するなどして、「ここまでは必ず」というラインを決めておくことも大事になります。ぜひ、「宿題だから本人の問題よね」と片付けるのではなく、習慣づけ、学習の計画を立てる上でも全体の量の把握と取捨選択をしてしっかりサポートしてあげてください。

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一橋大学卒。 中学受験では、女子御三家の一角フェリス女学院に合格した実績を持ち、早稲田アカデミーにて長く教育業界に携わる。 得意科目の国語・社会はもちろん、自身の経験を活かした受験生を持つ保護者の心構えについても人気記事を連発。 現在は、高度な分析を必要とする学校別の対策記事を鋭意執筆中。