【立教大への進学最多!】立教女学院中の社会の特徴とは?

立教女学院中学校は、東京都杉並区久我山にあるキリスト教系の私立中学校です。都内私立女子校の中でも歴史が深く、1877年に米国聖公会のウィリアム氏とブランシェ氏によって設立されました。

完全中高一貫校であるため高校からの入学は認められていません。また、在学生のほとんどが立教大学に内部進学することでも有名です。

今回は、そのような立教女学院中学校の、社会の出題傾向や入試対策方法についてご紹介します。

入試情報

問題構成・解答形式

立教女学院中の社会は、試験時間30分に対して大問が3、4問、総設問数が30〜60問程度となっています。ここ数年で大問数は4問、4問、3問と減少し、総設問数は53問、38問、54問と、年度によってかなり変化しています。

基本的には地理・歴史・現代社会(公民、時事含む)の3分野から少なくとも1問ずつ出題されていますが、同じ分野から複数問出題される場合もあります。

近年の出題内容

2020年度

2019年度

2018年度

出題傾向

概要

立教女学院中学校の社会は、試験時間30分に対して大問が3、4問、総設問数が30〜60問程度となっています。

基本的には地理・歴史・現代社会(公民・時事含む)の3分野から少なくとも1問ずつ出題されていますが、年度によっては1つの分野から複数問出題されるという場合もあります。

難関男子校で見られるような、難問・奇問は見られません。高度なひらめきや思考力を必要とするというよりは、単元についての本質的な理解を問うような良問が揃っています

また当校の社会では、出題パターンがかなり限定的であることも特徴的です。一般的な中学受験社会でよく出題されるような記号選択、適語補充、用語記述、並び替えといった知識問題がほとんどで、記述問題などはほとんど出題されていません。

出題傾向についての詳細

立教女学院中学校の社会では、地理・歴史・現代社会(公民・時事含む)の3分野からまんべんなく出題されることが特徴的です。

ここ最近の大問数は4問、4問、3問と減少傾向にあり、総設問数は53問、38問、54問と増減を繰り返しています

なかでも地理からは「国土と自然分野」「日本の各地方」「日本の諸産業」といった問題が、歴史からは「文化・宗教史」「経済史」といった問題が、公民からは「三権分立の仕組み」「国会の仕組み」についての問題がよく出題されています。

難問・奇問といった、高度なひらめきや思考力を問うような問題は見られません。あくまで受験生の単元についての本質的な理解を問うような問題がほとんどです。

難易度がそこまで高くない分、受験生同士で点差がつきにくいことも特徴的です。ここ最近の合格者平均点は7〜8割程度とかなり完成度の高い解答が求められます

また、問題形式がかなり限定的であることも特徴的です。一般的な中学受験社会でよく見られるような記号選択、適語補充、用語記述、並び替え問題といった知識問題が大部分を占めており記述問題などはほとんど出題されていません。

当校の社会は、とにかく問題分量が多いことが特徴的です。試験時間が30分と、かなり短いなかで、多い年では50問を超える問題を時終えなければなりません。

時間がない中で完成度の高い解答が求められるので、高得点を取る上では解くスピードも非常に重要です。

入試対策法

分野別対策法〜実際の過去問を解いてみよう〜

立教女学院中学校の社会では、地理・歴史・現代社会(公民・時事含む)の3分野からまんべんなく出題されることが特徴的です。

そのなかでも特に頻出の、歴史・現代社会の問題について、実際の過去問を抜粋しつつ、対策法をご紹介します。

実際の出題例1〜歴史〜

(2015年度第1回・第1問より抜粋)

〔1〕A〜Fの各文を読み、次の問いに答えなさい。

  • A 大老となった( あ )は、当時の天皇の許可を得ないままに、①アメリカと貿易を行うための条約に調印し、これに反対した大名や武士、公家をきびしく弾圧した。
  • B 「②わたしの祖先は、みずからよろいやかぶとを身につけ、山や川をかけめぐり、東は55国、③西は66国、さらに海を渡って95国を平定しました。」
  • C ④唐・新疆の連合軍との戦いに敗れた日本は、⑤九州を守る兵士を配置するとともに、西日本を中心に山城を築造するなど、防衛体制を強化した。
  • D ソ連との間で( い )に調印した日本は、ソ連との国交を回復するとともに、国際連合への加盟を認められ、⑥国際社会に復帰した
  • E 土地をめぐる紛争が急増するなか、執権( う )は裁判を公平に裁くための法律として( え )を制定した。
  • F 欧米諸国にならって学校制度を定めた政府は、全国の町や村に小学校を設置し、一定の年齢に達したすべての子どもに教育を受けさせようとした。
    • 問1 上の各文の( あ )〜( え )にあてはまる語句を、漢字で答えなさい。(ただし、( い )は一部カタカナを入れて、( え )は5字で答えなさい。)
    • 問2 下線部①について、以下の問いに漢字で答えなさい。
      • ア. この条約の正式な名称を答えなさい。
      • イ. この条約の調印をきっかけに始まった欧米諸国との貿易で、日本の最大輸出品となった品物とは何か、2字で答えなさい。
    • 問3 下線部②とはだれか、その大王名をカタカナで答えなさい。
    • 問4 下線部③で、下線部②の「わたし」の支配は熊本県にまで及んでいた。そのことがわかる文章が刻まれた鉄刀が発見された古墳名を、感じで答えなさい。
    • 問5 下線部④の戦いが行われたのはどこか、漢字3字で答えなさい。
    • 問6 下線部⑤の兵士を何というか、ひらがなで答えなさい。
    • 問7 下線部⑥で、日本が国際社会から孤立するきっかけとなった、中国東北部を武力占領した日本による一連の軍事行動を何というか、漢字で答えなさい。
    • 問8 Bの文の時期に、朝鮮半島から伝えられた技術で焼かれた、うすくてかたい土器を何というか、漢字で答えなさい。
    • 問9 Dの分の時期に、各家庭に普及した「三種の神器」とよばれた電化製品にあてはまらないものを下記の語群からすべて選び、その記号を答えなさい。
      • ア. 電気洗浄機
      • イ. カラーテレビ
      • ウ. 電気冷蔵庫
      • エ. クーラー
    • 問10 Fの文と同じ年の出来事を、下記の語群から一つ選び、その記号を答えなさい。
      • ア. 10年後に国会を開くことを政府が約束した。
      • イ. 東京・横浜間に電信が開通し、公衆電報の取り扱いが開始された。
      • ウ. 徴兵令が制定された。
      • エ. 廃藩置県が実施された。
      • オ. 新橋・横浜間に鉄道が開通した。
    • 問11 A〜Fを時代の古い順に並びかえ、その記号を答えなさい。

【答え】

  • 問1 (あ) 井伊直弼  (い) 日ソ共同宣言  (う) 北条泰時  (え) 御成敗式目
  • 問2 ア 日米修好通商条約 イ 生糸
  • 問3 ワカタケル大王
  • 問4 江田船山古墳
  • 問5 白村江
  • 問6 さきもり
  • 問7 満州事変
  • 問8 須恵器
  • 問9 イ・エ
  • 問10 オ
  • 問11B→C→E→A→F→D 

〔解説〕

  • 問1〜問9
    • どれも基本的な用語記述・記号選択などの知識問題。満点を狙いたい。
  •  問10
    • 学制:1872年

〔ポイント〕

  • 立教女学院中学校は、地理・歴史・現代社会の3分野のなかでも、歴史・現代社会が特に頻出です。歴史の問題のなかでは、経済史・文化史・宗教史に関する問題が頻繁に出題されています。
  • 特定の時代に限定して出題されるというより、特定のテーマに沿って様々な時代の歴史的事項を問うような場合が多いです。
  • また、今回の問題のように、基本的な用語説明や記号選択などの知識問題がほとんどです。難易度はそこまで高くない場合が多いので、満点を目指したい内容となっています。

実際の出題例2〜現代社会〜

(2015年度第1回・第3問より抜粋)

〔3〕次の文章を読み、問いに答えなさい。

みなさんにとって「自由」とはどういう意味をもつものでしょうか。自由に考えたり、自由に行動したりすることは誰もが求めることですが、その自由が誰かにとっての都合の悪いものである時、その自由を抑えようという動きが生まれてしまうことがあります。とくに戦争に向かう時代にはその傾向が強くなります。

日本国憲法の第21条第1項には「集会、結社及び言論、出版その他一切の( あ )の自由は、これを保障する」と書かれています。ここにある「( あ )の自由」には、①政府に対する批判の自由も、社会の多数派の考えに反対する自由も含まれています。以前の日本で②経済的利益を求めて海外へ積極的に進出した時代に、「戦争反対」を叫ぶのは少数派でした。その少数派の弾圧を後押しした法律が以前の日本にもありました。その代表的な例が1925年に制定された「( い )法」です。最初この法律では、経済的な利益を追求する考え方を否定する( う )主義者らを取りしまりの対象にしていました。しかし、次第に( う )主義者でない人々へも対象が広がっていきました。③政府によって「許される思想」と「許されない思想」というのが決められてしまい、自由に考え、行動することができなくなってしまったのです。

しかし、本来、④法律とは人々の自由を奪うために作られるものではありません。例えば、犯罪について規定する刑法という法律をとってみても、何をすれば犯罪となり、どれくらいの刑罰が科されるのかが明確に書かれていることで、人々は社会のルールを知り、自分で判断し行動することもできます。⑤法律によって自由が保障されるという側面があるのです。

国家と国家の間で結ばれる⑥条約も同様です。多くの国が話し合って決めた条約によって、自由や人権の保障が広がったり、戦争へ向かう動きを止めたりすることなどが可能になります。

このように、社会において「自由」が保障されるために法律や条約などの「法」が果たす役割はとても大きいといえます。そして「法」の中でも重要なのは、それぞれの国にある憲法です。この法は人々の自由や人権を守ることを重要な役割としていて、日本では「( え )法規」と位置づけられています。したがって、⑦憲法は、政府や社会の多数派の考えだけでは簡単に変えられないようにし、たとえ社会の少数派であってもそれらの人々の自由が奪われないようにしているのです。

  • 問1 ( あ )〜( え )にあてはまる語句を漢字で答えなさい。
  • 問2 下線部①ができるようにするために、日本国憲法には明記されていませんが、国民には政府や地方自治体がもつ情報を得られる権利があります。この権利は何といいますか。
  • 問3 下線部②について日本が最初の植民地を獲得したのは、何という戦争ですか。
  • 問4 下線部③について答えなさい。日本国憲法では、このような歴史に対する反省から、多くの自由権について保障しています。次の中でそれとは直接関係のないものを一つ選び、記号で答えなさい。
    • ア. 思想と良心の自由を保障する。
    • イ. 国の宗教活動を禁止する。
    • ウ. 財産権を保障する。
    • エ. 公務員による拷問を禁止する。
  • 問5 下線部④は、国会で制定されています。日本の国会における法律・予算・条約などの成立について正しいことを言っている人を次の中からすべて選び、A〜Dの記号で答えなさい。
    • Aさん「法律は、私たちの生活に密接なかかわりがあるから、国民のことをよく分かっている国会議員だけが法律案をつくることができます。」
    • Bさん「法律は、原則として衆議院と参議院の両議員で審議して成立するものです。衆議院のみが審議して成立するものではありません。」
    • Cさん「法律と同様に私たちの生活にとって重要な予算は、衆議院で可決して、参議院で否決されたら、もう1回衆議院で3分の2以上の多数が賛成したら成立します。」
    • Dさん「法律と同様に条約も国会の審議を必要とします。政府が条約を結ぶ前か後には必ず国会の承認を得なくてはなりません。」
  • 問6 下線部⑤について答えなさい。下線部にあるような側面が法律にはありますが、法律の規定の仕方に問題があると、かえって法律は不自由なものになります。どのような法律の規定の仕方が問題となるでしょうか。次の分の(    )に、本文の中で用いられている2文字の言葉を書きぬきなさい。
    • 法律に書かれている内容が(    )でない場合、人々は法律違反を恐れて安心して生活ができなくなってしまう。
  • 問7 下線部⑥について、以下の条約に関する問いに答えなさい。
    • ア. 死刑廃止条約
    • イ. 女性差別撤廃条約
    • ウ. 核兵器保有禁止条約
    • エ. 化学兵器禁止条約
    • オ. 対人地雷禁止条約
      • ⑴上の中で実際には存在しない条約を一つ選び、記号で答えなさい。
      • ⑵上の中で、実際には存在する条約だが、日本が批准(確認し、同意すること)をしていない条約を一つ選び、記号で答えなさい。
  • 問8 下線部⑦について答えなさい。
    • ⑴ここに示されている憲法の考え方にそった意見を言っているのは次のうちのだれですか。次の中から一人選び、A〜Cの記号で答えなさい。
      • Aさん「憲法も時代の流れに遅れてはいけないと思う。だから、社会で必要とすることが変わった時にはすぐに変えられるよう、憲法改正の手続きは法律と同じでいいのではないかしら。」
      • Bさん「憲法は時の権力者が軽んじてはいけないものだと思う。だから、憲法を尊重し、憲法を守る義務を負うのは、まず権力を持つ人や組織なのではないかしら。」
      • Cさん「憲法は国民全体を守るものでなくてはならないと思う。だから、多くの人にとってあまり関係のないことについては、憲法で規定する必要はないのではないかしら。」
    • ⑵法律などによって自由や人権が奪われた時に、裁判所は憲法に違反するかどうかを判断し、もし憲法違反となった場合には、その法律を無効にすることができます。このような裁判所がもつ権限を何といいますか。漢字で答えなさい。
    • ⑶日本では、ハンセン病にかかった人たちに対する人権侵害が長く行われてきました。このできごとについて正しい説明を次の中から一つ選び、記号で答えなさい。
      • ア.日本では、ハンセン病にかかった人たちに対して治療をしたり、療養所に入れたりということを一切してこなかった。
      • イ. 日本では、ハンセン病にかかった人たちを法律で強制的に療養所に送ったが、治っても社会に復帰させるしくみをつくらなかった。
      • ウ. 日本であ、ハンセン病にかかった人たちの人権侵害の訴えを裁判所がすべて退け、政府も人権侵害を救済することをしなかった。
      • エ. 日本では、ハンセン病にかかった人たちが人権救済のための法律を作るように求めたが、そのような法律は現在でもつくられていない。

【答え】

  • 問1 (あ) 表現 (い) 治安維持 (う) 社会 (え) 最高 
  • 問2 知る権利
  • 問3 日清戦争
  • 問4 ウ
  • 問5 B、D
  • 問6 明確
  • 問7 ⑴ ウ  ⑵ ア
  • 問8 ⑴B         ⑵ 違憲立法審査権 ⑶イ

〔解説〕

  • 問5
    • Aさん「法律は、私たちの生活に密接なかかわりがあるから、国民のことをよく分かっている国会議員だけが法律案をつくることができます。」→正しくない。
    • Cさん「法律と同様に私たちの生活にとって重要な予算は、衆議院で可決して、参議院で否決されたら、もう1回衆議院で3分の2以上の多数が賛成したら成立します。」→正しくない。

〔ポイント〕

  • 立教女学院中学校の社会では、出題形式がかなり限定的であることが特徴的です。一般的な中学受験社会でよく見られるような記号選択、適語補充、用語記述、並び替え問題といった問題が大部分を占め、記述問題などはほとんど出題されません。
  • とはいっても、問題によっては「今まで身につけた知識を複数使って答えを導く」ような、一筋縄ではいかないものもあります。
  • 今回の問題のうち、問8⑶などは、ハンセン病という必ずしも定番ではないテーマが取り上げられています。

高得点を目指す上での「カギ」とは?

  • 知識問題では満点を目指す
    立教女学院中学校の社会では、難関男子校で出題されるような難問・奇問は出題されていません。
    あくまで単元についての本質的な理解を問うような良問が揃っています。受験生の知識量や演習量がそのまま得点に直結するため、苦手分野を残さないようにしっかり対策を行いましょう。
    一方で、問題によって難易度に少しばらつきがあることも特徴的です。問題によっては、「今まで学習した内容を関連づけて推測する」ような、一筋縄ではいかないようなものもあります。
    覚えていればすぐに答えることができるような知識問題は、時間をかけずに解き終え、なおかつ満点を目指しましょう
  • 過去問演習は入念に
    立教女学院中学校の社会では、出題形式がかなり限定的であることが特徴的です。
    一般的な中学受験社会でよく見られるような、記号問題、適語補充、用語記述といった問題、並び替え問題が大部分を占めており、記述問題などはほとんど出題されていません。
    入試本番で独特の形式に戸惑うことがないよう、過去問演習は本番までにあらかじめしっかりと行いましょう。
  • 時間配分は慎重に
    立教女学院中学校の社会は、試験時間30分に対して大問が3、4問、総設問数が30〜60問となっています。
    1問あたりにかけることができる時間は1分もなく、かなり時間に余裕がないことが特徴的です。
    かなり手ごたえのある問題も多いため、記号選択形式が中心だからといって油断せず、冷静に取り組みましょう
    試験時間が始まったらまず全ての問題に目を通し、得意な分野や解きやすそうな問題から手をつけましょう
    試験終了前の5〜10分間は必ず見直しの時間とし、計算ミスや解答の抜け落ちがないかどうかしっかりと確認しましょう。

まとめ

今回は、立教女学院中学校の入試情報や、社会の出題傾向、入試対策方法についてご紹介しました。

当校の社会は、試験時間30分に対して大問が3、4問、総設問数が30〜60問程度となっており、試験時間に対する問題量がかなり多いことが特徴的です。

高度なひらめきや思考力を問うというよりは、単元についての本質的な理解を問うような問題がほとんどで、受験生の知識の定着度や演習量がそのまま得点に直結するような良問が揃っています。

また「記号選択の問題がほとんどである」、「様々な分野からまんべんなく出題される」といった点も特徴的です。過去問研究は抜かりなく行い、入試本番で動揺しないようにしましょう。

入試本番まで時間は限られていますが、他教科とのバランスを考えつつ、できる限りの対策を行いましょう。

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参考