【中学受験】社会で今力を押さえるべき単元と覚え方のコツ その1

今年は今年は新型コロナウィルスの影響があり、例年では考えられなかった事態が頻発しました。新学年にカリキュラムが切り替わったとたん、小学校は休校になり、塾もお休み、あるいは途中からオンライン授業に切り替えるところもあるなど、これまでとは「学び方」を臨機応変にしなければならなかったので、特に受験学年の皆さん、保護者の方々は日々の学習をどう進めていくべきか、お悩みのことも多かったのではないでしょうか。

1学期が終わり、夏休みに入ったのもつかの間、夏休みは非常に短縮されてしまい、短いところでは10日以下、多くの小学校が2週間程度と短い夏休みとなりましたね。塾の夏期講習も受講のしかたが変わるなど、毎回のカリキュラム、夏休み全体の学習計画自体も見直しに見直しが続くという事態になってしまいました。

そんな状況だからこそ、夏休みが終わり、9月に入った時点で、各教科必ず受験生なら押さえておかなければいけないところを確認し、理解が足りないところはもう一度正確に理解し、さらに使いこなせるように訓練を積まなければなりません。夏休みは受験生にとって1年の折り返し時点であるとともに、これまで学んだ内容の中から理解の十分なところとそうでないところを仕分け、今後秋以降の学習に活かしていく区切りです。その夏休みが終わったいま、やるべきことは十分にやり切れていなかった弱点部分の洗い出しと、マストで理解しておかなければならない部分の復習です。

特に、社会や理科といった、「正確な知識」が何よりも大切な教科については、こまめな復習や知識の確認が今後も非常に重要になってきます。しかし、ただやみくもに単語を覚えようとするだけでは足りません。覚えられない単語をいくら反復してもその意味を理解していなければ、一瞬覚えてもすぐに忘れてしまうだけでなく、ほかの知識とのつながりを意識することができません。すると知識どうしが混乱してしまい、どのような問題ではどの知識を使えば良いか、という知識の使いこなしとはほど遠い状態になってしまい、次につながりません。

特に、これから本格的に始まる志望校・受験校の過去問演習においては、正確な知識がなければ制限時間内に解くことができず、点数もとれないのでモチベーションが下がってしまい、敬遠して勉強しなくなる危険性もあるので注意が必要です。ですが、まだ挽回する時間は十分あります。もし「ここが理解できていないな」と思うところに出会ったら、今の学習方法は本当に知識の定着に役立っているのか、効率は悪くないのかという点を、今一度見直してみましょう。

受験生の皆さんはこれまで、塾の授業を中心に学習サイクルを回していくという生活を送ってきたことでしょう。もちろん、塾の学習は、カリキュラムにのっとってこなしていけば、過不足なく一通り受験範囲を学習できるという意味で大きな存在です。しかし、現在のような状況においては特にですが、本来は、週に数時間の塾の授業以上に、自宅においてどれだけ自分のための学習ができるのか、という点が受験の合否を分けるカギになっていることを忘れてはいけません。いまのような状況だからこそ、自宅における自分のための学習と、弱点補強のための復習の重要性を認識しながら勉強していくことが大切です。

今回は、社会の地理分野について、秋以降の学習に欠かせない、受験生であれば必ず押さえておくべき単元や知識を整理します。もし自信がないな、と思ったら、そのときこそ克服のチャンスです。ぜひ振り返りをして、知識の定着を図っていきましょう。

社会の3分野で押さえておくべき単元

社会は、とにかく単元が細かく分かれ、それにともなって覚える知識の比重が大きくなります。社会は大きく地理、歴史、公民に分かれますが、この3つのカテゴリについて、それぞれ復習し、弱点を克服する際に留意すべき点を考えていきたいと思います。今回は、受験勉強の最初の頃に学習していて忘れてしまっていることも多い「地理」分野について、押さえておくべき単元と知識に広がりを持たせるためのコツをご紹介します。

地理

地理は、社会の3分野すべての学習において、「基礎中の基礎」となる 分野だと言っても過言ではありません。

例えば、地理以外であっても歴史の場合、国内の地名や地理的特徴を念頭においたうえで、なぜそのできごとが起こったのかということを理解しなければ時代の流れを正確にとらえることができません。また、公民においては、とくに時事問題、中でも国際社会に関する問題を解く際には、まず外国の国が世界地図のどこに位置しているのか、また、日本の地理的特徴はどうなっていてほかの国々とどう違うのか、日本と近隣諸国とはいまどのような関係になっているのか、といったことを正確にとらえておく必要があります。逆に言えば、地理の学習方法が身についていて、知識の理解も正確ならば、ほかの分野にも応用ができるので、社会で足を引っ張られることもなくなります。

知識と知識のつながりと流れが重要

社会の学習においては、どの分野でも共通して言えることですが、「知識と知識とを紐づけて関連させ、流れを意識しながら覚えていく」という記憶方法が重要です。とくに地理ではこういった記憶方法が重要になってきます。知識問題が苦手だという受験生の中には、とにかくその単語を何度も書いたり読んだりしてがむしゃらに叩き込む、という作業を繰り返している、という方が少なくないのが、指導をしていて感じる点です。

もちろん、知識の覚え方には人それぞれ合った方法がありますが、それでも単に出てきた固有名詞だけを意味も分からず一つひとつ書いて覚えても、どこで使ったらよいかわかりません。適切なところで使いこなすことができなければ、その知識は生きた知識とは言えないのです。また、そういう中途半端な知識はすぐ忘れてしまうため、学習方法としては非常に不効率であるだけでなく、少しでもほかの知識と絡めた問題や、聞き方を変えた問題をを出題されてしまえば太刀打ちできません。

単に都道府県の名前を覚えるだけでは足りない

たとえば、地方や都道府県の名前を一通り覚えたら、次はその地方にある山地や河川の名前を順を追って覚えていく、という学習をしている受験生の方は多いのではないかと思います。ですが、都道府県名を覚える際に、まずその都道府県の位置と形を日本地図で認識しなければその後の地域別の詳細の学習をすることは大変難しいです。まずは都道府県の位置と形のインプットがきちんとできているかどうか確認してください。模試や入試問題では、白地図である都道府県の形を出題することも少なくありません

都道府県の位置と形のインプットが終わったら、その位置と形の知識を都道府県名、都道府県庁所在地の知識とリンクさせていきます。この2ステップを踏むと、よく出題される、都道府県の図を出されて名前を答え、都道府県の特徴について考察する、といった問題に一度で対処することができるようになります。4年生でやっていることでしょう?と思われるかもしれませんが、社会で一定数こういった基礎基本の問題で失点してしまう受験生は少なくありません。ぜひまずは都道府県そのものについての知識を深め、リンクさせていきましょう。

複数の地域にまたがる地形を押さえよう

個々の都道府県に関する知識のインプットが終わったら、次は複数の都道府県にまたがる山地や河川の名前と位置をインプットしていきましょう。山地や河川がどの都道府県にまたがっているのか、河口はどこにあるのか、といった関連知識を常に意識しながら覚えていくことが大切です。たとえば3つの山脈、3つの河川、といったように「3」がポイントになっている地理的特徴は非常に多いですよね。それらの位置を正確に覚えることが大切です。

地域ごとの産業と地理的特徴をつかむ

こういった地理的特徴を全国的に一通り意識できるようになったら、次はそれぞれの山地や河川といった地理的特徴が、その地方、都道府県の産業に与えている影響について考えていきましょう。たとえば、北海道では他の地方には見られない大規模な畜産業や農業が盛んであり、特に生乳の全国シェアは50%を占めるほどです。この理由は、本州などの地理的特徴を把握することで解明することができます。

日本列島は細長い形をしており、基本的には中央部分に山地があり、そこから流れが急な河川が流れ出している、という構造になっています。このため、日本列島にはアメリカなどにあるような広大な平野がほとんどありません。しかし、北海道は日本の国土全体の20%近くを占める広大な土地を持っており、その中に石狩平野や十勝平野といった日本有数の面積を持つ平野を含んでいます。その広大な土地を農地・牧草地として利用することで、ほかの地域には見られない大規模な農産業を行うことが可能となっているのです。

気候の特徴や産業分布も覚えやすく

このように、それぞれの地理的特徴を把握し、常に意識しながらそれぞれの地域の知識を整理することによって、気候の特徴や産業の特徴の把握がぐっと簡単になります。全ての都道府県名を覚えて、次は都道府県庁所在地を覚えて、というように知識を単体でぶつ切りにして覚えるとかえって時間がかかるだけでなく、覚えてもすぐに忘れてしまいます。「なぜ」そうなっているのか、が分かっていないからです。地理の知識は単体で覚えようとしがちですが、そうではなく、必ず知識どうしをリンクさせ、骨格部分をしっかり理解してから関連知識を肉付けして覚えるように注意しましょう。この学習方法が身に付けば、歴史や公民といったほかの分野の学習にも確実に役立ちます。

白地図を利用しよう

地理の学習で押さえるべき知識を着実に覚えていくコツは、まず日本の地形がどのようにできており、それがどの都道府県にまたがっていて、それぞれの地域の産業や気候に与えている影響をつかむ、という流れを忠実に守ることです。

これを確実にできるようにするためにおすすめしたいのが、白地図を使って知識を書き込み、整理したうえで覚えきれていないところをチェックする方法です。市販の白地図に、たとえば、山地、河川などの情報をまずは何も見ずに書き込んでいきましょう。できれば、保護者の方が「○○平野」「○○川」といったように名前を読み上げてあげて、ヒントのない状態でまずは記入できるかどうかやってみてください。

まずは骨格となる、受験生なら誰でも知っている地理的特徴から白地図に書き込んでいきましょう。そして、長い川の場合分岐していることもあるので、どこからが名称が変わるのか、といったことを意識して、応用的なところに広げていくのです。

産業や気候まですべてひとつの白地図に書き込もうとすると混乱してしまうので、テーマを決めてひとつずつ、が知識を整理するためのコツです。地理的特徴ができたら次は工業地帯や工業地域、特産物といったように、テーマを決めて白地図学習をいまのうちにしておきましょう。

地図帳と教科書は常に調べる

地理が苦手という受験生に多いのが、地図帳や学校の教科書をおろそかにしている、というパターンです。地理は、日本地図に関する知識を基本として問題が作られるので、地図帳が頭に入っていないと、どんなにたくさん単語を覚えてもそれがどこにつながる知識なのか結びつけることができません。

白地図学習をおこなうときもそうですが、地理を学習するときは必ず地図帳を横に置き、分からないことばが出てきたらすぐに調べるようにしましょう。たとえば山地や河川の名前は「固有名詞」です。そして、近年の社会の入試問題は漢字指定であることがほとんどです。そのため、同じ読み方でも字が異なることが良くあるので注意しましょう。たとえば広島にある「高梁川」(たかはしがわ)の読み方と書き方は覚えていますか?中国地方で重要な河川のひとつですが、これはよく間違える受験生が見られます。テキストに戻るのも良いですが、場所も一緒に確認するなら地図帳を使うのが一番効率的です。

また、学校の教科書もあなどれません。必要最低限の知識は教科書に詰まっているので、ざっと読んでみて覚えていないことがないかどうかチェックしてみましょう。もし「知らない」ということが出てきたら、受験勉強にも大きく影響することになりかねません。コンパクトに知識をまとめているので、基本知識を確認するために何周か回してみるのも基礎知識確認のためには有効です。

まとめ

地理は、社会の3分野の中でも最も「事実」を重視する分野です。山地や河川の名前は変わりませんよね。また、都道府県の名前も変わりません。政令指定都市や世界遺産などが加わった場合も、地名や場所は事実に基づく知識なので、やはり解釈の余地はありません。

データ問題については難関校で良く出題されるため、意識されている受験生は多いですが、データだけにとらわれてしまうとこういった地理の基本となる「事実」から離れてしまい、混乱してしまいます。データには地理的根拠があるので、必ず事実をまずはしっかり押さえて白地図に自由自在に描けるようにすること、日本という国の地理的構造をしっかり押さえることを意識して知識を押さえていきましょう。

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