これで解決!立教女学院中学校算数の特徴と対策法を徹底検証!

入試情報

問題構成 

立教女学院中の算数は、試験時間が45分で、大問4問・小問15〜20問程度で構成されている傾向にあります。大問4問のうち、1問は計算問題や応用小問で構成されているのに対し、残りの3問は応用問題が出題されています。 

小問数2017年度18題、2018年は15題、2019年度は14題とやや減少傾向にあるため注意が必要です。  

解答形式 

問題用紙と解答用紙が別々に用意されており、ともにB5サイズです。解答用紙上には答えのみを空欄内に書き込み、途中式や考え方を示すスペースは用意されていません。そのため途中過程が正しかったとしても解答が間違っていると得点できません。

また、問題用紙内に用意されている計算スペースがそれほど広くないため、与えられた欄内に上手く納める必要があります。 

 近年の出題内容 

  • 2019年度 

分野・単元 

〈大問1〉

四則計算、逆算、集まり、濃度、 比の性質、売買損益、和差算、ニュートン算 

〈大問2旅人算 

〈大問3〉調べ 

〈大問4〉条件の整理 

  • 2018年度 

分野・単元 

〈大問1〉

四則計算、計算の工夫、調べ、 水の深さと体積、相当算、図形と規則、過不足算 

〈大問2旅人算、速さ 

〈大問3〉倍数、数列 

〈大問4〉推理 

出題傾向 

概要

  • 計算問題・小問集合の配点高め
    立教女学院中の算数は、計算問題や小問集合の配点が高いです。全4問の大問のうち、必ず1問は計算問題・応用小問のみで構成される問題が出題されています。  
  • 大問ごとの出題傾向や難易度
    大問1は計算問題・小問集合、残りの3問は応用問題が出題される傾向にありますが、応用問題の中でも難易度は異なります
    ここ最近の出題傾向を見てみると、応用問題3題のうち1問は難問、残り2問は比較的易しい応用問題が出題されています。
    また問題の順番についてですが、計算問題・小問集合は大問1、応用問題は大問2〜4に配置されています。しかし、問題は必ずしも難易度順に配置されているとは限りません。大問2〜4の応用問題のうち、難問が最終題となっているわけではないため試験時間の冒頭に解く順番を考えなければなりません。 

 内容 

  • 【頻出分野】 
    • 計算
      四則計算、逆算、約束記号、概数
    • 割合と比
      比の性質、比例式、連比、百分率、歩合
    • 平面図形
      図形の性質、点対称と線対称、平面図形の移動、複合図形、求積
    • 立体図形
      立体図形の展開図、投影図、回転体、切断、求積
    • 特殊算
      旅人算、推理算
    • 数の性質
      場合の数、約数と倍数、数の規則性と数列 
  • 出題分野についての詳細
    立教女学院中の算数では毎年第1問で計算問題や応用小問が出題されています。計算問題は四則計算、逆算など基本的な問題がほとんどです。応用小問も計算問題同様基本的な内容のものが大半です。毎年幅広い範囲からまんべんなく出題されていますが、その中でも割合と比からの出題が多く見られます。
    第2問以降は応用問題が出題されていますが、そのうち1問が難問、残りが比較的易しい内容の問題となっています。特に頻出な単元は図形で、かなり難易度の高い問題が出題されることもあります平面図形からは図形の性質、点対称と線対称、平面図形の移動、複合図形、求積が、立体図形からは展開図、投影図、回転体、切断、求積が特に出題されています。
    また、特殊算の中では旅人算や推理算が頻出です。数の性質からは場合の数、約数と倍数、数の規則性と数列などが出題されています。
    出題頻度はそこまで高くはありませんが、ダイヤグラムや度数分布表を読み取る問題など、やや複雑な問題が出題されることもあります。一度目を通しておくと良いでしょう。 
  • 難易度について
    立教女学院中の算数は、計算問題・応用小問の配点が高いほか、応用問題も基本的な問題を主体としていることが特徴的です。ここ最近の問題は、難問1問+基本的な問題という構成になっています。
    問題自体の難易度がそこまで高いわけではありませんが、総設問数が毎年変化することに注意しなければいけません。小問数2017年度18題、2018年は15題、2019年度は14題とやや減少傾向にある一方、合格者平均が、2017年度は61.8点、2018年度は50.6点、2019年度は71.1点と10点近く上がっています。
    そのため目標点を見積もる際に近年の問題数や合格者平均点を鵜呑みにしすぎず、自分が受験する年の問題を見て判断すると良いでしょう。
    また4科目のうち、算数は特に合格者平均点と合格者最低点の差が大きいです。当校の算数は全体的に基本的な内容の問題で構成されているので、しっかり対策をした人とそうでない人とで得点差が開きやすい科目と言えるでしょう。 

対策

分野別 

  • 図形問題対策
    立教女学院中の算数入試は図形からの出題頻度が高く、角度・長さ・展開図・辺の比と面積の比・相似・面積・体積など、まんべんなく出題されています。
    そのなかでも平面図形は相似比・面積比を利用する問題や、図形の移動を伴う問題が、立体図形からは、立体図形の切断図について扱う問題や、回転体の問題などが頻出です。図形問題では、比の考え方を用いて解くことが多いです。図形対策と同時に比の対策も進めましょう。
    まずはそれぞれの問題の典型的な解き方や公式を身につけるため、標準的なレベルの問題集を一周して典型問題を一通り解きましょう。定型問題が一通り解けるようになったら、応用問題の難易度を把握するために過去問研究に入りましょう。 
  • 速さ対策
    当校の算数では速さの問題が頻出です。なかでも旅人算がよく出題されます。
    対策方法ですが、まずは標準的なレベルの問題集を一周して速さに関する典型問題を解き、速さの基本公式や定型問題の解法を理解しましょう。その問題集を一通り解き終えたら過去問研究に移り、応用問題に慣れましょう。 
  • 計算対策
    ここ最近の入試では、毎年大問1に計算問題が出題されています。内容は四則計算や逆算など難易度も易しめの問題であるため必ず得点しておきたい問題です。
    計算問題の対策としては、一度に大量の問題を解くというより、コツコツ少量の問題をこなしていく方が効果的です。計算問題のみを集めた問題集やドリルなども各出版社から発売されているので、自分の好きなものを1冊購入し、毎日3~5 問程度のペースで進めていくと良いでしょう。
    その際ただがむしゃらに解くというより、入試本番と同じように慎重に解き、解き終えた後も検算をして計算ミスを減らす努力をしましょう。 

問題集別 

立教女学院学校の算数入試で頻出の「旅人算」の定型問題を問題集からピックアップしました。ぜひ参考にしてみてください。 

旅人算の問題〜「追いつきの旅人算と比」 

家から学校まで行くのに姉は12分、妹は20分かかります。妹が家を出発してから6分後に、姉が家を出発して、妹を追いかけました。これについて、次の各問いに答えなさい。

  • ⑴姉と妹の速さと比を求めなさい。
  • ⑵姉が妹に追いつくのは、姉が家を出発してから何分後ですか。

中学受験新演習算数小6上実力アップ問題集, p.31より 

【解答】

  • ⑴5:3
  • ⑵9分後

【解説】

  • ⑴ \(\frac{1}{12}:\frac{1}{20}=5:3\)
  • ⑵姉の速さを5、妹の速さを3とすると、姉が出発する時までに妹が進んだ道のりは、3×6=18
    姉が妹に追いつくのは、 18÷(5-3)=9(分後)    

【おすすめの問題集】 

  • 『予習シリーズ』 (中学受験の四谷大塚)
    四谷大塚や早稲田アカデミーなどを始めとした中学受験大手塾と同じカリキュラムで算数の学習ができるシリーズ。各学年用の教材が出版されており、レベルに合った教材を選ぶことができます。
    予習シリーズ6年下まで一通り理解すれば中学受験における典型問題は一通りおさえることができます。予習シリーズが終了したら過去問を中心に応用問題に取り組みましょう。
    また各ページに数問ずつ計算問題が掲載されているため、計画的に進めれば計算問題対策をすることもできます。 

合格点を取るには 

時間配分に気をつけつつ、正確に

立教女学院中の算数は定型問題の出題が多く難易度がそこまで高いわけではありませんが、問題が必ずしも難易度順に並んでいるわけではないです。そのため一つの問題で詰まってしまうと、本来解けたはずの他の問題に手が回らなくなってしまう危険性があります。

また設問数が毎年変わるため各問題にかけるべき時間や目標得点率が定まっていないことにも注意が必要です。試験が始まったら一通り目を通し、各問題の設問数や難易度を把握した上で解きやすい問題から順番に解いていきましょう。

苦手分野を克服しよう

当校の算数の応用小問は出題分野にそこまで偏りがなく、毎年幅広い単元からまんべんなく出題されることが特徴的です。そのため苦手な単元を減らし、どの単元から出題されても解くことができるようにしましょう。

どの単元も応用レベルの問題まで解けるようになる必要はありませんが、苦手な単元がある場合は問題集等で演習を繰り返し、定型問題を一通りマスターしましょう。 

総括

今回は、立教女学院中の算数入試対策についてご紹介しました。当校の算数は難問1問+基本問題3問の問題構成で、年度によって設問数や合格者平均点が大きく変化していることが特徴的です。 

全体としては計算問題や定型問題の配点が高く、第1問の応用小問は様々な単元から出題されています。そのため定型問題を集めた標準的なレベルの問題集を繰り返し解き、苦手な単元を克服することが得点率をあげる上で特に重要です。 

算数は全科目の中で一番点差を大きい科目です。算数の点数が合否を分けると言っても過言ではないでしょう。入試本番まで時間は限られていますが、他科目とのバランスを考えつつ、限られた時間の中で優先順位に気をつけながら最大限の対策をしましょう。 

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参考

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こんにちは!ライターの福久はなです。
都内の中高一貫校出身で、大学受験を経て東京大学に入学しました。
塾講師や家庭教師のアルバイト経験があり、算数・数学・英語を中心に教えていました。
これらの科目に限らず、中学受験の経験を活かして理科・社会といった科目の対策方法や、学校別の受験対策、学校情報についてなど、幅広く記事を執筆しています。
皆さんの役に立つ、面白くてわかりやすい記事をお届けできるように頑張ります!