平面図形をマスター!三角形の面積比~応用編その2~

中学受験を目指していく中で、算数で思うように得点できない人の中には「図形問題が特に弱い」というタイプが少なくないです。「平面図形が苦手」「面積比が出てくるとわからなくなる」という人は、まず基礎からの頻出パターンをしっかり学習しましょう。

これまでの記事で、三角形の面積比についての基礎、基本問題、応用問題その1と書いてきました。平面図形の問題にはさまざまなパターンがありますが、やっている内容は基礎・基本で学んだことを使って考えていくだけです。しかし、図形が苦手なタイプにはその結びつきが見えにくいと思いますので、順を追って記事をお読みいただきたいと思います。

今回の記事では、基礎編と基本編の内容は理解できた前提で話を進めていきます。

複雑そうに見えても考えることは同じ?

図形問題というと、「シンプルなものは大丈夫だけど、複雑そうに見える問題はどこから手をつけてよいのかわからない」と怖気づいてしまう人がいます。パッと見て難しそうでも、「自分の知っている形(パターン)」を探してみてください。基本が出来ているのであれば、そこからの解法の糸口が絶対にあります。

図形問題では、複雑そうに見える問題は「基本をいくつか組み合わせて考える問題」となっていることが多いです。前回の応用編その1でも、「同じ考え方を3回繰り返すと解ける」という問題を解説しました。この「3回繰り返す」という部分で、図形が重なっていないため意外と簡単に感じた方も多いのではないでしょうか。

今回の問題では、「図形の中から違う形を2つ取り出して考える」という内容になります。考えるべき図形が重なってしまっているので、そこからうまく頭の中で図形を取り出していきましょう。今回ご紹介する問題も、中学受験においては頻出パターンの問題ですので、偏差値55以上を目指したいのであれば遅くとも小6の夏ごろまでには理解しておきましょう。

 

等しい三角形に切り分けた問題

「高さの等しい三角形であれば面積比と底辺の比は同じ」ということを理解していると、例えば次のような問題が解けるようになります。

【問題】下の図のように三角形ABCを面積の等しい5つの三角形に切り分けました。DとEは辺BC上の点、FとGは辺AC上の点です。BD:DE:ECを最も簡単な整数の比で求めましょう。

底辺をBC上のどこかの線分として見たときに、高さは「Aまで」「Gまで」「Fまで」の3種類あります。この中で、高さの等しい三角形を見つけていき、面積の比を考えます。

  • 三角形ABDと三角形ADCは「高さがAまで」となっており、面積の比が1:4です。したがって、BD:DCが1:4であることがわかります。
  • 三角形GDEと三角形GECは「高さがGまで」となっており、面積の比が1:2です。したがって、DE:ECが1:2であることがわかります。

このとき、DE+EC=DCとなることに注目して、比をそろえていきます。

上の図のように、DCを3と4の最小公倍数の12にして比をそろえます。

  • DE:EC=1:2=4:8
  • BD:DC=1:4=3:12

これで比がそろった状態になるので、BD:DE:EC=3:4:8となります。

この問題では、「高さの等しい三角形」で見なければいけないのに、高さがバラバラの状態で見てしまって比が正しく求められないという間違いが起こることが非常に多いです。高さの等しい三角形はどれとどれになっているのか、図形の中からちゃんと見つけられるようにしておきたいですね。

 四角形の中で相似を見つける問題

四角形の中で相似を利用して解く問題は、実に多様なパターンが作れます。全体の四角形も、台形のもの、長方形のもの、平行四辺形のものなどが考えられます。今回は、全体が長方形のパターンで考えてみます。今回の問題パターンでは、「相似が見つけられる」ということと「三角形の中の三角形の面積比」を考えられるようになっていれば解けるはずの問題です。

補助線を引かなければ解けない問題もあるのですが、今回はまず補助線なしで解ける問題をご紹介します。

【問題】下の図のような長方形ABCDがあり、点Eは辺BCの中点です。直線AEと対角線BDとの交点をF、対角線ACと対角線BDとの交点をGとします。このとき、三角形AFGの面積は長方形ABCDの面積の何倍でしょうか?

まずは図の中から相似を見つけ、比を出していきます。Fで交わる相似形とGで交わる相似形を見つけてください。見つけられたら、相似比がどうなっているかを考えて図に書き込んでいきましょう。

相似形は底辺の比がわかれば、すべての辺の比が同じ比で求められます。今回の問題では、点EがBCの中点(二等分する点)になっているので、底辺の比を考えることは楽にできたはずです。

  • AD=BCだからAG:GC=1:1
  • AD:BE=2:1だからAF:FE=2:1

2つの相似形から見つけた比を図の中に書き込み、次は三角形AECに注目します。

三角形AECの面積を考えるには、長方形ABCDと高さが等しいことを利用して底辺の大きさで考えましょう。長方形は台形のひとつとして考えると、底辺は2+2=4となり、三角形AECの底辺ECは1となっています。

次に三角形AFGが三角形AECの何倍になるかを考えます。ここで、「三角形の中の三角形の面積比」の考え方を使います。このときの式は上の図の中の式を確認してください。

  • 三角形AECは長方形ABCDの面積の4分の1
  • 三角形AFGは三角形AECの面積の3分の1

このことから、三角形AFGは長方形ABCDの面積の12分の1とわかります。

例えばこの問題で、四角形FECGの面積を問われた場合には、三角形AECから三角形AFGを引けば求めることができます。なお、この問題は他にも解く方法はありますので今回の解き方で必ずしも解かないといけないというわけでもありません。例えば2つの相似形から考えて、BF:FG:GDを求めてから解いてもよいです。

 

まとめ

今回ご紹介した問題のうち、1つめの三角形を切り分ける問題は底辺BCにしか注目していませんが、例えばこの問題で辺ACの方に注目してAG:GF:FCを求めることも可能です。余裕がある方はぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。(AG:GF:EC=2:3:3となれば正解です。)

2つめの問題は今回は補助線を必要としない問題でしたが、問題のパターンによっては相似形を見つけるために補助線を引かないといけないことも珍しくありません。しかし、まずは補助線なしで解ける問題を理解していないと、補助線ありの問題を解くことは不可能に近いです。今回ご紹介した問題ができるようになってから、「相似形を作るために必要な補助線」を引いて考える問題が解けるようになります。

実はまだ他にもご紹介したい問題があるので、続いてこちらの記事をどうぞ↓

(ライター:桂川)

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2 件のコメント

  • 中学受験塾に通っている小5です。今日この問題をやって全くわからなかったのですが、これを見て少しづつわかってきました!他の単元も勉強に役立てます。ありがとうございました!

    • コメントありがとうございます、記事を書いております桂川です。
      小5でこの問題はまだ難しいですよね。お役に立ててよかったです!!

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