苦手タイプを診断して克服しよう!算数が苦手な人のタイプ別対策方法

4教科で受験をするという人でも、算数に重きを置いている人が多いのではないでしょうか。たしかに、1問の配点が大きい算数で正解が取れず、点数が伸びないのは困りますよね。

算数が得意だったらよかったのに、どうやら我が子は算数が苦手になってしまったらしい…とご不安な方も多いと思います。

算数が苦手な人の中にも、様々なタイプがいます。タイプによって、どうすれば算数の得点力が上がっていくのかは微妙に違ってきます。この記事では、それぞれのタイプ別に対策方法をご紹介していきます。

何が不足している?苦手タイプ診断

算数が苦手となっているのには、何か不足しているものがあるのではないでしょうか。不足しているものが何なのかがわかれば、そこから対策を取ることが可能です。

今お子さんには何が不足しているのか、こちらのチャートからタイプを診断してみましょう。(なお、この診断は簡易的に作られたものであり、医師の診断等に匹敵するものではありません。)

①計算力不足型

計算力は算数を解く上で何よりも基盤となる部分です。ゆっくりやっているのにミスが多いということは、計算のルールそのものを理解していないか、数に対しての抵抗が強すぎる傾向があります。

まずは正確に計算できるように日々の訓練が必要です。計算力は毎日少しずつの計算に取り組むことで徐々に鍛えられていきます。1日5分、10分でもよいので、毎日決まった分量の計算に取り組むようにしましょう。その中で、計算の工夫などを取り入れられるようにしてあげるとよいでしょう。

こちらの記事も参考にしてください。↓

②スピード不足型

ゆっくりでも丁寧に取り組む姿勢が身についているようですが、テストの際には限られた時間内にできるだけ多くの問題を解く必要があります。

「急いで解くとミスが増えるから…」と心配になる気持ちはわかります。しかし、それを恐れていてはいつまでたってもスピードは上がっていきません。普段の学習の中で、少し時間を意識しながら解くというところから始めてみて、それで間違えるようなら同じ問題をもう一度解きましょう。

スピード不足は「慣れていない」というところに原因があることも多いです。同じ問題を繰り返し解くことにより、どうやってその問題を解けば正答にたどり着くのかということを、身に沁みさせていくことで慣れていきます。

普段、スピードのない人は1問1問に時間がかかるせいで日々の学習時間が足りず、宿題になっている範囲を1周するだけで精一杯になりがちです。要するに、同じ問題を復習するということができていないことが多いのです。

もしどうしても時間が足りないのであれば、扱う範囲を少し狭めて基本問題だけでも繰り返し解いてみてください。1回目で正解している問題でも、より素早く解くことができるようになることをすぐに実感できるはずです。

また、もし1問に対してあまりにも時間がかかるようであれば、解き方そのものに問題がある可能性もあります。計算で出せるはずのものを地道に書き出していたりとかいうことはないでしょうか?そのような場合には、たいていのテキストには解説がついていますので、解説を参考にしましょう。もしかしたらもっと素早く正確に求められる方法が載っているかもしれません。

③気力不足型

計算スピードがあるのに算数が好きになれないのは、算数の楽しさを知らないせいではないでしょうか。「この問題なら解けそう、解いてみよう」という意欲が湧かないことから、算数を毛嫌いしている節も見られます。

こういうタイプは一人で放っておいてしまうと、算数嫌いがどんどん増長します。おうちの人が「一緒に解いてみようか」という姿勢をもって、まずは楽しみながら一緒に問題に取り組んでみましょう。お仕事などで忙しく、そのような時間が取れない場合には家庭教師や個別指導を探すのもひとつの手です。

一緒に解いていくときに、気をつけなければならないのは、「できないことを叱らない」という点です。もともとが好きでやっているわけではないのであれば、叱られればどんどん嫌気がさしていくだけになります。少しのことでもよいので、「できたことを見つけて褒めてあげる」という接し方で取り組ませてあげてください。例えば、「計算は速いね、すごいね。ただここの考え方はちょっと足りないみたいだから、もう一度問題を声に出して読んでみようか。何か気づくことはないかな?」というような感じです。

一緒に取り組むことで少し算数に対しての抵抗感が薄まったら、次は本人が「これくらいなら自分でできるかな」というレベルの問題を一人でやらせてみましょう。それでできていたら褒めてあげ、同じくらいのレベルの問題をいくつかやっていくうちに「もうこんなの簡単だよ」というような発言や態度が出てきたらしめたものです。もうその頃には、算数に対しての漠然とした嫌悪感はだいぶなくなっていると思います。

④読解力不足型

「前は算数が得意だったのに、学年が上がったらだんだん点数が取れなくなってきた」ということの原因として最も多いのが読解力不足です。特に男の子に多い傾向があり、計算やパズルなどは得意でも、語彙力や読解力が足りないせいで主に文章題で点数が取れなくなってしまいます。

このタイプは国語の成績も元々良くないことも多いです。国語が出来ないのに算数が出来るからと対策を取らずに放置していた結果でもあると言えます。国語の読解力と算数の読解力は少し意味合いが違い、国語は「文章の要旨を読み取れるかどうか」なのに対し、算数は「文章から条件を取り出せるかどうか」という意味が強いです。手を動かさずに問題をじーっと見ているだけで、書いてあることを整理して考えることができていないのではないでしょうか。

今から読書量を増やすというのもひとつの手段ですが、学年が上がってきているのであればそこまでの時間的な余裕もないかもしれません。文章題を解くコツは、「声に出して読む」「手を動かす」「言葉の意味を調べる」などがあります。詳しくは「算数の文章題が苦手な子に教えたい4つのコツ」の記事を参考にしてください。

また、このタイプは「塾では4年生まで一番上のコースにいたのに、5年生や6年生になったら下の方のコースに下がってしまった」というのも珍しくありません。算数が得意だったということに甘えて、やるべき課題などをサボってしまっている可能性もあります。そうなると、サボっていた分が大きな穴になってしまっているので、基礎から積み直しすることも必要です。算数以外の教科も含めて学習スケジュールを作り、やるべきことを取り組ませましょう。

⑤自信不足型

計算もできるし算数も国語も好きだったはずなのに、ある時からなぜか算数が苦手に感じるようになってしまった、というのは何かしら自信を失うような出来事があったのではないでしょうか?特に苦手な単元も見当たらないというのであれば、点数は取れているのに苦手意識だけがあるか、苦手意識から全体的に点数が落ちてきてしまったかのどちらかだと思います。

苦手意識は一度植え付けられてしまうと厄介なもので、なかなか払拭することが難しいです。点数が取れているのに苦手意識がある場合は、目標や期待が高すぎる可能性があります。常に満点でないと出来ていないような気になってしまうとか、どんなに良い点数を取っても親に褒めてもらえないなど、精神的なものが原因かもしれません。完璧でなくても、これくらいとれていれば十分だというラインを示してあげて、安心させてあげましょう。

このような場合、主に偏差値で成績を判断しているご家庭は要注意です。100点満点のテストで90点を取ってきたとしても、平均点が60点のテストと平均が80点のテストでは偏差値に大きく変動があります。平均が低ければ偏差値は高く出ますが、平均が高ければ偏差値は低く出ます。平均60点のテストで90点を取ると偏差値が60を超えてもおかしくないのですが、平均80点のテストで90点ならば偏差値は50よりも少し高いくらいになります。偏差値が60から50に下がった、というのを見て「成績が下がった」と判断してしまっている場合もあるのです。1回1回のテストの成績の変動だけでなく、内容を見て「取れるべき問題できちんと得点できていた」のであれば良しとしましょう。

本人または親が無意識に他の子と比較して「自分(我が子)はできない」と思ってしまっていることもあります。テスト結果はひとつのデータにしかすぎないので、もう少し客観的に捉えてみることも必要です。このタイプは本人よりも親がテストでいちいち一喜一憂してしまっているか、常にできなかったことにしか目がいっていないことも多いので、気をつけてあげてください。

⑥演習不足型

特定の苦手な単元がわかっているのであれば、その単元に対して基礎からの根本的なことが理解できていないか、単純にその単元に対しての演習量が足りていない可能性があります。

いずれにしても、「基礎から振り返って学習する」という方法が必要です。その単元の中で一番基礎の問題から、自力で解けるのはどのレベルのものまでなのかを考えてみてください。つまづき始めたと思うレベルのところで、まずは何を理解していないのか解説と自分の考えをよく照らし合わせてみましょう。

「ここがわかってなかった」というポイントを見つけたら、次からはそのポイントに気をつけてそのレベルの問題をいくつか練習してみてください。自分がつまづいたレベルの問題で演習量を積むことで、そこの問題で間違えるということがその後は減っていくはずです。また、苦手な単元については無暗に難しい問題に手を付けることはせず、基本問題を確実に得点できることで十分と考えましょう。

こうした地道な努力をひとつひとつ取り組んでいくことで、必ず成績は上向きになります。

最後に

いかがでしたでしょうか。簡易的なタイプ別診断ですので、必ずしも全ての人に正確に当てはまるものではないですが、自身の長年の指導経験から、算数が苦手となってしまう場合の傾向と対策を考えたものです。

具体的な単元ごとの考え方やポイントについても、このサイト内で少しずつ記事を増やしているところなのでご参考にしていただければ幸いです。

(ライター:桂川)

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