【中学受験】過去問解説−国語問題読解−国語の知識問題・熟語・慣用句

今回は2021年度の灘中学校の国語の過去問を一部修正して国語の知識問題、特に熟語や慣用句の問題の解き方を解説していきたいと思います。 

問題

問1

次の1〜5の( )に入る動作を表す言葉を、ひらがな三字でそれぞれ答えなさい。 

1、暗がりから聞こえるうなり声に、身の毛も( )思いがした。
2、血気に( )若者たちが、感情にまかせて起こした事件だ。
3、ゲームしすぎると、勉強に支障を( )だろう。
4、ヒーローとして大切なのは、弱きを助け強きを( )ことだ。
5、もうやめようとの思いが脳裏を( )たび、打ち消してきた。

【解答】

1、よだつ
2、はやる
3、きたす
4、くじく
5、よぎる

それぞれの言葉の意味を解説していきます。 

身の毛もよだつ…恐怖のあまり、毛が逆立つような思いがするさま。ぞくぞくするさま。
血気にはや…一時の意気に任せて向こう見ずに事をする。
支障をきたす…邪魔になること、差し障りがあること、物事の妨げになること。
弱きを助け強きをくじ…弱い者を救い、横暴な者をこらしめる。任侠の気風をいう。
脳裏をよぎる…何らかの考えが頭の中に浮かぶ、嫌な予感などがする、などの意味の表現。

問2

出典

次の1〜3の各組にある( )には、ひらがなが一つ入ります。他とは違うひらがなが入るものを、それぞれ一つ選び、記号で答えなさい。

1、
ア い( )わる(意地悪)
イ そこ( )から(底力)
ウ ち( )む(縮む)
エ はな( )(鼻血)
オ ま( )か(間近)

2、
ア うわ( )み(上積み)
イ き( )く(築く)
ウ て( )くり(手作り)
エ ふみ( )き(文月)
オ りくつ( )き(陸続き)

3、
ア うすご( )り(薄氷)
イ お( )さま(王様)
ウ すど( )り(素通り)
エ と( )あさ(遠浅)
オ みやこお( )じ(都大路)

【解答】
1、ア
2、イ
3、イ

1、ア い()わる(意地悪)
アの空欄に入るのは(じ)、他の選択肢は(ぢ)となります。

2、イ き()く(築く)
イの空欄に入るのは(ず)、他の選択肢は(づ)となります。

3、イ お()さま(王様)
イの空欄に入るのは(う)、他の選択肢は(お)となります。

問3

二字の熟語の中には、「消火」(火を消す)、「発熱」(熱を発する)のような組み立てのものがあります。「消火」「発熱」と同じ組み立ての熟語を次のア〜コからすべて選び、記号で答えなさい。 

ア、運送
イ、恩師
ウ、解放
エ、学者
オ、兄弟
カ、集金
キ、洗顔
ク、全力
ケ、走行
コ、読書

【解答】カ・キ・コ

それぞれ集金」「金を集める」、洗顔」「顔を洗う」、読書」「書を読む」となります。

熟語の構成についておさえておきましょう。
熟語の構成には、

  1. 意味が対になる漢字の組み立て
  2. 似た意味の漢字の組み立て
  3. 前の漢字が後ろの漢字を修飾する組み立て
  4. 前の漢字が動作を、後の漢字が「〜を・〜に」に当たる意味を表している組み立て
  5. 前の漢字が主語、後の漢字が述語の関係の組み立て

の5種類があります。 

問題となっている「消火」「発熱」の組み立ては4に当たります。 

他の選択肢がどの組み立てに当たるのかみていきましょう。 

1、意味が対になる組み立て
⇨オ、兄弟

2、似た意味の漢字の組み立て
⇨ア、運送、ウ、解放、ケ、走行

3、前の漢字が後ろの漢字を修飾する組み立て
⇨イ、恩師、エ、学者、ク、全力

問4

次の1〜8の言葉のたとえとして用いることができる言葉を後のア〜クから選び、記号で答えなさい。ただし、同じものはくり返して使えません。 

1、お世辞
2、群衆
3、静けさ
4、疲れ
5、突然
6、変化
7、理解

ア、芋を洗うよう
イ、手に取るよう
ウ、猫の目のよう
エ、歯が浮くよう
オ、降ってわいたよう
カ、水を打ったよう
キ、綿のよう

【解答】

1、エ
2、ア
3、カ
4、キ
5、オ
6、ウ
7、イ

それぞれの意味を解説していきます。 

1、お世辞…心にもないことを愛想のために言う。「世辞」に丁寧語の「お」をつけた表現。丁寧語をつけた形が一般的に用いられている。
=エ、歯が浮くよう…空々しい、わざとらしい、いかにも演じているような感じのする言い回しなどを指す表現。クサい台詞などとも言う。

2、群衆…群がり集まった人々。
=ア、芋を洗うよう…《里芋を桶(おけ)などに入れて棒でかきまぜて洗うようすから》狭い所で多数の人が込み合うようすのたとえ。芋の子を洗うよう。

3、静けさ…静かであること。また、そのようす・状態・程度。
=カ、水を打ったよう…その場の居合わせた大人数が一斉にしんと静まり返った様子をたとえた表現。水打ちして砂埃などが舞うのを抑えたさまになぞらえた言い回し。

4、疲れ…体力や気力を消耗してその働きが衰える。くたびれる。
=キ、綿のよう…身体から力が抜けてぐったりとし、張りも気力もなくなってしまったさま。多く、ひどく疲れたさまの形容に用いる。

5、突然…予期しないことが急に起こるさま。だしぬけであるさま。突如。
=オ、降ってわいたよう…予想外の出来事が突然発生することなどを意味する表現。

6、変化…ある状態や性質などが他の状態や性質に変わること。
=ウ、猫の目のよう…あたかも猫の目(瞳孔)が周囲の明るさに応じて瞬時に大きさを変えるように、環境に順応して迅速に様変わりするさまを表現する比喩的な言い方。

7、理解…物事の道理や筋道が正しくわかること。意味・内容をのみこむこと。
=イ、手に取るよう…手で実際に触って確かめるかのように、はっきりとわかるさま。現実的なものとして、あるいは細部まで明瞭に把握・理解されるさま。

まとめ

慣用句や語句表現の問題は知っていないと解くのが難しい問題が多いです。そのため、よく出る表現はおさえておきましょう。また、漢字の熟語の成り立ちはよく出てくる問題です。それぞれ成り立ちと例を合わせて覚えるようにしましょう。 

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