中学受験・国語が苦手な子とその原因5つ

私たち日本人は、普段から日本語、つまり国語を使っておしゃべりしているわけですが、どういうわけか、「国語」を科目、それも中学受験の科目として意識したとたん、「国語は苦手」と思ってしまうお子さんが少なくありません。

普段の生活では、あれ、それ、などで通じていてもテストではそういう解答では通用しません。実は、国語は非常に論理的な科目なのです。順序を追って解答しなければならない科目なのですが、そういう意識がなかったり、あるいは知らなかったりするために、点数につながらないということが続き、さらなる苦手意識が生まれてしまうのです。

国語は文章を精読し、そこに書かれている事実を見極める作業が求められます。それを怠ると正解を外してしまいます。今回は、なぜ国語が苦手になるのか?その原因について書いていきます。

原因① 接続語を気に留めない

接続語は、いわゆるつなぎことばで、文と文、段落と段落をつなぐという働きをしながらそれぞれの文や段落の関係を表しています。たとえば「そして」でしたら、前の文に何かが足し算されるんだな、ということがわかりますし、「しかし」であれば、前に書いてあったことを否定したり逆のことを書く場合に使います。「つまり」のあとには要旨がまとめてあったり、それまでに挙げられた例をまとめてあったりしますので、「つまり」のあとはぜひ押さえておきたい部分だな、ということがわかるのです。

よくある間違いなのですが、「ところで」は話題を変えるときに使いますが、「ところが」と読み違えると、文章の流れを誤って解釈することになってしまいます。

このように、接続語に気を配って読まないと、単に字面を追ってしまい、何が書かれているのか理解できないで終わってしまうのです。これが国語が苦手になる原因の一つです。接続語の問題は、選択式になっていることが多いので、重視されにくいことがありますが、文章全体を把握するのに欠かせない、大事な役割を果たしていますから、気をつけて読むようにしましょう。

原因② フィーリングで読んでしまう

物語文の場合、いつ、どこで、何が起きたのか、という点に着目しつつ登場人物の気持ちの変化客観的に判断することが求められます。起きた事件については理解できても、登場人物の気持ちは読み手と同じとは限りません。

ところが、フィーリングで読んでしまうと、何となくわかったような気落ちになり、同時にその気持ちのまま解答してしまうので、正解を外すということが起きるのです。自分の気持ちを登場人物に投影する「主観的な」読解をしてしまい、間違いが起こるのです。

自分の好きな本を読む「読書」と、国語のテストでは、同じ国語に関係していても目的が全く違います。読書は読んだことに対する満足感が生まれ、それはそれでもちろんよいことです。しかし、国語のテストの問題に答えるためには、文章中に書かれている内容から離れては決していけないのです。国語のテストの問題文は、ルールに従って読解していくことを忘れてしまうと、点数が取れず、苦手意識を持つ原因となります。

原因③ 指示語を文節でとらえていない

こそあど言葉ともいわれる指示語の場合、「これ」「その」などの部分だけに注目してしまうと、答えがすぐそばに書いてあると思いこみ、傍線部近くのみを一生懸命探すけれど答えが見つからない、違う場所を答えてしまうということはよくあります。入試の国語では、指示語から始まる文章や、最初に出てきた指示語の内容が文章の最後にやっと出てくる、などという問題も多く出題されます。

本来であれば、例えば「これが意味するものは・・・」などとできたら、「これが意味するもの」を指示語ととらえ、「意味するもの(内容)」を探せばよいのです。「これ」だけを探していても、答えは見つかりません。指示語は、文節や、場合によっては一文でとらえることが必要なのです。「これ」「それ」だけでとらえないように意識しましょう。

原因④ 具体例にとらわれて、結論を見落としてしまう

論説文、説明文には、型があります。初めに結論が来る場合もあれば、問題提起から始まる場合もあります。筆者が言いたいことを読み手に理解させるためにあの手この手で具体例が続く場合もあります。具体例は一つとは限らず、いくつも出てくることが多いです。その中の一つを理解できたときに、それが「結論」だと決めつける場合がよくあります。

記述問題では、筆者の言いたいことをまとめなさいというような問いの時に、結論部分を探さなければならないのに、具体例をひたすら書いて、記述ができたと満足してしまうケースはとても多いです。具体例は、内容が詰まっているので、そこが結論だと思い込んでしまうのですね。ですが、具体例をいくら書いても「筆者の言いたいことをまとめ」たことにはならず、点数はつきません。具体例と結論を取り違えないように注意しましょう。

原因⑤ 選択肢をはずしてしまう

選択肢問題の基本は、文章中に「書かれていないこと」ははずす、ということです。きちんと読めば書かれていたかどうかは分かります。しかし、抽象的な選択肢の場合、生徒の価値観、あるいは一般常識的な考え方で答えてしまうということがよくあります。普通に考えるとそうだよね、という選択肢が紛れ込んでいる、いわゆる「ひっかけ問題」です。

また、選択肢を最後までよく読まないために、選択肢の前半部分、つまり主部がすべて文章に書かれていたら、後半までよく読まずにその選択肢を正解と勘違いし、間違えるケースもよく見受けられます。選択肢も問題文の一部だと思って、読み飛ばすことの内容に注意することが必要です。

選択肢問題の設問が文章中に書かれているかどうかの判別ができるようになれば、選択肢問題は外さなくなります。先ほど書いたように、選択肢は最後まで読み、前半と後半に分けて比較することも必要です。

まとめ

国語の問題を解くためには、解くための論理(ルール)が存在することがお分かりいただけましたか?「なんとなく」国語に取り組む受験生は非常に多いです。原因をいくつか挙げてきましたが、やはり「国語だからなんとかなる」が根底にあることも大きな問題です。国語の問題を解くには正しいルールがあるそのことを忘れないで学習しましょう。

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一橋大学卒。 中学受験では、女子御三家の一角フェリス女学院に合格した実績を持ち、早稲田アカデミーにて長く教育業界に携わる。 得意科目の国語・社会はもちろん、自身の経験を活かした受験生を持つ保護者の心構えについても人気記事を連発。 現在は、高度な分析を必要とする学校別の対策記事を鋭意執筆中。