国語の読解力をアップさせる4つの視点

中学受験の国語の大半は読解問題が占めており、長い文章を正確に読みとり、さらに設問を正確に把握して答えるという深い「読解力」をつけることが最終的に求められます。そして、その力は中学受験が終了したあと、高校、大学、社会人になっても求められる非常に大切な力です。

受験で読解力を求める問題が大半を占めるのは、ただ難しい文章が読める生徒がほしいからではなく、学校が入試問題にこめている、「こういう生徒に来てほしい」というメッセージを受け止め、答案という形で答えてほしいからなのです。

今回は、中学受験国語の、そして各教科の要となる「読解力」をアップするために保護者が持っておきたい4つの視点をご紹介します。

各文種の読解テクニック、宿題の進め方などについては、また別の機会にお伝えしていきます。

視点1:読書をすれば読解力は必ず上がる?

「読書はたくさんするんですけれど、国語の成績が全然上がりません」というご相談を受けることがよくあります。文章を読む習慣を身に着け、長い文章に対する抵抗をなくすという意味で、読書自体はとても大切なことです。

普段から様々な種類の本を読み、「今日読んだ本にはね、こういうことが書いてあって、自分はこう思ったんだ」というように、内容までしっかり把握し、読書を楽しむことができているお子さんについては、受験勉強の良い息抜きにもなりますし、読解力向上にもつながることが多いですから、ぜひ様々な本を楽しませてあげてください。

全てのお子さんがこうであれば問題ないのですが、現実は、「読書はたくさんするんですけど…」というお子さんが圧倒的に多いと思います。中学受験において、読書量と国語の成績は必ずしも一致するとは限らないのです。

「読んだ文章の量」が多いことは、読解力を養成する基本であることは間違いないでしょう。しかし、読書が好きでたくさん読むお子さんであっても、読む本の傾向が偏ってしまうため苦手な文種ができてしまったり、あるいは「読む量」にこだわりすぎて、知らない言葉があっても調べることなくなんとなく読み飛ばし、内容がほとんど頭に残っていない、という「読書の落とし穴」にはまってしまい、結果として本を読んでいる割に読解力は身についていないことが非常に多いのです。

もちろん、これは「読書をするな」ということではありません。ただ、これから学年が上がるにつれて各科目の学習内容・量ともに深く多くなっていく中ではゆっくり読書の時間をとることは難しくなってきます。その中で、「読書の落とし穴」にはまってしまっていては、受験勉強で最も大切な「読解力」を身につけることはできなくなってしまい、他の科目への影響も出てきてしまうでしょう。

「読書の落とし穴」にはまることなくたくさんの文章に触れ、読解力をつける方法はあるのでしょうか。

視点2:塾で習ってきた文章を活用しよう!

答えは簡単です。塾で扱ってきた文章や、宿題として出された文章を使うのです。学年によって長さや難しさは変わってきますが、塾のテキストで扱われている文章は、実際に入試問題で使われた文章などの良質な文章が集められており(例外もありますが)、しかも年間で読むことになる文章は相当なものになります。それを読みっぱなしにしてしまうのは大変もったいないことです。

塾では扱いきれなかった問題は宿題で出されますから、家で再度文章に触れる必要があるわけです。その機会を逃さず、読解力アップの材料に活用するのです。普段の自由な読書とは読む文章の長さも質も異なりますが、せっかく国語の学習をするのです、習ってきた文章を再度読み込みながら設問に挑戦することによって、ほかの文章を読むときにも応用の利く読解力が身についてきます。

ただし、特に集団塾の場合、時間的制約もあり、文章を細かく読み込んできていないことが多いです。ですから、塾で読んできた文章を活用しようといっても、単にあやふやな記憶や理解のもとに問題だけ解き、ただの「間違い直し」で終わってしまう恐れがあります。そこに注意しながら活用すれば、非常に良い読解力アップのための材料になります。

視点3:宿題をやる前にワンクッション置きましょう

塾から出る宿題は大量ですから、時間に追われることになりがちです。ですが、国語に関しては、お子さんがどの程度文章を読んで理解してきたのか、保護者がチェックしてあげるひと手間をかけてあげることによって読解力を大きくアップさせることができます。そのひと手間が重要なのです。

まず、「今日はどんな文章を読んできたの?簡単でいいからどういう話だったか教えて」と声をかけて、読んできた文章について親子で会話をしてみましょう。塾での勉強で疲れた頭の整理にもなりますし、理解度のチェックをすることも兼ねられます。

「登場人物が誰と誰で、こんなことが起こってね・・・」というように物語文の筋が終えていたり、「賞味期限の切れた食べ物って捨てられてしまって、日本ではその量がとても多いんだって」といった、説明文の要点を言い表せていればしめたものです。文章の構造や内容を理解できているでしょうから、細かいものを除けば設問の意味にもそれほど引っかからずに宿題も進めることができるでしょう。時間があれば、「へえ、そうなんだ。それでどうなったの?」「どうして日本ではそんなことが起こっているの?」などと会話を進めてみるのもおすすめです。

問題は、「うーん・・・よくわからなかった」という場合です。文章の内容が理解できておらず、宿題をしようにも設問の意味自体よくわかっていない可能性がありますから、その状態でいくら時間をかけて宿題をやろうとしても進まないでしょう。そういうことが積み重なると、国語が「苦手」から「嫌い」になってしまいます。

大人が書いた文章が題材なのですから、「よくわからなかった」文章が出てくることはむしろ当然のことです。そのようなときは、無理に一人で考え込ませず、一緒にその文章を読んでみましょう。

塾では黙読させることが多いですから、お子さんに音読させてみて、表情を観察してみてください。文の頭から引っかかっていることもあり得ますし、途中から急に難しく感じてしまい、読み進めることが難しくなっている場合もあります。「ここわかっているだろうか」と感じたときは、途中で止まってよいので、お子さんに「これってどういうことだと思う?」と質問してみてください。内容がわからない場合もありますし、使われていることばの意味自体がわかっていない場合もあります。まず「なにがわからないのか」を説明することにチャレンジさせて、難しそうなら、ことばの意味も含めて一緒に考えてみましょう。

国語の宿題は、間違えた問題を「ただ直せばよい」と思われがちですが、「読解力をつける」という本来の目的を忘れてはいけません。宿題をやる前にまずワンクッション置いて、塾で扱われた文章を一緒に検討してみることによってはじめて読解力は身についていきます。読む文章量は確実に増え、要点の確認もできますから、説問を解く効率も格段に上がります。

最初は間違えたり理解できないことがあっても決して叱らないで根気よく一緒に考えてあげてください。その文章について会話や質問をすることによって、読解力もアップしていきますし、普段なかなか取れない親子の会話の時間も確保できます。

視点4:気持ちの上でもワンクッション置きましょう

国語は、非常に心理的な影響を受けやすい科目です。たとえばテストの日の朝、家族とけんかしてイライラした気持ちを引きずったままテストを受けて、点数がボロボロ・・・という経験はないでしょうか。

深い正確な読解は、心理的に落ち着いていてこそできるものです。それが、イライラや疲れた、点数が取れなかったらどうしよう、怒られる・・・などの感情に邪魔されると文章を読み誤り、したがって設問も芋づる式に間違えるということにつながりやすくなります。

テストの時ももちろんですが、普段の宿題をやるときにも、まずお子さんの気持ちを落ち着かせ、集中させることが何より大切です。塾から帰ってきて、あるいはテストを受けてきてすぐ、「早く今日の宿題をしなさい!」「今日のテストはどうだったの!?」と言いたくなる気持ちはよくわかります。しかし、保護者の気持ちが落ち着いていないと、お子さんの気持ちもそれにひきずられ、読解どころではなくなってしまいます。

ぜひ、親子で気持ちの上でもワンクッション置いて、お子さんが平常心で机に向かえるようにしてあげてください。

終わりに

国語は成績を上げるのに時間がかかる科目です。なぜなら、「読解力」と一言で言っても、受験で求められる国語の読解力とは、

  • 長い文章を正確に読み、
  • 作者の意見、具体例、あるいは登場人物の感情(ほかにもいろいろありますが)を正確につかんだうえで、
  • 設問を吟味し、聞かれていることは何なのかを正確にとらえて、
  • 文章中の根拠を押さえたうえで解答する

と、非常に深く何段階にもわたるものだからです。

特に中学受験では、大人が書いた長い文章に大人が設問を加えていますから、実は小学生にとっては読むだけで大変エネルギーを使います。しかも限られた時間で設問を解かなければならないわけですから、そのプレッシャーは大きいのです。

ですから、お子さんにとって一番身近な大人である保護者からの働きかけは読解力アップにとても有効です。ぜひ、実践してみてください。

 

 

 

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