【中学受験】休校中の今だからできる!苦手分野勉強法・克服法 国語対策編その2

前回は、「休校中のいまだからできる!苦手分野勉強法・克服法 国語その1」として、国語という教科の重要性、正しい読解法に沿って読むことの大切さなど、点数を上げていくポイントについて、特に説明文・論説文、物語文を対象にしてご紹介しました。

小学校が休校中のいまだからこそ、自宅学習に時間をとることができるチャンスです。世の中は落ち着かず、先々のことが気になってしまってしかたがないという方も多いと思いますが、外出自粛の今だからこそ、これまで後回しにしてきたことや苦手分野・単元の克服に時間を割くことができます。

そのためには、まず自分が何を苦手としているのか、また、後回しにしていたことを洗い出すことから始めましょう。これまで使ってきたテキストや模試などから、できなかったものや自信のないものを抜き出すのです。これはぜひ、保護者の方もお子さんと一緒にやってみてください。お子さんに任せておくと、苦手意識のあるものが増えるのを嫌がって、わかっていないものも分かったことにしてしまうからです。保護者の客観的な視点を加えて、お子さんと一緒に対話しながら、どこが苦手や弱点分野になっているのか、基礎がわかっていないのか、解法がわかっていないのかなど、つぶしていくべきポイントをまとめていきましょう。

それができたら、ピックアップしたものに実際に取り組み、つぶしていく段階に入ります。受験生によって苦手とする教科や分野、単元は違います。だからこそ、お子さんだけのための「自分の学習」が必要になるのです。自宅学習の時間がとれるいまだからこそ、できることであり、事態が収束したあとに一つでも多く×を〇にしておくことによって、それ以降の総合問題や志望校対策もスムーズに進めることができます。

今回は、国語対策編その2として、随筆や詩、漢字・ことばといった点について、正しい勉強法・克服法についてご紹介します。随筆や詩は説明文や論説文、物語文よりも出題頻度が低めではありますが、それだけにあまり触れていないため、正しい読解法や設問の吟味のしかたについてよくわかっていないという受験生も多いのが特徴です。また、漢字やことばといった知識は、国語のみならずすべての教科の基礎基本となるものです。こちらもどのようにチェックしていくのがよいのかご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

随筆文の読解方法

随筆、と言われてどのような文章か説明できるでしょうか?保護者の方はエッセイ、と言えばお判りになるかもしれませんが、受験生にとっては「なんだかよくわからない文章」であることが多いです。なぜ「なんだかよくわからない」のでしょうか?塾のテキストにもあまり回を割いて随筆文が載っていないことも一つの要因となっています。触れる回数が少ないと、その回だけなんとなく解いて、そのうち忘れてしまうということが起こりえます。

そのような状態が続いていると、模試でいきなり随筆文が出たときにどのように読解したらよいのかわからず、また。随筆文はくだけた大人の口調で書かれているため、小学生である受験生は混乱することが多いのです。

ですが、随筆文と言って身構える必要はありません。随筆文は、筆者が経験したこと、また筆者の意見について、自由な文体で書かれた文章です。特別ほかの文種と異なる文章であるということはありません。とはいえ、話し言葉で書かれていることが多いため、正しい読解方法ってあるの?と思われる方も多いです。では、随筆文を正しく読解するためにはどのような点に注意すればよいのでしょうか。

随筆文には2つのパターンがある

随筆文というと1種類と思われるかもしれませんが、随筆文には大きく分けて2種類あります。1つは、説明文・論説文型の随筆文で、もう1つは、物語文型の随筆文です。え、2つも新しい文章の読解法をマスターしないといけないの?と思われるかもしれませんが、そうではありません。随筆文独自の文章構造をマスターすれば、あとは説明文・論説文、物語文の読解法に寄せて読解していけばよいのです。いずれの型についても、筆者の経験や意見、伝えたいことを分けて考えるというポイントは覚えておきましょう。

説明文型の随筆文

説明文型の随筆文は、筆者の体験を説明的にいくつか挙げたあと、最終的に筆者の意見をまとめの部分で述べる、という流れで文章が進んでいきます。たとえば、海外で生活している筆者の体験談を挙げ、日本人の行動について説明し、海外と日本とを比較して筆者が思う改善点や良いところなどを意見として主張する、といった流れの文章がよく見られます。代表的な筆者としては、塩野七生、外山滋比古といった作家が挙げられます。

説明文型の随筆文は、説明文や論説文のように、比較的明確な段落分けがしやすいため、説明文や論説文に寄せて読めばよく、受験生にとっては読み易いタイプの随筆文と言えるでしょう。

説明文や論説文では意味段落分けの重要性について説明しました。そこでは、以下の3つに文章を分けるということが重要であるということを指摘しました。

  1. 文章のテーマを提示する段落
  2. 説明段落
  3. まとめ・筆者の意見を述べる段落

随筆文は、筆者が自由に書くくだけた文章なので、一般的な説明文や論説文と比べてこれらの3つの段落がまとまっているというよりは、文章中に散らばっていることが多いです。そのため、まず「事実」と「意見」を読み分けるようにしましょう。ここで混乱してしまう受験生が非常に多いので注意が必要なポイントです。塾でもあまり教えてもらえないポイントなので、注意して読むようにしてください。

その意識を持ちながら、文章のテーマについて書いてある部分、事実を説明している部分、筆者の意見やまとめの部分を切り分けていきましょう。その際に、重要な部分に線を引きながら読んだり、印をつけながら読み進むことをオススメします。これを癖にすると、他の文章を読むときにも役に立ちますし、一見取りとめなく見える随筆文の中から設問にかかわる部分を読みとりやすくなります。

物語文型の随筆文

随筆文のもう1つは、物語文型の随筆文です。このタイプの随筆文は、一見すると普通の物語文のように見えますが、登場人物はフィクションではなく、筆者自身であり、過去の体験をもとに書かれています。その点で、説明文型の随筆文と異なり、少し読解法を身に着けるのに時間がかかる可能性がありますので注意が必要です。

まずは、通常の物語文と見間違えないように、登場人物についての情報をしっかりと把握しましょう。説明文型の随筆文と違い、このタイプでは、筆者の体験を物語的に綴った後に、筆者の意見ではなく、感想が入ります。代表的な作家としては、向田邦子や椎名誠などが挙げられます。どちらもテキストや本で読んだことがあるのではないでしょうか。

登場人物が筆者であるということは、やはり「大人が書いた大人の文章」ですから、くだけた文章とはいっても小学生としては感情移入は難しいでしょう。しかし、国語の文章読解の際には感情移入は必要なく、筆者が言いたいことを客観的に読み取ることが何より大事です。そのためにも、筆者がどういう経験をしてきたどういう人物なのか、ということをしっかりつかむことが設問に答えるにあたって非常に重要になってきます。

通常の物語文では、以下の4つが読解のポイントでした。

  1. 登場人物の置かれている状況
  2. 登場人物に起こった事件
  3. 登場人物の感情の変化
  4. 感情の変化により引き起こされた行動

これは随筆文の中にも出てきますが、それぞれを筆者=登場人物を取り巻く経験・事実と、筆者の伝えたいこと=感情の変化に切り分けていくところが物語文型の随筆の難しいところです。ただし、文章は平易であることが多いので、怖がらずに筆者が経験したこと、筆者が置かれた立場、筆者の思いを線を引きながら読み進み、重要部分をつかんだら設問にかかりましょう。通常の物語文とは少し違う文章ですが、短い中にも筆者の思いが詰まった文章です。ぜひ、楽しみながら読解法を身に着けてください。

詩の読解方法

随筆以上におろそかになりがちなのが「詩」の読解です。塾のテキストでも詩を扱う回は非常に少ないですし、模試でもたまに出るといった感じで、受験生の皆さんはそもそも詩の読解をした経験自体少ないかもしれません。入試で詩を出題する学校は少なく、頻出分野ではないため、塾によっては授業で取り扱わないということも少なくありません。しかし、何の対策もしないままではもし入試で詩が出題された場合、絶対に解くことができないという難しい文章でもあるのです。最難関校である筑波大附属駒場中学校では、毎年のように詩が出題されますし、難関校での出題が目立ちます。

なぜ詩を出題するかというと、非常に短い詩の中に、作者の思いがギュッとつまっているので、「行間を読ませる」という高度な設問を作ることができるからです。詩を読んでどう感じましたか、というような設問はまず出ません。詩に込められている情景や作者の思いを正確に読むのは非常に難しいのです。だからこそ、時間があるいまの休校時期にぜひ自主的に取り組んでいただきたいのです。

詩は、随筆文以上に文字数が少なく、その少ない文字数からさまざまなことを読みとらなければなりません。小学校で音楽の授業で歌を歌うとき、歌詞にはどんな気持ちが込められているのか考えてみたことがあるでしょうか?また、音楽が好きな皆さんは、歌詞が好きでその歌手が好きになるという経験を持っているかもしれませんね。その詩と同じです。メロディーがついていないだけで、その中には作者の思いがたくさん詰まっていて、それを自分の言葉で表現して設問に取り組み、説明していかなければならないのです。

詩は文学的だと思われるでしょうが、設問を見てみてください。「傍線部に書かれている作者の気持ちを説明しなさい」「この情景には何が描かれていますか。説明しなさい」という設問がほとんどです。文学的な文章なのに、説明を求められるのです。ですから、1文字1文字非常に大切にして、情景を思い浮かべる、作者の気持ちを思い浮かべるといった想像力が必要になってくるのも詩の特徴の一つです。

詩の読解には読解技法の知識が不可欠

他の文章と詩の間には、読解に必要な知識に決定的な違いがあります。詩に特有の要素ととして必ずマスターしておかなければならないのはさまざまな「表現技法」です。例えば、説明文では、文章の最後にまとめが来るであろうことはおおよその予測がつきますし、説明をまとめている部分には「したがって~」「よって~」といった接続語が使われることも多いので、文章中で一番重要なポイントがどこに書かれているか比較的分かりやすい文章が多いです。

しかし、詩には決まった形というものがありませんどこにどのような要素が散りばめられているのかを把握するためには、まず基本的な表現技法を知っておく必要があるのです。設問の中には、傍線部に使われている表現技法を書きなさい、というものも出題されることがあります。

詩に代表的な表現技法としては、反復、対句、比喩といったものがあります。反復や対句は比較的分かりやすいですよね。同じ言葉をそのまま、または少しだけ形を変えて繰り返すということは、そこに作者が伝えたい重要な内容が含まれている、ということになります。説明文や論説文でも筆者が伝えたいことを言葉を変えて何度も説明しているのと同じです。

また、比喩とは、つまり「たとえ」のことです。比喩をつかうことによって、作者は何かを伝えようとしているのです。比喩の主体となるものは、作者がその詩で述べたい重要なポイントです。例えば、「涙」を表現するために「雨」「滝」といったことばを詩に込めているという場合などがわかりやすいかもしれません。このように、詩で比喩が出てきたら、「これは何を言い換えているのだろうか」ということを考えて置き換えるという訓練をしておきましょう。

このほかにもたくさんの表現技法がありますが、まずは、詩を読んでどのような表現技法が使われているのかを把握できるように、知識を身につけていきましょう。題材としては、テキストや演習問題集などに載っている詩の回や、模試や小テストで出てきたもの、あるいは過去に出題された入試問題を使ってもいいですね。自分の志望校以外で詩を出題しているところがありますので、そういったものをピックアップして一つひとつていねいに読んでみましょう。

詩の場合は音読も非常に重要です。歌を歌うときは歌詞を口に出しますよね。それと同じで、リズムに乗りながら、どのようなことを表現しようとしているのか探ってみてください。そのほかに、詩の読解に特化した問題集もあります。すべてやる必要ないですから、まずは基本的な問題でこれまでに説明したような読解法を実践してみてください。

おろそかにされがちだけど一番重要!?漢字やことば

漢字やことばといった国語の知識問題は、理科や社会の知識問題と比べておろそかになりがちです。しかし、実際の受験問題の文章を読む際は、いちいち漢字の読み方や、熟語の意味の説明などはしてもらえません。わからないものはいくらながめていてもわかりません。だからこそ、国語の文章読解だけでなく、算数や理科、社会の問題文を読む際にも、わからない漢字やことばが出てきて○○意味が分からなかったということの内容に十分に準備をしておく必要があるのです。文章を読む前段階の基礎中の基礎として、漢字やことばといった知識もしっかりと叩き込みましょう。

漢字や熟語を覚える際に、漢字を記号としてしか認識せず、形と読みだけを覚えるというやり方は、非常に効率が悪くなります。たとえば、「独」という感じは訓読みで「ひと(り)」と読みますね。では、「独立」「独占」といった熟語の意味はどうでしょうか。いずれも、「ひとりで」という意味が含まれます。このように、漢字が表す意味と熟語の意味とは必ずリンクしているので、関連付けて覚えていきましょう。

男子難関校のひとつである海城中学校では、毎年必ず漢字の書き取りが出ます。女子最難関校の桜陰中学校でも出題されます。特に海城中学校では、公表はされていませんが、漢字の書き取り問題に12~13点を配点していると広報担当の先生がおっしゃっていました。中学校に入ってからも漢字検定などに力を入れており、また、文章を自由自在に操れるようになるために必須の知識として、漢字には力を入れてほしいという学校側のメッセージもあります。

ぜひ、漢字やことばは夏以降に詰め込めば何とかなる、という安易な考え方はしないでください。模試でも漢字やことばの問題は必ず出題されますね。その配点は決して低いものではなく、もしそれを正解していたら偏差値が10以上も上がったのに、ということもよくあることです。ですが、それができなかったのは、漢字やことばの知識問題をいつでもできるからと後回しにする姿勢にあるのです。いくら難しい記述問題で正解したとしても、漢字や知識で点数を落としてしまっては、こんなもったいないことはありません。

1点を笑うものは1点に泣く、それが中学入試の厳しさです。国語の知識問題は、日本人だから何とかなるだろうと思う典型です。だからこそ、しっかり叩き込んでいかないと膨大な量に圧倒されてしまいます。知らないものは絶対に正解できない厳しい知識問題ともいえるでしょう。ぜひおろそかにせず、いまのうちから毎日コツコツこれまでに間違えたものをつぶしていくようにしましょう。そして、何度かやってもなかなか覚えられないものについては、ノートやカードに書きだすなどして、すきま時間に見直して自分のものにしてしまいましょう。

まとめ

今回は、随筆文、詩、漢字やことばといった知識問題についての勉強法、攻略法についてご紹介しました。普段あまり触れる機会のない随筆文や詩は、国語の総合的な力がついているかどうかを測るには非常に良い題材なので、出題する中学校が増えてきています。また、少し特殊な文章であるということもあり、克服するためにはそれなりに時間がかかります。だからこそ、小学校が休校中のいま、自宅学習の時間を使って早いうちに苦手意識をつぶしておく必要があるのです。

また、漢字やことばといった国語の基礎知識は、すべての教科の土台となる重要な知識なのですが、毎回模試で10点から20点もの配点があるにもかかわらず、間違えても「ケアレスミス」で片づけられてしまいがちです。そのような経験はないでしょうか?

漢字やことばの知識を間違えた場合、それは「ケアレスミス」ではなく「知らなかった」「理解していなかった」ということであって、それを放置していると大変なことになります。夏以降の模試で、漢字やことばの知識を落として成績が下がるという受験生はたくさんいます。それは、他の教科の存在が気になりすぎて、時間を少しでもとって漢字やことばの知識を学習しようとしなかったことが原因です。ですが、いまの時期から始めればまだまだ十分時間があります。自宅学習の時間があるいまだからこそ、しっかり基礎知識も固めてしまいましょう。

次回は、国語の読解法に基づいたテクニックについてご紹介していきます。いまが国語力を固めるチャンスです。ぜひ頑張って基礎固めを徹底していきましょう。

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