模試で国語が満点だったことはありますか?算数は満点という方はいても、国語で満点がとれるという方はほとんどいません。逆に0点もあまりありません(算数ではありえますね)。また、模試のたびに成績が上下しやすい科目でもあります。
国語については、模試の問題構成を考えて、とれるものから点数を積み上げていくこと、これが点数をのばしていく一番の秘訣です。模試の問題構成は、まず漢字の問題、ことばの決まりや慣用句・ことわざなどのことばに関する知識問題、そしていわゆる大問、文章読解の問題が2題出題されるのが一般的です。配点も、100点満点のものもあれば150点満点のものもあります。
高得点がとれれば一気に成績を上げる国語、しっかり点数をとりたいですよね。今回は、国語の点数のとり方のポイントについて考えていきたいと思います。
ポイント①漢字には時間をかけないこと
漢字の読み書きの問題は、一般的には5問~10問程度出題されます。得点は1問1点か2点であることが多く、合計で10点~多くて20点くらいの配点があるので、しっかり得点したいところです。ですが、漢字に関してはわかるかわからないかはっきりしていますから、時間をかけすぎてはいけません。
普段からしっかり漢字の練習をしている生徒さんほど、実際に模試で知っているはずなのに思い出せない、でも知っているからできるはず・・・と時間をかけすぎてしまうことがあります。それでは、あとで待ち構えている読解問題に時間を残せませんから注意が必要です。また、日々の漢字練習が不足している場合は、考えても答えは浮かんできませんから、できるものだけ書き、残りは捨てる勇気も必要です。とはいえ、半分くらいは正解をとりたいところですので、模試のあと、しっかり練習をしておきましょう。
ポイント②ことばの問題にも時間をかけないこと
ことばの問題は、かなり広範囲から出題されます。文法では助動詞や助詞に関して同じ使い方のものを選ばせたり、熟語の組み合わせを聞いてきたり、さらに慣用句やことわざの意味を確認するような問題が5問程度出題されます。ここもたいてい、配点は1問2点程度です。全問正解したいところですし、ことばの知識は読解にも深くかかわってきますから、落としたくないところですね。
塾主催の模試では、最近学習した問題がいくつか出される傾向にありますから、必ず復習しておきましょう。また、塾によってはその部分を模試の後に提出する宿題に出すところもあります。その場合、模試までに学習することなく受けることになりますから、先回りしてやっておくことも必要でしょう。
一度に多くの慣用句やことわざを覚えるのはなかなか大変ですので、日々のことばの学習や読解問題に出てきたものを中心に、とりこぼさないようにコツコツ学習することが必要です。1週間分の宿題を前日1日で終わらせようとしていませんか?小分けにしてでもいいので、日々の漢字の練習と組み合わせるなどして学習し、これまで間違えたことのあるものは復習して確実な知識とし、得点源としたいところです。ここも、配点からするとあまり時間をかける余裕はありません。普段からの学習がものをいうところですから、模試のときにはさっと終わらせられるようにしましょう。
ポイント③選択肢問題をはずさないこと
選択肢問題は、たいてい4択~5択の中から選択させる問題です。注意しなければならないのは、「あてはまらないものを選びなさい」という設問を読み飛ばさないことです。あわてていると、「あてはまるものを」選びたくなるものです。設問を読み間違えない冷静さが必要です。また、「あてはまらないものを選ぶ」場合は、いざ選択肢を読んでいると、なんだか文中に書かれていることばかりだな、と思って、集中力が切れ、フィーリングで「あてはまるもの」を選んでしまう傾向があります。あとから落ち着いてみれば「これがあてはまらない」とわかるものでも、模試となると舞い上がってしまい、このような失点をすることはよくあるので、気をつけるようにしましょう。
実は、選択肢問題はけっこう配点が高いのです。1問あたり3点~5点、なかにはもっと高いものもあります。もし5点の問題を2つ落としてしまうと、10点落としてしまうことになります。大きいですよね。
ですから、選択肢問題ははずしてはいけない、重要な問題なのです。選択肢問題をはずさないコツは、「問題文中に書かれていることを選ぶ」という基本中の基本を意識することです。選択肢を読んでみると、さも「自分が正解」と言わんばかりの選択肢が並んでいます。読解問題の基本は、文中に書かれていることを客観的に、正確に読みとることです。選択肢問題も当然それが当てはまります。実際に選択肢を選んだら、自分で、なぜそれを選んだのか、それは文中のどこに書かれているかを確認することで、しっかり点数が取れますから、落ち着いて点数を積み上げましょう。
ポイント④記述はとにかく空欄にしないこと
記述問題に抵抗のあるお子さんは多いと思いますが、白紙答案に点数をつけることはできません。わかってはいるけれど、どのように書けばよいかわからずに白紙で出してしまうお子さんは非常に多いです。ですが、設問をよく読めば、「何を答えればよいか」がわかりますし、そのヒントとなるところが必ず文中にあります。その部分を中心に、何が問われているかを理解し、あてはまる部分から一部でも抜き出してまとめてみる、少しでも書くことが必要です。
記述問題は配点が高いです。だいたい8点~15点くらいといったところです。そして、部分点があります。少しでも解答として求められている要素が書かれていれば、満点は無理でも、2点、3点、、、と点数を積み上げることができます。初めから満点を狙う必要はありません。まずは一部分でも書こう。解答欄の半分は書こう、という意欲をもって記述問題に取り組み、白紙で出すことのないようにしましょう。
まとめ
模試の国語で点数をとる秘訣は、「積み上げ」です。できれば、漢字とことばに関する問題は満点を取りたいところです。たいていの総合模試ではそれだけで20点~30点近くの配点がありますから、平均点が150点満点中80点~90点と考えたらどうですか?この部分だけでかなりの部分が確保できることになります。あとは選択肢問題をなるべくはずさず、確実に点数を稼ぎ、記述問題は部分点狙いで稼ぐ、そうすれば安定して点数が取れるようになります。なかでも選択肢問題は多いですが、設問をよく読み、客観的に答える姿勢を忘れないでください。それぞれの部分で確実に「積み上げ」ができれば、平均点を大きく上回ることも可能です。
そして、できるだけ模試で出題された文章は再度読み、自分の読み方がルール通りにできているかを確認し、選択肢問題の選び方は正しかったか、なぜそれが正解なのか理由も含めて確認しておきましょう。また、模試の国語の問題は「ことばの宝庫」です。復習の段階で、漢字やことばの問題で間違えたものは必ずできるように練習し、読解問題は問題文はもちろん、設問に対する解答のプロセスも確認して、さらに言語感覚を養うチャンスにしてしまいましょう。安定して点数が取れるようになりますよ。
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一橋大学卒。
中学受験では、女子御三家の一角フェリス女学院に合格した実績を持ち、早稲田アカデミーにて長く教育業界に携わる。
得意科目の国語・社会はもちろん、自身の経験を活かした受験生を持つ保護者の心構えについても人気記事を連発。
現在は、高度な分析を必要とする学校別の対策記事を鋭意執筆中。