聖光学院中学校の国語入試!出題傾向や対策法などまとめ

本日解説するのは、「聖光学院中学校」さんの国語の入試問題です。

神奈川御三家の1つで東大合格者数トップ10にも名を連ねる、カトリック系ミッションスクールの聖光学院中学校。

そんな聖光学院中学校の国語の入試問題は、どのようなもので、どんな対策をしていけば良いのでしょうか。

 

学校情報や入試の基本データをまとめた上で、聖光学院中学校の入試問題を分析し、問題を解くにはどういった対策が必要なのかを解説します。

【学校情報】

[応募状況]

◎2020年度:募集人員 合計225名

  第1回 第2回
募集人員 175名 50名
応募者数 746人 738人
受験者数 697人 612人
合格者数 231人 109人

[倍率]

◎2020年度:第1回3.0倍  第2回5.6倍

[進路実績]

◎2020年度:大学合格者数

国公立大学 私立大学
東京大学 62名(53名) 慶応義塾大学 144名(126名)
京都大学 9名(8名) 早稲田大学 191名(161名)
一橋大学 13名(10名) 上智大学 11名(8名)
東京工業大学 5名(4名) 東京理科大学 65名(53名)
大阪大学 1名(1名) 明治大学 40名(29名)
東京外国語大学 2名(1名) 青山学院大学 9名(7名)
筑波大学 2名(2名) 立教大学 3名(3名)
北海道大学 6名(6名) 中央大学 25名(17名)
東北大学 7名(7名) 法政大学 6名(1名)

※他大学・海外大学(ハーバード大学・イェール大学など)多数合格

※表の( )内は、新卒者合格人数。順不同

<学校公式HP「『聖光学院中学校高等学校』2020年度大学合格実績」より一部抜粋。>

[学校説明会日程]

◎2019年:中学校説明会

  • 第1回 2019年 9月 28日 (土) 14時~
  • 第2回 2019年 11月 2日 (土) 14時~

2021年度の中学入試学校説明会は、例年と形式を変更して実施予定。

1回あたりの参加者を少なくする代わりに、実施回数を増やして実施。

9月よりスタート予定。詳細は後日発表。

<学校公式HP「『聖光学院中学校高等学校』学校説明会のご案内」より抜粋>

[入試情報・日程・科目数]

◎2020年度入試

  第1回入試
日程 2020年2月2日(日)
試験内容 学力検査 [ 国語・算数・理科・社会 ]
募集人員 175名
出願期間 2019年1月12日(日)  9:00  ~ 2020年2月1日(土)23:59
合格発表 2020年2月3日(月)  9:00  ~
手続期限 2020年2月3日(月)  17:00まで
入学予定者登校日 2020年2月11日(火)  13:00 ~
  第2回入試
日程 2020年2月4日(火)
試験内容 学力検査 [ 国語・算数・理科・社会 ]
募集人員 50名
出願期間 2019年1月12日(日)  9:00  ~  2020年2月3日(土)23:59
合格発表 2020年2月5日(水)   9:00  ~
手続期限 2020年2月5日(月)  16:00まで
入学予定者登校日 2020年2月11日(火)  13:00~

<学校公式HP「『聖光学院中学校高等学校』2020年度聖光学院中学校生徒募集要項」 より抜粋>

【基本データ】

[試験時間・満点]

◎2020年度入試

  国語 算数 理科 社会
試験時間 60分 60分 40分 40
満点 150点 150点 100点 100点

<学校公式HP「『聖光学院中学校高等学校』2020年度聖光学院中学校生徒募集要項」 より抜粋>

[問題構成・解答形式]

聖光学院中学校の国語は、試験時間60分150点満点の入試です。

近年の入試では、大問が4問、小問数は27~29問の問題数で、「選択式」と「記述式」が織り交ぜられた形の出題形式が多くなっています。

読解問題中では、選択式の問題が大半を占め、記述式の問題は読解問題1題につき2問(計4問)程度です。記述式については、40字~80字内で書くべき問題が多く、中には「…をふまえて説明しなさい。」などの条件が課される問題もあります。

問題構成は、大問1「語句知識(漢字の書き取り)」、大問2「語句知識(慣用句など)」大問3「文学的文章」、大問4「説明的文章」といった形が通例です。

語句の問題は、大問としてまとめられているものだけでなく、読解問題の中に配置されており、毎年10問以上の出題があります。

しかも、ことばの意味を答えたり、漢字の書きとりをしたりするシンプルでスタンダードな問題形式と併せて「パズル形式」の問題も出題されることがあるため、通常の語句知識の問題よりも難度が高いといえるでしょう。

[合格最低点・平均点]

  • 2020年度 第1回
  • 配点:国150点 算150点 理100点 社100点 (500点満点)
合格者 国語 算数 理科 社会 全教科
最高点 138 150 100 91 431
最低点 68 60 63 47 342
平均点 103.8 107.1 84.4 70.9 366.3
受験者 国語 算数 理科 社会 全教科
平均点 89.7 84.1 75.5 63.6 312.9
  • 2020年度 第2回
  • 配点:国150点 算150点 理100点 社100点 (500点満点)
合格者 国語 算数 理科 社会 全教科
最高点 122 144 88 92 404
最低点 60 72 53 58 329
平均点 91.4 109.8 71.9 74.4 347.4
受験者 国語 算数 理科 社会 全教科
平均点 76.7 86.1 62.1 66.2 291.1

※過去3年間 第1回・第2回合格者最低点/最高点(全教科)

≪2020年度≫

  • 第1回:最高点431点 / 最低点342点
  • 第2回:最高点404点 / 最低点329点

≪2019年度≫

  • 第1回:最高点441点 / 最低点336点
  • 第2回:最高点408点 / 最低点338点

≪2018年度≫

  • 第1回:最高点433点 / 最低点341点
  • 第2回:最高点423点 / 最低点336点

【近年の出題内容】

◎2020年度

  • 第1回
大問1 語句 記述式5問 語句(漢字の書き取り) 5問
大問2 語句 記述式5問 語句(慣用句)     5問
大問3 小説 選択式7問 内容説明・理由・心情・空所補充(擬態語)・場面
記述式3問 記述(理由説明)[40字以内] 1問

 

記述(内容説明)[40字以内] 1問

記述(文脈)[20字以内]   1問

大問4 論説 選択式8問 語句(ことばの意味)・内容説明・理由
記述式1問 記述(筆者の考え)[60字以内] 1問

・第2回

大問1 語句 記述式5問 語句(漢字の書き取り) 5問
大問2 語句 記述式5問 語句(同音異義語)   5問
大問3 小説 選択式6問 語句(ことばの意味)・心情
記述式4問 記述(理由説明)[40字以内]  1問

 

記述(理由説明)[20字以内]  2問

記述(心情の変化)[60字以内] 1問

大問4 論説 選択式7問 語句(ことばの意味)・内容説明・理由・論旨
記述式1問 記述(理由説明)[80字以内]  1問

◎2019年度

  • 第1回
大問1 語句 記述式5問 語句(同音異義語) 5問
大問2 語句 選択式5問 語句(漢字の意味) 5問
大問3 小説 選択式8問 語句(ことばの意味)・理由・心情
記述式2問 記述(心情説明)[40字以内] 1問

 

記述(理由説明)[60字以内] 1問

大問4 説明文 選択式5問 内容説明・理由・具体例
記述式2問 記述(内容説明)[60字以内]  1問

 

記述(筆者の考え)[60字以内] 1問

  • 第2回
大問1 語句 記述式5問 語句(漢字の書き取り) 5問
大問2 語句 記述式5問 語句(慣用句)     5問
大問3 小説 選択式7問 様子・表現・理由・内容説明・心情
記述式2問 記述(理由説明)[60字以内]  1問

 

記述(心情説明)[80字以内]  1問

大問4 説明文 選択式8問 語句(ことばの意味)・内容説明・文脈・適語選択・具体例
記述式2問 記述(内容説明)[20字以内]  1問

 

記述(筆者の考え)[80字以内] 1問

◎2018年度

  • 第1回
大問1 語句 記述式5問 語句(漢字の書き取り) 5問
大問2 語句 選択式5問 語句(語句の意味)   5問
大問3 小説 選択式7問 語句(ことばの意味)・内容説明・心情・理由
記述式2問 記述(理由説明)[80字以内]  1問

 

記述(心情の変化)[80字以内] 1問

大問4 説明文 選択式5問 接続語・語句(慣用句)・理由・内容説明
記述式3問 記述(内容説明)[40字以内]  2問

 

書き抜き(同義語)      1問

  • 第2回
大問1 語句 記述式5問 語句(漢字の書き取り) 5問
大問2 語句 記述式5問 語句(語句の意味)   5問
大問3 小説 選択式7問 語句(ことばの意味)・内容説明・心情・理由・表現
記述式2問 記述(内容説明)[50字以内]  1問

 

記述(理由説明)[60字以内]  1問

大問4 説明文 選択式7問 語句(ことばの意味)・指示語・具体例・理由・内容説明
記述式2問 記述(内容説明)[50字以内]  1問

 

記述(内容説明)[60字以内]  1問

【出題傾向】

[出題のポイント]

  1. 「小説」「説明文」は毎年1題ずつ出題! 両ジャンル共に、長い文章を読むことに慣れておきましょう。 聖光学院中の入試問題では、「小説」も「説明文」も文量としては長めの文章が出題されています。

    「説明文」で出題されている文章は、歴史や社会学など、日常ではなかなか触れない学術的な内容がテーマとなっている場合も多いため、そういった硬い内容の長文に慣れておく必要があります。

    ある程度評論用語は押さえることは必要ですが、その中でも難度の高い語には「語注」をふってくれているため、語注をヒントに読むことができます

    「小説」も文量はありますが、語彙レベルは突出して高いわけではありません。リード文に主人公や登場人物、場面に関する情報が詳細に書かれているため、読み始める前にしっかり状況を把握しておくことが重要です。

  1. 「選択式」「記述式」ともにセオリー有り! 設問の内容を正確に把握した上で、根拠となる文を本文から見つけましょう。 聖光学院中の問題を解くためには、長い文章の中から、解答の根拠となる文を文章中の中から的確に見つけ出すことが肝要です。

    「解答の根拠となる文章を見つけてまとめる」といった形の記述式の問題はスタンダードとも言えますが、その根拠となる文章の一部が設問の傍線部よりも離れた箇所にあることもあり、その点で難度が高くなっていると言えます。

  1. 語句の問題はひねり有り! 慣用句や同音異義語などは確実に書けるように、また、文章中でよく使われる語句の意味をおさえましょう。 大問2題と、読解問題の中の小問で、必ず「語の知識」の問題が出題されています。

    「漢字の書き取り」や「同音異義語」「慣用句」の問題を、スタンダードな形式だけでなく、「パズル形式」でも出題しているため、問題形式への慣れも必要です。

    また、読解問題で出題される語句問題は、「本文中と同じ意味で使っている文」の選択問題が多く、文脈把握力も試されていると言えます。

[問題の分析と対策]

聖光学院中学校の問題を知るためには、過去問に加えて、公式HPにある「中学入試問題資料 -2018年度入試 出題のポイント-」をぜひ参照してみてください。この資料を見ると、聖光学院中学校の国語の入試問題の解法を、下記のように公表しています。

以下に示した≪国語の問題の解き方≫は、国語の入試問題という枠組みの中で、先に述べた「(言葉の正確な知識を蓄え、)言葉に寄り添い耳を傾け、世界に向けて言葉を発信する」ための、具体的な手法を述べたものです。

≪国語の問題の解き方≫

1) 設問の趣旨を正確に把握する。

2) 傍線部自体と傍線部の前後関係とを正確に把握する。

3) 根拠となる文章中の範囲を確定する。

4) 解答の骨子を作成する。

なお、記述問題はもとより、選択肢問題であってもこのプロセスをきちんと踏むことが肝要です。”

引用:『聖光学院中学校』学校公式HP
「中学入試問題資料 -2018年度入試 出題のポイント-」

これを読むと、聖光学院中学校の入試に込められた意図が見えてくるようです。

先述した通り、聖光学院中学校の問題では、「語句の問題」が毎年10問以上出題されています。これは総問題数の3分の1にあたる問題量で、語句問題の比重は高めであると言えるでしょう。

では、なぜこんなにも語句の問題が出題されるのでしょうか。

先ほど引用した「(言葉の正確な知識を蓄え、)言葉に寄り添い耳を傾け、世界に向けて言葉を発信する」という文言を踏まえて考えると、「語句の問題」は『「言葉の性格な知識を蓄え」てほしい』という学校さんからのメッセージのようにも思えます。

また、記述式の問題では、自分で推測して記述する問題よりも、「文章から根拠となる文を見つけ、それらをまとめる問題」が多いように見受けられるのは、聖光学院中学校の「国語」の方針として、「言葉に寄り添い耳を傾け」ることに重点を置いているからではないでしょうか。

言葉に寄り添い耳を傾ける。つまり、まずはしっかりと文章の意味や中身を捉えること。その点に重点を置いての問題傾向だと考えられます。

このように見ると、聖光学院中学校さんの「国語」への考え方が、問題に如実に表れているともいえ、出題形式の根本をおさえるためにも、ぜひこの資料を参照してほしいと思います。(この資料は2018年度のものですが、それ以降の年度で大きな出題形式の変更はないため、この方針は変わっていないと思われます。)

そして、このような聖光学院中学校の入試問題を対策するにあたり、重視したいのは下記のような対策です。

  1. 長い文章を読むのに慣れておくこと。(説明文は学術的な内容を中心に)
  2. 設問を頼りに解答の根拠を見つける練習を行うこと。
  3. 慣用句や同義語など幅広い語の知識を身につけておくこと。

特に、設問を頼りに解答の根拠を見つける練習をするためには、根拠となる部分を明確にしながら解くことも重要ですが、一つの方法として、答え合わせの精度を上げることも有効と思われます。

どんな教科も答えあわせをした後、解説をよく読み、解き方を理解することはとても重要です。これは国語の問題にも同じことが言えるでしょう。

問題集を解いた後、解説をよく読み「本文の根拠となる部分」を明確にすることで、正答が正答である理由を理解することができます。

また、本文の根拠を明確にするだけでなく、指示語の内容や段落構造を把握できると、根拠となる文がどの段落にあるのか見当をつけるのが簡単になります。

加えて、文中の語句で、意味のわからなかったものを辞書で調べて語彙を増やしていくと、読解力アップにも繋がります。

こういったことを総合的に行っていくための1つの工夫として、「問題まとめノート」を作るのも良いやもしれません。

まずは問題の本文をコピーし、ノートに貼り付け。貼り付けた本文の中で、間違えた問題の根拠となる文に線を引き、目で把握できるようにする。そして、ノートの余白に語句スペースを作り、知らなかった言葉の意味を書いておく。そのようにすると、丁寧な読解演習ができるかと思います。

ただ、最初から長い文章題でそれを実践するには骨が折れると思うので、まずは短い文章から始め、慣れてきたら徐々に文量の多いものに増やしていくといった工夫を行い、正しいフォームで読解練習が行えるようにしていくと良いでしょう。

[おすすめの問題集]

◎中学受験新演習 国語 小5~6(上・下)

ジャンル・出題形式問わず読解問題をバランスよく演習することができます。問題量も多く、語句知識の問題も配置されているので、総合的な国語力を上げていくためにおすすめの問題集です。

◎中学入試 でる順過去問 ことわざ・語句・文法  合格への1204問[改訂版]

語句知識を1冊で網羅的に学習できる問題集です。慣用句や同音異義語などが出題されるため、語句系の教材を1冊は仕上げておく必要があります。頻出度順のため、効率よく学習することができます。

◎中学国語 読解トレーニング 基礎編・発展編

中学生向けの問題集ですが、「短い文章で解答の根拠をおさえる練習」を軽めに行いたい場合におすすめの問題集です。出題形式別に問題が配置されており練習がしやすく、中学生向けのため小学生向けの教材よりも語彙が多少難しいと言えます。

◎中学 国語力を伸ばす語彙1700

こちらも中学生向けの教材ですが、小説で使われる語彙と説明的文章で使われる語彙が暗記できるように作られており、語彙の学習に使いやすい教材です。辞書代わりにもなるので、おすすめです。

[総括]

今回は、神奈川御三家の一角である聖光学院中学校の問題を解説しました。

入試問題は、「受験生にどういった力をつけてほしいか」という学校さんからのメッセージが込められていると感じられる入試問題でした。

学校公式HPで公表されている「出題のポイント」では、国語だけでなく他の教科の出題に関しての公表もあったので、ぜひ熟読してみてください。

【参考】

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