国語と社会が得意な人の、理科と算数の伸ばし方

初めに

いよいよ2学期が始まり、秋の足音を感じさせる涼しい夜もちらほらと出て来ましたね。

9月以降は中学受験の本番に向けて、苦手な科目を少しでも強化して足を引っ張らないようにしたい、と思っている人も多い事でしょう。

そこで、今日は特に、国語と社会は得意だけれど理科と算数が何をやってもどうしても伸びない、あるいは嫌いで中々手をつける気になれない、という人に、なるべく国語と社会と同じようなやり方・考え方で理科と算数のベースアップをはかってもらう方法をお伝えしたいと思います。

先入観をなくそう

理科や算数が苦手な人が良く口にするのが、

「計算をしたり文章題から式を書き起こして、答えにたどりつくのが苦手」

「○○算の解き方が難しくてわからない」

「てこや滑車など、暗記しただけでは解けない問題が解けない」

といった言葉です。

確かに、理科や算数の計算がらみの問題は、プロセスが一定ではないですし、ある程度の思考力を必要とするので、苦手な人にとっては見ただけで拒絶反応が出る、といった事も無きにしもあらずでしょう。

しかし、理科や算数にも覚えておけば出来る問題は半分ぐらいあって、例えば歴史的事実を覚えておけば答えを書く事が出来る社会が得意な人は、暗記する事はさほど苦にならないはずですから、せめて覚えておけば出来る問題だけでも得点するぞ、という気持ちでいれば良いと思います。

そもそも苦手な科目は苦手なのですから、満点や90点を狙う必要はありませんので、せめて足を引っ張らないように6割程度正解出来れば御の字、と考えて、覚えておけば出来る問題だけおさえておくようにすれば気も楽になりますよね。

理科は物理・化学が思考や計算力が必要なもの、生物・地学がほぼ暗記だけで済むもの

理科は物理と化学分野のほとんどが、算数の文章題と同じように問題文に記載されているヒントをもとに何かしらの計算を行って正解に辿りつくタイプの問題です。

それでも、計算のしかたや、問題文の種類によってある程度決まった解き方がありますので、やさしい例題を何度も何度もなぞらえて解いてみる事でそ連絡らのパターンの解き方は『覚える』ことができます。

基本的なひと手間ふた手間程度の計算を伴うだけのものならば、覚えている例題の解き方と同じようにして数値だけ問題文のものと置き換えて解いてみれば解けてしまうものもかなりありますので、先入観で『あ、難しいから無理だ』と思わずに、落ち着いて問題文をよく読んで(活字を読むことはさほど苦痛ではないはずなのですから)、過去にやった例題を思い出しながら出来る基本的な計算をやってみましょう。

少なくとも、大問の中で4つ問題があったら、そのうち最初の二つはその覚えている基本的な計算作業だけで出来るはずです。

そして、物理・化学分野の込み入った、少し難解な問題は、得意な人でも間違える事があるので、基本的な問題をきちんと押さえるならば、諦めてしまっても良いでしょう。

また、生物・地学分野は社会と同じように、そのほとんどが暗記で対応出来る内容です。

星座のところでごく基本的な計算をともなう問題は出題されますが、最悪それも暗記しておけば済むともいえます(星座は一日に何度、どちらの方角に移動して見えるか、等)。社会が得意な人は暗記すれば得点出来る問題はそれほど苦にならないはずですから、生物や地学分野の問題については社会の一部と思って、社会と同じような勉強方法を行っていつでも正解が書けるようにしておきましょう。

算数は計算と一行問題だけでもおさえておく

算数に関しては、文章題や込み入った図形の問題になってくると、得意な人でも間違えたり時間をかけて考えないと答えが出なかったりするものも多いので、あまりにも難解な問題は捨ててしまっても全体で5割程度得点出来ればよしとして、それよりも冒頭に必ず出題される計算と一行問題だけでも必ず得点出来るようにしておきましょう

四則計算はルールを覚えておくだけで出来るはずですし、一行問題もそれこそ基本的な解き方だけ例題を用いて暗記しておけば正解できるレベルの問題しか出題されませんので、つまり思考力の要らない計算と一行問題だけは押さえるようにしておきたい訳です。

それだけでも3割は得点出来るはずですので、残りの2割を残った大問の中から自分が出来るレベルの2~3問を確実に解答出来るようにすれば、5割は確保できることになるのです。

また、文章題でも反復すれば出来てしまう問題(和差算や濃度の問題等)と少しスキルが必要な問題(ニュートン算等)に分かれますので、反復すれば出来でしまう問題だけは押さえておくようにすれば、どんな学校の問題でも5割程度を得点する力は確保出来るでしょう。

反復すれば出来てしまう問題については、6年生の問題集の中からご家庭でそれらを選別するのは難しいかもしれませんので、塾の先生に選別してもらうか、塾に通っていない人は5年生の算数の受験用の問題集を購入すると、これらの基本的な文章題だけが載っていますので、それらだけでもマスターするつもりでやってみると精神的にも時間的にもそんなに負担にならないので良いと思います。

それぞれの教科毎に合格最低点がある訳ではない

中学受験の場合は、四教科受験の場合にはほとんどの学校が、四教科の合計点が合格基準点に到達すれば合格となるしくみです。

0点はまずいにしても、例えば算数が極端に低くて3割しか得点出来ていなくとも、他の3教科で7割得点出来ていれば合計点は6割となりますので、合格基準を6割に設定している学校には合格出来ることになります。

四教科平均で6割~7割得点出来れば合格最低点を上回る学校がほとんどですから、得意な国語と社会で8割確保出来るのであれば、理科と算数は5~6割でいいや、と割り切って、取れるものだけ取りに行くようにしましょう。

大切なのは、とびぬけて高得点を取れる教科を持つことよりも、苦手な教科をなくして、とびぬけて低い点数を取ってしまう教科をつくらない、つまりライバルに差をつけられないようにする、という事です。

合格基準点に到達すれば皆合格させてもらえるのですから、人より秀でる事を考えるより、人に差をつけられないようにする事だけを考えていた方が気楽ではありませんか?

合格者の中で1位でもビリまたは補欠でも、合格は合格なのですから。

まとめ

人の得意・不得意はさまざまです。

しかし、中学受験をする小学校高学年ともなると、考え方が既に文系寄りなのか理系寄りなのか、という傾向はある程度見えて来ます。

この傾向は意図してそうなるものではなく、生まれつき備わった思考回路が大きく影響しているので、ガラッと変える事は難しいでしょう。

ですから、文系寄りなのに理系的な考え方をするようにトレーニングをしたり、逆に理系寄りなのに文系的な考え方をするようにトレーニングしたりする事も、可能ではありますが手間暇がかかって、その苦労の割には思うような結果が得られずに中々乗り越えられない壁がそこにある事をきっと感じるでしょう。

それよりも、現在の思考回路をそのまま変えずに利用する事を考えた方が先々の学習にとっても良いと思います。

文系寄りの人は文系的な考え方ややり方で理系科目を克服する(得意にするのではなくて、苦手を普通にする)、理系寄りの人は理系的な考え方ややり方で文系科目を克服する

この発想こそが、苦手を乗り越えバランスよく4教科とも合格レベルまで持っていく最善の方法なのではないかと、長くこの業界に居てつくづく思う次第です。

残り約5か月となりましたが、頑張って苦手を克服して合格を勝ち取って下さい!

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