AO・推薦入試一本での受験は危険!一般入試との併願戦略をご紹介します

「AO・推薦入試を受けよう!」と思った時、同時に「一般入試は受けない!」と決めてしまう人がいます。

しかし、それでは選択肢が狭まりますし、不合格になってしまった際に困り果ててしまいます。AO・推薦入試は本来は受験の可能性を広げるためのものであるはず。

今回は、AO・推薦入試と一般入試をどのように併願すると良いのかを考えていきます。

AO・推薦入試一本での受験は危険

絶対に合格する、が無いのが受験です。

一般入試でも、当日に風邪を引いてしまったり緊張で頭が真っ白になってしまったりすれば、どれだけ模試でA判定を取っていても合格できません。

AO・推薦入試の場合、どれだけ準備を頑張っても、大学のアドミッションポリシーと合っていなければ不合格になります。

2次試験で小論文がある大学も多いので、その小論文が自分と相性が悪くて上手く書けなくて不合格になってしまうこともあるでしょう。

一般入試であれば、共通テストの結果を見てその後の受験を考え直すことができます。

しかし、出願書類が多く準備に時間がかかるAO・推薦入試ではそうはいきません。複数校に出願しても一校も受からない場合もあるのです。

ですので、AO・推薦入試を受けるからといって、一般入試の勉強をおろそかにしないでください。

最低でも、共通テストを利用した形式の入試で自分が行きたいと思える大学に合格する、というレベルの学力は身に着けることを目標とすると良いと思います。

一般入試の勉強はAO・推薦入試の合格にもつながる

多くのAO・推薦入試では面接試験があります。

その際、例えば生物系の学部であれば生物の知識を問われる、などといったように、学力のチェックも行われるケースがあります。

そこで答えられない、つまりは本気で大学に行こうと学んできていない人は当然合格できません。

また、小論文の試験では、学部によっては課題文が大学入試レベルの社会や理科系科目の知識が前提とされていたり、課題文が英語だったりすることもあります。

そもそも、AO・推薦入試で求められる志望理由書を書く際には、大学生が読むレベルの書籍や論文を理解しなくてはいけません。高校生で学ぶ基本的な知識が無くては理解できないことも多々あります。

特に、法学部や経済学部であれば政治経済、農学部であれば地理や生物、など、その学問の基礎知識となり得る科目の知識は重要です。

大学入学後のことも考えると、より一般入試の勉強は重要であると分かります。

当然ですが、多くの大学生は一般入試で合格して入学しています。しかも、第一志望校がその大学よりもハイレベルだった人もたくさんいます。慶應や早稲田であれば、東京大学を目指して5教科7科目を必死に学んできた人が多くいるのです。

その大学を目指している人のレベル以上の勉強をして来た人が隣に座っている、というのが大学生の当たり前です。

大学での勉強についていくためにも、高校生のうちにしっかりと勉強をしておいてほしいと思います。

AO・推薦入試の受験パターン

では、一般入試を受けることを前提とした際、AO・推薦入試をどのようにとらえると良いでしょうか。

パターン1 滑り止め校を受ける

まずは、一般入試で第一志望校を受けることとし、滑り止め校としてAO・推薦入試を活用する方法が考えられます。

これは、一般入試での出題問題が特殊で一般入試での併願が難しい場合などに有効です。

しかし、AO・推薦入試は書類を準備するためにかなりの時間をかける必要があります。

それで勉強ができなくては本末転倒なので、一般入試の勉強との両立への強い覚悟が必要でしょう。

パターン2 一般入試の第一志望校を受ける

第一志望校を一般入試とAO・推薦入試の両方で受けるパターンもよくあります。

チャンスを増やせるという意味で非常に有効な手段です。

さらには、AO・推薦入試を目指す際には「その大学で何を学びたいか」を真剣に考えるので、一般入試で大学に入学したとしても、大学での学びがより充実するはずです。

パターン3 一般入試ではチャレンジできないレベルの学校を受ける

一般入試で合格する学力のない大学をAO・推薦入試で受け、一般入試では自分の学力にあったレベルの大学を受けるという併願の仕方も有用です。

学力だけでなく、一般入試の科目が自分と合わない場合も利用できる形です。

AO・推薦入試の要項は要確認

AO・推薦入試の併願を考える際、絶対に確認しなくてはいけないのは、その学校が併願を許しているかです。

受験要項に「合格した際に入学を確約すること」が受験資格として書かれている大学もあります。そのような大学は、ほかのAO・推薦入試を受けたとしても、合格したら絶対に入学しなくてはいけません。

AO・推薦入試で合格した後に、一般入試で別の大学を受けてそちらに入学することもできないので注意が必要です。

ほかにも「本学を第一志望とする」ことを受験資格に書いている大学もあります。この文言の場合は、大学によっては併願が可能です。

ただし、自分で勝手に判断をしたり、学校や予備校の先例を信じるのではなく、必ず大学の担当窓口に問い合わせてください。

なお、併願が可能か問い合わせたからといって受験で不利になることはありません。

最後に

AO・推薦入試は可能性を広げるために活用するべきであり、AO・推薦入試を受けるからと選択肢を狭めるのはおすすめできません。

一般入試とうまく活用することで、大学受験の選択肢を広げていきましょう。

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参考

AO・推薦入試に関しては各大学の募集要項を確認しましょう。例として2校あげておきます。

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1995年生まれ。東京都出身。

中高一貫の女子校出身で、高校時代は部活動で部長を務める他、学外で学生団体を立ち上げるなど活動。活動歴を活かせるかもしれないと、高校2年生からAO入試を視野に入れる。同時に、一般入試では早稲田大学を目指して勉学に励む。受験期の国語の偏差値は70以上で、センター模試では現代文・古文は常に満点。AO入試で慶應義塾大学総合政策学部に入学後は、研究会活動のほか、大学受験予備校や書店でのアルバイトに励む。専門分野はジェンダー学、倫理学(主にケアの倫理)、労働法。大学卒業後はコンサルティングファームなどを経て独立し、現在は予備校講師やライター、個人コンサルタントとして活動中。書店と映画館と美術館と歌舞伎座をこよなく愛し、芸術文化全般に関心を持っている。