AO・推薦入試を受けてよかったこととは?大学生活・就職活動・社会人になってから

私は高校時代にAO・推薦入試で大学に合格し、現在はすでに卒業して社会人として働いています。

私にとって、過去のAO・推薦入試という経験が今にどう活きるものなのかを、今回はご紹介したいと思います。

AO・推薦入試を受けてよかったこと

大学受験が早く終わったことで入学に向けての勉強ができた

まずは大学入学前のお話です。

私の場合、学校のルールで「AO・推薦入試で合格した人は共通テスト(当時のセンター入試)も受けてはいけない」ことになっていました。

当然他の大学を一般入試で受験することもできなかったので、10月に合格が決まってからは、受験勉強と呼ばれるものが一切不要になりました。

そのため、大学に入学したあとに必要となるであろうプログラミングやアカデミックな文章の書き方(アカデミック・ライティング)などの勉強に時間を使うことができました。

ほかにも、出願書類を書いている間に見つけた、面白そうだけれども読めていなかった書籍を、片っ端から読んでいきました。

大学に入学した後には「あの時色々読んでおいて良かった」と感じましたし、レポートを書く際にはこの頃に学んでおいたアカデミック・ライティングが役に立ちました。

大学入学後のギャップを感じなかった

受験の際に”大学で何を学びたいか”をしっかり考え、同時に”この大学では何が学べるか”をきちんと把握していたことで、入学した後に「やっぱり違った!」を感じなくて済んだ点も良かったところです。

AO・推薦入試では、学問に対する理解が求められます。そのため、受験する大学・学部で学ぶことの基礎を理解した上で入学することができます。

残念ながら、「やりたかった学問、これではないかも…」というのは、一定数の大学生が感じることです。

そう感じた場合、我慢して単位をとって卒業するか、転部や転学を考えることになります。

もちろん、学んでいく過程でやりたいことがはっきりして新しく学びたいことができることは往々にしてあります。

しかし、はじめから「違った」を感じないにこしたことはありません。

とにかく真面目に学ぶ意欲が出た

大学生活は「人生の夏休み」などとも言われるため、大学生って遊びほうけているイメージ、という人もいるでしょう。

一部の大学生はそうなのでしょうが、私の場合は学びたいことが事前にある程度決まっていたため、大学4年間の学びはかなり充実したものになりました。

周りの人たちを考えても、なんとなくで大学に入った人よりも、AO・推薦入試でしっかりと学びの計画を経てている人のほうが”真面目な大学生活”を送っていたような気がします。

なお、志望理由書などの出願書類に書いた学習計画は、あくまでも高校時代に考えたものです。そのため、そこに書いた通りに大学で学んでいく必要はありません。

私の場合、志望理由書に書いた「入りたいゼミ」とは違うゼミに1年生の秋から入っていました。

志望理由書は誓約書ではないので、その点はあまり厳しく考えなくて良いと思います。

高校時代に1度、大学で何を学びたいか、どのように学びたいかを真剣に考えておくことに意味があるのです。

1度考えておけば、学びたいことのテーマが変わったとしても、負担なく学びの計画を考えることができます。

就職活動の役に立った

大学受験の次の大きなイベントといえば就職活動でしょう。

多くの人が、はじめに提出するエントリーシート(ES)が通過しないことに苦労します。どのような大学に入ったとしても、就職活動に苦戦する学生は沢山います。

ESは、企業に対して自分の人生をプレゼンテーションし、入社に見合うだけの人物であることを証明する書類です。

それはつまりはAO・推薦入試での志望理由書と同じような考え方なのです。

そのため、私はESを書く際に苦労せずに済みましたし、ESの段階で選考から漏れることが一度もなく就職活動を終えました。

自分の人生を自分のものとして向き合っていく覚悟を持てた

最後は少々壮大なお話です。

大学受験は、多くの高校生にとって”はじめて自分の将来について真剣に考える機会“だと思います。

それまでは「近所だから」「偏差値的にちょうど良いから」「親が言っているから」「なんか楽しいから」などの理由で選択してきたことを、「将来何をしたいか」「何を学びたいか」「どのように学びたいか」といったような視点で考えないといけないのです。

当然、大学受験でも周りの人の意見や親の意向に沿って”なんとなく”で選択してしまう人はいます。

しかし、AO・推薦入試ではそれは許されません。

自分の頭で自らの将来について考え抜き、その構想を具体化するために沢山の本を読み、考えを深めていかないといけません。

私は、その過程を通して、自分の人生とその中での選択に自分で責任を持つ意識が芽生えたように思います。それは、「自分の人生を自分のものとして、自分の意志で切り拓いていく覚悟」とも言えます。

20代半ばの大人になった今、改めて、自分の人生にきちんと向き合って色々なことを選択していく難しさを感じます。

それができていない大人も沢山いるでしょうし、そのことによって後悔する人もいるでしょう。

私にとってのAO・推薦入試は、ただ大学を受けた、というだけのことではなく、人生に向き合うという大きな経験だったと思います。

最後に

AO・推薦入試は決して楽な入試ではありませんでした。

しかし、たとえあの時に合格していなかったとしても、良い経験になっただろうと思います。

大変そうだからと辞めてしまうのではなく、自分の人生に向き合う機会と捉えて考えてみてはどうでしょうか。

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参考

AO・推薦入試に関しては各大学の募集要項を確認しましょう。例として2校あげておきます。

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ABOUTこの記事をかいた人

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1995年生まれ。東京都出身。

中高一貫の女子校出身で、高校時代は部活動で部長を務める他、学外で学生団体を立ち上げるなど活動。活動歴を活かせるかもしれないと、高校2年生からAO入試を視野に入れる。同時に、一般入試では早稲田大学を目指して勉学に励む。受験期の国語の偏差値は70以上で、センター模試では現代文・古文は常に満点。AO入試で慶應義塾大学総合政策学部に入学後は、研究会活動のほか、大学受験予備校や書店でのアルバイトに励む。専門分野はジェンダー学、倫理学(主にケアの倫理)、労働法。大学卒業後はコンサルティングファームなどを経て独立し、現在は予備校講師やライター、個人コンサルタントとして活動中。書店と映画館と美術館と歌舞伎座をこよなく愛し、芸術文化全般に関心を持っている。