中学受験・社会のグラフや統計はただの暗記物?

中学受験の社会、特に地理では農業や工業、水産業などに関するグラフや統計を読み解く問題がよく出題されます。難関校であるほどその傾向は顕著です。ややこしい、覚えられない、と感じるお子さんは多いと思います。

しかし、そのようなグラフや統計の問題が出題されるのにはちゃんとわけがあるのです。この類の問題は、単にグラフや統計を暗記しているかどうかを問うているわけではない、まずそこを意識しましょう

今回は、中学受験生が苦手意識を持ちやすい、社会のグラフ・統計に関する問題について、理解の仕方をお伝えしていきます。

必要なのは、総合的な理解と推測する力

たとえば、工業出荷額のグラフを見て、それがどの工業地帯・工業地域に当てはまるのか、という問題。誰もが一度は遭遇したことがあるのではないでしょうか?もちろん、「覚えて」いればそれほど難しいものではないかもしれません。でも、似たようなグラフがいくつもあって、どこかでひっかかって失点することが多い問題の一つです。

このような問題は、日本地理や現代の日本経済を総合的に理解していると、判別が容易になるのです。

最初の例として工業出荷額のグラフについて書きましたが、今の日本経済は、トヨタを中心とした自動車工業が引っ張っています。ということは、工業生産額もトヨタのある中京工業地帯がトップだろう、とまず推測できます。そして、ただ自動車を生産しただけでは意味がありませんから、輸送のための機械も必要になりますよね。ですから、機械工業が生産の中心だろう、ということが推測できるのです。

このように、中京工業地帯=工業、とただ丸覚えするのではなく、その割合が示していることまで総合的に理解することができれば、グラフ問題を恐れる必要はありません。

そのほかの具体的な例

さきほど、トヨタを中心とした自動車工業の話を出しましたが、別の例も見てみましょう。

本の奥付け(本の最後に、出版人、印刷した会社などが書かれていますね)を見ると、本の大多数が東京で印刷・出版されていることがわかります。ということは、印刷の出荷額が多いのは東京や京浜工業地帯の特徴だと考えられますね。

また、集積回路などのような1つあたりが比較的軽量な工業製品は、自動車輸送、あるいは航空輸送が活用できます。そう考えると、内陸の高速道路のインターチェンジ付近や空港近くにその種の工業団地が設けられているということが理解できます。

石油化学コンビナートが特徴的な工業地域であれば、そこはタンカーが横付けできる港が近くにあり、当然生産額に石油化学分野が多いという傾向も納得がいきます。

オートバイ・楽器や、伝統工芸品、メガネやタオルなど、特徴的な工業製品がありますが、それを聞いただけで地域がピンとくることもあるでしょう。その知識があれば、グラフそのものを覚えていなくても正答することが容易になります。

なぜグラフや統計にその特徴が出るのかを理解する

ここまでいろいろな具体例を見てきましたが、グラフや統計の特徴や生産額には、地理的・経済的な特性が反映されています。ですから、暗記をしていなくても意外と、すでに持っている知識を総動員して考えれば答えが導き出させることがあるのです。グラフや統計の問題は、地理の総合力の問題ともいえます。

塾のテキストや参考書には、入試でよく出るグラフや統計がまとめられています。それらはやがては覚えなければならなくなることはたしかです。しかし、頭でっかちに丸覚えしようとするのではなく、どうしてその特徴が出るのかを分析してみましょう。極論すれば、これまでに例として出した日本経済の特徴や各地の特産品、高速道路や空港の位置を知らないのにグラフや統計をただ丸暗記しても全く意味はありません。

地理はたしかに暗記することの多い分野ですが、考えて分析して答えが導き出せる問題も少なくありません。中学、高校の地理では、より深く「考える」ことが求められます。

とはいえ、グラフや統計の特徴を理解し、覚えておくことはとても大切です。農業、工業、水産業など各単元でそれぞれの特徴を把握しておきましょう。

それぞれの単元については、また別の記事でまとめてみたいと思います。

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