中学受験・社会 戦後の経済をまとめてみる~その2

第二次世界大戦のあと、日本の経済は大きく変化します。いま、私たちはいろんな便利なものに囲まれて暮らしています。戦後の時代を経て、いまのような生活ができるようになったきっかけは、特に高度経済成長を経て、今の日本経済の礎が築かれたからといってもいいでしょう。

前回、戦後の経済に関する記事で、高度経済成長期の三種の神器といわれた「冷蔵庫・洗濯機・白黒テレビ」を紹介しました。しっかり覚えていますか?

高度経済成長にともない、日本の景気は上り調子になっていきました。ただし、気をつけなければいけないのは、日本国内の景気の問題といっても、必ずその当時の国際関係などの影響を受けているということです。日本の経済に影響を及ぼした、戦争をはじめとする国際関係にかかわる、当時の大きな出来事もセットで学習していくとなぜ景気が良くなっいったのかというポイントが見えてきます。

経済は専門用語も多く、とっつきにくい、と感じている受験生の方も多いと思います。親御さんも、あまり意識せずに大人になった、という方もいらっしゃると思います。親子で経済について興味をもっていき、中学入試に必要な知識をしっかり整理していきましょう。

高度経済成長の時代とは・・・

前回も高度経済成長時代について、GHQ主導の経済政策から、日本人もがむしゃらに働き、その当時のGNP(国民総生産)は世界中で2位になるまでの成長をとげました。

もともと日本はものづくりが得意な国です。今での日本製のものは性能がいい、安心して使われると世界中では評価を得ています。ただし、このところ大手自動車メーカーや家電メーカーが問題を起こし、製品に対する世界からの信頼を失うような出来事もあり、まいにちのようにニュースでとりあげられていますね。こういうことはとても残念なことですが、日本人は本来粘り強く、人々の生活を便利にするための道具や機械を作り出してきました。これが高度経済成長時代を支える、非常に大事なことだったということはぜひ知っておきましょう。

オリンピック景気(1963年~1964年)

2020年には、東京で夏のオリンピックが開催されることは皆さんご存知だと思います。それに関連して、オリンピックに関する問題は、政治、国際関係、経済にいたるまで出題される可能性がありますので、注意が必要なところです。

1964年の、東京オリンピック開催にともなう好景気が日本に訪れます。これを「オリンピック景気」といいます。このオリンピック景気はどんなものだったのか、詳しくみていきましょう。

まず、世界中から選手をはじめ、オリンピックを観戦しようと人が集まってきますから、絶対に必要になってくるものがあります。何でしょうか?

それは、多くの人が移動できる交通網の整備や、競技をする会場となる建築物です。東京オリンピック開催にあたっても、東海道新幹線や首都高速道路などの交通網、国立競技場などの施設が整備されました。その整備のため、建設に対する需要が非常に高まりました。

また、オリンピックを観るためにテレビを買ったり、実際にオリンピックの競技を観に行ったりすることなども影響して、様々なものに対する需要が全体的に高まり、好景気となりました。

現在でも、オリンピックやワールドカップなどの世界的なスポーツ大会が行われるときには、テレビが売れたり、巨大なスタジアムが建設されたりしますが、それと同じです。2020年の東京オリンピックに向けても、国立競技場をはじめとしてさまざまな施設の建設準備が進んでいますね。

このオリンピックの時期は、地方で農業をしていた人たちが、より賃金の良い仕事を求めて、都市部の製造業などに就職するため、都市部への移住も始まりました。人の移動も多かったのです。新生活が始まれば、家を買ったり借りたり、生活するための家電や家具を購入しなければいけません。こういったものの需要も高まり、景気を後押しました。

オリンピックが終わると、当然、大型施設の建設ラッシュやテレビの普及などはひと段落しますから、逆に景気は低迷期に入ります。昭和40年不況と呼ばれる不況の時期が始まり、この時期には企業の大型倒産が相次ぎ、大手証券会社など、さまざまな企業が軒並み赤字に転落しました。

いざなぎ景気(1965年~1970年)

オリンピックのあとに始まった不況を何とかしようと、政府は建設国債を発行することによって、公共投資を行って景気を刺激するという政策をとることにしました。国債は、国が借金をすることです。建設業界を後押しするために国債を発行し、政府の肝いりで投資を行って不況を脱する方針を固めたのです。

これが効果を生み、景気が好転し始めました。この好景気は、前回の記事で書いた、神武景気や岩戸景気を上回る、長期間にわたる好景気となりました。そのため、「天岩戸の神話」をさらにさかのぼった「国造りの神話」から、いざなぎ景気と命名されました。日本の歴史に興味のある方にとっては、イザナギノミコト、イザナミノミコトに関する神話は聞いたことがあると思います。

「日本列島ができて以来の好景気」ということで、いざなぎ景気と名付けられたこの好景気ですが、この間には、三種の神器に代わり、3C(カラーテレビ、自動車、クーラー)が普及しました。これも三種の神器と対比してよく覚えておきましょう。三種の神器は神武景気、「3C」はいざなぎ景気です。区別できるようにしておきましょう。

この時代、世界ではベトナム戦争が起こっていました。アメリカが主体的に関わっていた戦争ですが、日本はこのベトナム戦争による特需の恩恵を受けたことや、池田勇人内閣の「所得倍増計画」が達成され、日本は世界第2位の経済大国となりました。

経済大国になるためには、ものつくりに加えて工場の建設や燃料生産などもついて回ります。この時期は確かに好景気で、日本人の生活はたしかに豊かなものになりましたが、反面、公害問題が深刻化し始めた時期でもあります。公害問題についても、どのような公害問題があったか、それはどこで起こったか、どのような化学物質が原因で起こったのかについても、地図帳で場所を確認したりして、しっかり整理しておきましょう。

オイルショック(1973年~1974年)

これは第一次石油危機とも呼ばれます。きっかけとなったのは、1973年に第四次中東戦争が勃発したことです。日本の工業に必要なエネルギー源は石油にシフトしてきていましたが、日本は石油をアラブ諸国からの輸入に頼っていました。そこで、第四次中東戦争の影響を受け、石油製品が消えてしまうかもしれないという危険を感じ、石油製品の物価が軒並み値上がりする事態になりました。

石油は工業だけではなく、日常に使う家庭用品、消耗品にも使われています。実際にこのような身の回りの物価は20%以上上昇しました。このころの異常な物価の上昇をとらえて、「狂乱物価」と呼ばれています。

オイルショックによって、日本の高度経済成長は終わりをむかえ、再び低成長期に突入することになります。

よくみかける史料としては、トイレットペーパーや生活用品を大量に買いあさる人々の写真があります。テキストにも載っていますから、見たことがあると思います。実際に経験されたのは、いまの受験生のおじいさん、おばあさん世代かもしれませんが、そういった経験をされた方がご家族、ご親族にいらっしゃれば、お子さんにぜひ経験談を聞かせてあげる機会を持ってください。経験談を聞くと、ただテキストを読んで、ふーんと思っているにとどまらず、それでどうなったの?と疑問がわき、関心を高めることができます。

ちなみに、トイレットペーパーの買い占めは、店からトイレットペーパーがなくなるぞ、という根拠のないデマによって広まった騒動がはじまりのきっかけでした。こういったことも、実際に話を聞くことによって興味を持って調べたり、理解を深めることができます。エピソードをセットにすると覚えやすいですよね。特に、経済に関するできごとや、お子さんにとってはかなり難しく感じてしまうような経済用語については、エピソードや仕組みをことばで表して話すことによって格段に理解の効率が上がります。ぜひ、実践してみてください。

ニュースで経済用語が出てきたときも、すかさず「これってどういうことだと思う?」と聞いてみたりして、できるところまでお子さんに考えさせて、わからないところは親御さんやご家族がフォローしたり、一緒に考えてあげることによって経済関係の知識は深まります。どうしても受験生にとって苦手意識を持ちやすい経済の分野ですが、わたしたちの日常生活にとても密着した問題なのだという意識をもつことによって、興味をわいてくるところです。ぜひ、経済の分野を得意にして他の受験生に差をつけられるようにしてしまいましょう!

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