[例題&演習問題付き]公式では解けない!因数分解の4つの対処法をご紹介します!

共通因数でくくる

因数分解の問題の中には、公式を当てはめるだけでは解けない問題が出てくることがあります。その場合は、「共通因数(それぞれの項にかけられている同じ数)でくくる」ということを試してみると解けることがあります。例えばしたの例では\((a-3)\)が共通因数になります。

[例 共通因数でくくる因数分解]

最低次数で整理する

「公式に当てはめられない」、「共通因数も見つからない」という場合は、「最低次数で整理する」ということを試してみると解けることがあります。例えば下の例では、「\(y\)」は1次のものしかないので、「\(y\)」でくくってみましょう。

[例 最低次数で整理する因数分解]

降べきの順に整理してみる

ここからは発展編になります。一部の中学では先取りして学習することがあるのでご紹介します。公式が使えず、全ての項に共通した因数が見つからず、最低次数の見分けもつかない場合、何か一つ文字を決めて降べきの順に整理すると解けることがあります。

[例 降べきの順に整理する因数分解]

平方完成してみる

他にも、平方完成してみる(無理やり「2乗の形」を作る)ことで解けることがあります。下の例の場合、平方完成することで「2乗引く2乗」の公式が作れるので、因数分解をすることができます。

[例 平方完成する因数分解]

演習問題

問題

  1. \(a^2-bc-b^2+ac\)
  2. \(x^3+y^2z-xy^2-x^2z\)
  3. \((x^2+2x)^2-11(x^2+2x)+24\)
  4. \(4x+xy-8xy-1\)
  5. \(a^4+a^2+1-2ab-b^2\)

解説

  1. \(a^2-bc-b^2+ac\)\(=a^2-b^2+ac-bc=(a+b)(a-b)+c(a-b)\)\(=(a-b)\{(a+b)+c\}=(a-b)(a+b+c)\)
  2. \(x^3+y^2z-xy^2-x^2z\)\(=x^3-x^2y+yz^2-xy^2=x^2(x-z)+y^2(z-x)\)\(=x^2(x-z)-y^2(x-z)=(x^2-y^2)(x-z)\)\(=(x+y)(x-y)(x-z)\)*最後の因数分解を忘れないように!
  3. \((x^2+2x)^2-11(x^2+2x)+24\)\((x^2+2x)^2=A\)と置くと,
    (与式)\(=A^2-11A+24=(A-3)(A-8)\)ここで, \(A\)を戻すと,
    (与式)\(=(x^2+2x-3)(x^2+2x-8)=(x+3)(x-1)(x+2)(x-4)\)\(=(x+3)(x+2)(x-1)(x-4)\)
  4. \(4x+xy-8xy-1\)\(=4x-8xy+2y-1=4x(1-2y)+(2y-1)\)\(=4x(1-2y)-(1-2y)=(4x-1)(1-2y)\)\(=(4x-1)(-2y+1)\)
  5. \(a^4+a^2+1-2ab-b^2\)\((a^2+1)^2=a^4+2a^2+1\)になることを利用し式を整理すると,
    (与式)\(=a^4+2a^2+1-a^2-2ab-b^2\)\(=(a^2+1)^2-(a^2+2ab+b^2)=(a^2+1)^2-(a+b)^2\)\(=\{a^2+1+(a+b)\}\{a^2+1-(a+b)\}\)\(=(a^2+a+b+1)(a^2-a-b+1)\)*最後の因数分解の際, “−”の取り扱いに注意!

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こんにちは。東京大学教育学部の宮原大祐です。 突然ですがみなさんは勉強は好きですか?僕はずっと勉強自体の楽しさはわからなくて、ただやみくもに暗記して順位を上げることだけ考えてました。それはそれでゲームみたいで楽しかったんですけどね(笑)。勉強自体の楽しさに気づけたのは大学受験に失敗した浪人以降ですが、世界が変わりました。だから、大学1年生の時からやっている個別指導の塾では、もちろん点数を上げたり、順位を上げたりっていうこともサポートしてきたんですけど、「考えることの楽しさ」、「勉強自体の楽しさ」もわかってもらえるように授業してきました。 さて、今回はWeb記事を通じてみなさんに勉強のことを伝えられる仕事をいただけました。みなさんにそれが少しでも伝わったらいいなと思っています。