苦手な子でも偏差値が20アップする国語の勉強法

国語が苦手でどうしても偏差値が上がらない、あるいは、テストのたびに成績がアップダウンして安定しない・・・そのようなご相談を受けることが非常に多いです。では、テストのたびに成績が安定しない原因を分析したことはありますか?お子さんが間違えている問題はどのような問題が多いのでしょうか?

たとえば、漢字や語彙の問題で不正解を連発している生徒さんに、記述問題で点数をとってきなさいというのはハードルが高すぎます。国語の成績を上げるには、現在の偏差値、つまり「今できているところとできていないところ」をしっかり分析して対策する必要があります。今のお子さんの国語の実力がまずどのレベルなのか、それぞれに合わせた勉強法があります。今回は、偏差値レベルに合わせて成績を上げていく方法についてご紹介していきます。

国語の成績が上がらないダメな勉強法

読解で点数がとれないと、漢字や知識ばかり勉強する

読解問題で点数がとれないのは、語彙力が足りないから、読めない漢字が多いから、と、漢字や知識の勉強に時間をかけすぎている生徒さんがいらっしゃいます。たしかに、漢字の読み書きやことばの知識がなければ中学受験の国語の長い文章を読むことはまずできないですから、漢字や知識の勉強をすることは必要です。問題はその勉強のやり方です。

漢字やことばの知識の勉強に時間をかけているのに点数に結びつかない生徒さんは、「とにかく書いて覚える」と、ひたすらノートに書くだけの勉強をしていることが多いです。しかし、意味もわからずただ書いていては定着せずにすぐ忘れてしまいます。時間をかけているのに成績に結びつかないのはそれが原因です。量をこなせばよいというものではありません。短時間で効率よく覚える練習が必要です。

読解問題が苦手だからと、漫然と読書ばかりしている

また、国語が苦手、読解問題で点数がとれないから、と読書をして、文章をたくさん読まないと!という方もいらっしゃいます。読書そのものはもちろん大切なのですが、「ただ読んでいるだけ」では成績が上がることはありません。「読みっぱなし」で終わってしまいます。読書をするのなら、その本に書いてあった内容を正確に説明できるくらいまで読む必要があるのです。

とにかく記述問題を、と選択肢問題を軽視する

国語の読解問題の中で、記述問題はたしかに配点が高いです。ですから、何としてもとりたい!と思うのは当然です。しかし、記述問題で点数をとるためには、問題文を正確に読みとり、内容を把握したうえで表現する、という段階を踏む必要があります。記述の練習ばかりして、選択肢問題を適当に解いていませんか?選択肢問題の正答率の高さは、そのまま国語の成績に直結します。問題文を正確に読みとらずにカンで選んでいては絶対に正解することはできず、部分点もないからです。選択肢問題を軽視していては、国語の成績を上げることはできません。

国語の勉強をする上で必ず守るべきルール3つ

漢字・ことばの知識は、時間を決めて集中して覚える

偏差値が40台前後で安定しない生徒さんの場合、漢字・知識の問題で相当失点していることが多いです。どの大手塾の模試でもそうですが、漢字と知識問題を全問正解するだけで、偏差値50はとることができるようにできています。1問あたりの点数が小さいからと、いい加減な勉強をしていては、この部分で足をすくわれます。ですから、確実に全問正解を目指して勉強することがまず必要です。

ただし、漢字と知識の問題が苦手だからといって、1日のうちだらだらと何時間もそればかり勉強しても身につきません。その場では覚えた気になっていても定着していないからです。漢字と知識問題で点数がとれていない方は、毎日時間を決めて、短時間でコツコツ覚えるようにしましょう。また、漢字の意味を考えずにただ書いていても覚えることはできません。必ずその漢字の意味、使い方を意識して、わからないものは辞典で調べるなどして、確実に覚え、読み書きできるように意識しましょう。早朝や夜寝る前の隙間時間を利用するとよいでしょう。夜にこういった知識系の勉強をすると、記憶の定着がよいので、どちらかというと夜、時間を決めて毎日必ず勉強することをおススメします。

読解問題に取り組む際は、まずは指示語や接続語の理解を大切に

国語の読解問題で点数がとれない・・・という生徒さんの多くは、「指示語が何を指しているのかわからない」「この接続語がどうしてここで使われているのかわからない」という問題点を抱えています。特に偏差値40台前後の生徒さんに多く見られる症状です。指示語の内容がわからなければ文章全体の内容を把握できませんし、接続語が使われている意味が分からなければ文と文、段落と段落のつながりを理解できませんので、やはり文脈にそって読み切る、ということそのものができません。

読解問題を解く際には、まず指示語が何を指しているのか、指示語が出てくるたびに確認しながら文章を読むようにしましょう。指示語は、文章のキーワードになっていることが多いです。指示語の意味をつかむことができれば、文章全体の意味をしっかり理解できますので、そのあとの設問に答える際にも自信をもって取り組むことができます。読解問題の設問では、「傍線部が何を指しているのか答えなさい」つまり、指示語の内容を問う問題も多く出題されます。こういった問題を確実にとることができれば、国語の成績は必ず上がります。

また、接続語は軽視されがちですが、文と文、段落と段落をつなぐ、非常に重要なことばです。接続語の意味を理解するだけで、どこで話題が変わっているのか、どこが筆者の主張なのか、具体例はどこに書いてあるのか、という文章の構造をしっかりつかむことができます。

国語の偏差値が40~55くらいで安定しない方は、まず指示語と接続語に注意しながら問題文を読む練習をしっかりしましょう。「なんとなくこういう内容」というのではなく、「ここにこう書いてあるから、これが筆者の主張」ときちんと理解したうえで設問に答えれば、正答率はぐんと上がります。

選択肢問題を〇×だけで終わらせない

問題文に何が書いてあるのかはわかる、つまり文章は読めているのに選択肢問題で点数がとれないという生徒さんも非常に多いです。偏差値が45~55の間を行ったり来たりしている生徒さんに多く見られる症状です。このような生徒さんは、文章が読めていないというわけではありません。ですから、読解力がないというわけではなく、得点をとる能力が足りていないと言えるでしょう。

選択肢問題で点数をとるためには、「なぜこの選択肢は〇なのか」「なぜこの選択肢は×なのか」を説明できるようになるまで、選択肢を吟味する習慣をつけることが必要です。ただ何となく選んだ選択肢は、たいてい間違っています。選択肢問題の答えは必ず文章中に書いてあります。ですから、選択肢一つ一つをよく読み、「この部分は問題文の内容と一致するから〇だけれど、後半は問題文に書いていない」「この選択肢の内容は文章中に書かれていない」と、ときながら選択肢の横に〇×をつけ、どの部分が〇でどの部分が×なのかを説明できるまで練習しましょう。

偏差値が60くらいある方でも、選択肢問題の正答率に気を配るだけでさらに偏差値は上がります。そのくらいの成績の方は難関校を志望校にされていると思いますが、そのような難関校の国語の選択肢問題は、簡単に一つの答えを選ばせてくれるようなものではありません。ですから、先ほど書いたような、選択肢のどこが合っていてどこが間違っているのか、という吟味を徹底的に行い、選択肢問題で点数を落とすことのないようにする必要があります。模試で解いた選択肢問題で、正解していたものも含め、改めて「この選択肢のどこが〇、どこが×、だからこの選択肢は間違い」と、文章中に書かれている根拠を説明できるように復習しておきましょう。選択肢問題で確実に点数をとり、記述問題は部分点で稼ぐ、偏差値60upの生徒さんであれば、そのように戦略的に問題を解いていきましょう。

記述問題には書き方がある!

国語の記述問題を出題する学校は増えています。難関校の場合、漢字の問題以外ほぼすべて記述問題、という場合もあります。また、記述の字数も20~30字くらいのものから200字超、と幅があります。そして、自由記述ではなく、文章中の根拠に基づいた記述問題がほとんどです。では、偏差値別に記述問題の攻略法を書いていきましょう。

偏差値40前後の場合

偏差値40前後の方は、まず書き抜き問題を使って訓練しましょう。このくらいの成績の方は、書き抜き問題で失点していることが多いです。書き抜き問題とは、文章中から、設問に該当する部分を「そのまま」書き抜いてくるものですが、偏差値40前後、あるいはそれ以下という方は、一字一句間違えてはいけないという意識が低いことが多いです。文章中からそのまま書き抜くだけでしょ、と思われるかもしれませんが、ひらがなで書いてあるのにカタカナで書いてしまったり、漢字を間違えて書いたり、という間違い方をしていませんか?書き抜き問題の場合は、一字でも間違っていれば0点になってしまいます。注意力不足からくる失点を重ねている場合には、書き抜き問題で絶対に失点しないよう、一文字一文字気を配りながら書くようにしましょう。

偏差値45~55、ときどき60近い場合

偏差値45~55の方は、まず、記述問題の書き方そのものに慣れることから始めなければなりません。「何を聞かれているのか」「どのように答えればよいのか」という、基本的な「設問との対話」ができれば、点数がとれるようになります。まずは、設問で聞かれていることの「答え」、つまり記述する内容の骨格となる部分をしっかり書けるようにすることから始めましょう。「~はなぜですか、説明しなさい」であれば、「~」の理由になる部分を文章中から見つける、あるいは「~はどういうことですか、説明しなさい」という問題であれば、「~」について詳しく書いてある部分を見つけて、まず答えの中心部分を確実につかむことが成績アップのための第一歩です。それができるようになれば、あとは骨格部分に、原因や理由など、設問で聞かれている要素をさらに足していく練習に入りましょう。

また、偏差値45~55くらいの方は、文末処理で失点するケースが多いです。理由を聞かれているなら、「~から。」、どういうことか、という問題なら「~こと。」とまとめなければなりませんが、ここで気を抜いてしまい、適当に終わらせてしまう方が多いのです。記述問題の場合、文末処理にも一定の点数が配分されていることがほとんどです。最後まで気を抜かずに文末処理をしっかりするようにしましょう。

偏差値60以上の場合

偏差値60あるなら十分・・・と思ってはいけません。志望校に合格するためには、記述問題でどれだけ部分点を稼ぐことができるか、が合否の分かれ道になります。作問者が「絶対この部分は書いてほしい」という要素をいくつ文章中から見つけることができるか、が第一歩です。偏差値が60くらいある生徒さんの場合、文章の内容はほぼつかむことができ、記述問題にも抵抗がない方が多いのですが、それゆえに、字数を稼ごうとして聞かれていないことまで書いてしまうというケースが多いのです。難関校になると、解答欄は枠だけ(何字で、と書いていない)場合もありますが、マス目形式でも枠の解答欄形式でも、作問者からすると、求めている要素を過不足なく書くにはこれだけの字数(あるいはスペース)があれば良い、という意識をもって出題しているわけですから、余計なことを書いては減点されてしまいます。

また、記述に抵抗がないお子さんに多いケースですが、長い記述(100字、200字レベルであっても)を、一文で一気に書いてしまう方がいらっしゃいます。一文が長すぎると読みにくいうえ、採点者に伝わりにくいというデメリットがあります。これは気をつけていただきたいポイントです。一文は長すぎず読みやすいか接続語の使い方はきちんとしているか文末処理はできているか、など、採点基準はいろいろあります。そして、模範解答通りでなくても、要求されている要素をみたしていればきちんと点数がもらえるのが記述問題です。解答のポイントとなる部分をすべて入れられるように文章をまとめる訓練を積みましょう。

まとめ~こうすれば国語の偏差値は確実に上がる!

国語はなかなか成績が、偏差値が上がらない教科だと思われがちですが、そんなことはありません。成績が取れないのには必ず理由があり、きちんとルールに従って勉強していけば、成績は確実に上がります。

模試でわからない問題があったとき、解答を見て赤ペンで解答を写し、「復習した」と終らせていませんか?それは、復習ではなくただの写経です。間違えた問題を解き直し、復習するのであれば、問題文をまずはもう一度しっかり読みなおし、「こういう理由で」この答えが正解になる、という筋道を説明できるようにしましょう。選択肢問題でも、記述問題でも、漢字や知識の問題でも同じです。

今回ご紹介した復習法を実践し、ルールを守って問題文と設問をしっかり読む訓練を積めば、国語の成績は上がります。「何をやっても上がらない・・・」とあきらめるのではなく、ぜひやってみてください。国語は4科の基本です。国語の成績を安定させ、4科の底上げを図りましょう!

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一橋大学卒。 中学受験では、女子御三家の一角フェリス女学院に合格した実績を持ち、早稲田アカデミーにて長く教育業界に携わる。 得意科目の国語・社会はもちろん、自身の経験を活かした受験生を持つ保護者の心構えについても人気記事を連発。 現在は、高度な分析を必要とする学校別の対策記事を鋭意執筆中。