詩の読解 まど・みちお『しんじゅのぎょうれつ』

今回は詩の読解ということで、2014年の開成中学校の国語の問題にて出題されたまど・みちお『しんじゅのぎょうれつ』の問題を用いて説明していきます。 

問題

次の詩を読み、後の問いに答えなさい

「しんじゅのぎょうれつ」
まど・みちお

じいちゃんとおふろに入ったとき
ぼく おならが出ちゃった
くすぐったくて おもしろくって
あはあは わらった

ばんごはんのとき そのはなし
ぼくがすると
にんげんのからだから出てくるものが
あんなに美しいんだからなあ…
とじいちゃんが ためいきついた

そんなにほめたらおならが
きょうしゅくしますよとパパがわらい
ぼくもママも大わらいした

だがじいちゃんはまたじまんした
いやあれは ほんとに
しんじゅのぎょうれつだったぞう! と
まるでおならがぼくとおなじに
じぶんのまごででもあるかのように…

問一

第三連に「そんなにほめたらおならが/きょうしゅくしますよ」とありますが、この言い方のおもしろさは、どういうところにありますか。「きょうしゅく」という言葉に気をつけて。説明しなさい。 

問二 

第四連に「しんじゅのぎょうれつだったぞう!」とありますが、このように言ったとき、「じいちゃん」はどのような気持ちだったと思いますか。説明しなさい。 

解き方

まず最初に確認ですが、問題に書いてある“第〜連”の“”とは詩の区切りの一まとまりのことを指します。文章に置いては“段落”と言われるものです。 

では実際の問題を用いて解説していきたいと思います。まずは問一からです。 

問一

第三連に「そんなにほめたらおならが/きょうしゅくしますよ」とありますが、この言い方のおもしろさは、どういうところにありますか。「きょうしゅく」という言葉に気をつけて。説明しなさい。 

詩の内容を見ていく前に問題になっている「きょうしゅく」という言葉の意味についておさえておきましょう。「きょうしゅく」とは 

①恐れて身がちぢむこと。恐怖で身がすくむこと。恐悚(きょうしょう)。
②相手に迷惑をかけたり、相手から厚意を受けたりして申訳なく思うこと。恐れ入って身を小さくすること。恐悚。
(『精選版 日本国語大辞典』)

という意味です。「きょうしゅく」は名詞ですが、「きょうしゅくしますよ」は「きょうしゅく」に「する」という動詞がくっついています。この文章において「きょうしゅくする」のは誰なのか、動作の主体を確認する必要があります

その前を見ると「そんなにほめたらおならが」とありますね。この「が」がついている「おなら」が動作の主体、すなわち主語というわけです。文の主語「おならが」と述語に当たる動詞「きょうしゅくしますよ」をおさえ、文章の内容を理解しました。次は問題に問われている“この言い方のおもしろさ”について考えていきましょう。  

本来、「おなら」というものは感情を持たず、動作をすることもありません。そのようなものがまるで人間かのように動作をしたり、感じたりしているかのように表現することを“擬人法”と言います。比喩の手法の一つです。この言い方は擬人法を使って、「きょうしゅく」するはずのない「おなら」が「きょうしゅく」するかのように言っているところがおもしろいのです。更にそのように表現することで「おなら」が「きょうしゅく」しているかのようなイメージを読み手に与えているのです。 

解答する際におさえておくべきポイントは、“擬人法を使っていること”により「おなら」が「きょうしゅく」しているようなイメージを与えるということ、更には「きょうしゅく」という言葉を使わずにどういう状況なのか説明する必要があります。 

よって模範解答は、 

人にたとえることで、価値のない「おなら」がほめられたことにあわててはずかしがる様子をイメージさせるところ。 

となります。 

次に問二を見ていきましょう。 

問二

第四連に「しんじゅのぎょうれつだったぞう!」とありますが、このように言ったとき、「じいちゃん」はどのような気持ちだったと思いますか。説明しなさい。 

「しんじゅのぎょうれつだったぞう!」と表現されているものは「おなら」です。そして「しんじゅ」というのは美しい宝石のことです。価値のない「おなら」を「しんじゅ」にたとえているということはそれほど「じいちゃん」がまごの「おなら」を美しいと思っていることがわかるのです 

更にその部分の後ろに注目してみると「まるでおならがぼくとおなじに/じぶんのまごででもあるかのように…」とあります。ここからも「じいちゃん」が「おなら」を美しいといい大切にするような表現をしています。「おなら」ですらそれほど愛おしく思っているということはそれ以上に「まご」を大切に思っているということまで読み取れればこの問題で求められていることが理解できていると言えるでしょう。 

おさえるべきポイントは、“「じいちゃん」が「まご」の「おなら」を「しんじゅ」にたとえてしまうほど美しく愛おしいと感動していること→「まご」への愛しさの現れ”です。 

模範解答は以下の通りです。 

「おなら」ですら美しく見えて感動してしまうほど、孫のことを愛おしく思っている。 

まとめ

2014年の開成中学校の過去問を用いて詩の読解方法を紹介してきました。今回紹介したまど・みちおさんの詩は中学受験によく出題されます。まど・みちおさんの詩集も合わせてチェックしてみても良いかもしれません。 

また問一に出てきた“擬人法”は詩によく使われ、問題にも問われることが多いので覚えておきましょう! 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です