【小学生でも理解できる!】「 短歌 」と「俳句」の違いとそれぞれの特徴・読み方(無料の練習プリントあり!)

短歌 や俳句(はいく)について、しっかりと勉強したことはありますか?

短歌や俳句も詩と同じように手を付けづらいという人が多いのではないでしょうか。しかし、決してむずかしいわけではなく、ポイントさえつかんでしまえば問題ありません。

それでは、短歌や俳句の読解について基礎から見ていきましょう。

「 短歌 」「 俳句 」「 詩 」の違い

短歌」と「俳句」は昔から多くの人に作られ、親しまれてきた短い「」です。

どちらも心動かされる景色や出来事などを短い言葉で言い表したものです。

  • 短歌
    「5・7・5・7・7」
    の31音からできている詩。今から1300年前には作られていました。
  • 俳句
    「5・7・5」の17音から出来ている詩。短歌をもとにして生まれました。

違いはわかりましたか?ここからはそれぞれをもっと詳しく見ていきましょう。

短歌 について

まずは短歌について説明していきます。

短歌を読むうえで大事なことは「句切れがどこにあるか」を考え、「作者が何に感動しているか」を正確にとらえることです。

短歌 の形式

短歌 の形式

短歌は詩のなかまで、「5・7・5・7・7」の五句三十一音からなる定型詩です(一つの音のまとまりを「句(く)」と呼びます)。「定型詩」が分からないという方は、こちらの記事を参考にしてみてください。

それぞれの句を一句、二句…といいますが、特別な名前でよばれる句もあり、最初の句を「初句(しょく)」、最後の句を「結句(けっく)」とも言うことがあります。

また、最初の三つの句を合わせて「上(かみ)の句」、最後の二つの句を合わせて「下(しも)の句」とよびます。

多くの短歌は「5・7・5・7・7」のルールをまもって作られていますが、このルールよりも音の数が多いことを「字余り」、音の数が少ないことを「字足らず」といい、その短歌のことを「字余りの歌」「字足らずの歌」と呼ぶこともあります。

ちなみに、「しゃ」「きゅ」「ひょ」などは合わせて一音と数えますが、「っ」はそれだけで一音と数えます。

  • 「きしゃ」は二音(「き」「しゃ」)
  • 「こっぷ」は三音(「こ」「っ」「ぷ」)
  • 「ちょっと」は三音(「ちょ」「っ」「と」)

短歌 の句切れ

句切れ」とは、短歌の中で意味や言葉のつながりが切れるところのことです。

句と句の間に切れ目があり、その場所によって「初句切れ」「二句切れ」(「二句切れ」の場合は二句と三句の間に意味の切れ目があります)などのようにいいます。また、句切れがない場合は「句切れなし」のように表現されます。

普通の文章の場合だったら「。」がどこにくるか?と考えると分かりやすいでしょう。

短歌 の表現技法

短歌には詩などと同じように色々な表現技法が使われ、余韻(よいん)や深みがもたらされています。

特に比喩法(ひゆほう)や倒置法体言止めなどがないか注意してみましょう。表現技法についてはこの記事でも詳しく説明されているので、分からないことがあればぜひ確認してみてください。

また、短歌の特別な表現技法として「枕詞(まくらことば)」があります。枕詞は語順をととのえる役割がありますが、どの言葉に結び付くか、言葉と言葉のセットが決まっています。

  • たらちねの・母(「たらちねの」という言葉が「母」という言葉にかかる枕詞です。)
  • あしびきの・山(「あしびきの」という言葉が「山」という言葉にかかる枕詞です。)

短歌 の読み方

短歌を読むうえで大切なことは、「作者が何に感動してその短歌を作ったのか」を正確にとらえることです。短歌は詩のなかまなので、まずは同じように場面や心情などが表れている言葉を探してみましょう。

ほかにも、「けり・かな・かも」といった言葉は感動をあらわす言葉なので、これらが付いた言葉は感動の中心になっていることが多くなっています。

また、倒置法により前に出た言葉や、句切れ・句の最後の言葉により作者の感動が分かることもあります。

俳句について

続いて俳句について説明していきます。俳句も詩の一種類で、「世界で最も短い詩」とも言われます。

俳句を読むうえでもっとも大切なのは、その俳句がどの季節を表現しているかをとらえることです。

俳句の形式

俳句は5・7・5」の三句十七音からなる定型詩です。

短歌と同じように「字余り」「字足らず」の句もあり、音数の定型にとらわれない「自由(じゆう)律(りつ)」と呼ばれる俳句もあります。

季語

俳句を作ったり読んだりするうえで最も重要なのが「季語」です。

俳句は季節と関係の深い文学作品なので、必ず季節を表す言葉である「季語」を1つ入れることがルールになっています。この季語が問題として問われることもあるので注意しましょう。

また、季語を分類して解説などをつけた書物のことを「歳時記(さいじき)」などといいます。

季語を考える際には、まずは「季節が表れていそうな言葉はないか?」と探してみてください。「雪」(冬の季語)や「蝉(せみ)」(夏の季語)など、常識的に考えて分かるものもあります。

ただし、昔の季節は今のカレンダーとずれているので間違えやすいものもあり、注意が必要です。

表1 おもな季語

(髙橋作成、転載は記事名を明記の上で許可)

切れ字

もう一つ、形式の上で大切なのが「切れ字」です。俳句にも意味の切れ目があり、それを表す言葉を「切れ字」といいます。

「や」「かな」「けり」など決まった言葉が使われ、意味の切れ目を表したり、リズムを整えたり、また作者の感動を伝え余韻を持たせたりする役割を持っています。

どこに句切れがあるかによって、「初句切れ」(一句目の最後に切れ字がある)、「二句切れ」(二句目の最後に句切れがある)、「中間切れ」(二句目の中に切れ字がある)と呼ばれることもおさえましょう。

感動の中心

俳句を読む際にも、「作者が何に感動したのか」を考えることが重要です。まずは、場面などの情景を想像してみましょう。

ここで手がかりになるのが季語です。どの季節によまれた俳句なのかを判断して、その季節に応じた情景を考えてみてください。

切れ字や表現技法(倒置法や比喩など)を手がかりにして感動の中心を読み取ることもできます。

切れ字が付いている言葉は作品のテーマになっていたり、表現技法が使われているところは作者が強調したいところだったりするので、特に注意して読むようにしましょう。

主な俳人

俳句を作る人のことを「俳人(はいじん)」と言います。ここで、特に有名な俳人についていくつか紹介していきます。

  • 松尾芭蕉(まつおばしょう):江戸時代前期の俳人で、俳句を芸術作品として完成させた人物。主な作品に『奥の細道』。
  • 小林一茶(こばやしいっさ):江戸時代後期の俳人。人間味のある個性的な俳句を生み出した。
  • 正岡子規(まさおかしき):明治時代初期の俳人。「俳句」という呼び方を定着させた。

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おわりに

この記事では短歌と俳句について説明しました。短歌や俳句、また詩などは説明文や小説に比べ出題されることも少なく、対策もおろそかになりがちです。しかし、だからこそもし出題された時は周りと差をつけるチャンスでもあります。

今回説明した句切れや季語は大きなポイントとなります。そして、詩と同じように表現技法にも気を付けながら読んでいくことが大切です。

短歌や俳句は日本の伝統的な文学作品で、世界中で愛されている芸術でもあります。「入試問題」だとむずかしく考えるのではなく、多くの作品を読んで、美しい情景に思いをはせてみるのもいいのではないでしょうか。

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参考

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初めまして。髙橋利弥と言います。 武蔵中・高校から一年浪人を経て今年東京大学文科三類に入学しました。中高時代はサッカー部に所属し、高校では主将を務めていました。現在は体育会サッカー部のスタッフとして主にプレー分析などを担当しています。趣味は音楽を聴くことで、[ALEXANDROS]などの日本のバンドのほか、QUEENも好きです。ボヘミアン・ラプソディーは浪人していたにも関わらず公開直後に観に行ってしまいました。また、ライブに行くのも大好きです。高校時代は部活で忙しくてあまり行けず浪人の時も我慢していましたが、大学に入ったからには行きまくりたいと思います。今ハマっていることはハリウッド版のGODZILLAシリーズです。オリジナルのゴジラは見たことがないのですが、興味がわいてきて見てみたいと思っています。最後に、自分は昔から文章を書くことが好きでこうやってライターとして仕事ができることがとても嬉しいです。まだまだヘタクソですが、これから経験を積んで成長していきたいです。 よろしくお願いします。