学校情報は生で得る!学校見学のススメ~慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)編~

学校説明会など、学校見学の機会も大詰めの時期になってきました。受験生の親御さんは、最後の最後まで学校見学に行かれていると思います。やはり間接的に話をきいたり、受験情報誌で見たりするよりも、実際に学校を見に行って、校風などを肌で感じることが、志望校や受験校選びにはとても重要だと思います。

以前他の生地で、慶應系列校のうち慶應普通部について実際に学校見学をしに行った際の印象について書きました。(まだの方はこちらから→【中学受験】学校情報は生で得る!学校見学のススメ~慶應普通部

今回は、同じ慶應系列でも、雰囲気が全く異なるSFC(湘南藤沢キャンパス)を見学したときの経験を書きたいと思います。

慶應系列で唯一の完全中高一貫校

SFCといえば、慶応系列の中学の中でも、特にグローバル教育に力を入れており、帰国子女が非常に多いことで有名なことはご存知の方も多いと思います。慶應普通部と並んで偏差値・人気ともにとても高いSFCですが、慶應普通部とは雰囲気は全く異なることで知られています。

特に大きく異なる点は、高校への進学です。ほかの慶應系列校の中学では、高校進学に際し、男子なら慶應義塾高校や慶應義塾志木高校、女子なら慶應女子高校、他にも慶應ニューヨーク校と、選択が可能です。とはいえ、慶應普通部の中学からはほぼ100%慶應義塾高校(普通部と同じ日吉にあります)に進学しますが・・・。

SFCの中学に入学すると、そのまま高校もSFCに進学することになります。そういった意味で、慶應系列の学校の中で唯一の完全中高一貫校といえます。

生徒の4分の1は帰国子女!

発表される入試結果の中の、帰国生の割合を見てもわかることですが、全体の約25%程度が帰国子女です。そのことも関係してか、SFCは「多様性」を重視しています。その影響が表れているのかもしれませんが、慶應普通部や慶應中等部などに比べると、圧倒的に明るく、自由な雰囲気の学校だと感じました。

生徒全体の4分の1が帰国子女ですが、それ以外は普通に日本で小学校生活を送ってきた生徒たちです。当然、英語力のレベルには差があります。そのため、英語の授業は帰国生とそうでない生徒のレベル別でクラスが編成されています。

とにかく明るい雰囲気

SFCは、慶応系列の中学の中で、唯一、いわゆる文化祭があります。普通部では、展覧会を見に行きました。他の学校も含めて、文化祭などで息子と一緒によくチェックしていたのは、お笑いなどのネタをやっているクラスの発表でした。

もちろん、息子がお笑い好きだったということも関係していますが、親の目線で見ても、お笑いネタの内容や完成度によって、いわゆる地頭の良さやセンスを伺い知ることができます。SFCの高等部で行われていたお笑いの発表は、本当に面白く、今すぐデビューできるのではないかと思ったほどレベルが高かったと思います。

お笑いの話に限らず、私から見て、生徒たちが一番のびのびして、輝いていたように感じました。ちなみに、通常の文化祭では他の学校との練習試合などがあったりするのですが、私と息子が見学に行った当日は、雨も強かったせいか、残念ながら体育会系の部活の様子は見ることができませんでした。ステージ上で行われる、文化系部活の発表は見ることができました。

のびのびしているというと、体育会系の部活が頭に浮かびますが、文化部系の発表だけをみても、とても活発で、生徒さん一人ひとりが楽しそうに発表していた姿は、今でもとても印象深く記憶しています。

通学時間がややネック

高校受験の話になりますが、最近では、早稲田本庄(高校のみの学校です)のように山の中にあるという不便な立地にもかかわらず生徒を集めている学校が話題になっています。SFCも湘南藤沢キャンパスというだけあって、山の中にあり、とても自然豊かな環境です

「湘南」という名前がついていますが、実際のところ海は近くありません。自然豊かで、学生生活を送るには最高の環境だと思いますが、その分、やはり通学には時間がかかります。実際に通学している生徒さんは、平均すると、ギリギリ1時間か、それ以上かけて通学してきている人が多いようです。

まとめ

実際にSFCの学校見学に行ってみると、生徒さんたちの生き生きした楽しそうな姿や、大学も一緒になっている広大なキャンパスに、親子ともどもとても魅力を感じること間違いなしだと思いました。また、SFCでは、帰国子女が多く英語教育、グローバル教育に力を入れていることは有名ですが、それとともにIT教育にも非常に力を入れていることでも有名ですよね。

生徒の中に帰国生が占める割合が大きいということもあり、学生生活ではコミュニケーション能力が必要ですし、学校側もコミュニケーション能力にたけた、物おじしない生徒さんを歓迎しているようです。コミュニケーションが苦手というお子さんや、共学ではなく男女別学の学校を志望しているお子さんにはもしかすると校風が合わない点もあるかもしれませんが、いろいろと学校見学をした中でも、SFCはかなり強烈に印象に残っている学校です。

これまで書いてきたことは、あくまでも私と息子の持った印象ではありますが、一度見学に行かれると魅力を実感できるのではないでしょうか。実際に学校見学に行って魅了され、片道1時間半かけて通っているお子さんもいるほどです。同じ慶應系列といっても、普通部とは全く違う校風に感じました。

実際に学校見学に行ってみて、魅力を肌で感じてみてほしいと思います。

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一橋大学卒。 中学受験では、女子御三家の一角フェリス女学院に合格した実績を持ち、早稲田アカデミーにて長く教育業界に携わる。 得意科目の国語・社会はもちろん、自身の経験を活かした受験生を持つ保護者の心構えについても人気記事を連発。 現在は、高度な分析を必要とする学校別の対策記事を鋭意執筆中。