息子の一言であっさり終了したわが家の塾選び。息子は意気揚々とサピックスに通い始め、受験生という意識っも芽生えるようになってきました。通塾が始まり、私も少しほっとしましたし、あとは塾に通って中学受験のレールに乗って進んでいく…そう考えていました。
ですが、そう簡単にはことは進まなかったのです。今回から数回に分けて、サピックスに通い始めてからも続いた中学受験、特に塾通いについて体験談をつづっていきたいと思います。
滑り出しは順調だった
3年生の2月から息子はサピックス生となり、意気揚々と塾生活をスタートしました。何もかもが新しく、息子にとって新鮮だったためか、所属していたスポーツチームの練習をこなしながら、宿題や復習も(サピックスは徹底的な復習主義で有名ですよね)どんどん進んでやっていきました。入塾してからの息子の学校以外のスケジュールはおおよそこんな感じでした。
月:家庭学習、火:サピックス→スポーツチーム練習、水:ピアノ、家庭学習、木:サピックス→スポーツチーム練習、金:スポーツチーム自主トレーニング、土:朝からスポーツチーム練習、試合など、家庭学習、日:半日スポーツチーム練習、試合など、家庭学習
このほか、4年生の時は、放課後普通に友達と遊んでいました。
息子は種類の異なる2つのスポーツチーム(一つは野球、もう一つはアイスホッケー)に所属していましたし、ほかにもピアノを習っていましたが、それぞれ下記の時期まで継続しました。
- ピアノ→5年生の秋まで
- 野球→6年生の秋まで
- アイスホッケー→6年生の1月まで
特にアイスホッケーの練習は、夜遅くや早朝の時間帯が多く、帰宅時間は深夜になったり、朝練の日は4時に起床するなど、かなりハードでした。野球の練習は主に土日で、2つのスポーツの試合もこなす中で本当によくやってきたな、と思います。
親が見ていても少し忙しすぎるかなと思っていたのですが、なんといっても運動大好きな息子も私も、野球とホッケーをやめるという選択肢はなく(ピアノはやめたいと本人が言いましたが)、4年生の頃はたまに宿題がたまったりする程度で、大きな問題もなく順調に過ぎていきました。しかし、後々穴となる単元の多さに青くなるというオチは以前に書いた通りです。
5年生になっていきなりのクラス落ち、その理由は・・・
5年生になり、息子なりに頑張っていましたが、あるときいきなり2クラス落ちを経験する、という「事件」が起きました。サピックスは「マンスリー」という1つだけクラスの昇降があるクラス分けテストが毎月あり、そのほかに「組み分けテスト」という、昇降に制限がないテストがあるのですが、この「組み分けテスト」で2つもクラスが下がったのです。つまり、それまで下のクラスにいたお子さんたちが上がってきたということです。
4年生のうちはそれなりに頑張っていたと思っていた私達でしたが、周りでは着々と、4年生の間の学習の重要性を理解して勉強を進めていたお子さんたちが頭角を現し始めていたのです。クラスが2つも下がった原因は、決定的なほかの生徒さんとの家庭学習の時間の差にあったと思います。
戦術を知り尽くしたαクラスの生徒たち
学校のクラスメイトの一人が同じくサピックスに通っていたのですが、彼は4年生後半からサピックスのトップクラスである「α」クラスをキープしていました。たまたまそのお母さんと話す機会があり、当然塾や受験のことについても話題になったのですが、そのお子さんはわが息子の2倍は家庭学習時間を確保していました。また、そのご家庭にはお兄ちゃんがいて、1年前に中学受験を経験済み。そう、4年生の学習の重要性を知り尽くしていたのです。
家庭学習時間の差はある程度予想はしていましたし、お友達のご家庭のお子さんは「受験第一」で、学校と塾以外のっ時間は全て中学受験勉強の家庭学習に充てているような状況でした。スポーツも続けて受験も両方最後まで頑張りたいと思っているうちの息子と状況が違うことも理解していましたから、それほどショックは受けませんでした。そして正直言いますと、何となくこうなることも予測していなかったと言えばうそになります。わが家は二兎も三兎も追っていたわけですから・・・。
とはいえ、なかなかクラスが元に戻らない息子を見ていて、今までうすうす感じていたことをはっきり認識しなければいけない時が来てしまったのです。それは、「息子にサピックスは合っていなかったのでは」ということです。
次回は、受験勉強と習い事の両立とともに、塾選びについて書いていきたいと思います。
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一橋大学卒。
中学受験では、女子御三家の一角フェリス女学院に合格した実績を持ち、早稲田アカデミーにて長く教育業界に携わる。
得意科目の国語・社会はもちろん、自身の経験を活かした受験生を持つ保護者の心構えについても人気記事を連発。
現在は、高度な分析を必要とする学校別の対策記事を鋭意執筆中。