【中学受験】塾の授業と家庭学習のバランス

今年は、新型コロナウィルス拡大の影響で、小学校や塾の授業も新学年になってからお休みになったり、オンライン授業に切り替えられたりするなど、通常の受験学年とは異なる生活となっている受験生の方がほとんどです。

全国の緊急事態宣言が解除されたことによって、小学校が再開しつつあります。塾についても再開されているところもありますが、当面の間はこれまでのような熱心な対面授業はなかなか望めそうにない、難しい状況にあると言えるでしょう。

では、このような、塾の授業が本格化するまでの間、受験生はどのように受験勉強を進めていけばよいのでしょうか。また、保護者の方はどのようにサポートしていけばよいのでしょうか。当面の間、塾の授業と家庭学習のバランスをうまくとっていく必要があることは間違いありません。

今回は、塾の授業と家庭学習のバランスをとっていくために、塾をどのように利用するべきか、家庭学習をどのように進めていくべきなのかについて考えていきたいと思います。

オンライン授業では理解は進むの?

緊急事態宣が出されている間、多くの塾はお休みとなっていましたが、一部の塾ではオンライン授業を実施していました。塾のオンライン授業は、塾で先生が授業をし、その時間に自宅で生徒が授業を受けるというものです。双方向の形は保っていても、画面越しでの授業なので、特に集団授業ではどちらかというと一方通行になってしまい、どうしても通常授業に比べてお子さんの理解度は低くなりがちです。

また、生徒がわかっているのか、わかっていないのかという肝心な点が先生には伝わりにくいので、個別のオンライン授業でもない限り、先生と生徒お互いの理解度の認識がすれ違ってしまいます。一概には言えませんが、集団授業の場合、オンライン授業で生徒が理解できる内容、また、カリキュラムの達成度は、5~6割程度が良い方ではないでしょうか。なかには、画面越しの授業なので先生の目が行き届かず、それ以下ということも多いのではないかと考えられます。

小学校の休校や、塾がお休みになることによる影響は今年度の受験生みんなが受けることなので、いわば避けようがなかった事態ではありますが、入試が先送りされるわけではないので、受験勉強は通常通り進めていかなければなりません。このような未曽有の事態だからこそ、入試では変にひねった問題というよりは、基礎基本がしっかり固まっているかどうかを深く聞いてくる出題が増えると考えられます

もし塾がお休みだったりオンラインだった場合は、個別の指導を受けて穴になっているところを埋めるのっもひとつの方法です。オンライン授業であっても、個別の「自分だけの授業」を受けることができれば、受け身にならず積極的に質問することもできます。

基礎基本を固めて弱点残さないことが重要

今年度の特殊な状況からも、中学入試では「本質的な問題」が出題される可能性が高いと考えられます。「本日的な問題」とは、各教科の基礎基本をどれだけ正確に、深く理解できているかどうかを問う問題、ということです。

これは、塾では次のカリキュラムに進んでしまっているため、自宅学習で対処しなければなりません。では、自宅学習で基礎基本を徹底的に見につけるにはどうしたらいいのでしょうか。

例題の大切さを再認識しよう

教科ごとの違いはありますが、塾のテキストには必ず基礎基本を詰め込んだ例題があります。例題には、その単元の考え方や、基本的な解法が含まれています。まずはこの例題を徹底的に攻略していきましょう。特に算数などは、「例題が命」といっても過言ではありません。基本的な考え方、問題を解くための解法、といったものがギュッと詰まっているので、塾がお休みの期間やオンライン授業だった期間について、またそれ以外にも弱点だなと感じているところについては、例題を徹底して叩き込みましょう。

もちろん、一度で完璧に習得できるわけではありません。6年生ともなれば、例題自体の難易度が高くなっています。そのため、これまでに学習した内容を総動員しなければ例題ひとつとってもなかなか解けないという場面にも遭遇するでしょう。その場合は、放置せずに何度も繰り返し、「なぜそうなるのか」「これを求めるためにはどういう条件が必要なのか」「必要な知識を調べ直そう」という思考を持って、一つひとつ克服していくことが大切です。

国語に関しては、テキストの問題自体が実戦演習です。ただやみくもに解くのではなく、それぞれの文種ごとの読解方法を再確認してから、問題に臨みましょう。1問1問を大切に解くことを意識し、どうしてもわからない問題が出てきたときは、再度文章の読解方法の基本に戻りましょう。

理科や社会の知識問題については、細かすぎる知識よりも、太字になっていたり図解されているような、基礎基本部分の知識を大切に理解していきましょう。正確に、深く理解することが求められているので、1問1答の問題集でお茶を濁すということはしない方が賢明です。必ずテキストに戻り、また、教科書や地図帳、資料集をかたわらに置きながら忘れているところは振り返って、知識を確実なものにしていきましょう。そのことが、さまざまな形で出題される理科・社会の問題に対する対応力につながります。

理科の計算問題については、ちょうど物理分野や化学分野の一部が塾がお休みであったりオンライン授業だった時期に重なっている可能性があります。その場合も、ただ問題演習をするのではなく、まず理科の計算に必要な知識の基礎を確認してから問題を解きましょう。理科の計算で必要となる比や割合、グラフの見方などについてもときには算数の例題に立ち戻るなどしましょう。出来事や現象をしっかり理解できていることが理科の計算問題では必須です。そこから離れることなく、学習を進めてください。

ステップを踏んで学習することが重要

得意な教科の場合は、応用問題や発展問題を解くのも良いですが、自分だけで発展問題まですらすら解けるという受験生はほとんどいません。ですから、今の段階では基礎基本を徹底して、弱点となっているところを確実に埋めていくことを優先することをおすすめします。弱点となっている単元が減っていけば、解ける問題も増えてきます。そのうえで応用問題、発展問題に進んでいくというステップを踏むようにすると、無理なく土台を固めることができます

過去問は急ぎ過ぎないで

この時期に多いご質問が、「そろそろ過去問を解いた方が良いでしょうか」ということです。たしかに、第一志望が決まっている場合などは、そろそろ傾向を知りたい、などの理由から、過去問を解きたいという気持ちになるでしょう。また、サピックスなどでは電話帳と呼ばれる過去問集が渡され、解いておくようにという指示が出ているかもしれません。ですが、今の時期に大切な第一志望校の過去問を解いてしまうと、秋以降の学習に支障が出かねません。焦る気持ちはあるとは思いますが、過去問演習はやはり基礎基本が叱り出来上がってから取り組む方が賢明です。今の段階では、各教科の基礎基本をしっかり固めることに専念することをおすすめします。

塾の課題をベースに基礎基本を固めよう

まだオンライン授業だけ、という塾もあると思いますが、塾からは宿題という形でその回に学習した内容を定着させるための課題が出されます。塾に通うメリットは、受験カリキュラムに沿っていることと、課題によって進捗管理ができるところにあると言えるでしょう。

せっかく「ここを宿題としてやるように」と課題が出されているなら、それを着実に進めていくことがまず優先すべきことです。ただし、発展問題まで含まれている場合は、まず基礎基本問題ができるか、知識がきちんと理解できているかどうかの確認を優先しましょう。宿題といっても玉石混交です。今の時期は、おそらく遅れを取り戻すために塾の授業も突貫工事になっている可能性があります。そうすると、わからないところが出てきてもなかなか聞くこともできず、不得意が不得意のまま残ってしまうことにもなりかねません。

塾の課題は自分だけに合わせたものではないことに注意

塾の課題はお子さん一人ひとりに合わせたものではありません。そのカリキュラムだから出されるものだと考えましょう。お子さんによっては、量が多すぎたり、難しすぎたりすることも多いですから、その場合は塾の課題をベースにしつつ、まずは例題をはじめとする基礎基本を固めることを第一に考えるようにしましょう。もし間違えたらそれを繰り返して、今のうちに克服してひとつでも多く弱点を潰していくことが先決です。そのうえで、問題の難易度を上げて解ける問題を増やしていくようにすることをおすすめします。

課題を分類して優先順位をつけよう

お子さんの現状の実力を整理するためにも、課題をいくつかにレベル分けする方法も有効です。たとえば、以下のように数多い問題を分類してみましょう。

  • すらすら解けそうな基本問題
  • 基本に返らないと解けそうにない問題
  • 歯が立ちそうにない問題

数問解いてみて分類してもいいですね。また、弱点だと自分でもわかっているものについても、どこまでわかっていてどこからができないのかを把握することも大切です。このように問題を分類したうえで、まずはすらすら解けそうな基本問題や基礎知識を問う問題を優先して解いていきましょう。解けない問題が立て続けにあると、お子さんはやる気を失ってしまいます。「解ける」という達成感を味わいながら学習することも大切なので、無理なく段階を踏むようにしましょう。

時間管理も重要

塾から出る課題を中心に自宅学習を進めると良いということをお伝えしましたが、課題をやる際には時間管理が非常に重要になってきます。

「とにかく全部終わらせなきゃ」と、延々と時間をかけて全部解こうとするご家庭もありますが、それでは非効率的です。できるまでやらせたいという気持ちはわかりますが、その回の学習だけに時間をかけていては肝心の弱点克服のための時間が取れません。ですから、全部解き終わるまで時間をかけるのではなく、先にどの問題にどのくらい時間をかけてやるか、ということをある程度目安として示しておくことも大切です。

目安としては、塾で問題を解くときに、例題レベルではどのくらい時間をかけているか、基本問題は、応用問題は・・・というように、問題のレベルごとにかけている時間を参考にするといいでしょう。その時間を目安として、ある程度制限時間を設けて問題を解く方がお子さんも集中しますし、保護者の方もお子さんが問題に取り組む様子を把握することができます。そのうえで、問題の解き方を見ながら、すらすら解ける問題と時間がかかる問題の時間配分を見直していくと効率的に問題演習ができます。時間をむだにしないためにも、お子さんの実力に合わせた時間配分は非常に重要です。お子さんひとりではどうしても甘くなってしまう部分なので、保護者の方が少し手を貸してあげると良いでしょう。

親子で一緒に問題に取り組むのも時間管理には有効

お子さんの問題への取り組み方をみて、「もっとできるはずなのに・・・」「だらだら解いている」「時間がもったいない」などと思うこともあるのではないでしょうか。受験までの時間が限られているだけに、時間内にできるだけ問題を解くように仕向けたいですよね。そういうときは、時間にメリハリをつけるためにも、保護者の方がそばについて一緒に問題に取り組むのも良い方法です。

全ての問題でなくて構いません。基礎的な問題にどのくらい時間をかければ解けるのか、応用問題だとどのくらいj感がかかるのか、をお子さんに体感させるために、何問か一緒に解くのでも十分です。

時間管理の鍵はメリハリ

自宅学習できる時間が比較的多い今の時期であれば、せっかくなのでできるだけたくさん問題を解かせたい、と思いますよね。ですが、ただ問題を解きなさい、といってもお子さんにとっては時間感覚を持つことができず、だらだらと時間を過ごしてしまうことになりかねません。

その場合は、時間をブロックに分けて、〇分問題に取り組んだら休憩する、などして学習にメリハリをつけるのが時間管理の鍵となります。お子さんの集中できる時間には限りがあります。塾でも50分程度で一度休憩を入れることが多いので、50分「ここからここまでの」問題に取り組み、時間が来たら休憩して、どこまでできたかを確認するということもひとつの方法です。

ただし、取り組む問題に難問ばかりを指定すると解けずにお子さんがやる気をなくしてしまいますので、バランスよく問題を配置してあげる工夫もできるといいですね。

そして、早く終わったからといって「問題のつけたし」をするのはあまりおすすめできません。なぜなら、50分だったらその時間頑張れば休憩できると思って頑張ったのに、勉強時間を延長されると達成感が否定された気持ちになってしまうからです。問題をつけたすなら、次の50分のときにその問題を解くように配分しましょう。

そして、50分の1セットを集中して頑張ることが出来たら、ぜひお子さんをほめてあげてください。問題の出来不出来は別として、まずその時間集中したことをほめてあげましょう。その上で、できた問題、できなかった問題を一緒にチェックして、「次の課題はこれだね」と親子で確認し合い、共有するようにしてください。問題つけたしをしたがる保護者の方は多いのですが、お子さんのモチベーションを保つためにも注意を払うようにして挙げてくださいね。

自宅学習では保護者のプロデュース力がものを言う

お子さんが自宅学習をする際には、保護者の方がどのようにお子さんが学習をすすめるか気を使ってあげることが必要です。受験生といっても小学生ですから、セルフプロデュースは難しいのです。保護者の方は仕事をしていることも多く、長時間一緒について勉強をみる、というのは今の世の中現実的ではないかもしれません。その場合は、その日の過ごし方を親子で話し合って、「今日はこれをやる」「どういう方法でやる」「時間はどうする」など、決めておきましょう。

離れている時間があっても保護者の方が見守っていてくれると思うと、お子さんは頑張って勉強するものです。そのためにも、毎日少しでも時間をとって、「今日の学習はどうだったか」「弱点がわかったけれどどうやって克服しようか」といったことについて良くコミュニケーションをとっておくことが大切です。

仕事と受験プロデューサーを兼ねるのは非常に大変です。筆者にも経験がありますが、自分の予定とお子さんの予定を把握し、何をするかを把握しておくことはなかなかできそうで難しいです。ですが、受験までの期間と割り切って、お子さんのために使う時間を捻出してあげてください。お子さんは、保護者の方に褒められたくて頑張って勉強しているという側面があります。だからこそ、親子の絆を大切に受験勉強を進めていっていただきたいと思います。

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一橋大学卒。 中学受験では、女子御三家の一角フェリス女学院に合格した実績を持ち、早稲田アカデミーにて長く教育業界に携わる。 得意科目の国語・社会はもちろん、自身の経験を活かした受験生を持つ保護者の心構えについても人気記事を連発。 現在は、高度な分析を必要とする学校別の対策記事を鋭意執筆中。