模試の復習をする際のポイント4つ

中学入試は、人事尽くして天命を待つ、合否を待つのみですが、模試の場合は違います。本格的な模試シーズンが始まっていますが、模試の場合は、結果が戻ってきたらしっかり復習し、今後の学習に活かしていかなければ受けた意味がありません。

普段の勉強が忙しい、という理由で、模試の復習をおろそかにしていませんか?模試の受けっぱなしは本当にもったいないことなのです。模試をしっかり復習し、×を〇に着実に変えていった人がその後の成績を伸ばすことができ、入試でもしっかり合格点をとることができるようになります。

今回は、模試の復習のポイントを4つ、ご紹介していきます。

ポイント①成績の良し悪しで一喜一憂しない

模試が終わって成績表が返ってくると、成績がよかった、悪かった、偏差値が上がった、下がった、とそればかり気にしがちですよね。たしかにテストですから、成績がよいことに越したことはありません。しかし、いくら模試で高偏差値をたたき出していても、入試本番で合格点をとらなければ志望校に入学することはできません。

模試の結果を受けてするべきことは、成績の良し悪しで一喜一憂することではなく、自分の弱点を確認し、それを克服していこうという姿勢をもつことです。そのために、復習をする意味があるのです。

ポイント②空欄にしたところは〇つけをする前にもう一度解く

模試が終わるとすぐに〇つけをする人がいます。確かに〇つけは必要ですが、空欄にしてしまった(=できなかった)問題を、ただ赤字で答えを書いて終わり、にしても意味はありません。もし空欄を作ったのなら、〇つけをする前に、もう一度問題を解いてみましょう。

たとえば、国語の記述問題で空欄を作ったのであれば、解答を赤で写すのではなく、もう一度設問が何を聞いているのか、それにこたえるためには文章中のどこを使ってどのように答えたらよいのか、必ず考え直し、書いてみましょう。そのうえで〇つけをし、部分点でもとれていれば、何を足せばより点数が上がったか、時間があれば解ける問題だったか、など自分でよく振り返ることが必要です。

時間をかけても解けない問題だった、と復習の結果わかったのであれば、その問題を解ききる実力が足りないということを自覚するきっかけになります。その場合は、それが苦手単元なのか、苦手単元だと思っていなかったが実は穴になっているのではないかということをしっかり見極めて、場合によっては基礎に戻ることも必要です。

模試は「活用するため」にあります。〇つけをして満足して終わるのではなく、「この問題は絶対取らなければいけなかった」「時間があれば解けた」「差がついた問題はどれだろう」「これは今の自分には解けない」など、今の自分の実力を確認し、次に活かすことが重要です。それを忘れないようにしましょう。

ポイント③答えを写して終わらない

先ほどの〇つけの話とも共通しますが、間違っている問題に×をつけて答えを写して終わり、は何の意味もありません。模試の目的は、できなかった問題を理解し、解けるようにすること、つまり×を〇にするにはどうしたらいいかしっかり考え、解き直し、定着させることです。間違えた問題は必ず解き直し(正答率0.1%の超難問、というのであれば、最難関校を目指す方以外はそこまでやらなくてもいいでしょうが)、間違えた原因を分析しておきましょう。

たとえば算数であれば、計算ミスで間違えたのか、式の立て方を間違えたのか、根本的に問題文や条件を読み違えていたのか、など、「なぜ間違えたのか、その理由は何か」というところまでしっかり確認する必要があります。その原因を特定できてはじめて、今後の勉強の指針を立て直すことができます。

ポイント④間違えた分野については類題を解く

模試で間違えた問題は、自分の弱点部分である可能性が高いわけですから、もしなにも復習しなければ、似た問題が出題されたらまた間違える可能性が高いですね。見た目が似ている問題や、聞き方は違うけれど同じような問題を今後間違えないためにも、ぜひ類題を解いて、解法や知識の確認をしておきましょう。塾のテキストでも、市販の問題集でも構いません。自分が弱いのはどの分野か、あるいはどのような形の問題に弱いのか、それをしっかり把握しておきましょう。

まとめ

模試を受けっぱなしにせず、しっかり復習して知識や解法を定着させることを繰り返していって初めて実力がついていきます。たしかに模試は、志望校の入試問題と形式など異なる点もありますが、入試の定番となる問題を分析し、作られた問題を制限時間内で解くという貴重な機会です。

そして、解いてきたならば、自分の解法が正しかったのかどうか、ただのまぐれ当たりではなかったか、そうであれば正しい答えをどう導きだせばよかったのか、そういう分析の視点を持って復習しましょう。

成績に一喜一憂しないように、と最初に書きましたが、大切なのは1問1問に対する受験生の姿勢です。間違えた問題は、これから入試までに埋めていかなければならない、穴となっているところです。それを今のうちに見つけることができてよかった、と前向きにとらえ、その1問を大切に解き直し、定着するまで繰り返し練習していきましょう。せっかく時間をかけて受けに行く模試ですから、結果も含めて徹底的に活用し、今後の学習に役立てていきましょう。

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一橋大学卒。 中学受験では、女子御三家の一角フェリス女学院に合格した実績を持ち、早稲田アカデミーにて長く教育業界に携わる。 得意科目の国語・社会はもちろん、自身の経験を活かした受験生を持つ保護者の心構えについても人気記事を連発。 現在は、高度な分析を必要とする学校別の対策記事を鋭意執筆中。