【中学受験】夏休みの積み残し、どう解決しますか?4・5年生編

2学期に入って3週間が過ぎようとしています。今年は新型コロナウィルスの影響もあり、1学期に一斉休校になりましたね。その影響から、小学校の夏休みは非常に非常に短いものとなりました。全国的に平均15日程度、短いところは9日間という地域もあったようです。夏休みを短くし、小学校では1学期におこなうべきだった授業を詰め込んで補習に追われているのが実情だと思います。

塾の夏期講習も大きな影響を受けましたね。休校のところもあれば、オンライン授業で夏期講習をおこなった塾もありました、本来夏期講習でおこなうべき1学期までのカリキュラムの復習を突貫工事でやらなければいけなかったり、単元をすべて網羅するのではなく一部にとどまったりとさまざまな結果だったと思いますが、いずれにしても短い期間の中でできたこと、というのは昨年の夏期講習に比べると少なかったり、あるいはスピードが速すぎて復習どころかかえって消化不良の単元が残ってしまったりしているという4年生・5年生の方は非常に多いのではないでしょうか。

中学受験における4年生と5年生の期間の位置づけを考えてみましょう。4年生は受験勉強を本格的に始めた学年として、日々新しく出てくる単元を着々とこなしていくことが求められますが、内容はまだそれほど踏み込んだものではありません。

ですが、5年生の場合は少しようすが違います。5年生で学習する単元は3年間にわたる受験勉強において最も重たく、そこで学んだ内容が6年生の受験学年となったときに非常に重要になってくるので、5年生の学習は積み残しがなるべくないようにしていく必要があります。

今年は前述のように1学期の小学校の休校や、塾の休校、オンライン授業などの関係もあり、中学受験をお考えの皆さんにとっては非常に短く、忙しい夏休みになっているはずです。塾で夏期講習を受けたものの十分に1学期までに学習したことの復習をすることができず、理解が十分でなかったり、問題を解こうとしても解けなかったりと、単元によって消化不良になってしまっているケースは少なくありません。そもそも、夏期講習で本来扱われるはずだった単元がすべて網羅されずにやり残し状態になってしまっている可能性もありますね。

では、このような消化不良状態や、やり残し状態はどのように解消していけばいいのでしょうか。今回は、4年生と5年生の方に向けて、今後さらに続いていくカリキュラム授業でつまずかないためにも、夏休みの積み残しをどのタイミングまでに解消していくか、どのようにしていくべきかについて解説します。積み残しは早めに解消しないと次のカリキュラムに追われてしっかりと身につけることができません。そういう事態にならないためにも、夏休みの積み残しをしっかりつぶしておくようにしていきましょう。

まずは積み残し部分を把握することが重要

例年の夏期講習の場合でも夏期講習中に学習した内容を完璧に理解できるというお子さんはほぼいません。一人ひとり得意なところ、苦手なところは異なります。そして、夏期講習は1学期までに学習した内容を一通り復習するのが目的ですが、そこでおこなわれるのはもう一度必要な知識を整理することではなく、基本的に問題演習を大量にすることです。

ですから、十分に理解できていない単元については、十分に知識が整理できていないのに問題演習に入るので、理解が追いつかずに、授業を受けてもよくわからない、だから問題も解けない、という「積み残し」部分が少なからず残ってしまいます。例年の夏期講習でもそうなのに、期間が短く詰め込みになってしまった今年の夏期講習ではその傾向に拍車がかかったことは想像にかたくありません。

ただし、1学期までに学習した内容が理解できていないと、2学期以降に設定されているカリキュラム内容の理解が不十分になってしまうばかりか、つまずくタイミングが増えてしまい、カリキュラムについていくことができなくなってしまうことになりかねません。ですから、積み残し部分がどこなのかをまず把握することが非常に大切になってくるのです。

積み残し部分を把握できると、2学期の勉強と並行してその部分を復習する、あるいはまとまった時間にどこを復習しておくべきかがはっきりします。積み残し部分をなんとかしないといけないけれど、新しく2学期の授業が始まっているから早々積み残しを何とかする時間はとれない・・・と思われるかもしれません。ですが、いつかはその積み残し部分の弱点を解消することは必ず必要になります。そのため、積み残し部分の把握はできるだけ早くおこなっておくようにしましょう。

積み残しを把握するために必要な視点

どこが積み残し部分になっているかを把握する際には、今回の夏期講習でお子さんが取り組んだテキストを使って、必ず保護者の方と受験生の方が一緒に弱点把握をすることが大切です。なぜなら、ただ間違えた問題だけ見ても、何が分かっていないのか、なぜ間違えたのかは問題を解いた本人でないと分からないからです。大切なのは「なぜ」その問題が解けなかったのか、その原因を突き止めることです。その分野や単元の知識自体が整理できていないために解けなかったのか、途中まで解けたけれども最後にどういう知識を使って解けばいいのかわからなかったのか、それとも最初から歯が立たなかったのか。1問をとってみても、間違い方にはこのような段階があります。

大切なのは、1問1問について、お子さんがどの段階でつまずいたのか、ということを把握することです。ただ×がついた問題であっても、そもそも知識レベルでつまずいていればいくら解き直そうとしても解けませんよね。その場合は、基礎基本の知識を振り返る必要があります。だからこそ、同じ×のなかにも種類があるという意識をもって積み残し部分を判断していくことがとても大切になるのです。

また、時間がなくて「ここは家でやっておいて」と言われた部分が必ずあるはずです。そういった部分は全く手がつけられていなかったり1問も解いていないケースも少なくありませんので、そういったところは時間をとって解いてみることも必要です。

つみ残しがはっきりしたらつぶす時間を確保する

保護者の方と受験生の方、二人三脚で積み残し部分を把握して、どれくらいの量になるのかがわかったら、2学期の日々の学習の合間に積み残し部分を解消していくための時間を確保してつぶしていく必要があります。

どこができていなかったか、またどのレベルまでできていたのか、ということがせっかく分かったのですから、再度解き直してできるようにしていく段階を踏まなければ積み残したまま、になってしまいます。ですから、時間を確保して弱点部分の解消を並行しておこなっていくことが非常に大切になるのです。

やりかたとしては、まず、先ほど提示したように、積み残し部分を以下の3種類に分類します。

  • 基礎基本の知識が正確だったら解けたはずの問題
  • 途中までは解けたけれど最後までの見通しがつけられなかったもの
  • 最初から歯が立たなかったもの

4年生、5年生の場合、いまの段階で解けない問題が多いこと自体心配する必要はあまりありません。なぜなら、勉強する単元が毎週変わることもあり、その前の週の学習内容によってはそもそも完璧に理解しておけるという生徒さんはまずいないからです。それよりも、その単元が自分の得意分野になりそうなのか、それとも弱点になりそうなのかという「あたり」をつけておく方が大切なのです。

上記に分類したように、夏期講習で積み残した問題を仕分けすることからまず始めましょう。それができたら、どこからつぶしていくか、どの程度時間をかけてつぶしていくかを考える必要があります。

どうしても「全く解けなかった問題」から解こうとするご家庭が多いのですが、たしかに全く解けなかった問題があったら「まずい、何とかしなきゃ」という気持ちになりますよね。ですが、全く歯が立たなかった問題は、そもそも特借から引っかかってしまっているので、今の知識、実力ではなかなか解くのが難しく、さらに学習が進んだ時点でないと解くのが難しい問題だと思って構いません。

まずつぶすべきは、基礎的な知識があやふやなために解けなかった問題からです。知識があやふやということは、その基礎知識が正確に理解できれば解ける問題、ということです。ですから、その問題に必要な知識に該当する単元で、知識を整理して正確に身につけるための材料にしましょう。

この種の問題は、知識がなければ解けません。ですから、「この知識が足りなかった」ということを見極めるいい材料になります。これまでも受験カリキュラムは速いスピードで進んできていますので、知識が消化不良を起こしており、深く理解するということができていない可能性が高い単元も少なくないはずです。これを機会に、知識をしっかり整理し、理解を深めるようにしておきましょう。

また、途中まで解けたけれど最後まで解ききれなかった問題というのは、いわば「差がつく」問題です。必要な知識が身についていることは前提として、それを「どう使いこなすか」で差がつく問題だからです。入試本番でも、また模試などでも必ず出題される問題で、そこで点数や偏差値に大きな差が生じるため、攻略する必要性が高い問題だと言えます。

この種の問題については、まずどこまでできてどこからができなかったのかを目に見える形で把握しましょう。問題のどこまでができたのか赤でしるしをつけるなどすると、ここまではできた、ということがはっきりするのでおすすめです。そして、できた部分に必要だった知識、解けなかった部分に必要な知識を整理し直しましょう。もし解けなかった部分に必要な知識が身についていなければその単元の理解にもう一度戻る必要があります。

これからたくさん解いていくであろう受験向けの問題は、ひとつの単元だけでなくいくつかの単元の知識を組み合わせた融合問題になってきます。ただし、融合問題ということはパズルのように、いくつかのピースに分けられるということでもあります。

まずは問題をいくつかのピースに分けてみて、できているところとできていないところをはっきりさせ、克服するべき部分を明確にしておきましょう。

このようにやらなければいけない問題をピックアップしたら、時間を確保して早いうちにその問題をつぶしながら基礎基本の知識の確認をすることが大切です。4年生、5年生はまだ受験カリキュラムが終了していないので、毎週の学習単元をこなしながら並行してできなかったところをできるようにしていく必要があります。

そのため、1週間に1度でもかまわないので、積み残しをつぶしていく時間をとるようにしましょう。早めにつぶすことができればそれだけ次の単元もスムーズに理解できるようになるので、必要な時間として1週間のスケジュールに組み込むことをおすすめします。

間違いノートにまとめておこう

積み残した問題は、問題をコピーないしはプリントアウトして間違いノートにまとめておきましょう。ノートの左半分に間違えた問題を貼り、右側に解き直しをしていきましょう。これまでも間違いノートを作る重要性についてはご紹介してきましたが、積み残した問題が多ければ多いほど、それを分散させてどこに行ったか分からない状態にしておくことは危険です。いざ復習しようとしたときにどこから手を付けたらいいかわからなくなってしまうからです。

2学期からの各単元の学習を中心に、間違いノートの問題を解き、解けなかったものについては該当する単元に戻って知識を確認してもう一度解いてみる、ということを繰り返していく必要があります。だらだら解いても効果は薄いので、考える時間を5分程度とって、わからなければ知識に戻ることも必要です。

そして、一度で解けなかった問題については、今後も弱点として残っていく可能性が高いので、×をつけておいて連休や冬休みなどに克服する時間をとって解き直すようにしておきましょう。模試やテストの前に見直せば、その単元の復習ができることになるので、ぜひ活用してください。

家庭でフォローできない部分は塾や個別指導を有効活用

ここまで、積み残し部分をどのように把握し、つぶしていくかという方法論についてお伝えしました。積み残しは、今後の弱点として残っていく可能性があるので、できるだけ早いうちにつぶしておくことが肝要です。

では、どのようにつぶしていくか、ですが、ご家庭でできるようであれば、保護者の方が弱点を克服するのに協力してあげてください。積み残しをまとめたノートをもとに、どこが分かっていてどこが分かっていないのか、ということを親子で把握して1つ1つ積み上げていくことが大切です。

ただし、普段はお仕事もあり、なかなか積み残し部分まで一緒に対処することが難しい、ということもあるかもしれません。また、中学受験特有の問題や知識も少なくないので、保護者の方ではお子さんをフォローするのが難しい可能性があります。その場合は、第三者の力を借りてでも、早めのフォローが大切です。

ここで言う第三者とは、まずお通いの塾の先生が考えられます。塾の先生に質問をし、どこが弱点になっているのか指摘してもらいましょう。ただし、現在もフルで通常授業に戻れていない塾も少なくないので、オンラインになる可能性はありますし、そもそも次のカリキュラムのことばかりになってしまって積み残し部分に対応してもらえない可能性があることには注意が必要です。理由としては、同様に積み残し部分がある生徒さんが多く、塾の先生も対応しきれない、ということも考えられます。

そこで有効活用したいのが、個別指導です。毎週進んでいく塾のカリキュラムについてはお通いの集団塾で解消するとして、これまでに積み残している部分については、理解度もお子さん一人ひとり異なります。なにより、次の単元がどんどん進んでいくので、お子さんひとりでは積み残しに対処しきれない可能性が高いです。

その場合は、お子さんの状況をしっかり把握したうえで解けなかった問題に必要な知識を指摘し、整理する手助けをしてもらったり、解けそうで解けなかった問題の「解けなかった部分」を解きほぐして解説してもらい、問題の解き方についても「こうすると解きやすいよ」と指摘してもらえる個別指導は弱点克服には最適の方法なのです。

毎回の授業まで個別にすると大変・・・と思われるでしょうから、積み残しの克服に活用するのがまずはおすすめです。やらなければならないのにできなくて弱点が増えてしまうという状況は避けなければなりません。そのためには、自分だけの先生に、自分の問題の解き方や知識レベルを確認してもらい、アドバイスをもらって解ききる、という経験を積むことはとても有効です。

今後の学習の指針もたててもらえるので、ぜひうまく使い分けて早めに積み残し部分の解消に努めましょう。

安心して勉強できる環境づくりを意識して

今年は夏休みのスケジュールは非常に厳しいものだったことと思います。お子さんも短い夏休みの期間、夏期講習を受けたり大量の問題を解いたりしながら小学校にも通わなければいけなかったので、秋になると気づかないうちに意外とストレスをため込んでしまっています。顔には出さなくても、心身ともに疲れ切っている可能性が高いのでよくお子さんのようすを観察してあげてください。

受験勉強に取り組んでいるお子さんは、保護者の方に叱られたくない、という気持ちを常に持ちながら勉強しています。だからこそ、つかれていてもつかれていると言えないなど、ストレスをためやすい状態になっていることには気をつけてあげましょう。どうしてもスケジュールがパツパツになると、保護者の方は「なんでこんなにだらだらやっているのか」と思ったりして、「早くやってしまいなさい!」などときつく叱ってしまう傾向があります。

ですが、よく考えてみてください。お子さん自身も、早くやってしまいたいと思っているのです。ですが、わからない知識などがあるためなかなか前に進めない状況に陥っている場合もありますし、焦るあまりにミスを連発するということも少なくありません。

そこで、保護者の方にお願いしたいことは、口やかましくお子さんの勉強中の行動を叱るのではなく、ある程度余裕をもって自分で問題に取り組めるように家庭内の雰囲気を「演出」してあげることです。これは、4年生・5年生の間しかなかなかできないことです。6年生になると、この時期リラックスとはなかなかいかない状況になってしまいますし、やるべきことが多く時間に追われることにならざるを得ないからです。

4年生・5年生の間の受験勉強においては、お子さんが安心して勉強できる環境づくりが非常に大切です。どうしても先が気になって早く早く、とせかしたい保護者の皆さんのお気持ちはよくわかります。ですが、あまりにせかしてしまうと勉強が雑になってしまい、時期が進むと穴だらけ、ということになりかねません。お子さんが安心して学習を進め、積み残しを増やしていかないことの方が大切です。そのためにはリラックスして学習できる環境を家の中で作ってあげる必要があります。

お子さんの言動には注意して!

今年は新型コロナウィルスの影響で小学校にもあまり通えず、夏休みは短く小学校の先生たちも余裕がない状況が続いています。その中で、学校生活と受験勉強を両立させなければいけないお子さんは保護者が考える以上にストレスをためています。時間的な余裕のなさが精神面に影響しているからです。

そういう状況が続くと、小学校で友達同士トラブルになったり、場合によってはいじめが起こっている可能性がどうしても高くなります。お子さんがそういったことに巻き込まれていないか、お子さんの言動にはこれまで以上に注意が必要です。

お子さんは、何かトラブルに巻き込まれても「自分が悪いから」と考える傾向にあります。ですから、保護者の方や学校の先生に相談できず、ひとりで抱え込んでしまっている可能性もあります。そういったときに自発的に相談してくれないと分からない、というのではなく、学校から帰ってきたときや塾から帰ってきたときのお子さんの言動には十分注意してください。特にどんな表情で帰ってくるかによってお子さんの心理状態が分かることは多いです。

この時期になると、塾でもいじめが起こることがあります。基本的に塾は受験勉強をするところで小学校で送る学校生活とは全く違う場所のはずですが、まだ幼い小学生の場合、何人か集まるとトラブルになってしまうことも少なくありません。集団塾だとそういったことが起こっていても講師は授業中のようすしか見ていませんから、それ以外の休憩時間などにトラブルになっていないかどうか、聞いてみることも必要です。

もしいつもと少し様子が違うな、と思ったら、お子さんがゆったり過ごせるように迎えてあげましょう。早く宿題をしなさい!と言いたくなるかもしれませんが、帰ってきて宿題をする前にほっと一息つける時間を設けてあげる方がはかどりますし、何よりお子さんは保護者の方に話を聞いてもらいたいと思っています。そのサインを見逃さないようにしてあげてください。

お子さんの性格によっては、あまり自分のことを話したがらないということもあるかもしれません。そういうときは、自分から話しだすまで待ってあげる余裕を保護者の方が持つことも大切です。重要なのは、お子さんの言動、表情をしっかり見極めることです。お子さんが話をしたい、聞いてほしいというサインを出したときにすかさず拾ってあげられるように、家庭内では家族同士コミュニケーションがとりやすい状態に保っておくことが大切です。

まとめ

特に今年の夏休みは、学習上の積み残しがたくさん出てしまった、というご家庭は少なくありません。どうしても2学期以降のカリキュラムをこなすことで精いっぱいになってしまいがちですが、新しく出てくる内容についていくことだけでなく、その土台になっている積み残し部分もしっかりキャッチアップしていくことが必要です。

積み残しを分類し、今できているべき問題を着実に1問ずつつぶしていきましょう。ある程度時間がかかっても構いません。1週間の学習スケジュールの中に組み込んでしまうと習慣化されるので、6年生の受験学年になった時も常に「この部分は注意しよう」という注意喚起ができます。

間違いノートを作り、積み残し部分が目に見える形にして、着実につぶしていきましょう。そのためには、塾や個別指導などを上手く活用するのもひとつの方法です。ぜひお子さんに合った形で積み残しを解消していくよう、フォローしてあげてくださいね。

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