こん虫ってどんな虫?こん虫の特徴とその生態

虫の中でもここでは特にこん虫と呼ばれるものについてここでは説明する。

「こん虫」と聞いたらそんなもの知っていると思うかも知れないが、こん虫とこん虫じゃない虫の区別はと聞かれたら分からない人も多いかもしれない。

ここでは、こん虫とは何かから、その生態についてまでを見てきます。

(※虫の画像はありません)

こん虫の特徴

この虫はこん虫かどうかという問題はしばしば聞かれます。そんな時のために次のことを覚えておきましょう。

こん虫とは「体があたま・むね・はらに分かれていて、むねにはあしが3対6本ある生き物」である

一部例外もありますが、受験においてはこれさえ覚えていれば大丈夫です。はねの有無や枚数はこん虫かどうかと関係がないので注意してください。

こん虫の育ち方

こん虫はたまごから成虫になるまでの間に変態(形をかえること)脱皮を繰り返す。

こん虫の変態には2種類あります。それは、完全変態不完全変態です。

こん虫によってどちらかの変態をとります。

完全変態

完全変態とは成虫になる前に一度さなぎになる変態のことです。

なので変態の順番としては たまご→よう虫→さなぎ→成虫 となります。

それでは、完全変態をするこん虫を紹介します。

⑴チョウやガのなかま

例:モンシロチョウ、アゲハチョウ、シジミチョウ、カイコガ、スズメガ

特ちょう・・・羽にりん粉がある。

⑵カブトムシのなかま

例:カブトムシ、テントウムシ、クワガタ、カミキリムシ、カナブン、ゲンゴロウ

特ちょう・・・後ろ羽だけで飛ぶ。

たまご・・・メスが土や朽ち木の中に産みつける。

よう虫・・・くさりかけた落ち葉(腐葉土)を食べ成長する。

⑶ハチやアリのなかま

例:ミツバチ、スズメバチ、あしながバチ、クロオオアリなど。

特ちょう・・・巣をつくり集団生活をする。

ミツバチの役割分担・・・女王バチがたまごを産む。

はたらきバチ(メス)・・・よう虫の世話やエサ集め。

よう虫~さなぎ・・・巣の中の細かく区切られた部屋で育つ。

ミツバチは8の字ダンス(しりふりダンス)をする。これは花粉やみつを見つけたミツバ チが巣の中のハチに花粉やみつの場所を知らせるためにする。

⑷ハエ、カ、アブのなかま

例:アカイエカ、ヤブカ、イエバエ、ハナアブ

特ちょう・・・後ろ羽がなく、羽は2枚(1対)

ハエのよう虫・・・ウジ

アカイエカ

たまご・・・かたまりで水面に産みつける。

よう虫・・・ボウフラ、水中で生活する。

さなぎ・・・オニボウフラ、動き回る。

成虫・・・メスは動物の血を吸う。

不完全変態

不完全変態は完全変態と違い、さなぎになることなく、よう虫から直接成虫になります

なので、変態の順番は たまご→よう虫→成虫 となります。不完全変態をするこん虫を紹介します。

⑴セミのなかま

例:ニイニイゼミ、ヒグラシ、ツクツクボウシ、アブラゼミ

アブラゼミ

たまご・・・木の皮などに産みつける。次の年、ふ化して、地中にもぐる。

よう虫・・・5~6年間、木の根の汁を吸って育つ。地上に出て草木のうらで脱皮して成虫    になる。脱皮は夜に行われる。

成虫・・・5~10日の短い寿命。木の汁を吸って生きる。

⑵トンボのなかま

例:シオカラトンボ、ギンヤンマ、オニヤンマ、アキアカネ、イトトンボなど。

シオカラトンボ

たまご・・・水中に産みつける。

よう虫(ヤゴ)・・・水中の小さな虫を食べて育つ。水辺の草で脱皮して成虫になる。

成虫・・・小さな虫を食べる。オス・メスははらの色で区別する。オスは青黒く、メスは

黄色に黒いはん点がある。シオカラトンボのメスはムギワラトンボとも呼ばれ       る。

⑶バッタのなかま

例:トノサマバッタ、イナゴ、キリギリス、コオロギ、スズムシ

トノサマバッタ

たまご・・・土の中に産みつける。

よう虫・・・草の葉を食べて育つ。

成虫・・・後ろ足ではねる。羽で飛べる。

⑷そのほかの不完全変態のこん虫

カマキリ、アメンボ、ゴキブリ、アリ

こん虫の成虫のからだ

こん虫の成虫は頭・むね・はらからなる。それぞれの特ちょうについて見ていこう。

⑴頭

  1. 単眼(ふつう3個)・・・明るさを感じる目、チョウの成虫には単眼がない。
  2. 複眼(1対)・・・小さな目の集まりで色や形を見分ける。
  3. しょっ覚・・・2本(1対)、においを感じる。
  4. ・・・食べ方によっていろいろな形がある。
  • チョウ・・・ストローのような形をしていて、花のみつを吸う。
  • セミ・・・木などにさして、樹液を吸う。
  • トンボ・・・あごでこん虫をかみくだく。
  • ハエ・・・いろいろなものをなめてこすりとる。

⑵むね

むね・・・あしと羽が生えている部分。

  1. あし・・・6本(3対)、節がある。
  2. ・・・ふつう4枚(2対)

ハエ、アブ、カ・・・2枚(1対)

ノミやはたらきアリには羽がない。

⑶はら

はら・・・たくさんの節がある。

気門・・・それぞれの節にある空気が出入りする穴。こん虫は口ではなく、気門から息をする。そして体の中にある気管で呼吸する。

こん虫に似た動物

からだが頭・むね・はらに分かれていない虫はこん虫ではありません。

節足動物はあしに節がある動物のなかまで、頭とむね・はらの2つにしか分かれておらず、むねとはらの区別がつかないのでこん虫ではない。またあしの本数も6本(3対)ではない。

節足動物のなかまを紹介する。

⑴クモのなかま(クモ類)

からだ・・・頭胸部・腹部の2つの部分

あし・・・8本(4対)

呼吸・・・書肺で行う

目・・・単眼のみ

しょくし2本・・・しょっ覚のかわり

⑵ダンゴムシのなかま(こうかく類)

からだ・・・2つの部分からなる。

あし・・・14本(7対)

⑶ムカデのなかま(多足類)

からだ・・・頭胸部・腹部の2つの部分

あし・・・多数

目・・・単眼のみ

しょっ覚・・・2本

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