中学受験・理科 実験器具の使い方、正確に理解していますか?~ガスバーナー編

中学入試の理科の問題は、実験・観察問題がよく出題されます。長い問題文、グラフや図、資料を読み解き、計算問題なども含まれます。そこでどのくらい点数をとれるかが合否を分けるポイントになってきます。

実験・観察問題の中には、実験器具についての問題もよく出題されます。実験器具の部位の名前、使い方の手順といった、使ったことがあれば知っているはずの知識です。小学校の理科の授業で実験に使ったことのあるものから多く出題されますが、使ったことはあるはずなのに、正確に覚えていないため、点数がとれないという受験生はとても多いです。

知っているはずの知識で点数がとれず、差がついてしまうのは悔しいですよね。中には、基本的な実験器具と同じ原理をもつものを、見たことのない実験器具のように見せかけて出題するような問題もあります。一見見ると初めて見た実験器具のように思えても、実は使ったことのある実験器具と同じはたらきをするものなので、基本の知識がしっかりしていればそういう問題もしっかり点数がとれるのが実験器具の知識の問題です。

今回は、ガスバーナーを題材に、どのような問題が出題されるのか具体的に見ていきましょう。

どのような問題が出題されるのか

例題として、2013年度の開成中学校の理科の問題を使って、実験器具についての問題の出題傾向を解説していきます。

ガスバーナーの点火のしかた

問1は、ガスバーナーの点火のしかたを問う問題です。ねじ類は、元栓(コック)→ガス調節ねじ→空気調節ねじの順番で開いていくという知識はしっかり覚えていますか?ねじ類は、炎から遠い順に扱っていくことになっています。

この問題では、空気調節ねじとガス調節ねじの位置があらかじめ図に示されていますが、このねじの位置を混乱して覚えている受験生が多いので気をつけましょう。ガスバーナーは、空気調節ねじとガス調節ねじの間から空気が入るように作られています。この構造を知っていれば迷うことなく正解を選ぶことができます。

(答え)エ→ア→ウ→イ→オ

正しく調節された炎を選ぶ

問2は、正しく調節された炎はどのような色になるかを問う問題です。正しく調節して出る炎は、炎の中に青い三角の炎が見えます。オレンジ色だと、不完全燃焼の炎です。このような基礎知識も出題されていますが、これは知識があれば一瞬で正解できる問題です。青白い炎が立っていて、オレンジ色の不完全燃焼の炎がないのはウだけですから、これが正解です。

(答え)ウ

炎はどの部分が最も温度が高いか

問3は、炎はどの部分が最も温度が高いかを理解しているか確認する問題です。温度が最も高いのは、酸素と接している外側の部分ですね。その部分が焦げているものを選べばよいのです。

(答え)a イ b ア c ウ

試験管を使った実験の知識

問4は、試験管に水溶液を入れ、試験管ばさみを使ってガスバーナーで加熱する実験に関する知識を問う問題です。それぞれの選択肢を見ていきましょう。

aは、実験で見たことがあれば、すぐに答えられると思います。液体が多すぎると、反応が始まったりふっとうしたりするときに危険です。

bは、下の方をはさむと試験管ばさみが燃えてしまうという実験の様子を思い浮かべればすぐにわかります。

cは、垂直にすると、ふっとうして試験管の直径の泡が発生した場合、その泡が液体を持ち上げて噴き出してくるので危険です。斜めにすると、液面の直径を広くすることができます。そうすると、液体が押し出されないようにすることができます。これも、実験の注意点として知っていなければいけない知識です。

dは、厳密には、液体の上部に炎をあてるのがよいとされています。ふっとうして泡が発生した時に持ち上げられる液体の量を少なくすることができるからです。

(答え)a ウ b ア c ウ d ウ

ガスバーナーの炎を強くするときの注意点

問5は、三脚の上に水を入れたビーカーをのせ、ガスバーナーで加熱して、ふっとうのようすを観察する実験をしている際に、ガスバーナーの炎を安全に強くする方法を問う問題です。

安全で、理にかなった方法を消去法で選んでいくと正解できます。アとイは、ガスバーナーの位置は三脚の中のままなので危険ですね。オは、台をさしこむのはかえって不安定になり、危険です。また、炎の位置を高くすると、炎の温度の低い位置に熱するものが接することになってしまいます。ウは間違いとは言い切れない微妙な選択肢ですが、いったん火を消す必要はありませんから、消去法で消してよい選択肢です。ガスバーナーを三脚の外に出して、調節ネジで調節するのが一番良い方法です。

(答え)エ

ガスバーナーの炎を弱くする方法

問6は、問5とは反対に、ガスバーナーの炎を弱くする方法について問う問題です。空気の量とガスの量のバランスが大切である、というヒントが問題文中にあります。これは、空気の量が多すぎると消えてしまう、ということです。このような問題文のヒントをしっかり読みとることも大事です。

アは、空気調節ねじには触れずに、ガス調節ねじを少し閉める、とありますが、それでは、空気調節ねじとガス調節ねじが同時に回ってしまいます。

イは、ガス調節ねじを押さえて、空気調節ねじを少し閉める、とありますが、酸素不足のオレンジ色の炎になるでしょう。

ウは、空気調節ねじを押さえて、ガス調節ねじを少し閉める、とありますが、これだとガスに比べて空気が多すぎて消えてしまうかもしれません。

オは、空気調節ねじには触れずに、ガス調節ねじをきちんと締めてから空気調節ねじを少し閉め、その後、空気調節ねじには触れずに、ガス調節ねじを少し開く、とありますが、ガス調節ねじを締めたら、火が消えてしまいます。

(答え)エ

難関校では実験器具についての出題が多い

今回は開成中学の問題を題材にしましたが、これほどガスバーナーの使い方に特化した問題はそう多くないと思います。ですが、正しい知識があれば時間をかけずに正解していけますが、知識があやふやだと1問も解けない、ということになりかねず、芋づる式に失点するでしょう。

それだけ、実験器具についての問題は、正確な知識が何よりも必要なのです。実験器具を使った実験・観察問題では、こうした正確な知識があってはじめて時間内に正解を導くことができますし、計算問題が出てきても前提としての知識がなければ何を求めたらいいのかわからなくなってしまうので注意が必要です。

開成中学は最難関ですが、筑波大学附属駒場中学や駒場東邦中学などの最難関校でも、実験器具の正確な知識を問う問題はよく出題されます。難関校だからといって、複雑な難問ばかり出るわけではありません。こうした、正確な知識を問う問題を集めて出題することによって難易度がかえって上がっているといってもいいでしょう。

難関校は基礎的な知識問題など出題されない、と思ったら大間違いです。そのような学校を受検するならなおのこと、基礎的な知識はきっちり正確に理解し、覚えておかなければなりません。

まとめ

顕微鏡やガスバーナーなどは、実験・観察問題では頻出です。ほかにも、メスシリンダーや上皿天秤の使い方は狙われやすいでしょう。このような実験器具の使い方の基本をよく確認しておきましょう。このような実験器具を組み合わせたような目新しい実験器具を作って、原理を考えさせるような問題も出題されることがあります。雙葉中学などは、そのような問題を良く出題しています。

小学校で理科実験をするときには、積極的に参加し、使い方を実際に経験しましょう。理科はイメージを持つことと、実体験がとても大事な教科です。実験・観察問題で確実に得点するためにも、実験器具は一度は触って使い方を一通り経験し、手順をしっかり覚えておきましょう

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