今回は、大学受験やTOEICで英語の学習をしている方向けに、英単語の暗記という側面から考えていきたいと思います。
個別指導で塾講師をしていると、英語が苦手で、定期試験や大学受験に通用するように英語を強化したいとか、英検やTOEICなどの資格試験で良い成績を収めたいとか、とにかく英語が伸び悩んで来塾される生徒さんが多くいらっしゃいます。(最近では小学生の段階から留学やインターナショナルスクールを目指す方も多くなって来ています)
また、昨今のグローバル化に伴い、文系でも理系でも、高校生でも社会人の昇進試験でも、ネット検索や映画・音楽などのエンタメに至るまで、とにかく英語が重視されるこの世の中ですから、英語が苦手だといろいろな場面で損をすることがあり得ます。
ですが、英語が苦手とされる方に現状をヒアリングしてみると大抵、「英語は嫌いじゃないので結構時間をかけてやってはいるんです。」とか、「学校で毎日単語の小テストがあるので、単語は必ず毎日覚えているんです。」とか、あとTOEICで点を取れない方も「TOEIC対策用の単語集をもう3冊暗記して頑張っているんです。」とおっしゃるのです。(こういった自己申告は得てして本人が下す自己評価なので意外と当てにならなかったりするんですが…笑)
確かに、学校というところで英語を学習する場合、「まずは単語を覚えましょう。」とか、「毎回英単語は小テストをします。」というところがほとんどだと思います。だから、さあ英語を勉強しよう、と思ったときに、まず思い浮かぶのが単語を覚えることになってしまうのでしょう。
しかし、うすうすお気づきの方もいるかもしれませんが、単語だけいくら覚えても英語ができるようにはなりません。特に大学受験やTOEICとなると、出題が予想される単語をすべて覚えた状態で臨める人なんて誰もいません。どんなに英語が得意な人でも、知らない単語が一つや二つは必ず出てきます。(というか日本語でも結構な頻度で知らない単語に出会いますよね)
そして、そういった難しい単語は、ある程度意図的に出題されているので、大半の受験者も同様に知らない単語であることがほとんどです。だって、ある程度準備した人が知っている単語ばかり出題されていたら、振り落とせないですから。どんなに勉強しても、ネイティブでも、なじみのない単語を探して入れ込んでくる、というのが大学受験や資格試験です。日本語の小説や新聞を読んでいても、聞いたことのないことばがたまに出てくるように、それは仕方のないことなのです。
ですから、大学受験やTOEICで合格点やある一定以上の高得点を取るためには、必要最小限の単語はもちろん必要ですが、日々新しい単語を覚えることに時間を費やすよりも、文脈や主題から内容を読み取ることが出来るようにする必要があるのです。わからない単語は前後から推測する、というのが鉄則です。では、それができるようになるためにはどうすればよいか、というと、英文読解力を身に着けることが必要になります。そして、英文読解力を身に着けるためには、文法力を身に着けることが必要になります。そう、つまり、大学受験やTOEICで英単語暗記は必要ではない、というのが本日の答えになります。
只、このように書くと、のべつ幕無し全ての英単語暗記を放棄する方がいらっしゃると困るので、補足しておくと、上記でも書いたように、だれもが知っているような基本中の基本の単語については知っておく必要がありますし、難しい単語の意味も多く知っていて悪いことはありません、むしろ知っていれば知っているほど有利です。ただ、文法力を身に着けることをさておいて英単語ばかりをやるべきでない、というのが正確な答えです。
英単語は、文法力が身について、読解力もその次に身について、さらに英語力を磨くために何かやりたい、と思った時に補強としてやるものと思っておくとよいでしょう。知らない単語がいくつかあっても、文法力があれば入試問題やTOEICの問題で満点を取ることはさほど難しいことではありません。しかし、いくら難しい単語をたくさん知っていても、文法力がなければ入試問題やTOEICで満点はおろか、半分以上を得点することは難しいということができます。
英語が苦手だったり、TOEICで点が取れなくて悩んでいる皆さんはぜひ、
英語の勉強=まずは英単語の暗記から
という図式を捨て去ってみてください。
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