英文法を基本から!あやふやな冠詞をマスターしよう【詳しい例文付き】

 

はじめに

冠詞には「a/an」「the」があるが、これが日本人にはややこしいもので苦手意識を持っている人もいるのではないでしょうか。今回は、冠詞とはそもそも一体なんなのか、そしてどういう風に使えばいいのかを学んでいきます。

冠詞の基本用法

冠詞は名詞の前に置くことによって、その名詞がどのような性質を持つのか予告する働きを持ちます。

「a/an」は「ひとつの」という意味があり、働きとしては「今から名詞が新しくひとつ登場するよ」と予告しています。

「the」は「はっきりとほかのものと区別している」状態です。つまり、聞き手・読者が「ああ、あれのことだな」とはっきり納得できるものが来るということを予告しています。

  • 「a/an」
    ◯「数えられる名詞」の単数形と結びつきます。
    ✖️複数形や「数えられない名詞」とは一緒に使えません

  • 「the」
    ◯単数形、複数形、数えられない名詞のいずれとも結びつきます。

  • 「無冠詞」
    ◯「a」が使えないときは無冠詞になります。「数えられる名詞」でも「数えられない名詞」でも使えます。

冠詞の働き

  • 「a/an」=不定冠詞
  • 「the」=定冠詞
  • 名詞の前に冠詞がない=無冠詞

《不定冠詞と無冠詞① 数えられる名詞が単数形か複数形か》

  • There is a tomato in the bowl.(ボウルの中にトマトがひとつある)
  • There are tomatoes in the bowl.(ボウルの中にトマトがいくつかある)

「数えられる名詞」が①のように単数形の場合は「a」という不定冠詞を使います。それにより、「トマトがひとつある」というように具体的な1つのものを表します。一方②のように、複数形の場合は不定冠詞は使えないので、無冠詞になります。

《不定冠詞と定冠詞 何を指しているのか相手にわかるかどうか》

  • I saw a shooting star last night.(私は昨夜流星を見た)
  • The shooting star I saw last night was very bright.(昨夜私が見かけた流星は非常に明るかった)

まず①では「相手がそれまで意識していなかった・それまで聞いたことのない流星の話」をしています。したがって不定冠詞を用います。一方で②では、「どの流星を指しているのか」を聞き手は分かっています。ほかの流星とはっきり区別がついているため、定冠詞「the」を用います。

《定冠詞と無冠詞 「境界線」があるかどうか》

  • What is the nature of your research?(あなたの研究の本質はなんですか)
  • We cannot completely control nature.(事前を完全い生魚することができない)

上記の例文ではどちらも「nature」という単語を使っています。しかし意味が異なるため、冠詞をつける①と無冠詞の②になります。①では「あなたの研究の本質」という1つしかないものを指している。つまりはっきりと他のものと区別できるために「the」を用います。一方で②では、「自然」という意味になります。他のものとはっきり区別をつけられない時は、定冠詞は使えません。

 

不定冠詞・定冠詞・無冠詞の働き

《不定冠詞の用法》

  • There is a fly in my room.(私の部屋にハエがいる)
  • I want to buy a car.(私は車を買いたい)
  • Can you give me a hint?(ヒントをください)
  • This rope is 200 yen a meter.(このロープは1メートルにつき200円です)

それまで話に出なかったものを、初めて話に出す場合は①のように「a」が用いられます。②では具体的な「1台の車」というように「数えられる名詞」が単数形で特定のものを指しています。③では「ヒントならどれでもいい」というような「任意の・どれでもよいから1つ」という意味合いになります。④では「〜につき」という意味になります。単位を表す語の前で用いられます。

《定冠詞の用法》

  • You took a photo of me. Show the photo to me.(あなた私の写真撮ったでしょ。あの写真見せてよ)
  • Did you remember to lock the door?(忘れずにドアに鍵かけてきた?)
  • He is the only person I can trust.(彼は私が信頼できる唯一の人)
  • Everyone knows that the earth goes around the sun.(地球が太陽の周りを回っていることは誰でも知っている)

話の中にすでに出てきていて、指しているものが決まっているときに①のように「the」を用います。②では、話し手も聞き手もどれのことを言っているのかわかるものを指し示すときに「the」を用います。③では、「私が信頼できる人」と特定されているため「the」を用います。形容詞の最上級や、only、first、last、sameなどで限定されている名詞の前に用います。④では、もともと地球も太陽も1つしかないので「the」を用います。

  • In England, we buy butter by the pound.(イングランドではバターはポンド単位で買います)
  • Jim took his daughter by the hand and left the room.(ジムは彼の手を引いて、部屋から出て行った)

「〜単位で」と単位を表すときも①のように「by the 〜」を用います。ほかの単位と区別をはっきりつけるために「the」を用います。②のように身体の一部を表すときも「the」を用います。

《無冠詞になる場合》

  • It’s difficult to find water in the desert.(砂漠で水を見つけるのは難しい)
  • We don’t have to go to school on Sunday.(日曜日が学校に行かなくてよい)
  • They came to the wedding by car.(彼らは結婚式に車でやってきた)

境界がない場合は、冠詞もありません。①は「水」はどこで区切れるかはっきりしないので無冠詞となります。「information(情報)」もどこで切って1つとするかはっきりしないため、無冠詞です。②では、学校を1つの建物として捉えているのではなく、勉強などが行われる「場」として捉えています。そのため、あるものの「働き」や「役割」「性質」に焦点を当てると無冠詞になります。③では、「by」を使って手段を表しています。この場合も交通手段としてのばくぜんとした車というイメージだけなので、無冠詞になります。

ほかにも以下のような場合は無冠詞になります。

  • 呼びかけ・家族関係・食事やスポーツの名前

Professor / mother / We invited him for dinner. / play baseball など

  • 2つの名詞が対句になっている場合

From door to door / day and night など

  • 慣用句における無冠詞

At noon / by accident / in fact など

最後に

いかがでしたか?今回は冠詞について学びました。冠詞には「不定冠詞」「定冠詞」「無冠詞」の種類があり、文脈や単語の意味によって使い分けが必要になるので気をつけましょう。

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上智大学総合人間科学部社会学科の片倉優花です。 私は中高をドイツで過ごし、高校はインターナショナルスクールに通っていました。ドイツ語も英語も身につけないといけなくて語学習得に苦労したのですが、その経験を生かして、主に「英語」をみなさんに楽しく分かりやすく習得してもらえるような記事を書いていきます。現在は弓道サークルに所属していて、中高はバスケ部でした。他にも水泳やクラシックバレエなども過去に習っていて、体を動かすことが好きです。趣味は、読書、旅行、写真撮ること、食べることです。ドイツに住んでいた時に、ヨーロッパ中を旅行しました。お気に入りの場所は、イタリアのベネチア、フランスのモンサンミッシェル、トルコのイスタンブール、ドバイです。60ヶ国制覇を目指しています!英語だけでなく、モチベーションや勉強法なども書いていけたらなと思っています。 よろしくお願いします!