英文法を基本から!過去形でも現在形でもない、「完了形」を表現する方法

今回は完了形」について学びます。

完了形」は「過去形」でも「現在形」でもありません。「過去から今まで」という時間軸を意識する時に用いる文法です。

「完了形」には「現在完了形」と「過去完了形」の2種類あります。(未来完了形もありますが、ここでは割愛します)

使い方としては、「完了・結果」「経験」「継続」の3種類に分類されるので、1つ1つ丁寧にみていきましょう。 

現在完了形

まず「現在完了形」は、《have(has)+過去分詞》という形になります。

以下の例文を見ながら確認していきましょう。 

  1. have known him since we were children.子どもの頃から私は彼と知り合いだ)
  2. She has not been fine since last night.昨夜から彼女は元気じゃない)
  3. Have you been here since last night?昨夜からあなたはここにいるの?) 

「現在完了形」は、過去の出来事とつなげて、「今の状況」を説明することが重要になります。

ですので①では、「私たちが子どもの頃」という「過去」から、「今」までずっと知り合いである、ということを意味しているのです。②では、「昨夜」という「過去」から、「今」までずっと元気がない、という状況を表しています。この「have(has)」は助動詞の役割を担っているので、否定文(②)では「haven’t[have not]」に、疑問文(③)では「have(has)」を文頭に持って行きます。 

「過去形」との違い 

  1. My father gave up alcohol two months ago.私の父は2ヶ月にお酒をやめた) 
  2. My father has given up alcohol.私の父はお酒をやめている) 

上記の例文では①が「過去形」、②が「現在完了形」の文章です。

まず①の「過去形」では、「2ヶ月前」という過去の1点で起こった出来事の説明になっています。今とは切り離した過去のことを言っているので、「今は飲んでいるのかどうか」が分かりません。

②の「現在完了形」では、「過去」だけでなく「今どういう状況にあるのか」ということまで説明ができます。つまり、「前まではお酒を飲んでいたけれど、今はもうやめているです」ということを相手に伝えることができるのです。 

 「完了・結果」を表す現在完了形 

  1. I have already finished my homework.私はもう宿題をやり終えている)
  2. Hhas just spent all his money.彼はちょうどお金を全部使ってしまったところだ) 

 「完了・結果」はその言葉通り、「やっていたことを完了し、その結果、今どういう状況か」を示すことができます。

①の例文は、「宿題が終わって、その結果、今は暇だ」、②の例文は「昼食を食べ終え、その結果、今はお金がない」というような含みを持っています。

「完了・結果」で主に使う副詞の一覧が下の表⑴なので、しっかり覚えておきましょう。 

[表⑴ 「完了・結果」の副詞]

Already(すでに)

just(ちょうど)

now(たった今)

yet(否定文:まだ〜ない /疑問文:もう〜したか)

「経験」を表す現在完了形 

  1. have visited Paris three times.私は3回、パリを訪れたことがある) 
  2. Have you ever seen Mt.Fuji?(今までに富士山を見たことがある?) 

 続いてはある行為を今までに何回したかという「経験」を尋ねる用法です。

①では「パリを訪れた」という「経験」が3回あり、②では「富士山を見たことがあるか」という「経験」を尋ねています。

この用法では、表⑵のような、回数や頻度を表す副詞を使います。 

[表⑵ 「経験」の副詞 ]

Before(以前に)

often(しばしば)

once一度

many times(何回も)

never(一度も〜ない)

ever(今までに) 

「継続」を表す現在完了形 

  1. They have lived in this town since 1900.(彼らはこの街に1900年から住んでいる)
  2. have painted this pictures for 5 years.私はこの絵を5年も描いている) 

 ある状況が過去の1点から現在まで続いていることを表す用法が「継続」です。

①の例文では、「この街に住んでいる」という状態から、「1900年から現在まで」ずっと続いていることを意味しています。

ここで注意したいポイントは、「for」と「since」の使い分けです。 

  • 「for」:期間を表す。「1年」「2ヶ月」など。
  • 「since」:時の1点(起点)を表す。「昨日」「先月」「1989年」など。

現在完了形と副詞 

現在完了形は、今の状況を述べる表現なので、「last night(昨夜)」のように、過去を表す表現と共に使うことができません。 

[表⑶ 現在完了形と共に使えない表現]

Yesterday(昨日)

last night[week/month/year](昨夜/先週/先月/昨年)

then(そのとき)

just now(つい先ほど)

…ago(…)

when I was…(私がだった時)

When…?(いつ)

in 1998(1998年に)

現在完了進行形

  • have been doing this puzzle for an hour.私は1時間このパズルをやり続けている) 

「(今まで)ずっと〜し続けている」という動作の継続を表したいときは「現在完了進行形」を用います。《have[has] been + 〜ing》という形になります。 

過去完了形 

過去完了形」は《had+過去分詞》という形になり、「過去のある時点」と「その時以前」をつなげた状況を表します。

例文を見ながら確認しましょう。 

  • Hhad run away when the police arrived.
    警察が駆けつけた時には、すでに彼は逃げ去っていた) 

「過去のある時点=警察が駆けつけた時」で、それ以前にすでにもう「逃げ去っていた」ということを意味しています。分かりやすく理解するために、「過去のある時点」より前のことを「大過去」と言うようにします。

そうすると、「過去から現在」を説明するのが「現在完了形」で、「大過去から過去」を説明するのが「過去完了形」ということになります。 

「完了・結果」を表す過去完了形 

  • The game had already begun when we arrived at the stadium.
    私たちが競技場に着いた時にはすでに試合は始まっていた) 

この例文では、「競技場に着いた」という過去の1点に視点が置かれています。そしてその過去より以前の「大過去」で「試合は始まっていた」という状況です。つまり、「着いた以前に試合が始まっていた」という結果を表しているので、これは「完了・結果」の用法になります。 

「経験」を表す過去完了形 

  • I had never visited foreign country before I entered college.
    私は大学に入るまで、一度も外国に行ったことがなかった) 

この例文では「大学に入学した」という過去の1点に視点が置かれ、それ以前を振り返り、「外国に行ったことがない」という「経験」を表しています。過去より以前のことを表しているので「過去完了形」を用います。 

「継続」を表す過去完了形 

  • We had known each other for ten years when we got married.
    私たちが結婚した時、私たちが知り合って10年が経っていた) 

この例文では、「結婚した」という過去の1点に視点が置かれ、それ以前を振り返って「どのくらい知り合いだったか」という期間を説明しています。過去よりも以前のことなので、ここでも「継続」の「過去完了形」を用います。 

過去完了進行形 

  • I had been driving for two hours when I found the gas station.
    私がガソリンスタンドを見つけた時、私は2時間ずっと運転していた) 

過去完了進行形は、《had been+〜ing》の形で、「動作の継続」を表します。

この例文では、「ガソリンスタンドを見つけた」という過去の1点に視点が置かれ、それ以前を振り返り、「ガソリンスタンドが見つかるまでずっと運転していた」ということを説明しています。つまり「運転」という「動作の状態」を表しているのです。 

演習問題

coming soon…

最後に

今回は、過去と現在をつなげて考える「現在完了形」と、過去より以前(大過去)と過去をつなげて考える「過去完了形」を学習しました。

  • ①「完了・結果」
  • ②「経験」
  • ③「継続」

の3種類の用法があるというのも理解できましたか?

文法のルールとしては、助動詞である「have/has/had」を用いることと、必ず動詞を過去分詞にすることに気をつけて下さい。

動詞の過去分詞は、この「完了形」だけでなく「受動態」でも沢山用いるので、ぜひ暗記しましょう! 

続きは、こちらから。

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上智大学総合人間科学部社会学科の片倉優花です。 私は中高をドイツで過ごし、高校はインターナショナルスクールに通っていました。ドイツ語も英語も身につけないといけなくて語学習得に苦労したのですが、その経験を生かして、主に「英語」をみなさんに楽しく分かりやすく習得してもらえるような記事を書いていきます。現在は弓道サークルに所属していて、中高はバスケ部でした。他にも水泳やクラシックバレエなども過去に習っていて、体を動かすことが好きです。趣味は、読書、旅行、写真撮ること、食べることです。ドイツに住んでいた時に、ヨーロッパ中を旅行しました。お気に入りの場所は、イタリアのベネチア、フランスのモンサンミッシェル、トルコのイスタンブール、ドバイです。60ヶ国制覇を目指しています!英語だけでなく、モチベーションや勉強法なども書いていけたらなと思っています。 よろしくお願いします!