今回は、話法について学びます。
直接話法と間接話法の違いを理解した上で、間接話法の応用形としての「感嘆文」や「従属節を含む文」を見ていきましょう。
Contents
直接話法と間接話法の違い
まずは直接話法と間接話法の違いについてです。
直接話法とは、発言をそのまま引用します。一方で、間接話法は、伝える人が言い直します。以下、例文です。
- ①I said, “I am interested in gospel music.”
(私は「ゴスペルに興味を持っています」と言った) - ②I said (that) I was interested in gospel music.
(私は、自分がゴスペルに興味を持っていると言った)
直接話法を用いている①では、発言したことをそのまま引用しているので「“”」マークをつけています。そして「ゴスペルに興味を持っている」のは「現在のこと」だったので、動詞は現在形になっています。
一方の間接話法の②では、時制の一致によって動詞が過去形になっています。なぜなら現在から見た過去のこととして言い直しているからです。
続いての例文では、人称代名詞に注目してみましょう。
- ①He always says, “I don’t like my hometown.”
(彼はいつも「私は故郷の町が好きではない」という) - ②He always says (that) he doesn’t like his hometown.
(彼はいつも、自分の故郷の町が好きではないと言う)
直接話法の①では、「彼」の発言(=「私は故郷の町が好きではない」)をそのまま引用しているので、「I」「my」は彼が自分のことを言っていることになります。
一方の間接話法の②では、「彼」の発言を、伝える人の視点で言い直しているので、発言内容の文章は「he」「his」が使われます。
「say」「tell」の使い方の違い
続いての例文では、「say」「tell」の使い方の違いを見ていきます。
- ①He said to me, “I want you to join the game.”
(彼は私に「私は君に試合に参加してほしい」と言った) - ②He told me (that) he wanted me to join the game.
(彼は私に、試合に参加してほしいと言った)
「◯◯が〜と言った」のように誰かの発言を伝えるときは、動詞は「say」「tell」を用います。
「say」の場合は、①のように「say + to +人」とするか、これを省略してそのまま発言内容を続けることもできます。
- She said, “My computer has been broken.”
(彼女は「私のコンピューターが壊れちゃった」と言った) - She said (that) her computer has been broken.
(彼女はコンピューターが壊れてしまたtと言った)
「tell」の場合は②のように、「tell +人」と伝える相手を示す必要があります。つまり、「He told that…」のようにはなりません。
時や場所などの表現方法
続いて、時や場所などの表現方法について見ていきます。
直接話法と間接話法とでは、時や場所などの表現方法や指示語が異なります。
以下の表に、違いをまとめたのでチェックしましょう。
直接話法 |
間接話法 |
this |
that |
these |
those |
here |
there |
today |
that day |
yesterday |
the day before / the previous day |
tomorrow |
the next day / the following day |
now |
then |
last night |
the night before |
next week |
the next week |
…ago |
…before |
疑問文
続いて疑問文を見ていきます。
- ①He said to me, “Where do your parents lives?”
(彼は私に「あなたの両親はどこに住んでいるの?」と言った) - ②He asked me where my parents lived.
(彼は私に、私の両親がどこに住んでいるのか尋ねた)
間接話法にすると、②のように「ask+人+疑問詞+SV」という形になります。
もし疑問詞自体が主語として働く場合は、「ask+人+疑問詞+V」になります。
My boss asked who had called him up that morning.
(私の上司は誰がその朝彼に電話をしたのか尋ねた)
- ③He said to me, “Are you hungry?”
(彼は私に「君はお腹が空いてる?」と言った) - ④He asked me if [whether] I was hungry.
(彼は私におなかが空いているかどうか尋ねた)
上記の例文のyes/no疑問文を、間接話法を使って表現すると、「〜かどうか」という意味の「if[whether]」を用いて、「ask+人+if[whether]+SV」という形になります。
命令文
続いて、命令文を見てみましょう。
- ①My mother said to me, “Do your homework.”
(母は私に「宿題をしなさい」と言った) - ②My mother told me to do my homework.
(母は私に宿題をするように言った)
直接話法の①に対して、間接話法の②では「tell+人+to do」という形になります。
話す相手に行動を求めるので、to不定詞を使って「〜するように」という意味にします。
また、「〜するな」と禁止を表す命令文の場合は、「tell+人+not to do」になります。
- He told me not to give up my dream.
(彼は私に、夢をあきらめないように言った)
さらに、相手に何かを依頼するような命令文は「ask+人+to do」になります。
間接話法:She asked me to call back after lunch.(彼女は私に、昼食後に電話をかけ直すように頼んだ)
直接話法:She said to me, “Please call back after lunch.”(彼女は私に、「昼食後に電話をかけ直してください」と言った)
提案や勧誘
続いて、提案や勧誘を表す文を見ていきます。
- ①He said to me, “You should buy this dictionary.”
(彼は私に「この辞書を買うべきだよ」と言った) - ②He advised me to buy that dictionary.
(彼は私にその辞書を買うように助言した)
直接話法の①に対して、間接話法の②では、相手に何かを提案したり忠告したりする動詞の「advise」を用いて「advise+人+to do」の形になります。
また「Lets do…」「Shall we…?」のような勧誘を表す場合は、間接話法では「suggest(to+人)that S (should) do…」の形になります。
直接話法:She said to me, “Let’s go out for a walk.”(彼女は私に「散歩に出かけましょう」と言った)
間接話法:She suggested to me that we (should) go out for a walk.(彼女は私に、散歩に出かけることを提案した)
感嘆文
続いて感嘆文の場合を見ていきます。
- ①She said to me, “How noisy your motorcycle is!”
(彼女は私に「あなたのバイクったらなんてうるさいの!」と言った) - ②She complained about how noisy my motorcycle was.
(彼女は、私のバイクはなんてうるさいのかと文句を言った)
直接話法の①に対して、間接話法の②では「complain(文句を言う)」という動詞を使い、人称代名詞が「my」に変化して、be動詞が「was」に変化しています。
他にも「cry」「exclaim」などの感情を表現する動詞を用います。
従属節を含む文
続いて従属節を含む文を見ていきます。
- ①Bill said, “I don’t know when Kate will arrive here.”
(ビルは「ケイトがいつここに着くのかわからない」と言った) - ②Bill said (that) he didn’t know when Kate would arrive there.
(ビルは、ケイトがいつそこに着くのかわからないと言った)
伝える発言(この場合は「ケイトがいつここに着くのか分からない」)が、接続詞や関係詞を使った節を含む場合、従属節の動詞も適切な形に変化させます。
間接話法の②では、過去の話なので、従属節の時制も過去形にします。過去から見た未来を言っているため「will」が「would」に変化します。
等位接続詞で結ばれた文
続いて、「and / but」などの等位接続詞で結ばれた文の場合を見ていきます。
- ①The man said, “I arrived here yesterday, and I will stay for three days.”
(その男は「私は昨日ここに着いて、3日間滞在するつもりだ」と言った) - ②The man said (that) he had arrived there the day before, and that he would stay for three days.
(その男は、その前日にそこに着いて、3日間滞在するつもりと言った)
間接話法の②では、赤文字部分を見てわかるように、再びthat節を用います。
最初のthatは省略できますが、後ろのthatは省略をしないのが普通です。
最後に
いかがでしたか?
直接話法は、“セリフの話し手”の言ったことを手を加えずに引用した表現方法。
間接話法は、“伝え手”の立場からセリフの部分も含めた文全体を言い直す表現方法です。
ですので、間接話法は時制や、時、場所、指示語を変化させる必要があるので気をつけましょう。
【参考文献】
石黒昭博, 2016, 「総合英語Forest」桐原書店
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参考
上智大学総合人間科学部社会学科の片倉優花です。
私は中高をドイツで過ごし、高校はインターナショナルスクールに通っていました。ドイツ語も英語も身につけないといけなくて語学習得に苦労したのですが、その経験を生かして、主に「英語」をみなさんに楽しく分かりやすく習得してもらえるような記事を書いていきます。現在は弓道サークルに所属していて、中高はバスケ部でした。他にも水泳やクラシックバレエなども過去に習っていて、体を動かすことが好きです。趣味は、読書、旅行、写真撮ること、食べることです。ドイツに住んでいた時に、ヨーロッパ中を旅行しました。お気に入りの場所は、イタリアのベネチア、フランスのモンサンミッシェル、トルコのイスタンブール、ドバイです。60ヶ国制覇を目指しています!英語だけでなく、モチベーションや勉強法なども書いていけたらなと思っています。
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