英文法を基本から!使役・知覚動詞やtoo〜to…構文など不定詞を使ったさまざまな表現をわかりやすく解説します!

今回は不定詞の応用編となります。

まずは原形不定詞を使う「使役動詞・知覚動詞」を見ていきます。

不定詞の完了形、進行形、受動態を始め、「seem to/appear to不定詞」や「自動詞+to不定詞」、「too…to不定詞」、「enough to不定詞」などさまざまな表現を身につけていきましょう。

原形不定詞と使役・知覚動詞

使役動詞

  • ①My mother made me wait outside the store.(私の母は私を店の外で待たせた)
  • Let me explain my plan.(私の計画を説明させてください)
  • ③He had the doctor look at his leg.(彼は医者に足を診てもらった)

上記の例文では、赤文字部分が共通して、「使役動詞+O+動詞の原形」という形になっています。①は「(強制的に)〜させる」という意味がある使役動詞の「make」を使って、「made me wait」という形になり、意味は「私を待たせた」になります。②では「Oが〜することを許す」という意味の使役動詞「let」を使い、「let me explain」という形になり、「私に説明させる」という訳し方ができます。③の使役動詞「have」は「Oに〜してもらう」という意味で、「had the doctor look」で「医者に診てもらう」という意味になります。

知覚動詞

  • ④I felt the house shake.(私は家が揺れるのを感じた)
  • ⑤I heard someone shout in the distance.(私は遠くで誰かが叫んでいるのを聞いた)

続いては知覚動詞を紹介します。例えば「see(見る)」「hear(聞く)」「feel(感じる)」など知覚を表す動詞を、知覚動詞といい「知覚動詞+O+動詞の原形」という形で、「Oが〜するのを見る・聞く・感じる」という意味になります。④では「feel」という知覚動詞を使い、「felt the house shake」で「家が揺れるのを感じた」と訳します。⑤では「hear」という知覚動詞を使い、「heard someone shout」で「誰かが叫んでいるのを聞いた」という訳すことができます。

seem to/appear to不定詞

  • ①My cat seems to understand English.(私の猫は英語を理解しているようだ)
  • ②The children appeared to be happy.(子供達は嬉しそうだった)

主語+seem to不定詞」もしくは「主語+appear to 不定詞」で、「〜のようだ、〜らしい」という意味になります。①は「猫は英語を理解しているようだ」と現在のことを指しているのに対して、②は「子供達は嬉しそうだった」と過去のある時点で思ったことを述べています。この「seem to/appear to」は「It seems that/ appears that」に書き換えが可能です。

例えば①はIt seems that my cat understands English.になり、②はIt appears that the children were happy.となります。

不定詞の完了・進行・受動表現

  • ①This family seem to have built this big house.(この家族が、この大きな家を建てたらしい)
  • ②She appeared to have been hurt in the accident.(彼女は事故で怪我をしてしまったようだ)

現在よりも過去の出来事を表したいときは「to have+過去分詞」と用います。①は、「家を建てたらしい」というのは現在の話なので「seem to」と現在形の形になりますが、実際に家が建ったのはそれより以前の過去の出来事なので、「to have+built」になります。②は、「怪我をしてしまったようだった」と過去の話なので「appeared to」と過去形になっていますが、実際に事故で怪我をしたのはそれより以前の過去、つまり「大過去」なので、「to have+been」の形を用います。

  • ③The ship seems to be sinking.(船が沈んでいるみたいだぞ)
  • ④I want to be left alone.(私を一人にしてほしい)

進行形の不定詞は「to be+〜ing」の形を用います。③は「船が沈んでいる」という今現在進行中の出来事なので「to be sinking」となります。一方で、受動態の不定詞は「to be+過去分詞」という形になります。④は「want to be+過去分詞」で「〜されたい」という意味になるので、過去分詞の「left」を用いています。

自動詞+to不定詞の表現

  • ①I happened to see Jim in a bookstore.(私は本屋でジムに偶然会った)
  • ②The theory proved to be correct.(その理論は正しいことがわかった)
  • ③They will soon get to know each other.(彼らがすぐ知り合いになるでしょう)

「happen to不定詞」の形で「偶然〜する(たまたま〜する)」という意味になります(①)。「prove +to be…」「turn out +to be…」は「…だと分かる」という意味になりますが、このto beは省略されることが多く、②は「The theory proved correct」でも正解になります。「come to不定詞」「get to不定詞」の形で「〜するようになる」という意味になります(③)。

不定詞の助動詞的用法

  • ①The next meeting is to take place in New York.(次の会議はニューヨークで開かれることになっている)
  • ②She is to show the result of final report.(彼女は最終レポートの結果を見せなければなりません)
  • ③Not a sound was to be heard.(物音一つも聞こえなかった)

「be to不定詞」には主に3通りの訳し方があります。まず①では「〜することになっている、〜する予定だ」という意味で使われています。この場合、個人的な予定は表さず、公に決まっている予定を表します。②では義務や命令を表していて、「〜すべきだ、〜しなければならない」という意味になります。最後に「〜できる」という可能を表す意味があります。しかし注意したい点が、この「〜できる」という意味の場合、否定の意味の分の時しか使えません。また「to be +過去分詞」という形になっている場合のみです。

不定詞の重要表現

  • ①Poetry is hard to translate.(詩は翻訳するのが難しい)
  • ②Our teacher is easy to talk with.(先生はとても話しやすい)

上記の2つの例文は「S is +形容詞+to不定詞」の形を用いています。この形の文章はS(主語)に対する評価を表す文章です。①の場合が「poetry(詩)」に対して「翻訳するのが難しい」と述べていて、②の場合は「our teacher(先生)」に対して「話しやすい」と述べています。こういった文章で使われる形容詞は、難しい、簡単だ、などの難易を表す場合のみです。

  • ③This box is too heavy for her to carry.(この箱は彼女が運ぶには重すぎる)
  • ④She was kind enough to tell me the way to the station.(彼女は親切にも私に駅までの道のりを教えてくれた)
  • ⑤He was so smart as to solve such a difficult problem.(彼はそのような難しい問題が解けるほど賢かった)
  • ⑥I left early so as to avoid heavy traffic.(渋滞を避けるために、私は早く出発した)
  • ⑦I studied very hard in order not to fail the exam.(試験に失敗しないように、私はとても熱心に勉強した)

続いては不定詞を用いた様々な表現を紹介しますので、頑張って覚えましょう。まず③では「too+形容詞/副詞+to不定詞」という形が用いられています。「〜するには…すぎる」という意味です。tooは「あまりにも」という限度を超える時に用いられる単語ですので、「too heavy to carry」で「あまりにも重すぎて運べなかった」という意味を表しています。③では「for her」が意味上の主語です。この「too…to不定詞」は「so… that〜」を使って書き換えることも可能です。③でしたら、「This box is so heavy that she cannot carry the box.」と書き換えることができます。次に④の「形容詞/副詞+enough to不定詞」で「〜するのにちょうど必要なだけ…/〜するのに十分…」という意味になります。つまり「kind enough to carry」で「運んでくれるほど十分に優しい」と表すことができます。⑤では「so+形容詞/副詞+as to不定詞」で「〜するほど…」という意味になります。続いて、⑥のように「〜するために」という「目的」を表現したい場合は、「so as to不定詞」「in order to不定詞」を用います。「〜しないように」と否定したい場合は、to不定詞の前に否定語「not」を置き、「in order not to不定詞」という形になります(⑦)。

疑問詞+to不定詞

  • ①I don’t know how to use this computer.(私はこのコンピュータの使い方がわかりません。)
  • ②Could you tell me where to buy the tickets?(どこでチケットを買うか教えていただけますか。)

「疑問詞+to不定詞」は動詞の目的語として使われることが多く、例えば①では「私はわからない」→「なにを?」という目的語のところに「how to use this computer(どうやってこのコンピューターを使うのか)」という目的語が入ります。②も「where to buy the tickets(どこでチケットを買うのか)」という意味が、tell meの目的語になっています。

独立不定詞

  • To tell the truth, that jacket doesn’t suit you.(本当のことを言えば、あのジャケットは君に似合っていない)

最後に、慣用的に使われる独立不定詞というものを何個か覚えましょう。以下、独立不定詞の例です。

  • to be honest(正直に言って)
  • so to speak(いわば)
  • needless to say(言うまでもないことだが)
  • to be frank (with you)(率直に言うと)
  • to be brief(手短に言えば)
  • to begin with(まず第一に)
  • to say nothing of(…はいうまでもなく)
  • to be sure(確かに)

最後に

いかがでしたか?今回は不定詞の応用編として、不定詞を用いた様々な表現を紹介しました。

不定詞の進行形や受動態はもちろん、不定詞を用いて「予定」「義務・命令」「可能」などを表現したり、疑問詞と組み合わせたりなど、幅広い表現がありましたね。

特に最後の独立不定詞は、長文で何度も出てくる重要表現なので、ぜひしっかりと覚えましょう!

続きは、こちらから。

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上智大学総合人間科学部社会学科の片倉優花です。 私は中高をドイツで過ごし、高校はインターナショナルスクールに通っていました。ドイツ語も英語も身につけないといけなくて語学習得に苦労したのですが、その経験を生かして、主に「英語」をみなさんに楽しく分かりやすく習得してもらえるような記事を書いていきます。現在は弓道サークルに所属していて、中高はバスケ部でした。他にも水泳やクラシックバレエなども過去に習っていて、体を動かすことが好きです。趣味は、読書、旅行、写真撮ること、食べることです。ドイツに住んでいた時に、ヨーロッパ中を旅行しました。お気に入りの場所は、イタリアのベネチア、フランスのモンサンミッシェル、トルコのイスタンブール、ドバイです。60ヶ国制覇を目指しています!英語だけでなく、モチベーションや勉強法なども書いていけたらなと思っています。 よろしくお願いします!