有名な倍数判定法
見分け方 |
例 | |
2の倍数 | 下1桁が2の倍数 | 4,98,754, |
3の倍数 | それぞれの位(くらい)の和が3の倍数 | 42,57,123,1572 |
4の倍数 | 下2桁が4の倍数 | 116,3984,62152 |
5の倍数 | 下1桁が0または5 | 25,180,2685 |
6の倍数 | 下1桁が2の倍数かつそれぞれの位の和が3の倍数 | 42,180,1572 |
8の倍数 | 下3桁が8の倍数 | 3984,62152 |
9の倍数 | それぞれの位(くらい)の和が9の倍数 |
279,9837,86157 |
11の倍数 | 奇数の位(くらい)の和と偶数の位の和の差が0か11の倍数 | 121,574,1089 |
[表1 見分け方早見表]
さてこれらの見分け方についてですが、直感的にわかりやすいもの(2の倍数や5の倍数)とそうでないものがあると思いますので、解説していきます。なぜそうなるのかの理由は、知らなくてもそんなに困らないので読み飛ばしてもらっても構いません。
4・8の倍数判定法
まず4の倍数についてですが、「100は4で割り切ることができる」が理由になります。例えば3984の場合、3900の部分は4で割り切れるので、84が4で割り切れるかどうかだけ考えればいいのです。
\(3984=3900+84=100\times39+84\) \(=4\times25\times39+4\times21\) \(=4\times(25\times39+21)\)
同様にして、8の倍数については「1000は8で割り切ることができる」が理由になります。
3・9の倍数判定法
次に3の倍数と9の倍数についてです。これは数式を用いて証明します。例えば3桁の数字について考えると、図1のようになります。\(3(33a+3b)\)の部分は3で割り切れるので、\((a+b+c)\)が3で割り切れるならば、元の数字\((100a+10b+c)\)も3で割り切れることになります。また同様に、\(3(33a+3b)\)は9でも割り切れるので、\((a+b+c)\)が9で割り切れるならば、元の数字\((100a+10b+c)\)も9で割り切れることになります。3桁より大きい桁数でも成り立つことは同様に示すことができますので、興味があったらやってみてください。
[図1 3の倍数/9の倍数の見分け方]
11の倍数判定法
最後に11の倍数の判定方法についても紹介しておきます。(この判定方法は、言葉の説明がややこしい、且つ、そこまで頻繁に使うものではない気がするので、参考程度の扱いで大丈夫です)
証明の際には、10, 1000, 1000, 10000, ・・・の近くで11の倍数を探すことがポイントとなります。
今、任意の4桁の数Nがあるとします。(桁数が増えても証明の手順は変わりません)このNの各桁の値を大き方からa, b, c, dとすると、Nは、
\(N= 1000a+100b+10c+d\) \(=(1001a-a)+(99b+b)+(11c-c)+d\)
と表すことができます。
この時、1001a, 99b, 11cは共に11の倍数なので、式を整理すると、
\(N=1001a+99b+11c-a+b-c+d\) \(=11\times(91a+9b+c)+\{(b+d)-(a+c)\}\)
となり、\((b+d)-(a+c)\)の部分が0か11の倍数であれば、Nも11の倍数であることがわかります。
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参考
- 体系数学 | 中高一貫校教材 | 数学 | 中学校 | チャート式の数研出版
- Jack21 発展編 数学 | 教材紹介 | 育伸社
- Sirius21 発展編 数学 | 教材紹介 | 育伸社
- 新中学問題集シリーズ | 特集 | 教育開発出版株式会社
こんにちは。東京大学教育学部の宮原大祐です。
突然ですがみなさんは勉強は好きですか?僕はずっと勉強自体の楽しさはわからなくて、ただやみくもに暗記して順位を上げることだけ考えてました。それはそれでゲームみたいで楽しかったんですけどね(笑)。勉強自体の楽しさに気づけたのは大学受験に失敗した浪人以降ですが、世界が変わりました。だから、大学1年生の時からやっている個別指導の塾では、もちろん点数を上げたり、順位を上げたりっていうこともサポートしてきたんですけど、「考えることの楽しさ」、「勉強自体の楽しさ」もわかってもらえるように授業してきました。
さて、今回はWeb記事を通じてみなさんに勉強のことを伝えられる仕事をいただけました。みなさんにそれが少しでも伝わったらいいなと思っています。