そもそも「因数分解」って何をするの?
そもそも因数分解って、何をすればゴールになるのでしょうか。それは、「足し算や引き算で表されている数式を、掛け算で繋がっている状態にする」ことになります。例えば、下の数式(図1)を見てください。この数式は足し算や引き算で、3つの項に分かれている状態になります。
[図1 数式の例]
これを下の数式(図2)のようにかけ算でつながった状態に分けることが因数分解のゴールになります。
[図2 因数分解された数式の例]
因数分解の解き方
因数分解の問題において最もポピュラーなのは、公式に当てはめて解く方法です。中学時点で学習する因数分解の公式は4つあり、図3に示してあります。これら4つの公式に当てはめていけば問題を解くことができます。
[図3 有名な乗法公式]
例えば、「1.そもそも「因数分解」って何をするの?」の図1,2に示している例は(1)の公式に当てはめて解くことができます。これは、「足して6、かけて8」になる組み合わせを頭の中で探していく作業になります。他にも、公式(1),(2),(3),(4)について例を示したのが図4になります。
[図4 乗法公式を用いた数式の因数分解例]
まずはこれらの公式がどのような数式に当てはめられるのかを見極め、きちんと解けるようになるまで練習を重ねてください。
公式を使いこなせるようになると、「公式に当てはめられない因数分解」の問題も落ち着いて対処できるようになります。まずは「公式を身につける」ということを徹底してください。
演習問題
基本問題
<問題>
- \(x^2+12x+35\)
- \(x^2-10x+21\)
- \(x^2+8x+16\)
- \(x^2-20x+100\)
- \(x^2-64\)
<解答>
- \(x^2+12x+35=(x+5)(x+7)\)
- \(x^2-10x+21=(x-3)(x-7)\)
- \(x^2+8x+16=(x+4)^2\)
- \(x^2-20x+100=(x-10)^2\)
- \(x^2-64=(x+8)(x-8)\)
標準問題
<問題>
- \(p^2-11p-60\)
- \(49x^2-112xy+64y^2\)
- \(a^2-49b^2\)
- \(6x^2+12x-18\)
- \(3tx^2-15tx+18t\)
<解答>
- \(p^2-11p-60=(p+4)(p-15)\) *うっかり\(x\)を使わないように注意
- \(49x^2-112xy+64y^2=(7x-8y)^2\)
- \(a^2-49b^2=(a+7b)(a-7b)\)
- \(6x^2+12x-18=6(x^2+2x-3)=6(x+3)(x-1)\) *係数の書き忘れに注意
- \(3tx^2-15tx+18t=3t(x^2-5x+6)=3t(x-2)(x-3)\) *係数の書き忘れに注意
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参考
- 体系数学 | 中高一貫校教材 | 数学 | 中学校 | チャート式の数研出版
- Jack21 発展編 数学 | 教材紹介 | 育伸社
- Sirius21 発展編 数学 | 教材紹介 | 育伸社
- 新中学問題集シリーズ | 特集 | 教育開発出版株式会社
こんにちは。東京大学教育学部の宮原大祐です。
突然ですがみなさんは勉強は好きですか?僕はずっと勉強自体の楽しさはわからなくて、ただやみくもに暗記して順位を上げることだけ考えてました。それはそれでゲームみたいで楽しかったんですけどね(笑)。勉強自体の楽しさに気づけたのは大学受験に失敗した浪人以降ですが、世界が変わりました。だから、大学1年生の時からやっている個別指導の塾では、もちろん点数を上げたり、順位を上げたりっていうこともサポートしてきたんですけど、「考えることの楽しさ」、「勉強自体の楽しさ」もわかってもらえるように授業してきました。
さて、今回はWeb記事を通じてみなさんに勉強のことを伝えられる仕事をいただけました。みなさんにそれが少しでも伝わったらいいなと思っています。